本のムシはやがて蝶になる

感性を磨き続けたいアラフィフ主婦の読書記録。好きなジャンルはアート、音楽、メンタル、生き方など。ちょっぴり繊細なHSP気質。

【読書記録】『頭のうちどころが悪かった熊の話』安東みきえ 著

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小泉今日子さんの書評を読んで出会った本。


ヘンテコなタイトルが気になり、
イラストに心を奪われてこの本を手に取った。

 

本を開いてみるとたくさんの生き物たちが登場する
7つの寓話だった。

 

“頭のうちどころが悪かった熊“は
喪失した大切な記憶と愛する妻・レディベアを取り戻す。

 

キツネを食べてしまって後悔する虎。

 

“過去のことしか考えられなくなった“お父さんベビと
“未来のことばかり考える“お母さんベビ、
そしてそのふたりの子どもベビ、その家族の絆。

 

ないものねだりをするひねくれ者のカラス

 

“たったひとりの自分の世界の王様“になった
おたまじゃくしとヤゴの友情

 

“意味という言葉の意味“を考えて悩む牡鹿

 

冬眠ができない不眠症ツキノワグマ
お月さんとお話をするお話。

 

それぞれの生き物のキャラクターや
様子が微笑ましい。
だけど、生き物世界の不条理さが鋭くて、
ちょっぴりビターな感じ。

 

読むのはすぐに読めるけど、
意味深な内容を理解するのに
時間がかかりました。

 

読む人の人生経験によって
捉え方も違ってくるんでしょうね。