ミュージックロボットAOIの原色★歌謡曲図鑑

ミュージックロボットAOIの原色★歌謡曲図鑑

史上初!ロボット目線の歌謡曲・J-POPレビューBLOG!

YMOブレーク前夜の教授の貴重な歌謡曲仕事。

サーカスの麗しいハーモニーを引き立てる端正なアレンジが光る!

人気クイズ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」が初めて放映されたのが1977年。

日本各地から集まった挑戦者たちがアメリカ大陸を横断しながら1,000問以上のクイズに挑戦し、ゴールのニューヨークを目指し、98年までに全17回が開催・放映された。当時、日本人の若年層の海外旅行がまだ一般的でなかったことから、「目指せ!アメリカ」のスローガンと共に人気番組に成長した。

 

この当時、歌謡曲やシティポップの世界でも、桜田淳子「サンタモニカの風」、杏里「思いきりアメリカン」、八神純子「パープルタウン」…とアメリカへの憧れを歌ったヒット曲が連発。サーカスの「アメリカン・フィーリング」も、そんな「日本人のアメリカへの憧れ」を背景に登場したヒット曲だった。

 

サーカスは前年夏、化粧品CMソング「Mr.サマータイム」がオリコン1位の大ヒット。

不倫の恋への後悔を歌ったダークな同曲のイメージを一新するかのように、「アメリカン・フィーリング」は陽性で爽やかなメロディーが印象的な楽曲。編曲はYMO結成間もない坂本龍一が手がけていた。

 

坂本としては、歌謡曲仕事はほぼこの曲が初めて。

「アメリカン〜」にはYMOで特徴的なテクノサウンドは施されず、サーカスの4人の美しいハーモニーを前面に出す事を目的化した品の良いアレンジを展開している。既に、テクノの鬼才として世に出始めていた坂本だったが、当時、ラジオでこの曲を聴くほとんどの人は坂本編曲である事を意識せずに聴いていたのではないだろうか。

 

作曲の小田裕一郎は翌年、松田聖子の「青い珊瑚礁」でも大ヒットを飛ばすが、「アメリカン〜」と同曲のサビは少しだけ似ている。

 

YMOブレーク前夜。

ことさらに「テクノ歌謡」を求められる以前の教授の貴重な歌謡曲仕事の一つ。

この曲で教授が聴かせた「美しい女性ボーカルとそれに奉仕するアレンジ」という技は、80年代以降、大貫妙子との一連の作品に継承されて行く。

 

「アメリカン・フィーリング」

作詞:竜真知子

作曲:小田裕一郎

編曲:坂本龍一

 

本ブログが、舞台化されました!

舞台「原色★歌謡曲図鑑」

 

東京・渋谷で5月上演した舞台「原色★歌謡曲図鑑」の見逃し配信が、

5/29(月)〜6/4(日)配信されます。

 

劇場でご覧になった方も、いらっしゃれなかった方も、

この機会にどうぞお楽しみ下さい!

 

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