ポーラ・オルビスグループのオルビス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:小林琢磨、以下「オルビス」)は、ロジスティクスの主要拠点であるオルビス東日本流通センターの直営店舗・BtoB向け出荷ラインの刷新に伴い、重量計を搭載した最新のAMR(自律走行搬送ロボット)を16台導入し、2023年2月20日(月)より本格稼働します。日本国内ではまだ本格的な実用化例が少ないAMRを多数導入することで、省人化と効率化を達成し倉庫内出荷作業の生産性向上を実現します。
 オルビスは、2020年に実施した通販出荷ライン「T Carry System」における小型AGV330台導入や、今回のAMRの本格導入・実用化にとどまらず、今後も最新テクノロジーの積極活用によって物流システムの自動化、省人化を促進していきます。そして物流現場の負担や環境負荷を軽減するとともに、各チャネルの物流基盤をサステナブルな形で強化し、生産性及び顧客利便性の更なる向上と、社会課題の解決に取り組んでいきます。

  • 新出荷ラインの概要 ― 最新のAMRで自動化、ロボットとヒトの動きを高度に連携 ―

 新型コロナウイルスの影響でEC市場の伸長が加速する中、物流施設のオペレーションは複雑化し、物流業界の労働力不足は継続した社会課題となっています。近年では、人に代わって自律的に走行・搬送するAMRの導入検討が進んでいますが、特に日本国内において、まだまだ実用化例は少ない状況です。オルビスでは、サステナブルであることを前提とした自動化を達成するために、ヒトとAMRが効率よく連携して最適なピッキングができるよう、オリジナルの重量計付きAMRを採用、独自の仕組みを構築しました。

 オルビスの直営店舗・BtoB卸し先向け出荷作業は、日々約500の品目の中から、1オーダーあたり平均して約20品目・約100ピース(サンプル含む)を出荷するという特性があります。従来は、4拠点分のオーダーが割り当てられた重量計付きカートを、人が1台ずつ手で押して移動しながら当該商品が保管されている棚に移動しピッキングを行っていました。このたび新たに導入した独自開発のAMRは1台につき4拠点分の出荷データを受信すると、自動的に最適なルートで棚間を人やモノにぶつからず安全に巡行しオーダーがかかった複数の商品棚に向かって順番に移動。全てのオーダー商品が揃った後、発送ステーションまで商品の入ったケースを運ぶところまでを自動化しました※。また、AMRに重量計を組み込むことで、ピッキングと同時に重さによる検品を即座に実施、別工程での検品なしで高い精度のピッキングを完遂することが可能になりました。
※棚から商品をピックしてケースに入れる作業は人が実施

 全体的なシステム設計にあたっては、通販出荷ライン「T Carry System」の基本コンセプトである、「4つの“ない”」(作業者を「歩かせない」「待たせない」「持たせない」「考えさせない」)を踏襲。自律走行するAMRと、ピック棚にやってきたAMRの搭載ケースに商品を入れる役割のヒトの動きを効率よく連携させるために、商品保管棚スペースをゾーン化し、ゾーンごとにピッキングの作業者を配置するという形を用いました。さらに作業者の腕には次にピックすべき商品と棚の位置情報が表示されるウエアラブル端末を装着。これらの工夫により、旧出荷システムに比べ、同じ出荷能力に対して人員は25%削減、売上高に対する出荷作業費比率は約10%削減できる見込みです。また、作業者がカートを押して長い距離を歩く必要が無くなりますので、作業負荷の低減が期待できます。

  • 導入したAMRについて

 ​今回、新出荷ラインで導入した重量計つきAMRは、パートナーである物流企業の株式会社流通サービス(本社:埼玉県草加市、代表取締役社長:神田隆)と、マテリアルハンドリング企業の株式会社椿本マシナリー(本社:大阪府西区、代表取締役社長:藤井幸博)が、高い技術力とソリューション提案に優れた製造元のフォワードエックス株式会社(日本本社:東京都中央区)と協働し、新たに開発したものです。組み込んだ重量計は、重量計付きカートピッキングで実績のある株式会社寺岡精工(本社:東京都大田区)製のものを採用しました。

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