【読書記録】『第2図書係補佐』又吉直樹 著
又吉さんの本を初めて読んでみた。
又吉さん自身の経験など
おもしろエピソードを綴ったエッセイと
好きな本の紹介なのですが、
エッセイが9割本の紹介が1割という感じで
こんな書評の書き方もあるんですね。
自分の経験に絡めて、
自由な発想でさりげなく本の紹介をしてしまうって
簡単そうでなかなか難しそう。
ひとつひとつの出来事に対する感じ方の深さはさすがだなぁ。
又吉さんは国語の『便覧』(←懐かしい〜)
を辿ってたくさんの純文学を読んでいる。
巻末の作家の中村文則さんとの対談で興味深い話が
でてきた。
純文学をたくさん読んだ人っていうのは、
自分の内面に自然と海みたいなものが出来上がる。それは作家になるとかお笑い芸人になるとか、
もちろんそれ以外の職業の人達にとっても非常に素晴らしいもの。
つまりいろんな角度から物事を考えられるようになる。文学にも“ポリフォニー““多声性“というのがあり
作家は書きたい思想をまず書いて、
自分と正反対の意見もわざと書いて戦わせる。
つまり、いろんな考え方を自分の中に放り込む。
それができるといろんな考え方を取り入れたり、
いろんな人に憑依できる
そうだ。
おもしろいなぁと思った。