関西

奈良ホテル子連れ・赤ちゃん連れ宿泊記〜「関西の迎賓館」でどっぷり奈良漬けの旅

鹿と大仏だけじゃもったいない!?奈良旅行で憧れのクラシックホテルに泊まる!

奈良県への旅行が「いまなら。キャンペーン」ですごーくお得だったので、わが家の家族4人(私、夫、長男3歳、次男0歳)で奈良へ行ってきました。

宿泊先は、創業100年超の老舗「奈良ホテル」

奈良公園の高台に位置するホテルで、木造瓦葺き2階建ての本館(なんと築111年!)と、鉄筋コンクリート4階建ての新館があります。

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奈良ホテル本館。ヒノキ造りの豪華な建物。

奈良ホテルは、古都・奈良の魅力をどっぷり楽しめる素敵なホテルで、

・敷地内を鹿が歩き回っている

・奈良名物の茶がゆの朝食が食べられる

・観光名所(興福寺、東大寺、春日大社など)に近い

等々、ホテルとその周辺だけでも奈良ならではの体験が出来ます。小さな子供連れのわが家でも、大満足の旅行が楽しめました。

この記事では、私が実際に3歳児と0歳児を連れて宿泊して気づいたこと、子連れ向けのサービスや、客室・食事の感想などを紹介します。

●この記事は2022年夏時点の情報です。

奈良ホテルの魅力その1:歴史的な建物

奈良ホテル本館を設計したのは辰野金吾。東京駅丸の内駅舎や日本銀行本店を手掛けた建築家です。

(東京駅丸の内駅舎に泊まれる「東京ステーションホテル」の子連れ宿泊記を読む)

鹿鳴館の約2倍の建設費用をかけて建てられた、スーパーゴージャスな建物です。

外観は瓦葺きの和風ですが、内部は和のエッセンスを取り入れた洋風建築。

ロビーの吹き抜けと大階段、まるで寺社の回廊のようなメインダイニングルームのテラス席など、思わず目を奪われてしまう、絵になる場所がたくさんあります。

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迫力の大階段。ここで花嫁さんの写真撮影が行われていました。いいなー。

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メインダイニングルームのテラス席。カーペットが天平文様風で素敵。

過去に奈良ホテルを訪れた世界の著名人は、エドワード英国皇太子(のちのエドワード8世)、アルベルト・アインシュタイン、ヘレンケラー、オードリー・ヘプバーンなどなど。長い歴史の中で、数々の海外VIPを出迎えてきました。

本館ロビー「桜の間」には、奈良ホテルで太平洋戦争の終戦を迎えたフィリピンのラウレル大統領の胸像があります。このお部屋では17:00~20:00に宿泊者専用ラウンジが開設されます。

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桜の間。宿泊客だけが、このお部屋でドリンクを楽しめます。

宿泊客は、歴史を感じる趣たっぷりの空間でコーヒーやソフトドリンク(無料!)をいただきながら、ゆったり贅沢な時間を過ごせます。

奈良ホテルの経営は、国営(鉄道院)や公社、米軍による接収や都ホテル時代を経て、現在はJR西日本の子会社である、株式会社奈良ホテルの運営です。JR西日本ホテルズに所属しています。

奈良ホテルの魅力その2:立地条件

奈良ホテルがあるのは、世界遺産「興福寺」(阿修羅像で有名なお寺)から徒歩8分(約650m)の丘の上。

春日大社や東大寺、奈良国立博物館も徒歩圏内です。

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興福寺。五重塔と阿修羅像で有名。

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東大寺。大仏殿の他にも見どころいっぱい。

荒池や旧大乗院庭園に隣接しており、緑いっぱい自然いっぱい。ホテル本館の窓からは、奈良のシンボル・興福寺の五重塔が見えます。

さらに、ホテルの敷地内を鹿がちょこちょこウロウロ。

ホテルとその周辺だけで、奈良をたっぷり堪能できる、とても贅沢な環境なのです。

ただし、「自然いっぱいで落ち着いた環境」の裏返しとして、利便性がイマイチです。

・最寄りのコンビニが遠い。(コンビニがある「ならまち」方面へ抜ける近道があるものの、階段なのでベビーカーだと不便)

・奈良市内の有名観光スポットを結ぶ「ぐるっとバス」(奈良交通)のコースからビミョーに外れている。

ホテルから春日大社や東大寺までは徒歩圏内ですが、神社やお寺の境内がめっちゃくちゃ広いので、結局そこそこな距離を歩くことになります。幼児連れで徒歩オンリーで観光して回るのは不可能でした。

奈良ホテル最寄りのバス停は、「ぐるっとバス」のルートからは外れているので、奈良ホテルを拠点に観光するなら、タクシーをちょこちょこ使うのが正解かと思います。

奈良ホテルの魅力その3:朝食

奈良ホテルの朝食は、ブッフェではなくセットメニュー形式。

洋食もしくは和食(茶がゆ)が選べます。

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窓から五重塔が見える素敵なお席。時々、鹿がやって来ます。

わが家がこれまで訪れたクラシックホテルの朝食は、アメリカンブレックファスト形式の洋食メニューが鉄板でしたが、

奈良ホテルは洋食だけでなく、和朝食の茶がゆも人気です。

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和朝食(茶がゆ)

今回わが家は2連泊だったので、1泊目は洋食、2泊目は和食をいただきました。

朝食会場は、洋食・和食ともに、本館1階のメインダイニングルーム。

興福寺の五重塔が見えるテラス席が人気で、ホテルの庭をお散歩する鹿も見えます。

4種類から選べる洋朝食

洋定食(3,872円)の内容は、ジュース、シリアル、サラダ、ヨーグルト、フルーツ、メイン料理。

メイン料理は、全4種類(フレンチトースト、野菜の煮込みとポーチドエッグのココット、エッグベネディクト奈良ホテルスタイル、プレーンオムレツ)から選べます。

今回、私はエッグベネディクト、夫はプレーンオムレツを選択。

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エッグベネディクト奈良ホテルスタイル

エッグベネディクトには奈良漬けのタルタルソースが添えられていました。

プレーンオムレツは、奈良県産の大和なでしこ卵が使われた、正統派のふわふわオムレツ。ヤマトポークのソーセージが付いています。

どちらも美味しかったのですが、今回の優勝は、長男のためにオーダーした「フレンチトースト」でした。

もはやパンというよりスイーツ。しかも量がたっぷりで食べ応えがすごい。私が選ぶフレンチトーストオブザイヤー最高金賞受賞です。

洋食セットメニューに付いてくるパンはおかわりOK。子供たちも気に入ったようで、モリモリ食べていました。珍しい柿のジャムもありました。

コーヒー・紅茶も、お代わりできます。こちらからお願いせずとも、「お代わりいかがですか?」と何度も聞きにきてくれました。最高の朝食環境です。

香り高い緑茶仕立て!茶がゆの和朝食

和定食(3,872円)の内容は、胡麻豆腐、取り肴五種盛り、焚き合わせ、焼き魚、蒸物、大和の茶がゆ(または白米)、奈良漬け。

茶がゆは奈良の伝統的な家庭料理で、各家庭によって味も作り方も様々。

奈良ホテルの茶がゆは、香り高い緑茶仕立てです。

お米にお茶の味がついているわけではありませんが、とにかく香りがすんんんごく緑茶。

どんな二日酔いにも効きそうな感じの、五臓六腑に染み渡る系です。サラッとしているのでスルスル食べられます。お代わりOKです。

焼き魚や、自家製胡麻豆腐、具がたっぷり入った卵焼きも美味しかったです。

和定食のお飲み物はコーヒー・紅茶ではなく、お茶です。食後にコーヒーも飲みたかったな・・・

子供専用メニューはありません。

大人用のセットメニューのお料理を単品で注文可能なので、今回はフレンチトースト(単品1,452円)をオーダーした次第です。

子供用のカトラリー、プラスチック製の食器やコップを貸してもらえますし、子供用のハイチェア(ベルト無し)もあります。

思ってたよりずっと良かった新館の客室

今回宿泊したのは、新館のスタンダードツインのお部屋(33平米)。

新館の客室の並びはこんな感じ↓です。全ての部屋が、山の斜面側を向いています。

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新館の客室の配置。新館は斜面に沿って建てられており、最上階が出入口です。

本当は本館のクラシカルなお部屋に泊まりたかったのですが、公式ホームページに「本館客室は木造なので音が響く」的な記載があったため、子供たちが夜泣きしちゃうとまずいと思い、今回は本館宿泊を断念。

息子たちがもうちっと大きくなったら、ぜひ本館に泊まってみたいです。

新館のお部屋は、予約サイトなどの写真で見るよりもずっと素敵でした。落ち着いた雰囲気のインテリアですが、カーテンの色合いや、壁紙の柄などがオシャレでいい感じ。

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新館スタンダードツインのお部屋。部屋の右奥の暖炉はフェイク。(ベビーベッドは要リクエスト&有料)

広さは33平米。ベビーベッドを入れたので、ちょっとキツキツな感じになってしまいましたが、大人2人と子供2人(幼児・赤ちゃん)で2連泊して、ストレスが溜まるほどの狭さではありませんでした。

お部屋にはちっちゃなベランダがあり、その先には緑の木々が広がっています。

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新館客室のベランダ。

森と言っても、鬱蒼としているわけではなく、適度に自然光が入ってくる「よく手入れされた森」。とても居心地が良いです。

ベッドは幅120cm × 長さ200cm。

3名利用でエキストラベッドを入れる場合、エキストラベッドの大きさは幅105cm × 長さ185cmです。

ベッドガードの貸し出しはありませんが、ベッド2台をピッタリくっつけた配置にすることは可能です。

ベビーベッドの貸し出しは1泊2,420円。

子供用パジャマ(100cm)、スリッパ、歯ブラシは無料です。

お風呂場は、バス、トイレ、洗面台が同室のユニットバスタイプ。お風呂の洗い場はありません。

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浴室。バストイレ同室のユニットバスタイプ。バスマットがレトロで可愛い。

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こっちは洗面台。広くて使いやすいです。シャンプーなどのアメニティが豪華!

シャワーヘッドが15,000円くらいの高性能品でかなり良かったです。

(アクアビュルのマイクロバブルシャワーヘッドという商品。次に自宅のシャワーヘッド買い替えるときは絶対これにします。)

シャンプーやボディソープは、小瓶タイプでお持ち帰り可能。ロンドンのフレグランスブランド「ミラーハリス」のお品です。

ミラーハリス公式HPによると、ボディソープ300mlが4,620円。なかなかお高めなブランド品です。めっちゃいい香り〜

新館には洋室だけでなく、和室もあります。2部屋しかないので、和室希望ならお早めの予約がおすすめです。

ホテル内と周辺のグルメ情報

奈良ホテルは小高い丘の上にあるのに加え、公園に囲まれているので、周囲にお店がほとんどありません。サクッと外食に行きづらい環境です。

(コンビニやドラッグストアも無いです。オムツやベビーフードなど、ベビー用品の忘れ物にご注意。飲み物の自動販売機はホテル内にあります。ホテルの売店で売られているのは主にお土産品。)

一応、ホテル西側の「ならまち」まで行けば、飲食店はたくさんあります。

ランチでどのお店に入るべきか迷っていたところ、通りすがりのお坊さまから「そば処季のせ」を紹介していただきました。

店内は全22席。あまり広くはないものの、椅子席だけでなく、お座敷席もあります。

季のせのお蕎麦は、ちゅるんちゅるんの舌触り&切り方がランダム気味。とっても美味しいうえに、価格も良心的でした。家の近所にあったら絶対通う。

量が控えめなので、女性でも大盛りいけちゃいます。

奈良ホテル館内で食事を摂る場合、ランチ・ディナーで営業しているレストランは、2カ所あります。

本館のメインダイニングルーム「三笠」と、新館の日本料理「花菊」です。

私たちは、日本料理「花菊」でのビアホール夕食付きの宿泊プランだったため、夕食は二晩とも花菊でいただきました。

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新館の日本料理「花菊」。店内でのベビーカー利用可能(店舗入口にちょっとだけ階段があります)。

奈良ホテルでは、夏季に新館の屋上でビアテラスが開催されるのですが、このプランでは、ビアテラスのコース料理(飲み放題付き5,500円相当)を日本料理「花菊」の店内でいただくことが出来ます。

「幼児・赤ちゃん連れで、メインダイニングルームで夕食を食べるのは難易度高いな〜」と思っていたので、このビアホールプランはとてもありがたかったです。毎年やってほしい!

ビアガーデンのお料理ということで、正直言って内容には期待していなかったのですが、1日目と2日目でわざわざ違うお料理を出していただけましたし、中華系の小鉢や煮物、ローストビーフなど、どれもすごーく美味しかったです。長男(3歳)も、好物のフライドポテトが食べられてご機嫌でした。

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花菊ビアホールプランのお料理。1日目はお肉、2日目はお魚メインでした。

フリードリンクの内容は、お酒のほかに、ノンアルコールサングリアの「モクバル」など、ノンアル派も楽しめるドリンクがあるのがGOODでした。

子供用のハイチェアや、プラスチック製のお皿、カトラリーも貸していただけます。

店内は適度にガヤガヤしているので、小さな子供連れでも気兼ねすることなく食事を楽しめました。

花菊の店内には大きな窓があり、高台から奈良の市街地を一望できます。

いわゆる「古都の風情ある街並み」というよりかは、「フツーに町」という感じの景色ですが、山と夕陽が綺麗に見えるので、

「あれが『あまのかぐやま』かぁ〜」なんて小倉百人一首の世界に想いを馳せることが出来ました。

この他に、ホテル本館1階に「ティーラウンジ」もあります。

ティーラウンジでは、テラス席からお庭を眺めつつ、軽食(サンドイッチなど)やスイーツがいただけます。

こちらは外来のお客さんが多いようで、ティータイムにはちょっと早い13時半ごろに伺ったところ、すでにたくさんのお客さんでにぎわっていました。

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本館1階のティーラウンジ。お庭を見渡せるテラス席が人気。店内でベビーカー利用できました。

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ホテルメイドのケーキとふわふわカプチーノ。

ルームサービス(17:30~19:00)もあります。メニューは、ミックスサンドウィッチ(1,800円)や、生ハムサラダ(1,815円)、ケーキ各種(750円)、アイスクリーム(900円)などのカフェっぽい軽食メニューやおつまみ系です。

おわりに

奈良ホテルに泊まる2泊3日の奈良の旅、すごーく楽しかったです!

子連れで奈良旅行って、ちょっと渋すぎるかな?と思っていたのですが、3歳の長男は、そこらじゅうに鹿がいる状況がまるでサファリパークのように思えたらしく、テンション高めでした。

お寺の宝物館で大きな観音様を見た時も、「ヒーロー(ウルトラマン的な?)だね!」と嬉しそうでした。子供の感覚って面白い。

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朝さんぽで「鹿寄せ」の見学に行きました。会場の飛火野までホテルから徒歩圏内!

まだまだ回りきれていない観光名所があるので、別の季節に改めて奈良を訪れたいと思います。

わが家は関東に住んでいるので、東海道新幹線で京都まで行き、京都から先は近鉄の観光特急「あをによし」に乗車しました。

特急あをによしは、片道千円ちょっとで乗れる、レトロで可愛い豪華列車。うちの長男(3歳)にも大好評でした。

あをによしについては、別の記事で詳しくご紹介しています。あわせてごらんください。

参考文献:『百年の品格クラシックホテルの歩き方』山口由美(新潮社)

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近鉄観光特急あをによし。かつてエリザベス女王が乗った列車を改造した車両です。

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