大阪市内のタクシー営業 傾向と対策

私自身が乗務したのは結局一年弱ほどの期間でしたが、その間にもいろんな場所でいろんなお客さまと出会いました。他のドライバーなどから聞いた話もありますが、私自身の経験に照らして信用できそうなものをまとめてみましたので、もし現役で頑張っていらっしゃる方やこれからこの業界に踏み出そうとしている方がいらっしゃったら、参考にしていただけると幸いです。

北新地エリア

大阪市内でタクシーをやるのであれば、まず外せないのがいわゆる「北新地」です。特に深夜~早朝にかけてここをどう攻略するかが営業収入を上げる大きなカギになります。

よくも悪くも大阪市内のタクシーの売り上げはキタ新地ありきで成り立っています。

当然ライバルも多く、いかに有利なポジションでつけ待ちの場所を確保するかが鍵になります。繁忙期の時間帯(夜10時~1時)には車両の進入自体が禁止となるため、違反にも気を付けなければなりません。(※エリア内に自社専用の乗り場を持つM社やN社など一部の会社を除く)

隘路や通行規制など面倒も多いのですが、それでもここが多くのタクシーを引き付けるのは、圧倒的に深夜の長距離が出やすいからです。

ここは大阪の一等地だけあって高級料亭が並び、客層も40~50代以上のリッチなオジサマ世代が中心です。バブル期に比べればだいぶ大人しくなったと言われますが、それでも法人のチケットで料金に糸目をつけず神戸やら京都やらまで乗ってくれるお客さまがいくらでも湧いてくるのですから、多少のリスクを冒しても突っ込んでいく価値が十分にあるのです。

ただしタクドラ的においしいのは酔っ払いのおじさまに限ります

ホステスのBBAもといお姉さま方や男性でも30代以下の若手は1~数メーターまでの近場がほとんどで、ロングが出ることはほぼありません。

特にホステスの方は近距離のくせに妙に料金に細かかったり要求が多かったりで、あまりいい思い出がありません。チップをいただいたこともほぼありませんでした。

お姉さま方のにこやかな営業スマイルは、太客と別れてタクシーに乗り込んだ瞬間、まるで偽りの仮面が剥がれるようにきれいに消え去ります。その豹変ぶりたるや、ちょっとしたホラーですwww

特に夕方の出勤時間帯では1000円を超えないような距離を鬼のように急がせたり、すれ違いできないような場所で「ちょっと荷物を取ってくるから」などと待機させられたりで散々でした。

チップどころか、明け方に行先もきちんと指示されないまま走らされた挙句、結局1,000円ほど自腹で値引きさせられる憂き目にあったのも、今となっては笑い話です。。。いや、マジで冗談じゃないです( ノД`)…ちなみにこういう場合でも会社にはメーターどおりの額を納金させられます。会社はノーリスクで課金、まさに資本主義的搾取労働の権化です。

もちろん会社の経費で飲み食いしてるだけのおじさん連中より、身銭を切って通勤タクシー代を払うホステスの人たちの方がサービスに対する要求水準が高いのは当然だとは思うのですが、タクドラ的には長時間乗り場に並んで引いたお客がホステスのBBAお姉さまだと、やっぱりがっかりしてしまうのも否定しようのない事実なのです・・・

ミナミ

こちらも北新地に勝るとも劣らないタクシーの激戦区ですが、こちらは北とはかなり客層が違い、圧倒的に20~30代までの若者が中心です。

週末の道頓堀界隈はマジでカオスです。普通に泥酔者がそこらの路地に転がってたりしますが、事故ったら即人生詰みます。運転者の責任は絶対です。

エリア的には御堂筋~堺筋に挟まれた道頓堀・心斎橋エリア(宗右衛門町・三ツ寺筋・八幡筋)あたりが中心ですが、長堀通や千日前通でもお客さまに出会えます。

男女は半々くらいで、圧倒的にホストクラブの客&ホストがメインの顧客です。

ただしここもキタと同様に規制があり、所定のエリア内では夜10時から1時まで、定められた乗り場以外の場所でお客さまを乗せることが禁止されています(エリア外から乗ってきて降車するのはOK)。

しかし世の中にこんなにホストクラブだらけのエリアがあって、年がら年中平日でも夜な夜な遊びまわってタクシーで朝帰りしてる人たちであふれているなど、この年まで夢にも思ったことがありませんでした。。。

ホストにしてもお客さんにしても、決して安くないタクシーをばんばん拾い、キタのおじさま連中ほどではないですが、深夜割り増しの時間帯にそれなりの距離を乗っていただけることが多く、ありがたいお客さまでした。

二十歳そこらの金銭感覚としてはどうかと思いますが、路上で繰り広げられる乱痴気騒ぎの割には料金のトラブルや無茶な要求をされることもあまりなく、逆にいちばんチップをいただいたのもこのエリアでした。

ちなみにホストの人たちはキタのホステスたちと違って、意外とタクドラにも優しい言葉をかけてくれる人が多かったです。

コロナとかマンボウとか色々あるけど大丈夫なんでしょうか。ミナミは機会があったらまた見に行ってみたいです、こわいけどw

余談ですが、何だかんだ言って、キタってやっぱ未だに本質はブルジョワ階級の社交場なんでしょうね。「お前らタクドラみたいな底辺労働者は視界にも入らない」みたいな。誰も言ってないけどそんな冷たい感じがプンプンしてました。だから料亭もホステスも大嫌い。まああっちにはもう近寄る機会もないですがwww

御堂筋エリア

ここは大きく分けて梅田~本町あたりのビジネス街と心斎橋~難波の繁華街の二つのエリアに分かれます。

信号の手前まで来てから「そこ、右折で」なんていう客もいます。今一番左端の側道走ってるんですがね・・・

梅田~本町のビジネス街は日中~帰宅時間帯がメインですが、終電前後の時間帯は終電を逃してしまった帰宅組のオフィスワーカーを狙えます。特にこの時間帯はただ本線の側道を流すだけでなく、並行する街路に入ってどぶ板的な営業をしてみるのがおすすめです。

意外な場所に新しいホテルやレストランがあり、北摂方面など長距離のお客さまに出会えることがあります。

心斎橋~難波はいわずもがな、ミナミの繫華街です。時間帯を問わずいろんなお客さまに乗っていただけます。深夜帯に売り上げで困ったときは何も考えずに 心斎橋→難波→千日前通で左折→堺筋で左折、ホストクラブゾーン突入(※タクシー規制要注意)→長堀通で左折→心斎橋へ戻る を無心に繰り返してるだけである程度どうにかなったりします。 

堺筋エリア

ここは基本北向きの一方通行なので、流し営業のときは南向きの御堂筋とセットにすることが多いです。

御堂筋で南下→堺筋で北上 みたいなループですね。

ゾーン分けもだいたい御堂筋と同じですが、こちらで乗ってこられるお客さまは梅田~新大阪など北摂方面が多いので、新御堂筋への経路を頭に入れておきましょう。

堺筋ならではのスポットとして、日本橋があります。

今や電気屋さんを探すのが難しいくらいオタとメイドで溢れかえっています。。。

以前は電気屋さんが並ぶ街でしたが、今はアニメやらメイドやらであふれる街になっています。

ただタクシーのお客さまはどちらかというとそういう層よりも夕方にミナミへ出勤するホストの人とかお客のお姉さん達が多いです。この辺りにそういう年代が多いマンションが集中しているんでしょうね。

松屋町筋エリア

この道も御堂筋と同じで南向きの一方通行なので、流しのときは堺筋か谷町筋とセットにしていました。

表通りは見た目あんまぱっとしないですが一歩奥に入ると地味に高所得層が多いエリアなのです。あなどってはいけません。

人形の町、おもちゃの問屋街で有名なエリアですが、御堂筋などのように目立つ繁華街やオフィス街もなく、一見地味に見えるエリアですが、近くに高級マンションが多いためか、タクシーのお客さまは多いです。

流していると謎な時間帯に謎の長距離のお客さまが出たりするのもこのエリアです。夕方に突然藤井寺とか、深夜に奈良とか、本当にいろいろでした。。

アプリもよく鳴りますが、こちらはミナミのホストクラブへ行く短距離のお姉さま方が多かったです。

あとどういう訳か、他のエリアでさっぱりというときにここへ行くと、ふらっとお客さまに乗っていただけたりして、すごく助けられたエリアでした。

本町通は稼げる?

社内の先輩の話で「夕方~の本町通は狙える」という話を聞き、かなり試してみたのですが、私的には本町通を流してお客さまに出会えたという経験はあまりありませんでした。

以前活動していたタクドラ系Youtuberにも本町通を推していた人がいるので、タイミングとか流す方向(西向き・東向き)の問題かもしれませんね・・・( ノД`)

にほんブログ村 転職キャリアブログ 40代の転職・転職活動へ

コメント