油の加工について

植物油は、使いやすく保存性がよくなるように精製され、また、水素添加されて性質を変えられます。オリーブ油のように搾ったままの油が一番よいのだと何となく思いますが、加工技術の中身や歴史を知ると、人が考えて工夫してきたことは、なかなか面白いなと思います。

マーガリン

ショートニングの歴史から大豆油への水素添加の意味を知る

ショートニングは、主に植物油を原料とした、常温でクリーム状の、食用油脂です。1911年からラードの代用品として発売されました。最初は綿実油に水素添加されたものでしたが、1950年代以降は大量生産されるようになった大豆油に水素添加されたものになりました。スナック食品の加工用油脂として、安価で酸化されにくい特徴のため大量消費されるようになりました。

ショートニングの歴史から大豆油への水素添加の意味を知る
ショートニングは、主に植物油を原料とした、常温でクリーム状の、食用油脂です。1911年からラードの代用品として発売されました。最初は綿実油に水素添加されたものでしたが、1950年代以降は大量生産されるようになった大豆油に水素添加されたものに...

マーガリンっていつからあるか調べてみたら150年くらい前からあった

マーガリンは、1869年にフランスで発明されました。初めは動物脂肪を使っていましたが、1910年頃からは不飽和脂肪酸に水素添加する技術が使われるようになりました。ずいぶん古くからあるのです。

マーガリンっていつからあるか調べてみたら150年くらい前からあった
マーガリンは、1869年にフランスで発明されました。初めは動物脂肪を使っていましたが、1910年頃からは不飽和脂肪酸に水素添加する技術が使われるようになりました。マーガリンっていつからあるのだろう?最近、食べてはいけない食品のベ...

トランス脂肪酸とはどのようなものか?

トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸に水素添加するとできて来ます。マーガリンは、冷蔵庫から出してもバターのようにカチカチになっていないことと、常温で置いていても溶けてしまわないことが求められるのでほどほどの割合になるようリノール酸に水素添加されます。その時にトランス脂肪酸ができます。トランス脂肪酸を一番含むのは、ショートニングでした。ショートニングを使ったサクサク感のあるお菓子にはトランス脂肪酸が意外と多いです。

トランス脂肪酸とはどのようなものか?
トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸に水素添加するとできて来ます。マーガリンは、冷蔵庫から出してもバターのようにカチカチになっていないことと、常温で置いていても溶けてしまわないことが求められるのでほどほどの割合になるようリノール酸に水素添加されます...

サラダ油ってなんだろう

サラダ油は、1924(大正13)年から販売されている油です。最初は大豆油を精製したものでしたが、現在は、大豆油となたね油の精製油を混合したものです。サラダ油は、生野菜にかけてもクセがないようにつくられました。ハイカラな油だったのです。

サラダ油ってなんだろう
サラダ油は、1924(大正13)年から販売されている油です。最初は大豆油を精製したものでしたが、現在は、大豆油となたね油の精製油を混合したものです。サラダ油は、生野菜にかけてもクセがないようにつくられました。ハイカラな油だったのです。...

なぜ含油率が低い大豆から油を搾るのか

大豆は含油率が20%程度しかありませんが、油糧種子としては生産量が世界一の作物です。搾りにくさは溶剤抽出によって克服されました。油を搾った後の大豆粕は、昔は肥料、今は栄養豊富な飼料になります。大豆は1900年頃から満洲で大量栽培され、中国南部、日本、ヨーロッパやアメリカに輸出されました。歴史を知るととても面白いです。

なぜ含油率が低い大豆から油を搾るのか
大豆は含油率が20%程度しかありませんが、油糧種子としては生産量が世界一の作物です。搾りにくさは溶剤抽出によって克服されました。油を搾った後の大豆粕は、昔は肥料、今は栄養豊富な飼料になります。大豆は1900年頃から満洲で大量栽培され、中国南...

ヨウ素価とは何か

ヨウ素価は、油の品質管理のために使われます。炭素の二重結合にヨウ素が結合するので、不飽和脂肪酸をもつ油が酸化が進んでいないか知ることができます。対象となる油100グラムと反応するヨウ素のグラム数で表します。

ヨウ素価とは何か
ヨウ素価は、油の品質管理のために使われます。炭素の二重結合にヨウ素が結合するので、不飽和脂肪酸をもつ油が酸化が進んでいないか知ることができます。対象となる油100グラムと反応するヨウ素のグラム数で表します。サラダ油ってなんだろう?で...

けん化価とは何か

けん化価は、1gの油をけん化するのに必要な水酸化カリウムのmg数のことです。求められた数字から、油の平均分子量を知ることができます。JAS規格では、植物油それぞれのけん化価の範囲が指定されています。その範囲から外れると、混ざりものがあるとわかります。

けん化価とは何か
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油の融点を変えるエステル交換

エステル交換は、油脂を構成する3本の脂肪酸を入れかえて油の性質を変える技術です。具体的には、融点が変わります。脂肪酸を入れかえる原理は意外と簡単で、触媒の存在下で温度を上げると、脂肪酸がランダムに変わります。また、温度を低くしてエステル交換すると、飽和脂肪酸ばかりでできた油脂と不飽和脂肪酸ばかりの油脂を増やすことができます。これはマーガリン製造に役立ちます。

油の融点を変えるエステル交換
エステル交換は、油脂を構成する3本の脂肪酸を入れかえて油の性質を変える技術です。具体的には、融点が変わります。脂肪酸を入れかえる原理は意外と簡単で、触媒の存在下で温度を上げると、脂肪酸がランダムに変わります。また、温度を低くしてエステル...

油を抽出する溶媒ヘキサンについて

大豆油などを抽出するときに使われる溶剤ヘキサンについて、構造や性質について説明し、実際に油を抽出するときの手順と、その後毒性をもつヘキサンをどのように取り除くかを調べました。

油を抽出する溶媒ヘキサンについて
この記事では、大豆油などを抽出するときに使われる溶剤ヘキサンについて、構造や性質について説明し、実際に油を抽出するときの手順と、その後毒性をもつヘキサンをどのように取り除くかを調べて書きました。ヘキサンはメタンやプロパン、ブタンの仲間...

官能基とにおい

ガソリンとかベンジンのにおいがするn-ヘキサンの一番端にある水素が、ヒドロキシ基(OH)になると、芝を刈ったばかりのにおいになり、一番端の炭素がアルデヒドになると、大豆の青臭いにおいになり、カルボキシ基になると汗臭いにおいになります。しかし、汗臭いにおいに、エチルアルコールが結合すると日本酒の吟醸香になります。

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油を精製するとき脱酸の工程では石けんを作る

油の精製と聞くだけでイメージが悪い(?)時代、「脱酸」の行程は、石けんをつくると聞くと、さらにイメージが悪くなりますか?でも、詳しく知っていくと、面白くて品質向上に役に立つことが分かります。

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油の精製と聞くだけでイメージが悪い(?)時代、「脱酸」の行程は、石けんをつくると聞くと、さらにイメージが悪くなりますか?でも、詳しく知っていくと、面白くて品質向上に役に立つことが分かります。油を精製する工程では、脱酸という工程があり...

油の精製とは魔法なのだろうか?

油は、圧力をかけてしぼる圧搾、溶媒ヘキサンに溶かして抽出することによって得られ、これを原油といいます。原油には、ガム質・遊離脂肪酸・色素・有臭物質・微細なきょう雑物などの不純物が含まれています。油の精製とはこれらを除去することをいいます。精製するとどんなメリットがあるでしょう。しぼったままの油に比べて品質が一定のものになります。また脱酸されると酸化されにくくなり保存性がよくなります。

油の精製とは魔法なのだろうか?
食品の精製というとあまりよいイメージがありません。砂糖の精製、塩の精製、小麦粉の精製などなど・・・。しかし、そもそも精製とはどんなことを行うのでしょう?品質管理、特に保存性をよくする目的があるように思います。精製とは純度を上げるこ...
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