Kungber 安定化電源 DC 0-30V 0-10A
入力電圧:100V±10% 50/60Hz
出力電圧:0-30V
出力電流:0-10A
作業環境:0℃~40℃
パッケージサイズ: 31×19.5×12.5cm
重量:1.8kg
【BMS】
エクストラバッテリーユニットの配線が組み上がった続きです。
まずは組み上がったバッテリーのBMS設定を行います。
Android用BMSアプリに関しては公式アプリではなく、
サードパーティー(Overkill Solar)製の最新バージョンがオススメです。
公式アプリVer 3.1.1021の各種バグが修正されています。
バッテリー残量表示も修正されて接続も素早く快適になりました。
Overkill Solar
Android App : version 3.1.1026 (allow 3rd party app to install)
BMSの設定値はこちらのブログを参照して下さい。
基本的な設定項目は同じですが重要設定項目を抜き出すとこんな感じです。
Overvoltage(充電上限電圧) :3.45V
Overvoltage release :3.4V
Undervoltage(過放電) :3.0V
Undervoltage release :3.05V
Pack overvoltage(4セル) :13.8V
Pack overvoltage release :13.6V
Pack Undervoltage(4セル) :12.0V
Pack Undervoltage release :12.2V
上限電圧は変わりありませんが過放電の電圧は引き上げています。
サブバッテリーはバッテリープロテクターで下限値としていますが、
エクストラバッテリーはBMSでの過放電遮断となります。
リチウムは放電深度(DOD)が100%でも使用可能ですが、
放電深度は80%程度が下限として望ましいと考えられていますが、
電気ケトルなど大電流を使用すると一時的な電圧降下が大きいので
実際に電気ケトルを使用して確かめた値を考慮して、
強制的にBMSの設定で出力を停止する電圧を12.0Vとします。
放電深度は91%と大きいけど実使用を考慮して決定しました。
この自由に設定値を弄れるのが生セルで組んだバッテリーの魅力
組バッテリーなら設定値の変更は不可ですからね。
攻めた設定にするんじゃなく、あえて甘めの設定に変更出来るのがポイント。
※設定値はこのあとの評価テストで更に変更します。
まず生セルを直列に接続してBMSの初期状態を確認
【充電】
安定化電源の電圧を14.4Vにセットします。
テスターで確認すると気持ち低いけどどちらが正解か不明
14.4Vから多少電圧が下がって電流値が上がり充電を開始します。
バッテリーモニターは現状を230Ah 100%と仮設定
充電量はバッテリーモニターとスマホのスマートBMSで確認が出来ます。
すっかり見慣れた画面で安心安定のAndroid用BMS無料アプリ
安定化電源で60W、4.6Aで地道に充電を行います。
満充電になるまでの概算は23時間半の様です。
あとはこのままBMSが充電をストップするまで放置します。
バッテリーをBMS経由で満充電近くまで充電して、
13.6Vになるまで4.6Aで充電して25時間かかりました。
初期のバッテリー残量が113Ahだったので充電量は117Ah
117Ah/4.6A=25時間なのでほぼ計算通りの時間です。
鉛バッテリーと違ってこの充電効率の良さが、
鉛バッテリーと比べて充電が早い証拠です。
鉛からリチウムバッテリーに交換するだけで充電は早くなります。
【セルバランス】
セルバランスの詳細はこちらを参照して下さい。
生セルならセルバランスは当然今回も行います。
セルバランスにはトップバランスとボトムバランスがありますが、
我が家はトップバランスによるセルバランスを推奨します。
前回生セルを購入したショップではボトムバランスを推奨しているようですが、
自分の考えではキャンピングカー用のバランス取りはトップバランスだと思ってます。
実際に自分がセルバランスを実施した印象だと、
ボトムバランスはお手軽だけど正確性はトップバランスの方が有利です。
但し、BMSの測定電圧を利用したボトムバランスによるセルバランスは
このあとの確認編で検証した結果による推測ですが、
お手軽だけど誤差が大きいので自分はあまり勧めしませんが、
アクティブバランサーを利用して更に下で揃えると良いようです。
この辺りは作業効率との兼ね合いでそうせざるをえないのかな。
どちらにせよ生セルでセルバランスを取るのは必要な作業だと思います。
13.6Vまで充電が出来たらバスバーを外して直列だった配線を
並列に接続し直しセルバランスを行います。
サブバッテリーの時と違い今度のバッテリーの接続ボルトはM6です。
圧着端子で接続可能なので簡単に並列配線を製作し、
並列状態で安定化電源を使いセルバランスを行います。
今回も3.40V→3.50V→3.60V→3.65Vと3.65Vを上限に
電圧を徐々に上げながらセルバランスを取っていきます。
安定化電源で設定した電圧まで時間をかけて、
電流が流れなくなるまで充電します。
手間はかかりますがこの低電流でジワジワ上げる事に意味があります。
これで全ての生セルの電圧が上限値できっちり揃うことになります。
やはり3.40Vまで上げるのはかなり時間がかかりますが、
3.40Vから上は徐々に時間がかからなくなります。
使い勝手を考えるとやはり3.45V位が上限設定で問題ないと思います。
これできっちり生セルの性能が上限電圧まで発揮できますが、
トップバランスで合わせるにはとにかく時間がかかります。
メーカーや商売でやっている人には割に合わない作業でしょう。
その代わり組バッテリーと違ってキッチリ性能を出せるのも事実
【放電テスト】
セルバランスが済んだ生セルを自宅でまた組上げます。
組んだ際に確認したら全てのセルで3.55Vまでキッチリ上がっています。
これならBMSのOvervoltage設定値:3.45Vを余裕でクリア出来ます。
これがトップバランスでセルバランスした後の状態です。
セル間のバラツキもなく非常に良好なスタートとなります。
何もしないで20時間放置後の状態は
ソーラーチャージャー・BTユニット・バッテリーモニター等の
待機電流だけで電圧はだいぶ下がっていますが表示は100%のまま。
3.35V(×4=13.4V)以上って電圧変化の大きな領域なので
やはりこの辺りで満充電と考えても良い様です。
組バッテリーの様に攻めた数値を上限とする必要もありません。
今回はバッテリーユニットにインバーターも付けるので、
100Vを使った放電テストも可能です。
まずは恐る恐るインバーターのスイッチを「ON」
「ピッ」という音とともにインバーターに電源が投入されます。
やはり自宅で動作確認できるのは安心できます。
消費電流の小さな家電のテストから始めて、
徐々に消費電流の大きな家電をテストして動作を確認します。
最終的には電気ケトルの稼働試験で性能を確認しました。
満水状態で2回連続沸騰に耐えればほぼ問題ないんじゃないですか。
1,400Wオーバーの長時間使用でも安定して使用できるのが確認できました。
電気ケトル使用中は電圧が一時的に12.7Vまで下がるのも確認
これがPack Undervoltageを放電深度80%の12.8Vに出来なかった理由です。
電気を使ったら安定化電源で充電して何度も充放電テストが可能です。
安定化電源を22.0V設定でソーラーチャージャー経由で充電テスト
86W、6.4Aとそこそこの充電量でソーラー充電テストも可能です。
安定化電源で安心して充電のテストが自宅で出来ます。
これでソーラーチャージャーと合わせて充電確認が取れました。
バッテリーユニットは充電から放電まで一連のサイクルに問題がない様です。
一連の確認作業で安心して車載が可能となりました。
【まとめ】
一度通った道なので作業はサクサク進みます。
生セルを組立てる上で欠かせない作業ですが、
最初は手探りでしたが二回目ともなると安心してできます。
二回目だからこう感じるのか分かりませんが、
生セルのバッテリー組立・・・思ってる以上に簡単です。
しかも、車載する前に自宅で思う存分充放電のテストが可能です。
テストしてからなら安心して車載できます。
出来たエクストラバッテリーを車載します。
キャンピングカーのお勧め記事はこちらです。
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