『みつけたものとさわったもの』

童話館 1997

作:ウィルとニコラス

訳:晴海耕平


みつけたものとさわったもの
ウィル
童話館出版
1997-11-01


【パパのお薦め度】 ★★★★

【なおくんの熱中度】★★★

【なおくんの初めて】4歳

【対象年齢】    4歳~7歳

 

なおくんが、自分で本を選ぶことに目覚めたので、パパ名義のカードで借りてきた一冊。「パパが借りた本は、なおくんは読まないよ。」なんて言いながら、結局、パパが勝手に読み始めると、近くに寄ってきて聞いているんですけどね。Z会幼児コースの親向け冊子で紹介されていて、いいなと思って借りました。

 

この絵本は、自我を主張するようになり、友達とけんかをするようになってきた年頃の子にお薦めのお話です。

 

2匹の犬、ナップとウィンクルは、1本の骨を掘り当てます。ナップが最初に見つけ、ウィンクルが最初に触りました。2匹は互いに自分の骨だと主張します。そこで、通りがかる農夫やヤギや床屋の見習いに、次々と、どちらの骨か尋ねます。しかし、尋ねられた相手は皆、自分の要求と引き替えに答えると言います。2匹は要求を満たしてやりますが、相手は答えないままに立ち去ってしまいます。最後に大きな犬に尋ねます。犬の要求は、骨を見せてくれとのこと。そして2匹が骨を見せると、骨を咥えて出て行こうとします。そこで2匹は協力して・・・。

最後のページでは

 
そして、いっしょに ほねを かじりはじめました。
二ひきは、もう なにもいいませんでした。


 

正しいことが一つではない事、友達とのトラブルは、他人任せでは解決せず、当事者の自分達で解決しなくてはならない事、どちらかの主張を取り入れる解決だけでなく、折り合いを付ける解決策もある事。いろいろな事を教えてくれるお話と思いますし、それでいて、妙に教訓じみた感じはしないようにうまくできたお話と思います。

 

また、床屋の見習いの場面では、2匹があられもない姿に刈り上げられてしまい、ちょっと笑える部分もあります。

 

絵は、古典的な絵本の雰囲気で(元の海外版は1951年初版のようです)、おそらく版画で描かれたものと思います。

 

最近、友達とけんかしてくることも出てきたなおくんにピッタリの絵本でした。また、なおくんがもう少し大きくなって、この絵本をもう少し深く深く理解できるようになった頃に、もう一度読んであげたい一冊です。