リタイアおじさんの介護とシニアライフ

名古屋市在住の70歳。要介護4(身障手帳1級)の妻を在宅介護しつつ、シニアライフをそれなりに楽しんでいます。

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高齢者の貸金庫利用

重要物品は貸金庫へ

私は30年以上銀行の貸金庫を利用しています。

 

元は銀行員ですので、貸金庫にはなじみがあります。

業務上ではかつてこんなトラブルにも遭遇しました。

相続財産は貸金庫の中に⁉ - リタイアおじさんのシニアライフ (hatenablog.com)

最近貸金庫が高齢者にも注目されているようです。

gendai.ismedia.jp

gendai.ismedia.jp

僭越ながら元銀行員(20年も前ですが)の眼から上記記事を補足させていただくと・・・

銀行で借りられる貸金庫には種類があり、通常は全自動型、半自動型、手動型に分かれます。その他、簡易貸金庫・セーフティケースと呼ばれるものもあります。

www.smbc.co.jp

支店によって設置されている貸金庫の種類が決まっており、好みの種類を選択することはできません。支店によっては貸金庫を設置していない店もあります。

種別の特徴はこちらのサイトが便利です。

www.kumahira.co.jp

このうち私は全自動型の貸金庫を利用しています。

 

www.kumahira.co.jp

貸金庫室、専用ブースにはカードで入室します。

上記クマヒラさんのサイトより

専用ブースには端末が設置されており、カードを入れて暗証番号を入力すると、自分の利用している保護箱が自動的に搬送されてきます。

鍵で保護箱を開けて出し入れができます。

用が済んだら保護箱を鍵で施錠し、端末を操作すると保護箱が収納されます。

この間、銀行の窓口に行く必要はありません。ATMで預金を引き出すのと同じ要領で利用できます。専用ブースで貸金庫の中身を出し入れするためプライバシーも守られます。

手動型貸金庫だと、貸金庫利用者と金融機関担当者が一緒に貸金庫室に入室し、それぞれの鍵で貸金庫の鍵を開け、保護箱を取出して利用するのが一般的です。保護箱を戻す際も窓口に連絡し、元の設置場所に保護箱を戻すことになります。

私が銀行員だったころ、貸金庫ブースに保護箱を置いたまま帰ったり、保護箱の鍵を閉め忘れる方も時折いらっしゃいました。せっかく貸金庫を借りているのに、盗難のおそれがでてきます。特に高齢者は注意力が散漫になるので要注意です。

なお利用料金は銀行、支店によって異なります。

ちなみに私が借りているのは全自動型の一番小さいケース(金や宝石類は持っていないのでこれで十分です)で年22,400円(税込)です。

貸金庫に何を入れるか

冒頭で紹介した長野さんのサイトに書いてありますが、高齢者が貴重品を管理するのは重荷です。

紛失や盗難のリスクが常にあります。悪用されるおそれもあります。

身内とはいえ見せたくないものもあります。

痴ほうが入ってくれば、保管場所を忘れてしまうおそれもあります。

貸金庫に入れておけば、こうした心配はなくなります。

私は重要物品は貸金庫に入れてあることを妻や子供に伝えています。(貸金庫を契約している銀行と支店名も伝えています。)

ではなにを貸金庫にいれておいたらよいかが問題ですが・・・

上記三井住友銀行のサイトでは

預金通帳・預金証書、契約証書・権利証、有価証券・遺言書、保険証書 等の他、貴重品類や思い出の品があげられています。

一方でこういうサイトもあります。
gratia-s.jp

絶対にいれてはいけないものとして、遺言書や保険証券があげられています。また認知症対策という観点からは、貸金庫は早めに解約することまで書かれています。

これは相続が発生した時に貸金庫を開ける手続きに時間がかかることを懸念したものです。遺言書は確かにそうかもしれません。ただ、発見されやすいという面では貸金庫にメリットがあります。

保険証券などは現物がなくても証券番号や契約者・被保険者等の情報があれば保険金を請求できるケースが大半です。預金通帳も現物がなくても相続手続きはできます。不動産の相続も権利書は必要ありません。入れるものに神経を使う必要はあまりないと思います。

重要なことは、万一に備え貸金庫に何が保管されているか、きちんと記録して家族の目につくところに保管しておくことではないでしょうか。当然ながら、預金明細(銀行名と口座番号)、保険契約明細(証券番号等~保険会社から毎年契約明細が送らてくるので最新版を残しています)、保有不動産明細(過去に取得した登記簿謄本を残しておけば十分です)も一緒に保存しておけば相続手続きがスムーズに進みます。

なお、痴ほうになる前に貸金庫契約を解約せよというのは言い過ぎと思います。痴ほうになった時こそ、貸金庫に重要物品を入れておいた価値がでてくると思います。そもそも痴ほうになったら預金の引き出しや不動産の契約、保険契約の変更等はできません。手元に預金通帳や不動産の権利書があっても何もできません。家の中に置けば盗難や悪用のリスクがより大きくなり、心配の種が増えるだけです。早めに家族用の代理人貸金庫カードを作成しておけば十分です。

私が貸金庫の入れているものは・・・

ちなみに私は貸金庫の中に預金通帳(妻の通帳も)、不動産登記識別情報(従来の権利書)、保険証券、実印を入れています。(預金印は手元で保管しています。通帳と印鑑は別々に保管する方がリスク軽減になります。口座振替契約等で預金印を使う機会も結構あります。)

盗難や紛失のリスクに備えて貸金庫で保管しています。

預金通帳を貸金庫に入れておくと記帳が簡単にできませんが、貸金庫を開けた時に記帳するようにしています。記帳するにはどのみち銀行に行かなければなりませんから、さほど不便ではありません。預金の動きはインターネットバンキングで確認できます。

不動産登記識別情報、保険証券はずっと入れっぱなしです。

むしろ実印の方が母の老人ホームへの入居契約とマイカーの売却手続きで最近二度も出番がありました。さすがにしばらくは出番がないと思いますので、今はまた貸金庫に眠っています。