スウェーデン 福祉大国の深層 続報!

『スウェーデン 福祉大国の深層』を水曜社より商業出版(政府刊行物)して頂けました。読者の方からの要望を頂きスウェーデンの時事ニュースを主な内容とし、日本にも役立ち社会貢献にもつながるようなブログを記させて頂きます。

スウェーデン「爆弾事件容疑者の死因不明、パルメ首相暗殺・852人死亡海難事故も未解決」

https://www.svtstatic.se/image/wide/992/32857211/1634283498?format=auto

ヨーテボリ市 爆弾事件容疑者の死亡原因不明 

9月28日にヨーテボリ中心部にあるアネダル地区のアパートの3階吹き抜けの箇所で爆弾により大爆発が起き、6人が重傷を負い数百人が避難する爆弾事件が発生しました。

 

この爆発はアメリカのテレビチャンネルCNNでも報じられています。

www.cnn.co.jp

 

その後、容疑者として55歳の男性が浮かびあがり、警察はその男の行方を追っていました。

 

容疑者は10月5日、深刻な公共物破壊と殺人未遂の容疑で国際指名手配となっていました。

 

10月6日、とうとう容疑者はみつかったもののすでに生存しておらず、ヨーテボリ市を流れる川で水死体となって発見されたのでした。

 

kon-51.hatenablog.comkon-51.hatenablog.com

 

10月15日のスウェーデン共テレビSVTによれば、水死体となって発見された爆弾事件容疑者は事件発生から1週間後に死亡したと警察により判明しました。しかし警察は55歳の男性の死因は不明で犯罪の疑いはないと発表しています

 

これをうけSVTでは警察に幾つかの質問をしています。

容疑者が水に浸かったときに何かしらの影響があったのですか?

容疑者は自殺したのですか、それとも事故でしたか。または犯罪と関わっているのですか?

 

警察は現在のところ死因には犯罪の疑いはなく、その容疑者はもう生きていないと述べています。

 

6人の重傷者、周囲数百人が避難を強いられる大規模な無差別爆弾事件を起こし国際指名手配にまでなった容疑者が、事件から1週間後に自殺もしくは川で偶然に転落事故をおこしたと警察は考えているのでしょうか

 

警察は事件の解明を避け、まるで未解決事件として終わらせようとしたいようにさえ感じます。

 

www.svt.se

 

オロフ・パルメ暗殺未解決事件

ただスウェーデンではこうした未解決事件が非常に多くあります

 

1つとして1986年にスウェーデンオルフ・パルメ首相暗殺事件です。

 

 https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e1/Olof_Palme_statsminister%2C_tidigt_70-tal.jpg

 

 

オルフ・パルメは1969年から1976年に33代首相、1982年から1986年に37代首相を務めた政治家です。しかし在任中に暗殺され、現在も暗殺事件も未だに犯人は見つかっていません

 

1986年、パルメはストックホルムの路上で黒いオーバーの男によって拳銃で2発を撃たれて射殺されました。

 

パルメの妻の目撃証言によって事件後に容疑者としてスウェーデン生まれのクリステル・ペターションが逮捕され、地方裁判所終身刑となったが控訴審では妻の証言の信憑性が疑われるとして無罪となり、ペターションは2004年に頭部の怪我によって病院で息を引き取ったのでした。

 

またソ連国家保安委員会(KGB)が暗殺の情報を事前に掴んでいた可能性があるとスウェーデンの新聞等で報じられましたが、KGBはこれを否定しました。2006年には暗殺に使用されたと見られる拳銃がスウェーデンのダーラナ県にある湖底で発見されたのでした。

 

2020年6月10日に検察は暗殺の最重要容疑者として、パルメの左派政策に強く反対していた広告コンサルタントスティグ・エングストロムの名前を公表したものの、同容疑者は既に死亡しているとして、捜査を打ち切ったと発表したのでした。

 

 

20世紀最悪の海難未解決事故、852人の犠牲者

852人の犠牲者を出したフェリーエストニア号沈没事故も未だに未解決です。

 

約27年前の1994年9月28日、エストニアからスウェーデンに航海中の客船エストニアは突如バルト海で沈没しました。その沈没事故による犠牲者は852人もおよび20世紀最悪の海難事故の一つとして知られています。 

 

しかしスウェーデンエストニア政府とも調査に非常に消極的であり未だに原因不明の未解決事件なのです。またスウェーデンエストニアフィンランド政府はフェリーが沈んだ場所は、亡くなった方々の墓であるとし、沈没したフェリー付近での海中調査をこれまで禁止していました。

 

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エストニア号の沈没については、今も多くの疑惑が存在しています。

 

イギリスの新聞ガーディアンによると、関係国は事故の原因再調査に消極的であり、多くの事故発生説が上がりましたがどれも証明されてていません。その説の中には軍艦または潜水艦との衝突、組織犯罪集団の関与、または船で爆発が起こった説もあると報じています。

 

イギリスの左派系週刊誌ニュー・ステーツマンによれば、違法に入手したエストニアの船首部分の破片を研究所で検査したところ爆発の痕跡があり、バルト海沿岸諸国とイギリスによるエストニア沈船調査を拒否する合意は、諜報活動としてロシアの軍事物資を民間のフェリーを使用して密輸した事を隠蔽するものであると疑惑を向けています。

 

このように多くの疑惑があるにもかかわらず、現在まで約27年間調査が進まず、未解決の事件となっていたのでした。

 

27年間も調査が進展せず未解決であったこの沈没事故ですが、スウェーデンドキュメンタリー番組Discovery+のシリーズ「エストニアの中で、これまでの事故公式見解を覆すほどの穴が船体から発見され、新たな証拠が示されました。 

 

ドキュメンタリー番組「エストニアの中では、スウェーデンのジャーナリストであるラーシュ・ボーグナス氏は、スウェーデンの諜報部(KSI)が関与しており、客船エストニアにはロシアからスウェーデンへの武器密輸があったのではと語っています。

 

この番組はスウェーデンで大きく報じられ、とうとうエストニアスウェーデンフィンランドの外相が「新たな情報の調査をする」と共同声明を出したのです。

 

Discovery+『Estonia』

https://www.discoveryplus.co.uk/show/estonia

 

 

このようにスウェーデンでは多くの未解決事件が存在しているのです。

もしかするとこのヨーテボリ市の爆弾事件も大きな犯罪と繋がっているため、警察もこれ以上捜査を続けたくないのかもしれません。

 

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