「アイデンティティは、終身雇用制じゃありません。いつだって宗旨替えできるものです。
長い間続けてきたこと、考え方や生活様式などを変えるのは、それが長ければ長いほど大きな勇気が要るようになる。
自分はこれでやってきたという自信もついているし、執着もある。
自分の考え方や生活様式を対外的に発信してきた場合は特にそうだと思います。
自分を生きるということは、そこに自分を永遠に固定することではなくて、自分の流動性や変わっていくことを、勇気を持って受け入れることでもあります。
長く積み上げてきたものを捨ててしまうのは惜しい、もったいないという気持ちは誰にでもある。
でも、古い自分が設定したアイデンティティに合わせるのがしんどくなってきたなら、定期的にアップデートしていくことはとてもポジティブな選択だと思います。」
(『不安は9割捨てました』 大原扁理 著 大和書房,2021年 117〜118ページより引用)
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人は大人になるまでに、「自分は〜です」という自分の性質、属性、立場、所属などを組み合わせながら「アイデンティティ」(identity:自己同一性)を形成していきます。
生まれた時に持ってきた、自分という人間の「そのまんま」のあり方ではなく、社会を生きるために「自分はこういう人間です」という、外の社会に向けた自分自身の「仮面」を身につけるということです。
人間は、子ども時代から中年期(40〜50代)までは、アイデンティティを作る、つまり、社会を生きるための「自分」を作っていくことに取り組みながら生きていきます。
「人生、まだまだこれから」と思いながら生きてきましたが、私も気づけば、しっかりこの「中年期」に差し掛かっているのをあらためて自覚した40ウン歳の今日この頃。
これまで作ってきた自分、これから目指していきたい自分。叶えたい夢。
あれやこれや自分なりに頑張ってきました。
しかし、4年前に最愛の父親を亡くした頃から「自分の人生も折り返し地点を迎えたんだなあ」と感じるようになり、自分自身の「人生の後半」の生き方を模索しているところです。
そんな中で出会ったのが今日、紹介した大原扁理さんの言葉です。
これまで必死になって、頑張って、全速力で駆け抜けてきた「人生の前半」。
身につけてきたスキルや資格。
社会の中で得てきた肩書き。
自分という人間を人にわかってもらうための「キャッチコピー」や「カタログデータ」。
それはそれで、これまでは必要だった。
だけど、これからは、どうなんだろう…?
「これが自分です」と、自分自身が思い込むことで作ってきたアイデンティティも、アップデートしていけるものなんだと考えれば、「人生の後半」を幸せに生きるのにふさわしい自分のあり方を、いろいろ試していけそうな気がして、少しわくわくしています。
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