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オレ達は出雲大社の参拝を済ませ、54号で島根の三瓶温泉と千原温泉を
巡り、広島県に入り三次インターから中国自動車道、尾道自動車道を通り
尾道にやって来た。
昨夜は公共の宿尾道ふれあいの里で休ませて貰った。ここは日帰り温泉や
宿泊施設、各スポーツのグランドがあり広い駐車場もある。オレ以外にも
ZILが1台泊まっていた。駐車場にはトイレも有って静で快適だった。
尾道の街や鞆の浦も魅力的だが、以前バイクで来た時に道が狭い印象が
あるので、観光はパスしてしまなみ海道で四国に渡る事にした。
ご存知の事と思うが、しまなみ海道は広島の尾道から愛媛の今治までの
約60キロを島伝いに掛けられた7つの橋を渡る道だ。
良い天気なので、橋から見える穏やかな瀬戸内の海がキラキラと輝いている。
ああた、お腹が空いたわと言うセツ子のリクエストで朝食は因島の大浜PAで
尾道ラーメンを食った。
セツ子、尾道ラーメンはな、鶏ガラからとった出汁に、瀬戸内の小魚から
とった出汁を合せ、醤油を加えコクを出す為に背脂を浮かせるのが
スタンダードなんだ。このPAのラーメンはつたふじか東珍康辺り雰囲気だな。
オレは知ったかぶりの薄っぺらな蘊蓄を披露するが、ズルズルとラーメンを
啜るのに夢中のセツ子は聞いちゃいない。
橋を渡り
橋を渡り
橋を渡って
やって来たのは今治だ。今治と言えば名物の焼豚玉子飯を食わない訳には
いかない。第一候補は重松だったが、生憎の休業日なので発祥の店とされる
白楽天にやって来た。
焼豚玉子飯は元々賄いだったそうで、白飯に焼豚と目玉焼きを乗せ、焼き豚用の
甘辛いタレを掛けた実にシンプルなご当地グルメだ。
チキショー考えただけで美味そうだ。オレはノンアルコールビールを飲みながら
到着を待つ。
おお、コレか！コレが焼豚玉子飯か！！
半熟のギョクが2個も乗ってるじゃにゃ～か！
玉子をペロッと捲ると、薄めの焼豚がコンニチハだ！
オレは作法通り丼に箸を突き立てるとグチョグチョに混ぜて一気に
かき込んだ。
ん？これは....美味いよ。美味いけど白飯に焼豚と玉子を乗せた、まんま
その通りの味だ。寸分違わず想像を裏切らない。
これって家で作れるよね？
オレはコレを食う為に態々今治に寄った事を少し後悔したが、別に
今治焼豚玉子飯世界普及委員会が悪いのでは無く、過度な期待をしたオレに
問題があったのだ。
失意のまま松山自動車道に乗り高知を目指す。今夜セツ子は母親の所に
泊まるので、途中石鎚山PAで風呂に入っておく事にした。ここは道の駅
小松オアシスと隣接しており、モンベルのショップや温泉がある。
風呂では全身に模様が入った兄さんが襟足の毛が長い坊っちゃんを
遊ばせていた。
川之江JCTで高知自動車道に入り、親の家の前でセツ子を降ろし、オレと犬達が
いつもの天神橋パーキングに入ったのは16時過ぎだった。
GWだけにバスコン、キャブコン、バンコンと駐車場は車中泊するキャンピング
カーでさながら展示場状態だ。トイの車も5台居た。
フレルとジープの散歩を済ませ、少し早いがご飯も食べさせて、オレは
お楽しみの一杯の為に帯屋町に繰り出した。
高知と言えば定番はひろめ市場のカツオのたたきと安兵衛の餃子だが今日は
GWとあって場内は観光客でごった返し席も確保出来ない。
仕方なく場外の店で安兵衛風の餃子をつまみビールを2杯飲んで退散した。
しかしこのまま引き下がっては酔っ払いとしての面子が立たない。つーわけで
以前から気になっていた店に寄る事にした。アルコーバを停めた天神橋パーキ
ングの対岸の袂に有るいい感じの店、みどり川さんだ。
引き戸を開け、予約していない旅の僧だが一献所望したい。
そう言うとカウンターに案内してくれた。店内は身なりのいい地元風の人達で
賑わっている。
何を置いても先ずは塩タタキだ。大将が目の前で藁焼きしてくれる。
大葉、ニンニク、刻みネギ、ミョウガと好みの薬味で楽しむ。
流れ子（とこぶし）の旨煮、こいつはキモがめちゃくちゃ美味い。
アスパラとアオリイカのバター炒め、アスパラの食感と甘いアオリの身が堪らない。
良い感じになって来たのでビールから地元の焼酎ダバダ火振をお湯割りで
締めはおにぎりとあら汁を貰った。
おにぎりの具はじゃこ味噌
あら汁はカマと豆腐、表面には細かい脂が浮いている。少し大葉の香る
汁は下品なオレにも分かる上品でいい味だった。
ひろめ市場が混んでたお蔭で良い店にめぐりあえた。
みどり川良い店なので天神橋パーキングで泊まった際は是非行ってみてちょんまげ
オレはいい気持でアルコーバに戻り、留守番をさせていたジープとフレルを
散歩させてのだが、そこで悲劇が起こった。
犬は1頭ずつしか散歩させられない。車にフレルを残してジープを歩かせていると
ガチャンと音がして車がロックされてしまったのだ！
キーはスペアと2本とも車の中だ！一瞬何が起こったか分からなかった。
ロックした本当の理由は分からないが、誤作動かダイネットのテーブルに置いて
あるキーを中に居たフレルが偶然踏んだのか？
何れにせよ、オレと言う迷える子羊は財布も携帯も持たず車から締め出されてし
まった事は事実だ。
どうする？どうする？どうする？どうする？どうする？どうする？
結局駐車場の管理室に助けを求めJAFを呼んで貰ったが、最初に来た隊員は
ピッキングがお得意じゃないみたいで、1時間ほど格闘したが開けられず
JAFがJAFをよ呼ぶと言うカオスな状況となった。
結局開錠出来たのは2時間経った0時過ぎだった。良い感じだったオレの酔いが
すっかり醒めていたのは言うまでも無い。チャンチャン♪
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