「月6万円で生活してみろ」という生活保護受給者② | 福祉の裏話〜児童相談所と生活保護のお話

福祉の裏話〜児童相談所と生活保護のお話

元県職員。社会福祉士を所持。児童相談所では児童福祉司、生活保護ではケースワーカーとして働いていました。働いてるときに言えなかった本音をこっそり語ります。

 

 

前回の続きです。

 

 

 

理不尽な怒りについて

 

 

これは、保護費の計算が間違っていないのに「保護費が少ない!なんとかしろ!」という怒りや、「あんたも6万で生活してみなさい!」と怒鳴り散らされることです。

 

 

しかも、生活保護を受けている本人より、親族から怒りの電話がくることが多いのです。

 

 

例えば、「妹からひと月の保護費6万と聞いたけど、これじゃ少ないでしょ?!あんたも6万で生活してみなさいよ!」とグチグチ言われます。


※月6万の内訳は最後に書いてます。

 


 昼休みに電話が来たら、昼休み返上でただ愚痴を聞くだけです。


 

あとは、母親が生活保護を受けていて、その息子から、「なんで〇〇代が出ないんだ!法律の根拠を説明しろ!」とネチネチ電話が来ることも。

 

 

意外と本人からはそういったクレームは少ないのです。

 

保護費の内訳も何も知らない、元気な親族が騒ぎます。

 

 

こういった騒ぎが起こると、うちの福祉事務所では職員同士で、「文句言うんだったら生活費を送ればいいのに!何もしないで口ばっかり!」とストレス発散します。

 


ストレス溜まりまくり汗

 

 

ここでいう月6万円というのは、家賃や医療費を除いた一人暮らしの食費、光熱費、雑費です。

 

私が担当していた田舎の地域は、特別な加算がなければ約月6万円でした。

 

※地域、年齢、家族構成、加算の種類によって大きく変わるので、参考程度に捉えてください。

 

 


そして、この一人暮らし6万円。

当時の私は、プライベートの家計管理がどんぶり勘定でピンときませんでしたが、

 

今、専業主婦になってみると、健康に問題がないなら月6万円で生活できることを実感。しかも夫婦で

 


食費2.5万円(米代、間食含む)

電気代8,000円(1~12月の平均)

水道代3,500円(同上)

ガス代7,500円(同上)

計44,000円

 


あと出費といったら、2人分の散髪代、化粧水、掃除やトイレで使う消耗品くらいでしょうか。

 


散髪代は1,500円カットに行ったり、安価な服屋(しまむらとか)で服を買ったり、なんなら牛丼食べたり、少し貯金もできそうです。

 


生活保護世帯と合わせるため、医療費や車の維持費、生命保険の保険料、スマホ代は除いてます。


 

また、保護費からでるメガネ代や修理代なども考慮してます。


ただ、もう一度言いますが、健康に問題がないなら月6万円で生活できるんじゃないかという意味です。


健康に問題があるなら一概に言えません。 


病院で処方される以外に細々と出費が重なったりするで。ただ、その時は要件に合致しないかどうか、保護費から出ないかどうか、法律や指針、過去のケースを調べたりします。



ただひとまず、保護費から月6万、家賃は別、医療費も介護関係も別なら、

 

1人なら月6万円あったら大丈夫なんじゃ…

 

 

もし、同じようなクレームを受けてダメージを受けそうなときは強く思ってください。

 


「保護費の範囲内で生活できる!」と。

 

 

ケースワーカーは、本当にメンタルが強くないと(もしくは思いっきりズレてるかマイペース)やっていけない汗



と振り返った出来事でした。

 

 

 

 

 

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