囲まれた | 中国で暮らす私が

中国で暮らす私が

2019年に嫁いできました。。

 

夫とへ行く。

去年の夏にも義父の姉と散歩をしたが、その時夫は別件でおらず、私が撮った写真を見て「自分の故郷にこんな場所があるなんて知らなかった。一緒に行きたかった」と言った。

春節の時は多忙で余裕が無かったので、2人で向かうのは今回が初である。

 

道には大量に牛の糞が落ちている。

できるだけ上を目指して進むなか、途中で見つけたのが草木の陰の牛2頭。

頭だけ白く、体はチョコレート色の不思議な模様で、微動だもせず顔をこちらに向けている。

 

夫は写真を撮っている。

すると近くでチリンチリンと鈴を鳴らす音がした。

どこからともなくオバチャンが出てくる。

夫が「あなたが飼っている牛ですか?」と聞いた。

「そう」と答え、もう家に帰るところだと教えてくれる。

「何頭くらい飼ってるんですか?」

「40頭よ」

想像以上に多い…だからあの糞の量かと納得がいく。

 

オバチャンは、鈴を鳴らしながらまた奥の方に消えていった。

こちらを見つめていた牛2頭も、その音に釣られて賢くオバチャンの後ろを着いていく。

 

 

私たちは変わらず前へと進む。

10分ほどで、山の開けた場所に出た。

そこでビックリ…草を啄む牛の群れ。

オバチャンは40頭を飼っていると言っていたが、残りの38頭はここに居たかと思う。

お母さん牛と赤ちゃん牛もいた。

 

そのうち、私たちに気付いた牛の1頭が静かに静かに近づいて来る。

そしたら、また1頭…

もう1頭と…

 

 

 

 

あっという間に囲まれた!

赤ちゃん牛がいるから群れに警戒されたのかもしれない。


ビビる私に夫は「焦らず、目を合わせなかったら大丈夫」と言って、牛に背を向け、ポケットに入れておいたオレンジを食べ始める。

この状況でオヤツとは、私に相反する余裕っぷり…

オレンジに余計集まって来たらどうするんだ。

自分の夫ながら可笑しかった。



そして数分で人間観察に飽きた牛たちは、モーモー鳴いて去って行く。

夫は「丸腰の人間は本当に無力」と笑った。

突進されなくて良かった…と思う。

互角に戦うツノも甲羅もキバもなく、私たちが手に持つのはスマホとオレンジだけだから。


帰り道、あの牛も結局人が食うのかと思うとちょっと複雑。


 


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