・・・・・・・っということで、とんでもない映画を見てしまいました。
モノクロ映画で、画面サイズをわざと小さく作っています。
絶海の孤島に着任した二人の灯台守りの物語。
ウィレム・デフォーとロバート・パティソンのほぼ二人劇です。
(パディソンは【TENET】でニール役ね。)
デフォーは老いたベテラン灯台守り。
パティソンは新人という設定です。
出だしから二人のソリが合いません。
デフォーは重労働を次々と新人に命じ、自分は昼間から酒に溺れています。
そのくせ、灯台のてっぺんに鍵をかけて新人を絶対に入れようとしません。
自分が持つ人事権を盾に、新人を肉体的にも精神的にも追い詰めて楽しんでいます。
新人は我慢しながらも反抗せず、言いつけ通りに仕事をします。
なぜ反抗しないのか?
観客は当然のことながら、新人に感情移入します。
しかし、薄々いわく付きらしいことが分かってきます。
新人の前職は木こりで、どうやら同僚を殺害したようなのです。
4週間の勤務が終わってようやく帰れると思ったら、大嵐が来て迎えの船が着岸できず、長期間足止めになってしまいます。
そこから、だんだん二人は正気を失っていきます。
酒を断っていた新人も一緒になって酒浸りになっていきます。
仲良く抱き合ってダンスをしたかと思うと、取っ組み合いの喧嘩をし出します。
デフォーの言うことは、ほとんどが作り話であることも分かってきます。
新人が同僚を事故ではなく、殺害したことも見抜きます。
・・・・・・・
まあ、不愉快な映像の連続で、観客にもフラストレーションが溜まってきます。
いったいこの映画は何を言いたいのか??
人魚の幻想は何を意味するのか?(sexでしょう。)
カモメは何を表すのか?(神or悪魔の使いでしょう。)
新人はついに灯台の光源に辿り着くのですが、その強烈な光は何なのか?(たぶん神の象徴。)
ぼくにはさっぱり分かりませんでした。(;^_^A
画角を狭くしたのは、二人の心理劇から他に目を逸らせないためでしょう。
白黒画面にしたのは、グロテスクさを強調するためでしょう。
二人の熱演がすごいです。
分からないと書きましたが、たぶん「贖罪」がテーマです。
贖罪とは罪を贖うことです。
贖罪の中でも、「男性が背負う原罪」に対する贖罪でしょう。
完全に、男だけの世界を描いていますから。
不快な映画ですが、文句なしに星五つ。
★★★★★