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ぶらぶら街歩き日記です。北京編4年目です。

旧北京水準原点標庫 - 日本人設計による貴重な建造物

2022-06-16 | 北京を歩く
北京で初めて設けられたという水準原点を見に行ってみました。

日本人が設計に関わったとされています。

西城区西安門大街の北京大学第一病院産婦人児童病院内の駐車場にひっそりと残っていました。



中華民国成立後、ここは民国陸軍部測地局でした。1939年の地図を見てみると、「治安部」となっています。

この北京水準原点標庫は陸軍部測地局が日本の専門家を招聘して1915年に設計、建設したとされています。



いかがでしょうか。

東京永田町の憲政記念会敷地内にある日本水準原点標庫にとてもよく似ています。

似ているというより、ほとんど同じと言った方がいいかもしれません。

材質からデザインの細部に至るまでほとんど同じです。

両方ともドーリア式の古典様式で、花崗岩を使っていて、正面の両側に神殿風の石柱があって、三角屋根です。





日本の専門家(文献によっては「商人」とも)が具体的に誰なのかが分かりませんが、その専門家が日本標準原点標庫をモデルにしたことは間違いありません。

ちなみに、日本水準原点標庫が作られたのは1891年で、設計者は佐立七次郎(1856-1922)です。
北京はその24年後ということになります。

当時としては、華北地区で最初かつ唯一の水準原点でした。

当時の北京水準原点は黄海の平均海面を基準として、ここが48.85688メートルと定めていました。

水準原点は1950年代に別の場所に移設され、その後1983年に玉淵潭に移し、今に至ります。

こういう目立たない場所にひっそりと日本人設計の建造物が残っているというのは、宝探しのようでなかなかおもしろいものです。



北京市の文物に指定されているので、取り壊されることはないと思います。

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