とある内科医の病棟マニュアル

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呼吸器内科医が日常診療の考え方を綴る備忘録

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心電図の読み方②(形の異常) #心電図検定対策

 

 

P波のチェック

  • 基本的にはⅡ誘導とV1誘導で確認する。
  • Ⅱ誘導:長軸方向で見たP波
  • V1誘導:短軸方向で見たP波

 

P波の異常

肺性P波
  • 長軸方向で右房波を見たもの
  • Ⅱ, Ⅲ, aVF誘導のどれかで高さが2.5mm(0.25mV)以上の先鋭したP波を認める。

波形の解釈

右房負荷の時に見られる波形であるが、診断陽性率はそこまで高くはない。(滴状心や立位心による洞結節の上方シフトにより起こることもあるため)

 

右心性P波
  • 短軸方向で右房波を見たもの
  • V1またはV2のP波の高さが2mm(0.20mV)以上

波形の解釈

右房負荷を示唆する。

 

僧帽性P波
  • 長軸方向で左房波を見たもの
  • Ⅱ誘導で二峰性のP波。3mm以上の幅で1mm以上の間隙をもつもの。

波形の解釈

左房負荷を示唆する。

 

左心性P波
  • 短軸方向で左房波を見たもの
  • P terminal force V1(Morris Index)≧0.04

波形の解釈

左房負荷を示唆する。

 

形の違うP波

異所性心房調律

⇒ 経過観察で基本的には問題なし。

 

Q波の異常

異常Q波

定義

  • 幅が0.04秒以上(1mm以上)で深さがR波高の1/4以上の絶対値を有するもの。
  • 右側の誘導のaVRとV1は陰性成分が大きい ⇒ 異常Q波があるのは普通。
  • Ⅲ誘導とaVLは電気軸に直交している ⇒ 単独なら異常Q波があっても良い。

 

波形の解釈

  • 連続する2つ以上の誘導で異常が見られる場合には虚血を示唆する。
  • 基本的には陳旧性の梗塞である。ただし、ST変化や動的T波の陰転化を伴う場合には直近で起きた心筋梗塞(おくれMI:急性期~亜急性の梗塞)を疑う

 

鑑別疾患

鑑別疾患

基本的には陳旧性心筋梗塞(OMI)だが、ヘミブロックなどによる軸偏位が異常Q波に見えることがあるので注意する。

 

R波の異常

Poor R Wave Progression(PRWP)

定義

  • V1→V4にかけてR波の増高不良
  • V3のR波が3mm以下 

 

波形の解釈

  • 前壁誘導の起電力が低下している
    ⇒ 虚血の可能性あり。
  • 特にST変化、動的T変化を伴う場合はACSを疑う。
  • 異常Q波のない2相性T波/深い冠性T波を伴う場合には早期再還流を疑う。

 

Reversed R Wave progression(RRWP)

定義

V1→V4にかけてR波が逆に減高する。

 

波形の解釈

  • PRWPよりもより強く虚血を示唆する。
  • 特にST変化、動的T変化を伴う場合はACSを疑う。
  • 異常Q波のない2相性T波/深い冠性T波を伴う場合には早期再還流を疑う。

 

Fragmented QRS

定義

簡単に言うと、QRSが割れた形(ギザギザ)になっているもの

  • 正常QRS幅の場合:連続する2つ以上の誘導で、QRS波形でR’波、QRS内のノッチ、複数のR波(fragmentation)のいずれかを認める
  • QRS幅延長の場合:連続する2つ以上の誘導で、3個以上のR波またはノッチが認められるもの

 

波形の解釈

なんらかの心室内伝導障害(虚血など)が疑われる。

 

V1のR波の上昇

定義

通常、V1はR<Sとなる。R波が高い場合はおかしい。

 

鑑別

  • Normal variant
  • 後壁梗塞:後壁誘導の異常Q波の鏡像。V1やV2でST低下
  • 右室肥大:V1のR波が7mm以上、右室ストレイン
  • 右脚ブロック
  • A型WPW
  • 右胸心

 

右脚ブロック
  • V1~V3でrSR'型+ST低下・T波の陰転化
  • Ⅰ, aVL, V5, V6で幅広いS波。ただしR>Sとなる(左の方が起電力が大きいので)
  • QRS幅が0.10秒~0.12秒のときは不完全右脚ブロック、0.12秒以上のときは完全右脚ブロックと呼ぶ。

 

左脚ブロック
  • V5, 6誘導でRR'型もしくは大きなR波±ST低下・T波の陰転化
  • V1誘導で幅広いS波(QSパターンもしくは rS型となる)±V1, 2誘導などでST上昇
  • QRS幅が0.10秒~0.12秒のときは不完全左脚脚ブロック、0.12秒以上のときは完全左脚ブロックと呼ぶ。

 

左脚前枝ブロック
  • 高度な左軸偏位
  • Ⅰ, aVLでqRパターン
  • Ⅱ, Ⅲ, aVFでrSパターン

 

左脚後枝ブロック
  • 高度な右軸偏位(+110度以上)
  • Ⅰ, aVLでrSパターン
  • Ⅱ, Ⅲ, aVFでqSパターン

 

高電位、低電位

左室高電位
  • RV5(またはRV6)>26mm
  • RaVL>11mm
  • SV1+RV5(またはRV6)>35mm

 

右室肥大

以下の複数を満たす場合に疑う

  • 右軸偏位(マスト!)
  • RV1≧7mm(不完全右脚ブロックの場合はR‘≧10mm, 完全の場合はR’≧15mm)
  • 高いR波(V1でR>S)
  • R peak time(V1)≧04秒
  • V5, 6でR<S
  • V1でストレインパターン

 

低電位

QRSの振幅が、肢誘導で5mm以下、胸部誘導で10mm以下。

 

ST上昇

ST上昇の機序

以下のような病態を想定する。

❶ 虚血性心疾患、心外膜炎、心筋炎(虚血や炎症により活動電位の低下)

❷ 脚ブロックや早期再分極(再分極の異常)

 

定義

ST上昇:連続する2つ以上の誘導で新規のJ点の上昇

 V2,V3以外:1㎜以上の上昇

 V2,V3:男性で40歳以上は2.0㎜、40歳未満は2.5㎜、女性は年齢問わず1.5㎜以上

 aVR、V7~V9、右側誘導:0.5mm以上

 

虚血を疑う形

Straight型もしくはConvex型で虚血を疑う。

Concave型(にっこりサイン)は虚血以外を疑う。

 

波形の解釈
  • 連続する2つ以上の誘導でStraight型もしくはConvex型ST上昇が見られる場合には貫壁性の心筋梗塞を考える。
  • 発症時期としては超急性~亜急性期の所見であり、緊急で循環器内科コンサルトが必要になる

 

鑑別疾患
  • 虚血性心疾患
  • 心膜炎
  • たこつぼ心筋症
  • 早期再分極
  • 脚ブロック
  • ブルガダ症候群

 

STEMI vs 心膜炎 vs 早期再分極 vs たこつぼ心筋症
  • STEMI
    Straight型もしくはConvex型、Ⅲ>ⅡのST上昇。
  • 心膜炎
    広範なST上昇PR低下(心房のST上昇を反映)、aVRでST低下(ミラーイメージ)・PR上昇、Spodick's sign(TPラインの低下)、V6のST/T≧0.25
  • 早期再分極
    J波(V4~V5に出やすい)、Concave型のST上昇(にっこりサイン)、V6でST/T<0.25(心膜炎との鑑別)
  • たこつぼ心筋症
    広範なST上昇V1誘導でST変化なしaVRでST低下(ミラーイメージ)。亜急性期にはGiant negative TとaVRで陽性T波(ミラーイメージ)

 

冠動脈の支配領域

 

ミラーイメージと責任病変の推定

✅aVRのST上昇(LMT病変)→下壁誘導ST低下

✅aVR上昇+広範なST低下(①重症3枝病変、②相対的心筋虚血)

✅LAD近位部の梗塞(V1~V4でST上昇)→下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)

※遠位部の梗塞ではミラーイメージは出ない。

✅下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)→前壁誘導、高位側壁(aVL)

※aVLのST低下が下壁梗塞のearly signの可能性あり

✅高位側壁(aVL)→下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)、右室

✅後壁誘導(V7~V9)↔前壁誘導(V1~V4)

 

  • LAD近位部の梗塞
    V1~V4の上昇、高位側壁誘導(Ⅰ,aVL)の上昇、aVR上昇、下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)の低下右脚ブロック(中隔枝の梗塞)
  • LAD遠位部の梗塞
    V1~V4の上昇、高位側壁誘導(Ⅰ,aVL)変化なし、aVR変化なし、下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)変化なし
  • wrapped LAD
    V1~V4の上昇、高位側壁誘導(Ⅰ,aVL)変化なし、aVR低下、下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)上昇
  • RCA近位部の梗塞
    下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)の上昇、V1~V3は上昇するが下壁のミラーで相殺、高位側壁誘導(Ⅰ,aVL)の低下(右室梗塞のミラー)、V4R上昇房室ブロック(4AVの梗塞)
  • RCA遠位部の梗塞
    下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)の上昇、V1~V3は低下高位側壁誘導(Ⅰ,aVL)変化なしV4R変化なし房室ブロック(4AVの梗塞)
  • RCA dominantの下壁梗塞
    Ⅲ>ⅡのST上昇、Ⅰ,aVLのST低下、V4R(近位部で↑、遠位部で↓)
  • LCX dominantの下壁梗塞
    Ⅲ<ⅡのST上昇Ⅰ,aVLのST上昇、V4RでST低下(ミラーイメージ)
  • 側壁梗塞
    LADの対角枝もしくは回旋枝の閉塞

 

AMIの心電図変化

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ACS判断のアルゴリズム

✅SETを確認 ⇒ 2項目以上満たす場合はACSとして対応する

✅判断に迷う場合には心電図、心筋逸脱酵素を繰り返し評価を行う

 

 

ST低下

まず考えること

ST上昇がないかどうかを確認する

※とくに心尖部誘導(V4~V6)以外で虚血によるST低下を起こすことは少ないため、必ずST上昇がないか確認をする。

※V1~V3のST低下は後壁梗塞、aVLのST低下は下壁梗塞のearly signの可能性あり

 

ST低下の機序

以下のような病態を想定する。

❶ 心内膜側の虚血(心内膜側の活動電位の低下)

❷ 心肥大(心外膜側の活動電位の上昇、持続時間の延長) 

❸ 脚ブロックや早期再分極(再分極の異常)

 

定義

 解剖学的に隣り合う2つ以上の誘導で0.5㎜以上(V2, V3は1mm以上)のST低下

※HRが上昇している場合はup slope型のST低下を起こすことが多く、J点から1.5mm~2mm程度右側でST低下を評価する。(Ta波の影響)

 

虚血を疑う形
  • Horizontal型もしくはDownsloping型で虚血を疑う。
  • Upslope型(にっこりサイン)は虚血以外を疑う(例外はde Winter ST/T wave complex)

※形の判定はJ点から2目盛り(0.08秒)までで評価を行う。

 

波形の解釈
  • 連続する2つ以上の誘導でHorizontal型もしくはDownsloping型のST低下が見られる場合には虚血を示唆する。(例外はde Winter ST/T wave complex)
  • 虚血を疑うST低下は、基本的には急性~亜急性期の所見である。ただし、陳旧性の心内膜下梗塞や慢性虚血性変化は時間が経ってもST低下が残ることも多い。

 

鑑別疾患
  • 心内膜下虚血
  • 不安定狭心症
  • 後壁梗塞
  • 安定狭心症の発作時
  • 左室肥大(ストレインパターン)
  • 脚ブロック
  • 慢性虚血性心疾患

 

NSTE-ACSの対応

✅SETを確認 ⇒ 2項目以上満たす場合はACSとして対応する

✅NSTE-ACSと考えたら、慌てずにリスク評価を行い、心カテの時期を検討する

0-1時間アルゴリズムを用いてNSTEMIを除外する

 

リスク 治療戦略

即時侵襲的治療戦略

(2時間以内)

薬物治療抵抗性の胸痛
不安定な血行動態
致死性不整脈または心停止
機械的合併症(急性僧帽弁逆流など)
一過性のST上昇、反復性の動的ST-T変化

早期侵襲的治療戦略

(12~24時間以内)

心筋梗塞に合併する心筋トロポニン値の上昇および下降
新たな心電図変化(動的ST-T変化)
GRACEリスクスコア>140

後期侵襲的治療戦略

(72時間以内)

糖尿病
腎機能障害(糸球体濾過量<60mL/分/1.73m²)
低心機能(EF<40%)
早期の梗塞後狭心症
血行再建の既往(PCI、CABG)
GRACEリスクスコア109~140
初期保存的治療戦略 上記以外

日本循環器学会 急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)より引用

 

0-1時間アルゴリズム

2015 ESC Guidelines for the management of acute coronary syndromes in patients presenting without persistent ST-segment elevation | European Heart Journal | Oxford Academicより引用

 

早期に心カテを検討すべきNSTE-ACSは?

✅心筋逸脱酵素の上昇(NSTEMI)

✅胸痛が持続

✅安静時胸痛の再発

✅広範・高度なST低下

✅VTやVFの出現

 

胸痛を感じにくい人のNSTE-ACSをどう判断すれば良いのか?

例えば、高齢者で胸痛を感じにくい人だったら・・・

安静時にST低下が見られた時点で不安定狭心症ACS)なのか??

⇒ このような場合は非常に悩ましいが、筆者は基本的に以下の場合にACSと考えて循環器内科にコンサルトするようにしている

  • 心筋逸脱酵素上昇(NSTEMI)
  • 循環動態不安定、不整脈(とりあえずやばそう)
  • 動的ST-T変化あり(心電図に動きがあるので、陳旧性や慢性虚血ではなさそう)

※動的ST-T変化の確認方法は?:前回の心電図と比較、1時間後に心電図再検、ニトロを投与してみる

 

虚血による責任病変の推定
  • 基本的にST低下は心尖部誘導(V4~V6)で出現することが多く、責任病変を推定することはできない。
  • ST低下の程度が高度であるほど、ST低下を認める誘導が多いほど、ST低下が遷延するほど、高度な虚血を反映し予後不良である。

 

T波の増高

追記します

 

陰性T波

追記します

 

 

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心電図の読み方①(基本の読み方) #心電図検定対策

 

 

波形の名称と正常値

  • PR間隔(PQ間隔):0.20秒未満(0.12秒~0.20秒:3mm~5mm)
  • QRS間隔:0.10秒未満(1.5mm~2.5mm)
  • QT延長:RRの真ん中を超えると延長と考える(もしくは自動解析を参考にする)
  • QT短縮:8mm以下で短縮

 

心拍数

正常値:60~100回/分

 

心拍数の計算方法
  • 300÷RR間のマス目の数
  • 1500÷RR間の目盛りの数
  • リズムストリップのR波の数×6

 

脱分極と再分極

  • QRS-T波形は心内膜と心外膜の活動電位の差で生まれる。
  • 心内膜側は電極に向かってくるので陽性成分、心外膜側は離れていくので陰性成分として記録される。
  • 心内膜側のほうが心外膜側よりも活動電位の持続時間が長い(理由はよく分かっていない)

✅上記の理由により、QRS波とT波の方向は原則同じ向きになる。

 

肢誘導と胸部誘導のベクトルの考え方

長軸方向

✅心臓の左側から見ている誘導:aVL、Ⅰ、V5、V6

  • Ⅰ、V5、V6はそれぞれ似たような波形になり、QRSの陽性成分が大きい。
  • aVL誘導は電気軸と垂直に近いため、QRS波は陽性にも陰性にも振れる可能性がある(個人差あり)。

✅心臓の右側から見ている誘導:aVR、V1、Ⅲ

  • aVR、V1はそれぞれ似たような波形になり、QRSの陰性成分が大きい。
  • Ⅲ誘導は電気軸と垂直に近いため、QRS波は陽性にも陰性にも振れる可能性がある(個人差あり)。

 

上記の話をまとめると・・・

QRSとTの向きは原則同じ向きなので以下のことが言える

✅aVR、V1はQRSの陰性成分が大きい

⇒ 大きなQ波(異常Q波)があるのは正常 、陰性T波も正常。

✅Ⅲ、aVLはQRSの陰性成分が大きくなることがある
⇒ 単独なら異常Q波があっても問題はない 、陰性T波も単独なら問題ない。

✅aVR、V1、Ⅲ、aVL以外は陽性成分が大きくないとダメ
⇒ 異常Q波があるのはおかしい! 陰性T波があるのもおかしい!

 

短軸方向

 

誘導と対応する部位
  • 前壁中隔:V1~V4
  • 下壁:Ⅱ、Ⅲ、aVF
  • 高位側壁:Ⅰ、aVL
  • 低位側壁:V5、V6
  • 左室心基部:aVR(特にLMTの部位)

 

電気軸の評価

✅Ⅰ、Ⅱ誘導で陽性:正常軸(-30度~90度)

✅Ⅰ誘導で陰性:右軸偏位

✅Ⅱ誘導で陰性:左軸偏位

*Ⅱ誘導の判定が難しい場合⇒Ⅲ誘導の陰性成分>Ⅰ誘導の陽性成分の場合は左軸偏位

 

移行帯

  • 胸部誘導でR波とS波の高さが等しくなる場所のこと。

  • V3~V4の間に来るのが正常。

 

 

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肺結節影のフォローアップ

 

 

CT画像所見の分類

  • Pure GGN:すりガラス影のみで形成
  • Part-solid GGN:すりガラス影と一部軟部組織陰影
  • Solid nodule:軟部組織濃度で形成

✅Pure GGNは悪性腫瘍であれば上皮置換型の発育であり、増大スピードは比較的緩やか。一方でSolid noduleは進行するスピードが速いため注意する。

 

腫瘍径による良悪性の鑑別

The 32nd Diagnostic Imaging Seminar 結節の鑑別

 

腫瘍の形態による良悪性の鑑別

 

倍加時間(doubling time)による鑑別

  • 肺癌:1ヶ月~200日(分化型腺癌だとかなり遅いこともある)
  • 良性腫瘍(過誤腫など):2年以上
  • 炎症性疾患:1ヶ月以内

 

肺結節影のスクリーニング検査

CEA、CYFRA、ProGRP(腎機能障害がある場合はNSEを提出)、QFT、抗MAC抗体、β-Dグルカン、アスペルギルス抗原、クリプトコッカス抗原、転移性肺腫瘍が疑わしい場合はそれぞれの腫瘍マーカー

<以下を適宜追加>

造影CT、CA19-9、RF、抗核抗体、MPO-ANCA、PR3-ANCA、sIL-2R、ACEなど

 

肺結節のフォローアップ

低線量マルチスライスCTによる肺がん検診:肺結節の判定と経過観察 第5版を参考に作成

 

以下は筆者の考え方

✅Solid noduleは最初は1~1.5か月後フォローくらいが良いと思う(低分化のものだと進行が速い可能性があるため)

ガイドラインでは、5mm以下はフォローアップの対象外としているが、5mm以下でもフォローした方が無難。最初の3ヶ月後にフォローを行い、もしも増大傾向がなければ半年~1年後フォローで良い。

✅一般的にはSolidは2年、Sub Solidは3年変化なければ良性の可能性が高い。しかしGGNは3年以上経過しても癌のことがあるため注意を要する。(筆者はGGNであれば最低でも4年間フォローし、希望があれば年1回のフォローを継続している)

 

フォローするときの注意点

✅必ず手術の選択肢を提示する。

✅胸膜に近い病変(胸膜播種を起こしそう)は早めにフォローする。

✅Solid成分の多い病変は早めの間隔でフォロー

粗大石灰化を伴うものは基本フォローしなくていい。

CEAは10以上、シフラ6以上はおかしいので肺癌の可能性に留意する。

 

気管支鏡検査施行後の対応

悪性だった場合 

腫瘍の治療を行う

良性だった場合

経過観察とする。
腫瘍すべてを生検したわけではないので100%良性とは言えないが、悪性はかなり否定的である。もしも今後大きくなるようであれば、気管支鏡再検や手術も検討されると説明する。

取れなかった場合
  • 再検査で取れそうなら、時間をおいて再生検を試みる。
  • 取れそうにない、あるいは悪性腫瘍の可能性が濃厚の場合は外科的肺生検を勧める。

*CTガイド下生検を考慮する状況は?
気管支鏡で生検できない症例・気管支鏡ハイリスク症例で
❶手術適応外の悪性腫瘍が疑わしく、他に安全に生検できる部位がない場合
❷組織診断が治療方針に大きく関わる場合

気管支鏡でアプローチ困難の場合
  • 悪性腫瘍が疑わしい場合 ⇒ 外科的肺生検を勧める
  • 良性腫瘍が疑わしい場合 ⇒ 外科的肺生検も提示した上で経過観察をやんわりと勧める
  • 悪性か良性か判断が難しい場合 ⇒ 外科的肺生検を提示する。手術が躊躇われる場合には ① CTで経過観察を行い、大きくなるようであればオペ ②PET-CTを評価してみる(SPN Malignancy Risk Scoreも参考にする)

 

同時性多発肺癌の考え方

追記します

 

転移性肺腫瘍の考え方

追記します

 

 

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心電図検定とは? 心電図検定1級の勉強方法

 

こんにちは!呼吸器内科医のシンノスケです!

この度、日本不整脈心電学会が主催する「第9回 心電図検定1級」を受験し合格しました🎉

この記事では、心電図検定1級の出題範囲や効率良く勉強する方法などについて皆様にシェアしたいと思います。

それでは参ります!

 

 

心電図検定とは?

日本不整脈心電学会が主催する心電図の判読能力を問う検定試験です。

年1回行われており、第9回が2023年12月9日・10日に開催されました。

近年注目度が上がっている資格試験で、「日本の資格・検定AWARDS 2020」の「注目の資格・検定ランキング部門」で1位を受賞しています。

今回の検定試験では約16000人の方が受験されており、年々受験者数が増加傾向にあります。

 

受験した理由、受験するメリットは?

私が受験した理由は単純に「循環器診療が苦手だったから」です。

とくに循環器診療は、心電図の判読能力や心エコーの技量など、医療者の個々のスキルの差が如実に表れる領域であると思っています。私自身は循環器専門医ではありませんが、心電図判読は医師として必須の能力であり、自己研鑽の意味も兼ねて受験をしました。

心電図の検定を受検したメリットとしては、
① 集中して心電図の勉強をできたこと 
② 心電図を読む時の抵抗感がなくなったこと 
③ 学会の資格試験であり履歴書にも記載できる
などが挙げられると思います。 

 

心電図検定の難易度は?

心電図検定の公式HPには以下のように記載されています。

  • 4級:心電図の基礎的な判読力を有するもの
    循環器勤務数年のメディカルプロフェッショナル、心電図に興味のある医学生など
  • 3級:心電図の基礎~中等度の判読力を有するもの
    一般臨床医、循環器勤務メディカルプロフェッショナル
  • 2級:心電図の中等度~高度な判読力を有するもの
    一般循環器医、循環器勤務ベテランメディカルプロフェッショナル
  • 1級:心電図の高度な判読力を有するもの
    循環器専門医、心電図に深く精通したメディカルプロフェッショナル

 

実際の難易度感は?

一般臨床医であれば、2級相当の知識はあった方が望ましいと思います。

しっかりと臨床経験を積んだ臨床医であれば、比較的短期間の勉強で2級合格に辿り着けると思います。

 

心電図検定の合格点、合格率は?

心電図検定の合格点は公表されておりません。
毎年合格率を一定に保つため、合格点を適宜変動させているのではないかと思います。
合格の目安としては7割以上(50点中35点以上)との噂があります。

第9回心電図検定の合格率を以下に記載します。

 

1級については、今回の合格率が過去最低だったようです。

今後受験者数が増加するに従って合格率が下がる可能性もあるので、受けたい方は早めに受けた方が無難かもしれません (;゚ロ゚)

 

受験資格は?申し込みの注意点は?

心電図検定は受検資格に制限はありません

どなたでも受験可能です。

学会への入会も必要ありません。

2級・3級は受験者数が多く、毎年早めに締め切られてしまいます。申し込みが始まったら早めに申し込むようにしましょう。

また複数の級を併願することはできません。

現時点では神戸会場は2級と3級しか受験できないため注意が必要です。

 

出題形式は?試験時間は?

心電図検定の出題形式はマークシート方式です。(5択)

50問出題され、試験時間は1~3級は90分、4級は70分です。

当日に1問1分のペースで解答できるように練習しておきましょう!

 

心電図検定1級の出題範囲は?

心電図検定1級の出題範囲ですが、簡単にいうと「心電図の読み方パーフェクトマニュアル」の全てのページが出題範囲と考えると分かりやすいかと思います。

治療方法等の臨床的な問題は出題されません。(心電図の波形を答えさせる問題だけなので、臨床については別途勉強しましょう!)

 

因みに1級の出題範囲ですが・・・

✅基本的な波形が4~5割程度(個人的な印象です)
心筋梗塞の責任病変の推定問題
✅SVTの鑑別(AVNRT、AVRT、AT)
✅心房粗動のtypeの鑑別
✅VTの起源
✅Wide QRSの鑑別
✅PACの起源
✅WPWのケント側の位置の推定
✅ペーシングリードの位置
電解質異常
✅ARVC
✅先天性心疾患
✅小児心電図
などが出題される傾向にあります。

 

また参考に第9回で出題された問題内容はYoutubeの「心電図マイスターチャンネル」様で解説されております。

www.youtube.com

 

 

心電図検定1級の勉強時間は?

私個人の勉強時間ですが、試験1ヶ月半前から勉強を開始しました。

もちろん毎日勉強できる訳ではなかったため、正直ギリギリだったと思います。

もともと心電図の知識は多少ありましたので、このくらいの勉強時間で済みましたが、基本的には3ヶ月くらい(初心者から始める場合は半年くらい)の勉強時間は必要かと考えます。

 

心電図検定1級合格へのルート

以下に私の勉強方法について記載します。

注)心電図の知識が多少あることが前提となっております。心電図を全く勉強したことがない方は「病気が見える」などの基礎的な参考書から勉強を始めることをオススメします。

 

ステップ1:ER心電図の超速診断を読む

まずは心電図検定の勉強でオススメされている「ER心電図の超速診断」を読みました。

この本は絶版で買えないため、大学図書館で借りて勉強しました。

しかしこの本を読み進めても理解が難しい箇所が沢山あり、この本だけで勉強するのは早々に諦めました(笑)。同時併行で「心電図マイスターチャンネル」を見ることにしました。

また、合格したあとに購入したのですが、EP大学の「3ステップで学ぶ心電図」が非常にオススメです。(より効率良く勉強できると思います。)

 

 
ステップ2:心電図マイスターチャンネルを視聴する

ER心電図の超速診断の目次に沿って、心電図マイスターチャンネルを見ていくことにしました。ハッキリ言って、1級に合格したのはこのチャンネルのお陰といっても過言ではありません。非常に分かりやすく心電図を解説してくださっており、ここで解説されている内容をノートに書いて、試験直前まで繰り返し復習しました。本当に素晴らしいチャンネルです。

 

www.youtube.com

 

ステップ3:心電図検定公式問題集を解く

ある程度勉強が進んで来たら、2級・3級の公式問題集を解き始めました。

残念ながら、心電図検定1級の公式問題集は存在しません。

ですので、あくまで基本問題が解けるか?の確認になります。

 
 
ステップ4:心電図マイスターを目指す 基礎力grade up講座を解く

心電図検定1級専用の問題集は現時点ではこの書籍しかありません。
こちらの本は前半が心電図の講義、後半が問題集(100問)という構成になっており、検定対策だけでなく、心電図の教科書としても非常に有用な書籍となっています。
 
 
ステップ5:Discordの2級想定問題集&解答/解説を読む

試験直前にボイスチャットアプリ Discordの「心電図を楽しく学ぶ会」に参加させていただきました。

ここで配布されている「2級想定問題集」および「解答/解説」が非常に良くできており、まとめてくださった方々には本当に感謝の気持ちです。

 

おわりに

心電図検定の受験は、個人的には非常にためになりました。

心電図を集中して勉強できる機会もなかなかないと思いますので、心電図検定に興味のある方、心電図を本気で勉強したい方は是非受験してみてください。
結果の如何に関わらず、きっと成長につながると思いますよ!

ではまた!!

 

 

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偶発腫瘍の対応

 

 

肺結節

肺結節影のフォローアップを参照

 

甲状腺偶発腫瘍

フローチャート

 

隈病院の超音波所見のクラス分類

*クラス2.5以下:良性疑い、クラス3:ボーダーライン、クラス3.5以上:悪性疑い

Yokozawa T, Fukata S, Kuma K, et al: Thyroid cancer detected by ultrasound-guided fi ne-needle aspiration biopsy. World J Surg 1996; 20(7): 848-853

 

FNAの適応

*癌の危険因子:小児期の放射線照射の既往、甲状腺癌の手術歴・家族歴、硬く可動性のない結節、嗄声や頸部腫大リンパ節の存在、遠隔転移の存在、カルシトニン高値、FDG-PET/CT陽性

*悪性を強く疑う所見:以下のほとんどの所見に該当するもの。

形状不整、境界不明瞭・粗雑、内部低エコー、内部エコー不均質、多発微細高エコー、境界部低エコー帯が不整ないし無。

 

甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013

 

フォローアップ
  • FNAで正常あるいは良性の場合
    数年間は12~18ヶ月毎にエコーで経過観察を行う。増大や形状変化が見られる場合はFNAを再検する。

 

  • FNAを行わない場合
    USでハイリスク(USC4,5):6~12ヶ月毎にフォロー
    USで低~中間リスク(USC2~3):12~24ヶ月毎にフォロー
    USで最低リスク(USC1)で1cm以上:24ヶ月以降にフォロー
    USで最低リスク(USC1)で1cm未満:フォロー不要

 

良性結節に対する手術適応
  • 4cm以上の腫瘤
  • 明らかな増大傾向、急速な増大
  • 経過中に超音波検査で悪性の所見が現れた場合
  • 結節による局所症状がある場合
  • 血清Tg値が異常高値(>1000ng/ml)
  • 縦隔内へ進展している場合
  • 整容上の問題がある場合
  • 機能性結節で内科的な治療を希望しない場合

 

副腎偶発腫瘍

フローチャート

※副腎腫瘍の生検は通常行わない

 

機能性腺腫のスクリーニング検査

ACTH、コルチゾール、DHEA-S、血漿レニン活性、血漿アルドステロン濃度、血漿カテコラミン3分画(アドレナリン、ノルアドレナリンドーパミン)、随時尿中メタネフリン2分画(メタネフリン、ノルメタネフリン)

 

画像検査
  • 4cm以上は悪性腫瘍
  • 単純CT:CT値<10HUは良性と考えられる
  • 造影CT:CT値<30HUは良性と考えられる
  • 造影MRI:良性の場合は、T1強調画像でin phaseからout of phaseにかけてシグナル低下
  • 必要に応じてPET-CTも検討する。

 

経過観察

機能性腫瘍のスクリーニングを行い異常がなく、画像で悪性腫瘍も否定的の場合は経過観察とする。

  • 最初は半年後にフォロー
  • 以降は1年毎にホルモンとCT画像をフォローする。
  • 5年間のフォローで問題なければフォロー終了。

 

 

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低血糖

 

 

フローチャート

※薬剤性の原因:血糖降下薬、インスリン免疫チェックポイント阻害薬(irAE)
、ペンタミジン、β2作動薬、ジソピラミド、アルコールなど

 

検査

低血糖の補正(下記参照)、低血糖時指示入力

食事摂取量の確認

インスリンや血糖降下薬の中止

✅その他の低血糖を起こす薬剤の中止・変更(Ⅰa群抗不整脈薬、ACE、ARB、β-blocker、フルオロキノロン系、ST合剤、ペンタミジンなど)

✅以下の採血を行う(低血糖時の採血で評価する

採血:炎症反応(感染症の評価)、プロカルシトニン(敗血症の有無)、好酸球電解質(副腎不全)、肝機能(グリコーゲン低下による糖新生阻害)、腎機能(インスリン代謝低下)、HbA1c(現在の血糖管理が適切かどうか)、ACTH、コルチゾール(±Rapid ACTH)、FT4、TSH、血清CPR、血中インスリン値。必要なら抗インスリン抗体や抗インスリン受容体抗体。

✅鑑別が分からない場合、負荷試験のやり方が分からない場合 ⇒ 糖尿病内科、内分泌内科コンサルト

✅全身CT、血液培養、その他の各種培養(熱源の評価)

✅インスリノーマやIGF-Ⅱ産生腫瘍等の評価:腹部エコー、造影CT

✅相対的インスリン過剰がないか?(胃切除後のダンピング症候群、大量飲酒、運動後など)

irAE下垂体前葉機能低下症が疑われる場合 ⇒ 内分泌内科コンサルト頭部造影MRI、その他のホルモン(ソマトメジンC、LH、FSH、プロラクチン、テストステロン)、各種負荷試験

 

治療

🚩無症状であっても血糖値70mg/dl以下は治療対象とする。

🚩基本的には院内の低血糖マニュアルに従う

経口摂取可能な場合

ブドウ糖 5~10gを内服する。

✅低栄養やアルコール多飲がある場合はビタミンB1の補充も合わせて行う。

✅10~15分後に血糖再検。

 

意識レベル低下、経口摂取困難な場合

✅20%ブドウ糖40mlもしくは50%ブドウ糖液20mlを静注。
⇒ その後、5%Tzの点滴を開始する。

✅低栄養やアルコール多飲がある場合はビタミンB1の補充も合わせて行う。

✅10~15分後に血糖再検。

✅点滴が取れない場合はグルカゴン1mgを筋注する。
*グルカゴン注射は、数分後に嘔気が出やすいので注意。

 

 

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認知症

 

 

鑑別疾患

アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体病、頭部外傷(びまん性軸索損傷)、ハンチントン病、その他の変性疾患

treatable dementia

水頭症、硬膜下血腫、甲状腺機能低下症(橋本脳症)、薬剤性、低血糖、ウェルニッケ脳症(コルサコフ症候群)、ビタミンB12欠乏、ウイルス性脳炎髄膜炎ヘルペス脳炎など)、肝性脳症、尿毒症、うつ病HIV脳症、神経梅毒、電解質異常(高Ca血症など)、脳腫瘍、側頭葉てんかん、一過性全健忘(tga)

 

検査・処置

神経内科コンサルト

せん妄の除外

✅せん妄や周辺症状の対応のために精神科コンサルト(当直が困らないように早めに相談する)

✅抑制の同意書を取得

treatable dementiaの評価

✅HDS-R、MMSEなどの評価。突然の記憶障害は一過性全健忘?

✅ウェルニッケ脳症の可能性がある場合はビタミンB1の補充

✅血算、生化学、血糖、凝固、アンモニア、TSH、FT4、ビタミンB1ビタミンB12葉酸、血清梅毒検査

✅頭部CT、頭部MRI、SPECT

✅MIBG心筋シンチ(レビー小体病の評価)

✅必要に応じて髄液検査、脳波など

 

 

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