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ペリカンお勧めのペンシルは1.18mmの茶縞450!【PELIKAN 450 レビュー】

2023年5月14日

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皆さんこんばんは。
 

最近ボールペンの記事を書いていない気がするなーと思いながら、今回もペンシルの記事を書いてしまうあたり、私自身がいまだかつて無いほどメカニカルペンシルにハマっているということでしょう。
 

個人的に仕事中はまず使うことがないペンシルですが、プライベートだと話は別になります。
 

ボールペンのようにリフィルを換えることで簡単に字幅の調整ができるわけでは無いですが、芯ホルダーを含めた世に出ているペンシルの字幅の多さ(サクッと思い浮かべるだけでも0.2mm~5.5mm)や濃度(芯の柔らかさ)を踏まえると、ボールペン以上に多彩な表現が可能となってくるのがペンシルの面白いところ。
 

そういう意味でも奥が深く、また、幼少期から慣れ親しんだ黒鉛であるがゆえ、大人でも子供でも楽しめる筆記具ではないかと思います。
 

前回の記事でPLOTTERのドローイングペーパーを使ってみて、再度注目することとなった太めのメカニカルペンシル。
 

柔らかくて太い線でスケッチをするのは面白いものです。
太めの黒鉛で紙面を撫でるのは、どことなく懐かしい気持ちになりますね。
 

今回は、2mm芯まで太くはないけど、取り回しが良くてオールマイティな芯径。
私も大好きな1.18mm芯を使うペンシルのレポートです。
 

 
今まで様々なメーカーの筆記具を使ってきましたが、唯一ペリカンのペンシルを使ったことがありませんでした。
何故かスーベレーンのメカニカルペンシルには食指が湧かずに今までずるずるときてしまいましたが、1.18mm芯を使うアンティークモデルとなると目の色が変わります 笑
 

「ペリカン 450 茶縞 メカニカルペンシル」。
美しいストライプの胴軸を持つ、1950年代のプッシュ式ペンシルです。
 

現在「スーベレーン」と呼ばれているモデルは、この400系を復刻させたものとなります。
いわば、現行スーベレーンのオリジナルとも言うべき450のメカニカルペンシル。
私を含め、スーベレーンが好きな方は必携のペンシルではないでしょうか。
 

それでは早速、ペリカン450茶縞ペンシルのディティールに加え、1.18mm芯でも使えるお勧めの芯研器、他の1.18mmペンシルとの比較など、いくつかに分けてレポートしていきます。
 

 

ペリカン450茶縞ペンシルのディティール

 

 
まずは、ペリカン450茶縞のデザインとスペックを見ていきましょう。
 

 
全長128mmのボディの半分は美しいトートイスのストライプ。
スーベレーンでいう400シリーズに通じるコンパクトなペンシルです。
 

この柄は2本と同じものが無く、手元にあるものは正に自分だけの一本。
ペリカンのストライプはグリーン、ブルー、レッドなど様々ですが、ストライプの個性がひときわ強いのは茶縞軸の特徴です。
 

茶縞カラーは握ったときの肌馴染みが良く、指先との一体感を感じることができますね。
 

セルロイド製の軸の重量は18gと軽量で、11mmのグリップ部軸径と相まって非常にライトな書き心地となっています。
 

デザインの要となるストライプが軸の上半分に来ている事で、筆記時にそれが指で隠れることなく否応なく気分が上がります。
 

 
450の肝とも言える上半分。
 

クリップはお馴染みのペリカンクリップ。
樹脂製のプッシュボタンの下には、まるで王冠のようなゴールドのリング、その下のペリカンは現行のスーベレーンに比べると小顔なのが特徴的です。
 

 
個性溢れるトートイスストライプをぐるっと一周。
イエローとレッドが混ざったような柄はべっ甲そのもの。ストライプにより上品さが増しています。
 

通常はこのように黄色みが強い色合いですが、赤みが強い個体もまれにあるようで高値が付くこともあるとか。
 

 
ストライプとダークブラウンの間にはゴールドのリングが配置されており、手元の個体は刻印無し。
製造年代によっては、「GERMANY」や「PELIKAN」「450(モデル名)」が刻印されていることもあるようです。
 

 
胴軸のリングに刻印が無い代わりに、クリップ根元のストライプ部分に「GÜNTHER WAGNER PELIKAN」の刻印。「U」のウムラウトがモンブランと同様に年代を感じさせます。
 

「GÜNTHER WAGNER」とは1860年代に工場長として働いていたギュンター・ワーグナーのことで、会社を引き継ぐと同時に社名となった模様。
その後、「PELIKAN」のみに社名が変わっています。
 

社名が変わったタイミングはわかりませんが、おそらくボールペンが発売開始された1955年~1960年代にかけて、ペリカンが総合筆記具メーカーとなったタイミングではないかという推測です。
 

 
芯の補充はプッシュボタンを外して行います。
胴軸は芯の保管庫を兼ねていますが、プッシュボタンの根元には保管庫のキャップ代わりであるプッシュボタンが抜けてしまわないように真鍮のリングが設置されていることが分かります。
 

プッシュボタンのノック感は手応えがありながらもまろやかな押し心地で、ノック音も控えめ。
同じドイツ製でも、モンブランPixペンシルのそれとは真逆の趣があるのが面白いところ。
 

 
ペン先に目をやってみましょう。
口金はチャックが少しだけ露出したデザイン。しっかりと芯を咥えています。
 

1ノックで1.5mm幅での芯繰り出し。
長すぎず短すぎず、これがとても良い塩梅なのです。
 

 
ペリカン400ととても良くマッチする450のデザインとサイズ。
もちろん、現行のスーベレーンM400やK400と合わせても良いサイズ感です。
 

 

ペリカン450の書きやすさの秘密は軸径と軸の形状

一項目でも少し触れましたが、このペリカン450ペンシルは非常に書きやすいです。
 

ペンシル自体の軽さもありますが、特筆すべきは軸の握りやすさ。
 

手元にはペリカン400万年筆をはじめ、何本かの万年筆とボールペンがありますが、その中でも一番の握りやすさを誇っているのがこの450。
 

 
保有するペリカン樹脂軸のボールペンとペンシル。
左から、
 

スーベレーン K800 ストーンガーデン(BP)
ペリカン 450 茶縞(MP)
スーベレーン K300(BP)
 

ペリカンの筆記具はデザインが同じでサイズの異なるモデル(300・400・600・800・1000)がラインナップされています。※300は廃番
 

中でも一番ベーシックなのが400(405)のサイズ感ではないでしょうか。
男女ともに手に馴染みやすいコンパクトな全長と軽さを持ち合わせています。
 

 
ストライプだけではないスーベレーンのキャップ部分。
M800ストーンガーデンはマーブル、スーベレーンのK300緑縞は450茶縞ほどではないですが、ちゃんとストライプに個性が見られます。
 

ああ、なんと美しい軸なのでしょう!
 

 
持ち手部分の樹脂は基本がブラックとなっていますが、一部黒以外のモデルもあります。
ストーンガーデンはネイビー、450茶縞はダークブラウン。
 

なかなか写真で表現するのが難しい450茶縞の胴軸ですが、この3本で並べるとダークブラウンのカラーが分かりやすく色が出ているのではないかと思います。
(右のK300と見比べると分かりやすい)
 

話は反れましたが、個人的に握りやすいK800の胴軸径に近い(もしくはそれ以上)胴軸径を持つ450茶縞。
 

 
胴軸部分だけを並べてみると、その形状の違いから来る書きやすさの理由が分かってきます。
 

写真にある通り、450茶縞のグリップ部分はわずかに膨らみがあり、これが極上の握り心地を実現していると言えます。
測ってみると11mmの軸径。
 

K800やK300の胴軸のシルエットはストレートで、ペン先に向かって急激に細くなる形状。
 

わずかな違いではありますが、この違いこそが書きやすさの秘密ではないかと考えます。
 

 

1.18mm芯で使うお勧めの芯研ぎ器

続いては、1.18mm芯に使うお勧めの芯研ぎ器について。
 

 
1.18mm芯というのはどうも微妙な芯径のようで、確かに芯研ぎをしなくても筆記にあたっては「太くなってきたら軸を回す」を繰り返すことで自然と芯先が尖ってくるため、細字を書くことにもあまり苦労をしないという経験があります。
 

そのような理由からも、最近は1.18mmのペンシルを使うときは芯を尖らせることを意識しないのですが、ブログへのコメントで1.18mmの芯削りは何を使っていますか?という質問が来ていて、そういえば1.18mm用の芯研ぎってあるのかな?と。
 

調べてみるとどうも無さそうで、やはり2mm芯用のものを使うのが正解っぽいです。
 

そういえば私も過去に1.18mmを使い始めた際使っていた2mm芯用があり、今回は再度その使い勝手をレポートしていきたいと思います。(かなり前にもやったことがある気がしますが、もう一度)
 

 
私が使っている芯研ぎはこの2つ。
 

・三菱鉛筆 uni 2.0mm芯用
・ファーバーカステル ハンディ芯研器2mm芯用
 

三菱鉛筆の方は、コンパクトでありながら使用後もペンケースを汚すことなく携帯できる優れもので、回転式の蓋と削った芯カスを溜められる機能がついています。
 

一方、ファーバーカステルのハンディ芯研器は超シンプルな作り。
ああ、これ芯研ぎだ、と一目で分かるデザイン。そこにあるのは持ち手と刃のみです。
 

尚、1.18mm対応のペンシルを芯研ぎする際は、口金まで削ってしまわないように芯を15mmほど引き出して使うのが良いかと思います。
 

 
三菱鉛筆製の芯研ぎの使い方。
黒いキャップ部分をずらし、削り口を出します。
 

 
長めに出した1.18mm芯を真っ直ぐ穴に差し込んで回すのみ。
まあ考えてみれば、2mmであろうと1.18mmであろうと、細く削れるように内部には円錐形の穴に沿って刃が設けられているため、仕上がりは同じなんですよね。
 

 
これだけ尖れば十分でしょう。
あとは口金内に芯を戻して完成。
 

芯カスも出ないし見た目もお洒落ですのでお勧めです。
 

 
もう一方のファーバーカステルも同様に、真っ直ぐ差してシャリシャリと削るのみ。
必ず下にはティッシュを敷いて削ります。
 

これの良いところは削り加減を見ながら削れること。
慣れてくると、差し込む角度を変えることで 芯先を鈍角にも鋭角にも削ることができます。
 

 
それぞれの芯研ぎ器で削り終えた芯はこのようになっています。
ファーバーカステルの方が若干鋭角に削れている気がしますね。
 

以上、私のお勧め芯研ぎ器でした。
削ったあとの書き味を含め、1.18mmの芯径が使いやすい理由は次項で。
 

 

1.18mm芯のペンシルが使いやすい理由

それでは削りたての1.18mm芯で書いてみましょう。
 

 
当たり前かもしれませんが、1.18mm芯とは思えないほど非常にシャープな線が書けます。
今まで尖っていない1.18mm芯を使ってばかりいたため、感動度合いが高いです。
 

1.18mm芯が使いやすい・優れている理由として、字幅に変化を持たせることができる点ではないかと考えます。
 

 
上の写真でも分かるように、尖らせた1.18mm芯先はほぼ0.5mmの字幅と同じくらいになっています。
その下の0.3mmと比べると流石に尖らせた1.18mmの方が太いですが、芯先の研ぎ方によって約0.5mm~1.18mmの幅の線を書ける(描ける)ということになります。
 

言い方を変えれば、手元に芯研ぎ器があることである程度自由に0.5mm、0.7mm、0.9mm、そして1.18mmの字幅をコントロールできると考えて良いでしょう。
(実際はそこまで細かく字幅を意識して描くことはないと思いますが…)
 

また、一番下の尖っていない1.18mmの字幅を見ると、少しボンヤリとしているように感じます。
字幅が太くなる=文字を書く際は次の鮮明さが損なわれることになります。
 

文字や絵において表現するという点では、紙表面の凹凸を生かした表現ができるため1.18mmという字幅を十分に発揮できるように思います。
 

あとは自分の好みに合った1.18mmのペンシルで書けば、至福の筆記体験となります。
 

 
現在メインで使っている1.18mm芯対応のペンシル5本。
左から、
 

パーカーデュオフォールド Jr ビッグレッド
モンブラン Pix L71
ペリカン 450 茶縞
カヴェコ 168K
ヤード・オ・レッド バイスロイ
 

※いずれも1920年~1950年代の過去モデル
 

やはり1.18mm芯のペンシルを十二分に愉しむには1.18mm芯全盛期のペンシルでないと!ということで、アンティークな年代のものばかり手元に集まってくるのです。
 

 
それぞれの1.18mm芯を尖らせてみました。
 

そういえばデフォルトで装填されていた芯はいずれも尖っていたことを思い出します。
 

通常の黒鉛を削る際は問題ないのですが、アンティークのカラー芯(ブルーやレッドなど)を削る際は注意が必要。
 

なぜならカラー芯は粘度が高いため、芯研ぎ器を使っても黒鉛ほどうまく削れないのです。
それどころか、粘度の高い芯が刃に引っかかって折れてしまう事もあります。
 

 
愛すべき1.18mm芯対応のペンシル。
 

各メーカーから発売されている現行モデルの筆記具において、1.18mm芯対応のものというとヤード・オ・レッドくらいしか思い浮かびませんが、1.18mm芯にこそ黒鉛筆記の面白さがあると感じています。
 

この記事を読んでご興味が湧いた方は、0.9mmや0.7mmがメカニカルペンシルの主流となる以前のモデルに注目頂きたい。
 

特にパーカーのデュオフォールドや、今回記事にしたペリカン450はユーズド市場でも比較的よく見かけるため入手しやすいかと思います。
 

ぜひ日常使用の一本に加えてみてはいかがでしょう。
 

それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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