
プレスリリース配信サービス「PR TIMES」が運営するカスタマーサポートツール「Tayori」(読み:タヨリ)が実施したカスタマーサポート調査の結果が報告されました。調査は2025年2月25日から3月3日までの期間中に実施され、「Tayori」は2023年以降、企業の問い合わせ対応や顧客の傾向に関する結果を公表しています。今回の結果が企業の問い合わせ業務改善に寄与し、顧客満足度向上に繋がることが期待されています。
この記事の目次
調査ポイント
- 顧客の解決手段としての電話やメールの利用が昨年に比べて減少し、チャットボットを利用したことがある、または今後利用したいと考える顧客が増加しています。
- サポートへの問い合わせを考えたものの、実際に問い合わせを行わなかった人は4割以上。レスポンスの遅さや必要な情報を探す手間がその理由です。
- カスタマーサポートにおける生成AIの導入について、昨年と同様に4割が「考えていない」と回答しています。
調査項目 | カスタマーサポート・問い合わせ対応に関する調査 |
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調査期間 | 2025年2月25日(火)~2025年3月3日(月) |
調査対象 | 集計対象①:問い合わせ経験のある20~59歳男女1万400人 集計対象②:カスタマーサポートや問い合わせ対応業務に従事している309人(②の回答者を含む) |
顧客の問い合わせ傾向
電話やメールの利用が減少し、チャットボットの普及が進む。


購入した商品やサービスに関する問題解決の手段については「お問い合わせフォーム」や「電話窓口」「メール」といった伝統的な方法が依然として多く利用されていますが、昨年と比較してその順位は大きな変化を見せていません。
しかし、利用傾向を見ると「電話窓口」や「メール」の使用が減少し、「チャットボット」の利用が増加していることが顕著です。これは、顧客が即時に回答を得たいというニーズの高まりを示しています。また、「ヘルプページ(FAQ)」よりも「チャットボット」を利用した経験がある人が増加しています。
今後の利用希望に関しては、「SNS(公式アカウント)」の使用が減少している一方で、「SNS(一般ユーザー・投稿)」や「レビューサイト」の利用の増加が見られ、ユーザーが自身の体験を基にトラブル解決を試みる傾向が強まっています。
問い合わせを断念する理由と顧客対応の改善が必要

カスタマーサポートにおいて、顧客が意見を企業に伝えない「サイレントカスタマー」の存在が問題視されています。今回の調査から、問い合わせを考えた半数以上の人が実際には問い合わせを行わなかった事実が明らかになりました。サービス利用中の問題が発生した際に、ある程度のサポート体制が整備されていることが伺えます。
しかし、その一方で、問い合わせを考えたものの、実際に問い合わせを行わなかった人が43.7%に達し、顧客は必要なタイミングでサポートを受けられず、機会的損失が発生しているケースも多く見受けられます。
なぜ問い合わせを断念したのかを分析すると、「営業時間外だったので後で連絡しようと思った」といったレスポンスの遅さや、「必要な情報を探すのが面倒で諦めた」といった問題にかかる時間が理由として挙げられています。
これらの課題に対処するためには、チャットボットの導入や、顧客が自発的にFAQから解決策を図れるコンテンツの拡充が効果的です。前述のように、問い合わせ手段としてのチャットボットへのニーズが増加していることからも、AI技術の採用がカスタマーサポート業務の効率化や顧客満足度向上に寄与することが期待されます。
カスタマーサポート従事者の取り組み状況
KPI及び課題は「量より質」の傾向に移行中。


カスタマーサポートに従事する人への調査結果によれば、最も重要視されているKPI(重要業績評価指標)は「問題解決率」(24.4%)であり、昨年と比べて8.3ポイントの向上が見られています。また、「コール応答率」(23.7%)も昨年より5.5ポイントの上昇を示しています。
さらに、カスタマーサポートにおける課題として多く寄せられたのは「問い合わせ対応のパフォーマンス改善」(22.3%)や「問い合わせ対応の品質管理」(21.7%)で、KPIや課題が昨年よりも問い合わせの応答品質を重視する傾向が強まっていることを示しています。
生成AIへの期待


カスタマーサポートにおける生成AIの活用については、昨年同様、関心がない、あるいは考えていないと回答した企業が39.2%を占め、導入の検討は進んでいないという現状が浮き彫りになりました。しかし、生成AIを「導入を検討しており、今後使う予定」としたのは20.5%という結果で、昨年よりも5ポイントの増加があります。これにより、興味のある企業は具体的な導入検討を進めていると考えられます。
また、カスタマーサポートシステムへの投資については「計画していない」や「予算削減予定がある」という後ろ向きな回答が37.2%に達し、昨年よりも優先度が低下していることが伺えます。多くのカスタマーサポート担当者が他業務を兼任しているため、人手不足の中で予算の増加が難しい状況が続いていると推測されます。
生成AIを導入した企業の満足度とその理由

今年の調査では、生成AIを活用した機能に対する満足度が調査され、「チャットボットの自動応答」(39.4%)や「文脈を理解した回答の自動生成」(37.9%)、「問い合わせデータからの傾向分析」(27.3%)などが高く評価され、自動化による問い合わせ対応とその分析に対する満足度が一定以上であることが判明しました。
調査結果に関するセミナーの開催

昨年と一昨年に続き、今年も調査に協力した株式会社CS HACKの代表取締役CEO 藤本大輔氏による詳細な解説が行われる予定です。
調査担当者からのメッセージ
調査協力企業|株式会社CS HACK 代表取締役CEO 藤本 大輔 氏
「Tayori」との大規模なアンケート調査は今年で3回目を迎えました。今年はAIの利用状況を詳しく把握し、顧客満足度の高い機能や改善点を明らかにする設計です。CSの役割が進化する中で、ユーザーが求める価値や直面する問題に関するデータ収集が、この調査の主な目的です。このデータを今後の業務にぜひ活かしてください。
プロジェクト担当|株式会社PR TIMES Tayori事業部 吉田 優
私自身も「PR TIMES」のカスタマーサポートに2年半従事し、その重要性を強く実感しています。人が介在する迅速かつ丁寧なサポートが求められていますが、生成AIなど新たな技術が顧客との良好な関係を築くために寄与すると思っています。今年の調査では、カスタマーサポート従事者の直面する人員不足や、ユーザーの時間回復思考に基づく行動が観察され、これらが今後のサポート業務において参考となることを願っています。
カスタマーサポートツール「Tayori」の紹介
「Tayori」は顧客との良好な関係構築を促進するカスタマーサポートツールです。PC操作に不慣れな方でも簡単に使える特徴を持ち、「フォーム」「FAQ」「チャット」「アンケート」「AIチャットボット」の5つの基本機能をプログラミングなしで作成・運用可能です。提供開始から2015年以降、アカウント数は7万を超え、多様な業種や用途での利用が進んでいます。サービス名の「Tayori」には「お便り」のように大切にメッセージを届けたいという気持ちが込められています。サービスロゴの紙飛行機は温かさ、手軽さ、心のつながりを象徴しています。異なるデバイスに最適化された使いやすさで「カスタマーサポートに関する一般的なお悩み」を解決します。(運営:株式会社PR TIMES)
URL:https://tayori.com/

出典元:株式会社PR TIMES プレスリリース