Hospitalized after
Traffic Accident in THAILAND

こんにちは
ピイル めぐみ(ドイツ在住)です。


今回は
海外で交通事故に遭って 
入院した時のことを お送りします。

それは ある日 突然
自分の身に降りかかりました。

タイのチェンマイで
一人暮らしをしながら
山岳民族に関わる仕事をしていた私は

ある日の夕方、
友人の経営する ヤオ族のお店に
寄った後、自転車に乗って
自分のアパートへ戻る途中でした。

通り慣れた道を
スイスイ進んでいると、

突然 体が宙に浮いて
そこから 記憶は途切れ

気づいたら 地面に仰向けに
横たわっている私・・・・・・

しばらく状況が飲み込めず
アスファルトの路面から
周囲を眺めてみると

私の乗っていた自転車は
5~6メートル先に倒れていて

その近くで
バイクにまたがった白人男性が
こちらを見て 呆然と立ち尽くしている。

ああ 私、追突されたのか
起き上がろう

あれれ、体が動かない
それに 鈍痛もする
これは まずいかも・・・・・・

立ち尽くしている白人男性に
「病院へ運んで下さい」
と 英語で伝えると

その男性は、あろうことか
そのままバイクに乗って
走り去っていく。

え? え? えええええ?
私をここに置いて 逃げる???


ブゥ~~~~~~~ン
(走り去るバイクの音)

うっそ (嘘でしょ)!?



現場近くで この様子を
見ていた数人のタイ人が 

「わーーー、バイクが逃げる!
 ナンバーXXXXX」
と 機転を利かせてくれる。

他の数人のタイ人は
私の方へ駆け寄ってきて
容体を尋ねてくれるので、

頭が痛いこと
救急車を呼んで欲しいこと
そして行きたい病院名 を伝える。

こういう時に
助けてくれる人達がいて
本当に良かった。

少し待つと
「病院に行く車が来たよ、さあ乗って」
と言われ 

救急車かと思いきや・・・・・・

トゥクトゥク (オート三輪) 登場!

え え え え え え ?

交通事故に遭ったケガ人を
トゥクトゥクで 運ぶんかいーーー!

「救急車はね、
来るまでに時間がかかるから。
これが一番速いよ」 と タイ人。

あ、なるほど。
この際、速く病院に行けるなら
何でもOK。

という訳で
救急車の代わりに
トゥクトゥクの後部座席に
横たわって

見知らぬタイ人女性が
トゥクトゥクに同乗してくれて 
病院へGO!

少しして
「着いたよ~」 と言われたので、

私の指定した
外国人がよく利用する○○病院
に到着したと思ったら、

なんと そこは
私のまったく知らない病院の
薄暗い救急搬入口。

「ここ ○○病院じゃないよね?」
と尋ねる私に

「ここが一番近いから。
ここはね、とっても いい病院だよ!」
と言われ

いい病院かどうかは
非常に疑問があったものの
何せ 体じゅうが ひどく痛む。

早く診察してもらって
身の安全を確保したいので

タイ人ペースで進行していく
この状況に 身をゆだねることに。

このときの私の所持品は
小さなカバンの中に財布ひとつと
着ている服だけ。

どこの誰とも分からない
外国人が担ぎ込まれたので、
病院側も まずは
身元確認のため書類手続き。

私は担架(ストレッチャー)に
仰向けになったまま 書類に
住所・電話番号・名前を記入し
親しいタイ人の名前と住所も伝える。

諸手続きをしているとき
どういう訳か
私の住んでいるアパートの
下働きをしている男の子が
ひょっこり現われる。

え?
なんで私がここにいるのが
分かったの?

事故に遭って まだ1時間も
経っていないはずなのに・・・・・。

こういう時、
タイの人達の連携プレーは
神ワザ級で

魔法のように
物事がとんとん運んでいく様子に
心底 驚かされます。

 

「事故に遭ったと
アパートのオーナーから聞いて
かけつけました。大丈夫ですか? 」 と。

っくぅぅぅううう~~~~~
もう 涙が出そう。

この時の私は
突然 事故に遭ったショックで
内心とても怖かったし 

あれよ あれよと 
知らない人達に囲まれて
知らない病院に運ばれて 

自分の容体が分からず
体を動かすこともままならず
心底 不安になっていたところに、

いつもアパートで あいさつを交わす
丸顔の 大きな瞳が
こちらを気遣ってくれて、
もう 心の中は 大泣き状態。

 

とはいえ
この若いお兄ちゃんに
泣きつく訳にもいかず、

グッと耐えて
「はい、何とか大丈夫です」
と伝える。

さて、診察が始まり
問診を受けた後に 全身のレントゲン。

レントゲンのベッドが
これまたカチカチに硬くて
体じゅうが 痛い。

後頭部と 尾てい骨を
強く打ったのが 自分でも分かる。

問診とレントゲンの結果、
骨折はなく、首のむち打ちと全身打撲。

とりあえず 骨に異常なしで
少しホッとする。

とはいえ
レントゲンと問診だけでは
内出血や脳波の状態など
細かなことは分からないから
不安は大いに残るものの

全身がひどく痛むし 
体も気持ちもボロボロに
すり切れているので

一刻も早く 
ベッドで静かに休みたい。

一通りの診察が終った後、
運ばれた病室は
ベッドが20台くらい並んだ 
だだっ広いフロアに
入院患者は私と もう一人だけ。

中央にナースステーションがあって、
間仕切りもないから
夜中も 蛍光灯の光が差して
落ち着かない。

でも、疲れ果てて寝る。

そして
激しい頭痛と 体の痛みで 
目が覚める。

私が目を覚ましたのを見はからって
看護師さんが 私のところへ来て

「体が痛むでしょ、
この鎮痛剤を飲んで下さい」
と錠剤を1錠くれる。

その鎮痛剤は なんと
直径 1.5㎝くらいの 超ビッグサイズ
しかも色が ショッキング ピンク!

  写真:錠剤のイメージ


超ビッグサイズの鎮痛剤を
手に取り、すこし考える・・・・・・

このサイズと色には 驚くけど、
多分 痛みに よく効くんだろうな~。


全身が痛くて
頭は割れるように痛い

飲もうか、

いや、やめておこう。

鎮痛剤を飲んだら
激痛が和らいで楽になるだろう、

でも その反面
どこが悪いのか分からなくなる
それが一番怖い。

異国のこの状況で
言葉も、医療システムも
医者の腕も よく分からない中、

一番頼りになるのは、やはり
自分の体に備わっているセンサー。

というわけで
激痛を引き受けて
自分の体の状態を観察することに。

しばらくすると
タイ人の友人が 駆けつけてくれて

一人暮らしをしている外国人の私
には難しい、入院の諸手続を
代理でやってくれることに。

ああ、本当に ありがたい。

ところで
この病院は入院患者が少なく、
しかも私が日本人で珍しいせいか

若い女性看護師さんが 夜も昼も
たびたび私のベッドへやってきて

「ほら このペンケース、
日本のキャラクターがついてるの。
私、日本のもの大好き♡」

「日本の文字(ひらがな)、
 とってもカワイイ~♡
 私の名前、書いてくれる?」

など 明るく
色々としゃべってきてくれて
気晴らしになるものの

弱っている身に
キャピキャピ光線の連続照射は
疲れる。


容体をみて
しばらく入院する予定になって
いたけれど

病院は落ち着かないし
自分の所持品がない状態
だったので

首にコルセットを着けたまま
数日で退院させてもらうことに。

自分の家で療養しながら
しばらくすると
警察から連絡が入る。 

事故現場から 警察署へと移された
私の自転車を見に行くと、

車輪のリムは グネグネに変形して
事故での損傷具合を再確認。

もう乗れる状態ではないけれど
私物なので、手配した小型トラックに
載せて引き取る。

ひき逃げ犯人については
警察で捜索したものの
結局 分からず、この件はお蔵入り。

私も早く終わりにしたかったので
これで一件落着。

この事故を通して 
肉体的に激痛を味わったし、

精神的には
事故後しばらくの間は
車やバイクが通る道に出るのが怖くなり
精神的ショックを引きずりました。

また、何も悪いことを
していない自分に
なぜ ひき逃げ事故が
降りかかったのか?

その意味は何だろう?

と 考えることも
たびたびありました。

でも、考えたところで
答は出なかったし、

「悪いのは ひき逃げ犯」
と悪者を決めたところで
自分が楽になるわけでもなかった。

大変な渦中にいるとき、
苦しくて 何とかその苦しさから
逃れたくなる。

苦しさから逃れるために
誰かのせい、何かのせい、

あるいは自分のせいにして
決着をつけたくなる。

でも、実際のところ
誰のせいでもなく
物事は ただ起きていたりする。

「起こることには意味がある」
というけれど

その渦中にいるとき
起こったことの意味は
だいたい分からない。

意味が本当に分かるのは
何年後か、何十年後か、

もしかしたら死ぬ間際
かもしれないし

死んでも分からない
かもしれない。

起こったことに
つい意味を求めたくなるけど、

意味づけすることは
実はあまり重要ではなく

それよりも
自分の身に起こったことを
きっかけにして

どんな経験を積むか
何を学ぶのか
という姿勢でいるほうが

得るものは はるかに大きい
のだと思います。

↓いいね click↓いただけると嬉しいです♪

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

人気ブログランキング

スポンサーリンク
おすすめ記事