倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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倒産前の社長と今の安部首相

倒産前の自分と安部首相

最近、安部首相元気ない?なんて、特に注視してる訳ではないですが、何となく感じてしまいました。コロナ1波の時は、毎日のように国民に強くメッセージを呼び掛けていたのが印象に残ってます。政策はさておき、アベノマスクもさておき、国のトップとして「頑張ろう」という意思は感じていました。

ところが今はどうでしょう。1波より明らかに大きな2波が来ていますが、今こそ必要である国民への強いメッセージが感じられない気がします。マスコミの報道の仕方のせい?なのかもしれませんが、どうでしょう。

実は、倒産前の私と何だか似てる感じがしたので、今回このテーマで書いてみる事にしました。まー首相と中小企業の社長じゃ全然レベルが違いますが、小さいながら一国一城のトップとしての心理的な部分は共通するものが感じられます。

倒産前の社長の心理

私の経営していた会社では、毎朝簡単な朝礼を行っていました。本社はパートさん入れて30名ほどでしたが、全員集まって、その日の予定の擦り合わせを各部署から発言してもらったり、会社としての報告事項等々、病院でいう申し送り的なものですね。まあ申し送りは引き継ぎ的な意味合いがあるので少し違うかもしれませんが、前日の出来事をその日の全員全部署で情報共有するという意味では似た感じか?時間にして10分~15分程度です。

ちなみに気になって、病院での「申し送り」の時間って平均どのぐらいの時間をかけているのだろうと思って調べてみました。6割が15分~30分、3割が10分程度だそうです。で、気になったのは1%が1時間以上ってこと。どんな統計データにも例外ってありますが、申し送りに関しても1%があるんですね。1時間以上ですよ。1時間。ヤバくないですかね?

一般的に8時間勤務として、現実的には残業あるので10時間以上なのでしょうが、いや今ならコロナでそれ以上かもしれませんが、とりあえず申し送りする側、される側の時間を各1時間も奪っているってね。たかが1%ですが、それでも100の病院のうち1つはそのぐらいの時間を掛けてるって事に驚きました。月に20日勤務として20時間分、ほぼ2日分が申し送りで消えてるんですね。今のIT社会に残るアナログ習慣ってところですかね。

余談はさておき、朝の朝礼の最後に、毎日ではありませんが「社長からの一言」的なコーナーもあったりしました。会社の大きな動きだったり、方向性の話だったり、モチベーションを上げるための話だったり、短い時は1分程度、長くても3分程度の話です。

が、経営状態が苦しくなってくると、なかなか伝えるメッセージに強さが無くなっていくんですよね。自分でも分かっているのですが、どうしてもそれが言葉の強さに出てしまっていたような気がします。ま、それでもまだ頑張れば何とかなる時期でしたら、ある程度のメッセージは発生できるのですが、問題は倒産を覚悟した時以降です。

自分自身である程度、倒産を覚悟した日っていうのがあるのですが、役員までは伝えても、通常の社員には直前まで伏せておくと思います。私もそうでした。で、もう倒産を覚悟した時以降、この朝礼での発言がなかなか苦痛でなりませんでした。しばらくは頑張っていましたが、最後の方はほぼ「社長から何かありますか?」「あー、大丈夫」って感じで省略してたと記憶しています。あまりにも毎日それだと社員に何かを悟られてしまうため、たまに発言はしてましたが、でもきっとメッセージ性は弱かったのでしょうね。

首相との共通点

って当時を思い出しつつ、今の首相の状態を思ってたら、「あ、心理状態的にはもしかしたら似てるのかな?」って思いました。コロナ対策は散々だし、花道となる予定だったオリンピックもどうやら無理そうだし、不祥事は次から次へと、内閣支持率も下がる一方で、「もう駄目だ、倒産だ、いつまでもつのか、いつ終わるのか、締め方はどうしようか、どのタイミングで社員に言うか、弁護士にも相談しないと」みたいな私の最後の心理状態、おー、まさにそんな状態じゃないのか?って思いました。

まー、単に退陣後の根回しが忙しいだけかもしれませんが、いずれにしろ国民ほったらかし的な?政治の事は詳しく分かりませんが、どんなに都道府県知事が各地区で頑張ったところで、やっぱりトップが強いメッセージを発して、全体を動かしていかないと難しいですよね。あー、これって自分に置き換えても、各部署の部課長さんがどんなに頑張っても、社長が強くい続けないとダメって事と共通するのか。

つまり、今、苦しい社長様も沢山いらっしゃると思いますが、そんな時でも強いメッセージを発していく事は大切なんだな、大切だったんだな、という事を改めて思い知らされた感じです。当時の自分を振り返っても、なかなかしんどい感じではありますが、倒産を覚悟したぐらいであれば、決定でなければ、まだまだ可能性は0でなければ、ご自身を鼓舞して社長としてどーんと振る舞っていく事はとても大切かもしれませんね。

ご拝読、有難うございました。