増長天は仏教の守護神、四天王の一つであり南方を守る守護神です。
今回紹介するのは海洋堂から2023年1月に発売されたARTPLAシリーズの四天王像 増長天です。本シリーズは四天王の持国天、多聞天に続く3作目で、現在は4作目の広目天まで発売されています。
本キットもこれまでのシリーズと同じく奈良、興福寺の新中金堂に安置されている増長天像をモデルにしているようです。
パーツの成型色は赤茶色です。落ち着いた色合いで無塗装で組み立てても良さそうです。
頭部のパーツ構成でです。複雑な形状を見事に再現しています。
頭部を組み立てた状態です。
右腕のパーツ構成です。増長天は右手に剣を持っています。
右腕を組み立てた状態です。
左右の腕と足を組み立てた状態です。ここまで組み立ててから塗装を行いました。
全体を仮組みした状態です。
下地塗装のサーフェイサーはマホガニー色を使っています。予め影になりそうな部分につや消し黒を塗ってから、クレオスのレッドブラウンを塗っています。ハイライトになる部分はウッドブラウンで塗装しました。
土台も複雑な形状をしています。これもウッドブラウンを塗ってから、クレオスのウェザリングカラー、ラストオレンジを軽く塗り重ねています。
全体的にクレオスのウェザリングカラー、サンディウォッシュを塗って乾燥後に軽く拭き取っています。
顔はクレオスのウェザリングカラー、マルチホワイトを塗ってから、乾燥後に適度に拭き取っています。装飾の金色をドライブラシの要領で塗っています。
スミ入れ塗料のフラットブラックを服のシワなど影になりそうな部分に塗っています。金装飾の部分はクレオスのウェザリングカラー、フェイスグリーンで墨入れしています。
スミ入れ塗料は乾燥後に軽く拭き取って全体を馴染ませています。最後にフラットクリアーを塗装して全体の艶を整えました。
四天王像は仏像のモチーフとしてはいくつか存在しますが、奈良興福寺の新中金堂に安置されている四天王立像は特に写実的で、非常に高い技術で作成されているように感じます。
本シリーズの持国天、多聞天に続いて3作目になりました。これまでの作例とほとんど同じ手順で塗装を行っています。作成手順もこなれてきたので1週間ほどで完成させることができました。仏像ファンはもちろん、模型ファンの方にも見事な造形を楽しめるシリーズだと思います。
コメント
影や劣化などの仕上がりを念頭に、塗装時から仕込みを入れられている点が勉強になります。
興福寺が再現されるといいですね!