上記の記事を書いたのは、ロシアのウクライナ侵攻が始って間もない頃でした。
その後
テレビ界隈には「ウクライナ全面降伏」教の人達が登場して来ました
実は、聖書の中にも
敗北主義の預言者は登場するのです。
『噂話』で引用したバルトの文章の
直ぐ後には以下の内容の文が続いています。
~そもそも一つの国家が存在することも。
存在しなくなることも、
いずれにしても戦争の正当な根拠ではない。
言うまでもなく、まさに、
一つの国家がこれまでのような構成の形で存在し続けるべき時間が経過し終わって、
その独立した独自な生がもはや意味と根拠をもたず、
それであるから譲歩し、自分を捨てて、今後は別な、
より大きな国家のまとまりの中で存在し続けることがよいであろうという状況がありうるのである。
そのようなわけで、この問いも個々の場合に当たって吟味されなければならない。
エレミアはエルサレムとユダの民に向かって
ーそれよりももっと初期の状況の中でイザヤがなしたのとは違ってー
周知のように、抵抗するようにと励ましたのでなく、
むしろ屈服し、譲歩するようにとすすめたのである。~(引用箇所は『噂話』と同じです)
エレミアが預言活動をしたのは
BC626年頃からBC586年にかけて、ユダ王国の最後の頃です。
偶像崇拝や道徳の乱れと共に、
地理的には新興国バビロニアと老舗のエジプトとの中にあり、
どちらの勢力に組するか国論がニ分しつつあった時代でありました。
彼の預言はバビロニアがユダの民を捕囚するという悲観的な預言であり
その運命を受け入れるように勧めているのです。
もちろん、バビロン捕囚の預言を語っても
何処からかギャラが入るわけでもなく
むしろ、敗北主義と考えられ
警告はむしされ、迫害を受けることになります。
ところで、ロシアのウクライナ侵攻から3ヶ月近く経過しようとしていますが
最近では
戦場から遠く離れた日本で
ウクライナに降伏をすすめたり
「そんなにロシアになるのが嫌ですか」的な論調なほとんどありませんね
むしろ
ロシアの方が敗北色が濃くなってきているような気がします。
6月には、またD-DAYが訪れるのかもしれません。