・・・・・・・っということで、確か去年のアカデミー賞にノミネートされていた作品で、かなり評判が高かったと記憶しています。
なかなかの意欲作であることは認めますが、ツメが甘いです。
予備知識では、富豪達が乗った船が遭難し、無人島に流れ着くのですが、まったくサバイバル能力がなく、船で働いていた掃除のおばさんがリーダーシップをとってしまう話です。
まあその通りですが、主人公の男性がモデルのオーディションを受けるシーンが長々と続きます。
作品を間違ったかと思いました。
主人公のお相手は美人で、てっきりモデルだと思ったら、ネットのインフルエンサーとの設定。
男性モデルは女性の収入の半分しかないなんてセリフがあるので、当然彼女はモデルだと思うでしょう。
船酔いのシーンがこれまた長く続くのですが、吐くシーンがこれでもかと続きます。
終いには、トイレが溢れて流れ出し・・・
笑って欲しいのでしょうが、こういう不愉快な場面を執拗に見せつけられるのは不快です。
随所に映画作りの「未熟さ」を感じます。
とはいえ、光る部分も多数あります。
その才能が発揮されているのがセリフです。
相手の言葉の「揚げ足」を延々と取り続けるシーンは感心させられます。
あと、酔っ払った船長とオリガルヒであろう富豪とが社会主義を皮肉った小話(アネクドート)を繰り広げるのも面白かった。
金持ちに対する皮肉がテーマなのは分かりますが、もう少し捻りが欲しい。
ちなみにヒロインを演じたチャールビ・ディーンは、本作が公開されたわずか3ヶ月後に細菌性敗血症で、32歳という若さで亡くなっています。
ペットの口に生息する細菌だそうです。
雰囲気を持った実に魅力的な女優で、残念です。
★★★★☆