【98人】執行済み死刑囚 一覧【2000年以降】

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執行済み死刑囚 事件まとめ

執行済み死刑囚 一覧

執行された死刑囚
2022年1加藤智大
2021年3藤城康孝小野川光紀高根沢智明
2020年0
2019年3魏巍、鈴木泰徳庄子幸一
2018年15オウム真理教関連13人
(松本智津夫、遠藤誠一、中川智正、
土谷正実、新実智光、井上嘉浩、
早川紀代秀、広瀬健一、豊田亨、
端本悟、横山真人、林泰男、
岡崎一明
末森博也河村啓三
2017年4西川正勝関光彦
松井喜代司住田紘一
2016年3吉田純子鎌田安利田尻賢一
2015年3神田司若林一行津田寿美年
2014年3小林光弘川崎政則高見沢勤
2013年8小林薫金川真大武藤恵喜
加賀山領治浜崎勝次宮城吉英
熊谷徳久藤島光雄
2012年7江藤幸子上部康明古沢友幸
松村恭造服部純也松田幸則
松田康敏
2011年0
2010年2 尾形英紀篠沢一男
2009年7山地悠紀夫前上博西本正二郎
川村幸也野村哲也牧野正
陳徳通
2008年15宮崎勤久間三千年持田孝
名古圭志松原正彦岡下香
坂本正人中村正春中元勝義
陸田真志山本峰照萬谷義幸
平野勇高塩正裕山崎義雄
2007年9藤間静波宮下政弘小田義勝
名田幸作岩本義雄瀨川光三
竹澤一二三府川博樹池本登
2006年4日高広明藤波芳夫
秋山芳光福岡道雄
2005年1北川晋
2004年2宅間守嶋崎末男
2003年1前原伸二
2002年2浜田美輝田本竜也
2001年2朝倉幸治郎竹内敏彦
2000年3勝田清孝大石国勝宮脇喬

2022年執行【1人】

加藤智大(39歳没)

秋葉原通り魔事件7人殺害:2022年7月26日執行:39歳没:東京拘置所

2008年6月8日、日曜日の歩行者天国の人の群れにトラックで突っ込み、その後、車を降りてダガーナイフで歩行者らを刺した。人生に不満があり、自分の存在を世間に知らしめるために起こした身勝手な通り魔殺人事件。

2021年執行【3人】

藤城康孝(65歳没)

加古川7人殺害事件7人殺害:2021年12月21日執行:大阪拘置所

2008年2004年8月2日、長年受けてきたいじめの恨みを晴らそうと、親類ら7人を殺害。いじめはあったが、被害妄想の影響も強かったと判断された。

死刑囚 238人最期の言葉

高根沢智明(54歳没)、小野川光紀(44歳没)

群馬パチンコ店員連続強盗殺人事件2人殺害:2021年12月21日執行:大阪拘置所

2003年2月23日、高根沢と小野川は、共謀して売上金を奪うためパチンコ店員を殺害。その後、4月1日には同じ手口で別のパチンコ店員を殺害した。

2019年執行【3人】

鈴木泰徳(50歳没)

福岡3女性連続強盗殺人事件3人殺害:2019年8月2日執行:福岡拘置所

度を超えたスナック通いやパチンコなどの遊興費で1000万円の借金を作った鈴木は、親の会社をクビになり、妻からも愛想をつかされた。やがて強い性欲と金銭欲を満たそうと女性を次々と襲い、3人を殺害した。

庄子幸一(64歳没)

大和連続主婦強盗殺人事件2人殺害:2019年8月2日執行:東京拘置所

「5つの仇なすものを排除しなければならない」という祈祷師からの助言を「5人殺すこと」と曲解した庄子幸一は、交際していた女と共謀して2人の主婦を殺害した。

魏巍(40歳没)

福岡一家4人殺害事件:4人殺害:2019年12月16日執行:福岡拘置所

2018年執行【15人】

オウム真理教関連の死刑囚(13人)

  1. 男性信者殺害事件:1989年2月10日、脱会しようとした信者を絞殺した。
  2. 坂本弁護士一家殺人事件:1989年11月4日、「オウム真理教被害者の会」の弁護士一家3人を殺害。
  3. 元信者殺人事件:1994年1月30日、施設内から女性信者を救助しようとした元信者が殺害された。
  4. 弁護士サリン襲撃事件:1994年5月9日、教団相手の民事訴訟の弁護士を殺害するため、車のフロントガラス付近にサリンを垂らした。殺害は失敗したが、中毒症を負わせた。
  5. 松本サリン事件:1994年6月27日、教団施設建設に反対する住民への報復として、長野県松本市で猛毒サリンを撒いた。7人が死亡、586人が重軽傷を負った。
  6. 元信者リンチ殺人事件:1994年7月10日、元信者の男性をリンチの末、絞殺。
  7. VX殺人事件及び同未遂2事件:信者の知人を「警察のスパイ」と決めつけ、1994年12月12日、VXガスを吹き掛け、殺害した。
  8. 目黒公証役場事務長拉致監禁事件:1995年2月28日、逃亡した女性信者の所在を聞き出すため、信者の兄(目黒公証役場事務長)を逮捕監禁のうえ殺害した。
  9. 地下鉄サリン事件:1995年3月20日午前8時頃、東京の営団地下鉄日比谷線・築地駅に到着した電車など計5台の電車でサリンを散布し、死者12人、重軽傷者5500人の被害を出した。首都中心部を大混乱に陥れることで、教団への強制捜査を阻止するのが目的だった。
2018年7月6日執行:7人
死刑囚拘置所関与した事件
松本智津夫63東京1~9 全て
土谷正実53東京4 5 7 9
遠藤誠一58東京4 5 7 9
新実智光54大阪1 2 3 5 6 7 9
井上嘉浩48大阪3 7 8 9
中川智正55広島2~9
早川紀代秀68福岡1 2
2018年7月6日執行:6人
死刑囚拘置所関与した事件
林泰男60仙台9
広瀬健一54東京9
豊田亨50東京9
端本悟51東京2 5
横山真人54名古屋9
早川紀代秀68福岡1 2
死刑囚200人 最後の言葉

オウム真理とは、かつて存在した麻原彰晃(本名:松本智津夫)を教祖とする日本の新興宗教団体。当初はヨガを学ぶサークルに過ぎなかったが、次第に常軌を逸した行動を始める。

「出家信者に全財産をお布施させる」、「麻原の頭髪や血、麻原の入った風呂の残り湯などの奇怪な商品を高価で販売する」などして、多額の金品を得て教団を拡大させた。このような「奇怪な商品の売付け」や「過激な修行」で、懐疑的になった信者が逃走すると、拘束して暴行したり殺害するなどした。
1988年から1994年の6年間に、脱会の意向を示した信者のうち、判明しているだけでも5人が殺害され、死者・行方不明者は30人以上に及び、恐怖政治で教祖への絶対服従を強いていた。

また「真理党」という政党を結成し、第39回・衆議院議員総選挙(1990年)に臨むも、惨敗に終わったことから社会と敵対するようになった。麻原に帰依しない部外者を「ポア(殺害)」により「救済」するとして、国家転覆計画すらも実行するようになった。その到達点ともいえる1995年3月20日の地下鉄サリン事件は、「宗教団体が平時の大都市を狙い、強力な化学兵器で同時多発テロを起こす」という過去に類のない大事件で、日本中を震撼させた。

河村啓三(60歳没)、末森博也(67歳没)

【死刑囚・河村啓三が書いた本】

コスモ・リサーチ事件2人殺害:2018年12月27日執行:大阪拘置所

河村、末森ら3人は、何の非もない投資顧問会社「コスモ・リサーチ」の経営者を拉致し、1億円を脅し取ったうえで同社の社員1人とともに殺害した。

2017年執行【4人】

住田紘一(34歳没)

岡山元同僚女性バラバラ殺人事件1人殺害:2017年7月13日執行:広島拘置所

「婚約者が別の男と結婚した」ことへの欲求不満を晴らすため、無関係の元同僚女性を性的暴行のうえ殺害。遺体はバラバラにして川などに遺棄した。

西川正勝(61歳没)

スナックママ連続殺人事件4人殺害:2017年7月13日執行:大阪拘置所

金銭目的で女性がひとりで経営するスナックをねらい、4人のママを殺害した事件。犯人の西川は18歳以降、普通の社会で暮らした経験が5か月しかなく、人生のほとんどを刑務所で過ごしていた。

関光彦(44歳没)

市川一家4人殺害事件4人殺害:2017年12月19日執行:東京拘置所

犯行当時19歳の少年だったが、あまりの凄惨さに死刑となった事件。犯人の関光彦は、拉致・監禁・性的暴行をくわえた女子高生の自宅に後日侵入し、本人以外の家族全員を殺害した。

私が見た21の死刑判決

松井喜代司(69歳没)

安中親子3人殺人事件:3人殺害:2017年12月19日執行:広島拘置所

群馬県高崎市の水道設備業・松井喜代司(当時46)は、1994年2月13日、交際していた安中市に住むコンパニオンの女性(当時42)を殺害した。

松井は女性とは結婚するつもりの交際をしていて、そのためにすでに約350万円を使っていた。しかし、この女性に結婚の意志がないことを知って激怒。1994年2月13日午後10時頃、女性が住むアパートで待ち伏せ、路上にて帰宅した女性の頭などを持参したハンマーで殴って殺害した。

さらに、車で約3km離れた女性の実家に押し掛け、結婚に反対していた女性の父親(当時69)、母親(当時65)をハンマーでめった打ちにして殺害。その後、隣に住む女性の妹宅に侵入し、(当時38)をハンマーで襲い怪我を負わせた。次いで2階で寝ていた長女(当時6)の首を絞めて殺そうとしたが、妹の夫に取り押さえられた。

2016年執行【3人】

吉田純子(56歳没)

久留米看護師連続保険金殺人事件2人殺害:2016年3月25日執行:福岡拘置所

主犯の吉田純子は、看護師仲間3人を洗脳して大金を巻き上げた。やがて3人を支配下に置くようになると、そのうち2人の夫に保険金をかけて殺させた。吉田は女王のように君臨し、奪った金のほとんどを浪費していた。

鎌田安利(75歳没)

大阪・連続女性バラバラ殺人事件5人殺害:2016年3月25日執行:大阪拘置所

大阪・西成区で盗品を売って生活していた鎌田は、知り合った女性を次々と殺害した。犠牲者は小学生女児を含む5人。殺害した理由は、些細なことでカッとなったためだった。

田尻賢一(45歳没)

熊本女性2人強盗殺人事件2人殺害:2016年11月11日執行:福岡拘置所

パチンコや風俗で作った借金を何度も親に肩代わりさせてきた田尻。さらなる借金があったが、親はこれ以上頼れず、借金がバレるのも嫌という理由で強盗殺人を計画した。

2015年執行【3人】

神田司(44歳没)

闇サイト殺人事件1人殺害:2015年6月25日執行:名古屋拘置所

闇サイトで知り合ったばかりの男3人が、通りすがりのOLから預金を奪おうと拉致・監禁した。そして暴力で銀行の暗証番号を聞き出したのちに殺害。しかし女性が教えたのは2960(憎むわ)という架空の番号だった。

娘を奪われたあの日から:名古屋闇サイト殺人事件・遺族の12年

若林一行(39歳没)

岩手県洋野町母娘強盗殺人事件2人殺害:2015年12月18日執行:仙台拘置支所

妻子を養う身でありながら、パチスロで多額の借金を作った若林。滞納した家賃を払うと大家に約束したことから、面識もない母娘の家に強盗に入った。しかし、目出し帽を取られて顔を見られてしまい、母娘2人を殺害した。

津田寿美年(63歳没)

川崎アパート3人殺害事件:2人殺害:2015年12月18日執行:東京拘置支所

川崎市のアパート1Fに住む津田寿美年(当時57)は、2009年5月30日午前6時40~45分頃、隣室に住む男性(当時71)とその(当時68)の胸や腹を包丁で数回刺し、失血死させた。
さらに玄関先で、男性の実兄であるアパートの大家(当時73)の胸を刺し殺害。110番通報で駆け付けた神奈川県警幸署の署員が、自室であぐらをかいて座っていた津田を現行犯逮捕した。

津田は約5年前にアパートに入居したが、無職で生活保護を受けていた。4年前から男性らに、部屋の掃除やドアの開閉、洗濯などの生活音について文句を言っていた。(ただし、同階に住む他の住人は、気にしたことがなかったと新聞記者に語っている)事件前日の夕方から酒を飲んでおり、逮捕時の呼気1L当たりアルコール分0.35㎎が検出されている。

津田は事件前から不眠症の治療を受けていた。簡易鑑定では「刑事責任能力に問題ない」との結果が出ていたが、横浜地検川崎支部は「(生活音という)動機と殺害に至るまでが飛躍しすぎている」「裁判員裁判に向けて捜査に万全を期すべきだと判断した」として6月16日から9月15日まで3カ月間鑑定留置し、専門医が事件当時の精神状態を調べていた。その結果、刑事責任を問えると判断し、9月17日に起訴した。

2014年執行【2人】

川崎政則(68歳没)

香川・坂出3人殺害事件3人殺害:2014年6月26日執行:大阪拘置所

「病気の妻に借金の肩代わりをさせた恨み」で妻の姉を殺害した川崎政則。その際、泊まりに来ていた孫の幼女2人にも手をかけた。テレビのワイドショーが、幼女らの父親をあたかも容疑者のように報道したことが大きな話題となった。

小林光弘(56歳没)

武富士弘前支店・強盗放火殺人事件5人殺害:2014年8月29日執行:仙台拘置支所

競輪にハマって借金を重ねた小林光弘は、消費者金融を脅せば金を出すだろうという甘い考えのもと強盗に入った。しかし、店長は応じることなく通報。焦った小林は撒いていたガソリンに火を点け逃走したが、この火災で5人が焼死した。

高見沢勤(59歳没)

暴力団組長による3人射殺事件:3人殺害:2014年8月29日執行:東京拘置所

2013年執行【8人】

小林薫(44歳没)

奈良小1女児殺害事件1人殺害:2013年2月21日執行:大阪拘置所

性的な目的で下校中の小学1年女児を誘拐して自室に連れて行ったが、事件の発覚を恐れて殺害。その後、女児の携帯を使って心配する母親に遺体の写真を送った。

金川真大(29歳没)

土浦連続通り魔事件2人殺害:2013年2月21日執行:東京拘置所

自宅の近所で面識のない高齢男性を刺殺。数日後、常磐線・荒川沖駅にて無差別の通り魔殺人事件を起こした。犯行動機は「死刑になるため」だったという。

死刑のための殺人: 土浦連続通り魔事件

武藤恵喜(62歳没)

名古屋市スナック経営者強殺事件2人殺害:2013年2月21日執行:名古屋拘置所

1983年に起こした殺人事件で、懲役15年が下った武藤恵喜。1998年に出所したわずか4年後、再び殺人を犯す。人生の半分を刑務所で過ごしてきた武藤は、また同じ暮らしに戻るだけと甘く考えていたが、今回は死刑が確定した。

浜崎勝次(64歳没)、宮城吉英(56歳没)

市原市ファミレス組員2人射殺事件:2人殺害:2013年4月26日執行:東京拘置所

元暴力団組長・浜崎勝次(当時56)は暴力団組員・宮城吉英(当時48歳)、暴力団幹部の男(当時61)と共謀して、2005年4月25日午後8時55分頃、千葉県市原市のファミリーレストラン「ジョナサン 五井店」の店内にて他の暴力団関係者の男3人に拳銃で発砲した。

撃たれた3人のうち、職業不詳・市原市の暴力団関係者A(当時45)と埼玉県草加市に住む建築業者の暴力団関係者B(当時39)の2人が7発が命中して死亡した。事件当時、店内には一般客17人と従業員5人がいた。

浜崎らと発砲された側には、2004年4月に宮城が起こした傷害事件の慰謝料支払いを巡るトラブルがあった。浜崎らは金銭を要求されており、要求をのむことは「ヤクザとしてのメンツがつぶれる」と考えたのが犯行の動機とされている。

宮城は5月25日に逮捕されたが、浜崎は逃亡を続けていた。しかし2007年3月8日、水戸市内のコンビニ駐車場にいるところを見つかり、逮捕された。もうひとりの共犯者は、犯行の2日後に拳銃自殺している。

熊谷徳久(73歳没)

横浜中華街店主銃殺事件:1人殺害:2013年9月12日執行:大阪拘置所

無職の熊谷徳久(当時64)は、2004年4月に窃盗罪で服役していた刑務所を出所すると、ディスコの開店資金を得るために強盗を計画した。

熊谷の計画は、「2004年5月6日に東京駅の ”キヨスク集金事務所” を拳銃で襲撃する」というものだったが、実際はそのような集金所は存在していなかった。当然、探してもみつけることができず、熊谷は腹いせのため午後5時頃、東京駅地下3階の機械室に灯油をまいてライターで放火。廃棄するため置いてあったエアコンやペンキ缶などを焼いた。

この火事で、東京駅地下5階にある総武快速・横須賀線ホームに白煙が立ちこめ、乗客約300人が避難する騒ぎになった。

その後の5月27日には、熊谷は現金を奪おうと横浜市内の警備会社事務所を襲うも、何も奪うことはできなかった。

そして5月29日深夜、熊谷は横浜中華街の中華レストラン経営者(当時77)を、横浜市中区の自宅前で待ち伏せし、頭を拳銃で撃ち殺害。経営者が持っていた売上金約44万円入りのバックを奪った。

6月23日朝、熊谷は東京メトロ・渋谷駅構内で駅員(当時32)の腹を拳銃で撃ち、右足まひなどの後遺障害を残す重傷を負わせ、駅員が持っていた紙袋(洗面用具などを入れていた)を奪って逃走した。

熊谷は6月26日、渋谷駅銃撃事件について警視庁に出頭。その後、横浜市の強盗殺人事件で家の周辺に残された指紋が一致したこと、銃弾に残された線条痕が酷似していることから神奈川県警が追求、犯行を自供した。出頭当時、所持金は数百円だった。

加賀山領治(63歳没)

DDハウス殺人事件2人殺害:2013年12月12日執行:大阪拘置所

ホームレスの加賀山は、金銭目的で帰宅途中の中国人留学生(女性)を襲い、殺害してしまう。その7年後、今度は大阪のD.Dハウスのトイレにて「強盗の道具を見られた」という理由から、飲みに来ていた男性を殺害した。

死刑囚 238人最期の言葉

藤島光雄(55歳没)

山梨・新潟連続殺人事件:2人殺害:2013年12月12日執行:東京拘置所

無職・藤島光雄(当時27)は1981年に結婚し、子供を1人設けるも典型的なヒモ生活を送っていた。1985年、藤島は秋田県で知人に日本刀で斬りつける傷害事件を起こして逮捕される。藤島の妻は、これを幸いに離婚届を提出して秋田から出ていった。

しかし藤島の判決は執行猶予が付いたため、3ヶ月余りで自由の身となった。藤島は保護観察所からの出頭命令を無視して秋田県を離れ、1986年3月6日、山梨県に住む妻の伯母(当時73)の所へ向かった。

この伯母は元妻の母親の姉だが、母親は元妻が幼いころに離婚し、再婚したため、伯母が元妻を引き取って養育していた。また、藤島と元妻が結婚したときも一時同居させるなど面倒を見るとともに、藤島と元妻が京都府内の病院で出産した長男を放置したときは、これを引き取って養育していた。

藤島は、元妻の様子を探っているところを、伯母に見つかりとがめられる。もし、警察に通報されれば執行猶予が取り消されることになり、それを恐れた藤島は逆上する。伯母の顔を浴槽の水に押しつけて窒息死させ、そこへたまたま戻ってきた元妻を連れて逃走した。

金が乏しくなったことから、藤島は、元妻が新潟市でキャバレーで働いていたころの客で、結婚を希望していた茨城県の会社員(当時26)から金を奪おうと計画。金を出せたが、殺人を犯したことをしゃべってしまったため口封じしようと考え、3月11日未明、会社員を新潟市内のホテルに連れ込んだ。

会社員は元妻が藤島の人質とされていると信じ込んで抵抗せず付いていった。ホテルで会社員はナイフで脅されながら風呂に入れられ、元妻に洗わせたり、情交させるなどした後、会社員の両手足をシーツなどで縛り、2人で浴槽に押し込んで水死させた。

死体は円形ベッドのマットを持ち上げて隠したが、偶然ベニヤ板で覆われた密封状態であったため、腐敗が進まず、死体に気がつかなかったという。藤島は1985年秋頃から、会社員を金づるとして利用し、元妻を通して手に入れた金銭で遊興していた。元妻にも結婚の意思は無かった。

藤島は元妻を連れて遊興を繰り返しながら逃走。途中、京都で2件の窃盗で現金約13万円を奪っている。17日、京都でナイフを所持していたところ、銃砲刀剣類所持等取締法違反により現行犯逮捕された。

2012年執行【7人】

上部康明(48歳没)

下関駅通り魔事件5人殺害:2012年3月29日執行:広島拘置所

極度の対面恐怖症から人生に行き詰り、妻にも逃げられた上部康明。自暴自棄となったあげく、JR下関駅で5人を殺害した。

古沢友幸(46歳没)

横浜元妻一家殺害事件:3人殺害:2012年3月29日執行:東京拘置所

無職の古沢友幸(当時37)は、離婚を決意して実家に帰っていた妻の正子さん(当時37)が一方的に浮気していると思い込み腹を立てていた。古沢は、妻を実家から無理やり連れ出して浮気について白状させることを企てる。その際、妻の両親が騒いだり邪魔をした場合は、殺害もやむないと考え、アタックナイフなどの凶器を準備した。

2002年7月31日深夜、古沢は妻の実家の横浜市都筑区のマンションまで出向き、ベランダから室内に侵入。そして妻を連れ出そうとしたところ、義両親が騒ぎに気付き、目を覚まして起きてきた。

古沢は計画通り殺害を決意し、正子さんの父親・宇治川正義さん(当時71)と母親(当時63)、正子さんの前夫との長男・勇輝くん(当時12)をアタックナイフで胸や腹を刺して殺害した。(古沢は勇輝くんと養子縁組をしていた)

その後、古沢は正子さんの手足に手錠をかけ、無理やり乗用車に押し込み逃走、富山県内のホテルに監禁した。8月4日、指名手配されていた古沢は富山市内で逮捕された。

松田康敏(44歳没)

宮崎連続強盗殺人事件:2人殺害:2012年3月29日執行:福岡拘置所

無職の松田康敏(当時33)は、パチンコやスナック通いで消費者金融に多額の借金があった。松田は生活費に困窮し、2001年11月20日、宮崎市内の民家に侵入し、現金約1万円が入った財布を盗んだ。

さらに11月25日午後3時頃、宮崎県西都市でスナックを経営する橋田とし子さん(当時53)宅に無施錠の台所窓から侵入。深夜0時頃、橋田さんがスナックの営業を終えて家に帰ってきた。家の中で待ち伏せていた松田は、橋田さんを包丁で刺したうえに首を絞めて殺害。そして現金37000円が入った財布入りのバッグを奪った。松田は橋田さんのスナックで、9年前にアルバイトをしていた。

その後11月29日から12月5日の間に、民家に侵入して現金を盗んだり、路上に放置された自転車を盗んだりした。

そして12月7日の午後、松田は再び殺人事件を起こした。松田は国富町で雑貨店を経営していた真子守江さん(当時82)宅に侵入し、真子さんの首を絞めて殺害。現金約63万円とセカンドバッグを奪った。この犯行時、松田は家の前に自転車を停めていたが、これが逮捕のきっかけとなった。

不審に思った近隣住民が、自転車の防犯登録番号を控えていたのだ。ほかにも松田が窃盗のため民家を物色していた際、偶然にも住人がその様子を目撃していた。松田と面識があるこの住人が警察に届け出たことから、松田には嫌疑がかけられることとなった。

松田は盗んだ金は遊興費にあてていた。12月11日、警察は宮崎市内のパチンコ店で防犯登録番号が一致する自転車を発見。店内には指名手配中の松田がいたため、逮捕となった。

松村恭造(31歳没)

京都・神奈川親族連続強殺事件2人殺害:2012年8月3日執行:大阪拘置所

気に入らないことがあれば暴力をふるい、プライドだけは無駄に高かった松村恭造。暴力沙汰で高校も大学も中退、仕事もクビになり、追い詰められた結果、金の無心を断った親族2人を殺害した。

服部純也(40歳没)

三島女子短大生焼殺事件1人殺害:2012年8月3日執行:東京拘置所

服部はアルバイト先から自転車で帰宅途中の女子短大生に声をかけ、無理やり車に押し込み強姦した。そして、このことが発覚することを恐れ、女子短大生の頭上から生きたまま灯油をかけ、火を付けて殺害した。

江藤幸子(65歳没)

福島悪魔払い殺人事件6人殺害:2012年9月27日執行:仙台拘置支所

新興宗教の教祖・江藤幸子は、気に入らない信者に ”除霊” の名目で複数の信者と暴行をくわえて6人を殺害した。女性の被害者がターゲットにされた理由は、”女の嫉妬” が原因だった。

女のブラック事件簿 江藤幸子編

松田幸則(39歳没)

熊本県松橋町男女強盗殺人事件:2人殺害:2012年9月27日執行:福岡拘置所

無職の松田幸則(当時30)は、2003年10月16日午前11時20分頃、熊本県松橋町(現宇城市)の木下啓子さん(当時54)宅に侵入。木下さんと同居していた元精肉店経営者・三浦隆雄さん(当時54)の2人を鋭利な刃物で刺して殺害した。

当時、松田は三浦さんから約20万円を借りていたほか、ヤミ金融などにも多額の借金があった。殺害後、松田は現金約83000円や腕時計、ショルダーバッグなど約24万円相当を奪って逃走した。

捜査本部は目撃証言や、三浦さんの帳簿に名前があったことから松田を割り出した。そして11月3日から任意同行で取り調べたところ、「借金返済に困り2人を殺した」と犯行を認めたため、11月4日に逮捕した。

2010年執行【2人】

尾形英紀(33歳没)

熊谷男女4人殺傷事件2人殺害:2010年7月28日執行:東京拘置所

交際していた少女をめぐる恋愛トラブルから、尾形は相手の男性を殺害。さらに、たまたま一緒にいた(男性の)職場の同僚女性ら3人もひどい暴行を受け、うち1人が死亡した。

篠沢一男(59歳没)

宇都宮宝石店放火殺人事:6人殺害:2010年7月28日執行:東京拘置所

栃木県小山市の元・産業廃棄物処理仲介業・篠沢一男は、愛人にブランド品を贈るなど金を貢ぎ、さらに仕事もなくなり金に困窮していた。そして、消費者金融からの300万円以上の借金をした。

篠沢は以前、消費者金融の借金300万円以上を、父親に返済してもらっていた。だが。その後も借金を重ね、その額は再び300万円を超えていた。「これが発覚したら家庭が崩壊する」と焦った篠沢は、宝石店を襲撃することを決意、従業員が全員女性である宇都宮市の宝石店に目を付けた。

2000年6月11日、商談を装って店を訪れた篠沢は、午後10時50分頃、女性店長(当時49)、女性店員(当時51、当時51、当時41、当時24、当時22)の計6人の手足に粘着テープを巻き付けて1階奥の休憩室に押し込んだ。そして、室内や店員にガソリンをかけてライターで放火。指輪など293点(1億4025万円相当)を奪った。

火は店舗と休憩室を全焼させ、6人の従業員は全員死亡した。目撃証言などから篠沢を割り出した捜査本部は、12日午前11時半頃、現場近くの東武・宇都宮駅併設の立体駐車場で発見。重要参考人として事情を聞いたところ犯行を認めたため、13日、強盗殺人と現住建造物等放火の疑いで逮捕した。

2009年執行【7人】

西本正二郎(32歳没)

長野・愛知4連続強盗殺人事件4人殺害:2009年1月29日執行:東京拘置所

生活費に困窮した西本正二郎は、乗車したタクシーの運転手を殺して売上金を奪った。その後、一人暮らしの高齢者の家に次々と強盗に入り、3人を殺害した。

川村幸也(44歳没)、野村哲也(39歳没)

ドラム缶女性焼殺事件:2人殺害:2009年1月29日執行:名古屋拘置所

共犯者の確定刑:牧田晃和(無期懲役)、佐藤光希(無期懲役)、白沢秀樹(懲役12年)、池田浩市(懲役12年)

中古車販売業・川村幸也と従業員の野村哲也は、自動車部品販売会社社長・牧田晃和(当時40)、会社員・佐藤光希(当時37)、会社員・白沢秀樹(当時45)、会社員・池田浩市(当時28)と「商品の取り込み詐欺」をする会社を運営していた。

6人は同じ運送会社に勤務している時に知り合い、野村と川村が詐欺会社を設立、他の4人を取締役に就任させていた。4人は会社を受取人とする5千万円の生命保険に加入させられ、「逆らえば殺される」という意識を植え付けていた。

野村は会社の資金稼ぎのため、父親の金融会社からある仕事を請け負った。それは、振り出した約束手形金240万円の支払いに応じない名古屋市の喫茶店経営の男性(当時56)から、金を取り立てるというもの。男性は以前金融業を営んでいたが、数千万円の借金があった。

男性との交渉は、「返済する金がない」と難航する一方、父親から「どうなっているんだ」と催促されていた。父親を恐れていた野村は川村と相談し「帰宅する夫婦をさらって殺害し、乗用車を奪うしかない」と決意した。

川村と野村の指示で共犯の4人は2000年4月4日午前0時半頃、男性を駐車場で待ち伏せて角材で襲い、約2週間のケガを負わせた。だが男性は逃げてしまったため、一緒にいた(当時64)と従業員で妻の妹(当時59)を乗用車ごと拉致。現金2万4000円などを奪った。

さらに川村・野村・牧田・佐藤の4人は、牧田の車に乗り換え、午前2時半頃、瀬戸市の山林で2人をドラム缶に押し込み、ガソリンをかけて焼死させた。さらに遺体をチェーンソーなどで切断、山中に放棄した。

牧野正(58歳没)

北九州母娘殺傷事件:1人殺害:2009年1月29日執行:福岡拘置所

北九州市門司区の無職・牧野正(当時39)は1990年3月12日夕方、窃盗目的で会社員女性(当時53)宅に侵入して室内を物色した。だが午後6時20分頃、女性の長女(当時25)に見つかったため、用意した包丁で長女の首などを数回刺して殺害。現金2300円入りの財布等を盗んだ。

逃げようとしたところ、帰宅した女性と玄関前でもみあい、包丁でのどを刺して2ヶ月の重傷を負わせた。さらに通り掛かった小倉北区に住む看護婦見習の女性(当時18)の後頭部を持っていた鉄製バールで殴って全治10日間のけがをさせ、手提げバッグ、現金2千円などを奪った。

牧野は事件の3時間前(午後3時20分頃)、門司区のマンション前で通行中の女性(当時57)の頭を後方からナタで殴りつけ、頭の骨の骨折で全治2ヶ月の重傷を負わせていた。この女性からは、現金500円、手帳などの入った手提げバッグを奪っている。

牧野はボートレースに凝り、サラ金などに百数十万円の借金があった。捜査本部は3月20日に住居侵入容疑で逮捕。31日に強盗殺人などの容疑で再逮捕した。

山地悠紀夫(25歳没)

大阪姉妹殺害事件2人殺害:2009年7月28日:大阪拘置所

16歳で実母を撲殺した山地悠紀夫は、その際に性的に興奮していた。それを思い出した山地は、再び興奮を味わおうと若い姉妹の部屋に侵入し、2人を殺害・暴行した。

大阪美人姉妹殺害事件―神さんに嫁入りした娘たち

前上博(40歳没)

自殺サイト連続殺人事件3人殺害:2009年7月28日執行:大阪拘置所

前上博は、人が苦しんで死ぬ場面に興奮する性的サディスト。彼は一緒に死ぬとみせかけてネットで自殺希望者を募り、レンタカーの車内で極限までいたぶったあげくに3人を殺害した。

陳徳通(41歳没)

川崎6人殺傷事件:4人殺害:2009年7月28日執行:東京拘置所

中国福建省出身の陳徳通(チェン・ダートン)は、日本で稼ごうと1998年8月、密航斡旋組織・蛇頭に約250万円を払って入国した。

陳は東京都中野区内のアパートで生活を始めたが、9月には川崎市川崎区で中国人5人が住むマンションに移って同居を始めた。5人は夫婦が2組と、男性(当時23)が1人だった。そのうち一組の夫婦と陳は、遠い親戚関係にあった。

陳は建設現場で日雇いの仕事をするも仕事は少なく、分担していた家賃を支払うことができなかった。そのため、同居人たちとの関係が悪化した。1999年5月20日未明、朝食を作っていると、中国人男性に「うるさい」と叱責され殴り合いになった。そして最後は2組の夫婦にも取り抑えられて殴られた。

陳は暴行を受けたことを恨んで復讐を決意し、都内に住む甥の男性に相談した。マンションの部屋を借りていた夫婦(夫30、妻27)は、中国人密航者に対する無届けの人材斡旋業で手数料を稼いでいたことから、室内に大金や貴金属等があるとにらんだ甥は、都内に住む同郷出身の中国人6人を強盗に誘った。

陳ら8人は1999年5月25日午後9時20分頃、マンションに押し入り、部屋を借りていた中国人夫婦、同居していた中国人夫婦(33、27)、中国人男性、さらに部屋を訪れていた中国人男性の計6人を粘着テープや鎖で縛り、現金約5万3000円やキャッシュカード、腕時計、貴金属などを奪った。

翌朝、陳以外の共犯者7人は逃亡。奪ったキャッシュカードで都内の銀行から現金を引き出したが、口座には数千円しかなかった。だが、奪った高級腕時計など約32万円相当を現金に換えて山分けした。

陳は午前9時過ぎ、同居していた5人をサバイバルナイフで何ヶ所も刺したあと逃亡した。部屋を借りていた夫婦と同居男性の3人が出血性ショックもしくは失血死で死亡。別の夫婦が重傷を負った。部屋を訪れていただけの男性には手を出さなかった。

この男性が縛られたままマンションのエレベータまで逃げ出したところを、管理人が午前10時頃に発見。被害者の供述などから陳らが浮上し、6月中旬から7月にかけて全員が逮捕された。

2008年執行【15人】

持田孝(65歳没)

JT女性社員強姦逆恨み殺人事件1人殺害:2008年2月1日執行:東京拘置所

強姦事件で懲役7年に処された持田孝は、「服役する羽目になったのは、被害者が通報したせい」と理不尽な恨みを抱き続け、出所後にこの女性を殺害した。

名古圭志(37歳没)

徳之島兄家族殺傷事件:2人殺害:2008年2月1日執行:福岡拘置所

神戸市に住んでいた名古圭志(当時32)は、父親が死亡したため2002年3月頃、実家の鹿児島県徳之島伊仙町に戻り、団体職員の兄・博文さん(当時42)方に同居して畑仕事などを手伝っていた。8月からは1人暮らしを始めたという。

ある時、父親の初盆に出席しなかったことを兄から責められた圭志は、そのことを不満に思っていた。その後、夏祭りの舞台背景を作る作業で知人男性とトラブルになった際、兄が男性をかばったと思いこんで怒りを爆発させ、兄の家族を皆殺しにしようと決意する。

2002年8月16日午前11時頃、兄の家に行き、庭にいた次男(当時13)の胸を刺身包丁で刺して重傷を負わせた。さらに屋内にいた兄の妻・名古和美さん(当時40)と長女の徳之島高校3年・千尋さん(当時17)の胸などを刺して殺害した。犯行約40分後、包丁を持って徳之島署に出頭した。

松原正彦(63歳没)

主婦連続強盗殺人事件:2人殺害:2008年2月1日執行:大阪拘置所

トラック運転手・松原正彦(当時44)は1988年4月18日正午過ぎ、徳島県麻植郡の自営業者宅に侵入。室内を荒らしていたところ、買い物から帰宅した主婦(当時61)に見つかったため、電気コードで首を絞めて殺害、2万8千円を奪った。

松原は、九州から東海地方までの19県で計23回にわたって空き巣を働き、現金46万余円と、乗用車などを盗んでいた。そのため、松原は前科前歴7回。1984年10月に滋賀県警に逮捕され、2府10県にまたがり60件の盗みを重ねたとして大津地裁から常習窃盗罪で懲役3年6月の実刑判決を受け服役、1988年2月4日に京都刑務所を仮釈放で出所したばかりだった。

5月2日、指紋などから犯人として特定された松原は、徳島県警から全国指名手配される。その後、逃走中の6月1日昼頃、愛知県刈谷市の会社員宅に侵入。帰宅した主婦(当時44)の首をアイロンコードで絞めて殺害して約10万円を奪った。

翌日、この事件でも愛知県警から全国指名手配され、6月3日夜、群馬県吾妻郡の旅館で愛知県警長野原署員により逮捕された。

岡下香(61歳没)

資産家老女ら2人殺人事件事件:2人殺害:2008年4月10日執行:東京拘置所

不動産ブローカーの岡下香(当時42)は、愛人の女と共謀して東京都杉並区でアパートを経営する一人暮らしの高齢女性(当時82)から土地を騙し取ろうと計画。愛人は1989年6月からそのアパートに入居し、女性を温泉旅行に連れ出すなどして接近した。

さらに元保険代理業の男(当時38)を長期入院中の女性の長女と戸籍上の結婚をさせた。そして1989年7月から9月にかけて、岡下らは女性が所有する杉並区内の土地の売買契約書を偽造し、不動産会社に勝手に転売して約2億800万円を騙し取った。

事件の発覚を恐れた岡下は10月、杉並区内の自宅マンションで女性の首を絞めて殺害。さらに共犯の男を短銃で射殺し、遺体は頭部を切断して岐阜県の渓谷に遺棄した。トランク詰めにされた女性の遺体は1990年1月、神奈川県の中央自動車道わきでみつかり、共犯の男の遺体も1990年7月23日に発見された。

岡下と愛人の女は、北九州市のマンションに潜伏していたが、その後、養鶏場に住み込みで働いたり、各地を転々としてスナックや中古車販売店を経営した。

1995年5月、「テレホンクラブで知り合った男(岡下)に覚醒剤を打たれた」というある女性の通報を受け、警察が6月28日に岡下と愛人を逮捕した。

坂本正人(41歳没)

群馬県大胡町女子高生誘拐殺人事件:1人殺害:2008年4月10日執行:東京拘置所

2002年7月19日午後1時頃、群馬県粕川村の無職・坂本正人(当時36)は、大胡町で終業式を終えて帰宅途中だった女子高生(当時16)に道を尋ねるふりをして無理やり乗用車に乗せて連れ去った。そして約5km離れた群馬県宮城村の山林で首を手で絞めたあと、カーステレオのコードで絞めて殺害した。

坂本は、その日の夜から翌日昼頃まで数回にわたり、女子高生の携帯電話を使い、「50万円を用意しろ。娘がどうなってもいいのか」と自宅に脅迫電話をかけた。

群馬警察は要求額が少ないことなどから、恐喝事件と判断して捜査。20日正午過ぎ、坂本が身代金として23万円を受け取ったところを逮捕した。23日に坂本が殺人を認め、遺体が見つかったことから、24日朝、殺人と死体遺棄容疑で再逮捕した。

犯行の動機について坂本は、「児童相談所にいる別れた妻や連れ子に会うため、職員に面会を強要する手段として女子高生を人質に取ろうとした」などと説明。前妻とその子供は、坂本の暴力から逃れるため保護されていた。

他にも坂本は、7月9日午後3時20分頃、かつて勤めていた会社の社長宅(前橋市)に宅配便の配達員を装って侵入。社長の妻に包丁を突き付けて脅し、現金約10万円を奪っていた。

中村正春(61歳没)

元同僚ら男性2人殺害事件:2人殺害:2008年4月10日執行:大阪拘置所

滋賀県高島郡の無職・中村正春(当時42)は1989年10月10日、たまたま見かけた浮浪者男性(60歳前後)に対し、わいせつ行為をしたうえで金品を奪って殺害することを企てた。

中村は親切を装い、滋賀県高島郡の公園内で睡眠薬を混入させた日本酒を男性に飲ませ、さらに栄養剤と偽って睡眠薬を多量に服用させてこん睡状態に陥れた。それから性的いたずらにおよび、多量の睡眠薬による脳幹まひ等により死亡させた。そして男性が持っていた古銭(時価約千円)を奪い、遺体をノコギリでバラバラにして新旭町の山林に捨てた。

その後、1989年12月26日午後8時頃、高島郡に住む元同僚の会社員男性(当時52)に電話して「ビデオを見せる」などと言葉巧みに呼び出した。翌朝、睡眠薬を混入させたサンドイッチを食べさせたうえ、さらに栄養剤と偽って睡眠薬を服用させてこん睡状態に陥れた。そしてタオルで顔を覆うなどして殺害し、現金18500円を奪った。遺体はバラバラにして安曇川町の山林に捨てた。

1990年7月10日、中村は別の窃盗容疑で逮捕される。その際、会社員男性にかけた電話の声が似ていたことから追求され、犯行を自供。7月28日、自供通りに遺体が発見され、8月8日に強盗殺人・死体遺棄容疑で逮捕された。

さらに現場から2km離れたところから別の白骨化した遺体が発見され、中村が犯行を自供。しかし、身元につながる情報はつかめなかったため、1991年1月29日、中村は被害者身元不明のまま強盗殺人・死体遺棄容疑で再逮捕された。

中元勝義(64歳没)

宝石商殺人事件:2人殺害:2008年4月10日執行:大阪拘置所

大阪府和泉市の無職・中元勝義(当時38)は、ギャンブルが原因で金に困窮していた。そのため1982年3月頃、喫茶店などで貴金属を売り歩いていた和泉市の男性(当時70)に「宝石販売の手伝いをしたい」と近づき顔見知りとなった。

しかし、男性の妻(当時58)に警戒され、家への出入りを禁止されたことから2人の殺害を決意。中元は5月20日午後7時40分頃、クリ小刀を持って男性宅を訪ね、台所にいた男性の妻(当時58)を背後から刺して殺害、かけつけた男性も同じ刃物で胸などを刺して殺害した。

その後、応接間にあった財布から24,000円を盗んで逃げた。その金を使い果たしてしまい、3日後の23日午後8時50分に再び男性方に行き、男性の遺体の右手にはめられていた金のブレスレットや背広につけてあったダイヤのネクタイどめ(計25万円相当)を奪って質に入れて金を得ていた。

宮崎勤(45歳没)

東京・埼玉連続幼女殺人事件4人殺害:2008年6月17日執行:東京拘置所

宮崎勤は、東京と埼玉で幼い少女を言葉巧みに誘い、自分の車の中でわいせつな行為におよんだあげく殺害し続けた。類をみない「劇場型犯罪」として世間を震撼させた、あまりにも有名な事件である。

陸田真志(37歳没)

SMクラブ連続殺人事件2人殺害:2008年6月17日執行:東京拘置所

SMクラブの従業員・陸田真志は、給料など待遇に関するトラブルから、店を乗っ取ることを企てた。陸田は共犯者2人とともに経営者と店長を殺害。自身が経営者となり、1億円以上を売り上げた。

山崎義雄(73歳没)

四国・連続保険金殺人事件:2人殺害:2008年6月17日執行:大阪拘置所

香川県大川郡の工員・山崎義雄(当時50)は、徳島県鳴門市の寺執事Yと共謀し、死亡保険金を騙し取ろうと計画。1985年11月12日、Yから借金をしていた宮城県の主婦(当時49)を首吊り自殺にみせかけて紐で絞殺。宮城県警は自殺と判断した。Yは約2200万円の保険金を受け取り、山崎は報酬として700万円を受け取った。

さらに山崎は、松山市の運転手Fと共謀して、第2の保険金殺人を実行する。標的は香川県で食品販売業をしている殺害した主婦の甥(当時48)で、Yを受取人とする保険が掛けられていた。甥は経営していた呉服問屋が倒産し、その負債を伯母である主婦が肩代わりしたことで、2人ともYに借金があった。

1990年3月23日、山崎は甥を自宅に呼び出し、保険料未納で失効していた生命保険の復活手続きをとらせたうえで頭を鉄亜鈴で殴打。さらに翌日、徳島県内の山林で頭を鉄亜鈴で滅多打ちにするなどして殺害した。遺体は高知県北川村の林道下の山中に捨てた。

1か月後、甥の遺体が発見された。安芸署が捜査した結果、事件に巻き込まれた疑いが強まった。1994年10月24日、匿名の男性の声で「犯人は山崎とトラック運転手Fだ」との通報があり、11月17日、香川県警に2人を任意同行した。その後、殺人容疑で逮捕となったが、死体遺棄罪については時効(3年)が成立していた。

甥の死亡保険金は、遺体発見までの間、保険料が納めていなかったため受け取ることができなかった。

山本峰照(68歳没)

神戸市夫婦強殺事件:2人殺害:2008年9月11日執行:大阪拘置所

神戸市の無職・山本峰照(当時64)は2004年7月22日午後1時半頃、神戸市に住む従兄弟の男性(当時68)に借金を頼んだが断られたため、男性と妻(当時75)の首や胸などを用意していた包丁で刺して殺害。現金53,000円や腕時計・ネックレスなどを奪った。

山本は、生活保護費もつぎ込むほど賭け麻雀に没頭し、従兄弟の男性夫婦から数十万円を借りていたほか、知人からも借金を重ねていた。

本事件の前年となる2003年11月16日午後5時頃、山本は知人男性に誘われ神戸市の公衆浴場にて用意していた合鍵を用い、貴重品ロッカーの施錠を外して現金1万円が入った財布など計11点(41万円相当)を盗んだ。

12月13日午前11時40分頃にも洲本市の住宅に侵入し、現金233万1,000円及び定額預金証書6通等が入った耐火金庫1個を盗んだ。さらに12月30日午後5時頃、西宮市の住宅に侵入し、婦人用革ジャンパーなど約10点(合計18万円相当)を盗んだ。

山本はこれら窃盗などの罪で公判中の2005年10月12日、強盗殺人容疑(本事件)で再逮捕された。

萬谷義幸(68歳没)

地下鉄短大生殺人事件:1人殺害:2008年9月11日執行:大阪拘置所

萬谷義幸は1968年9月19日、大阪市のビル4階で金を奪おうとして24歳の女性を刺殺。1970年3月に最高裁で無期懲役が確定し、1987年4月30日に大阪刑務所を仮出所した。

その後の8月16日、萬谷は大阪市のマンションのエレベーターホールで女性(当時19)の背中を果物ナイフで刺し、25日間の怪我を負わせて逃走。翌月9月17日には、別のマンションの廊下で女性(当時18)の頭を金属パイプで殴り、10日間のけがをさせたうえ現金600円入りのセカンドバッグを奪っている。

そして年明けの1988年1月15日午後10時半頃、無職の萬谷(当時47)は大阪市の地下鉄の駅の階段で通行人から金を奪おうと待ちかまえていた。

そこを偶然通りかかった女子短大生(当時19)に包丁を突きつけて「騒ぐな」と脅したが大声を上げられ、胸を数回突き刺して殺害した。しかし、悲鳴を聞いて駆け付けた通行人の足音を聞いた萬谷は、何も取らずに逃げた。

被害者の短大生とは面識がなかったが、萬谷は1968年頃、若い売春婦から病気をうつされたことがあり、若い女性に恨みを抱き続けていた。殺害後も、ナイフを持って彷徨っていた萬谷は、約2週間後の1月31日に逮捕された。

平野勇(61歳没)

牧場夫婦強盗殺人放火事件:2人殺害:2008年9月11日執行:東京拘置所

過去の殺人歴:1974年3月3日、福島県郡山市のモーテルで金銭トラブルから女性を殺害。(懲役10年)

生活費や遊興費に窮した平野勇(当時47)は、1994年12月19日午後10時40分頃、以前働いていた栃木県市貝町の牧場に窃盗に入った。この牧場には1993年夏から1994年7月末まで1年間、妻と住み込みで働いていた。

平野が貴金属を物色していたところ、牧場の経営者男性(当時72)に気付かれたため、男性とその(当時68)の2人をナイフや千枚通しで刺殺。現金約56万円と771万円相当の宝石類などを奪った。その後の20日午前4時半頃、犯行を隠すため室内に灯油をまいて火をつけ、木造2階建ての住宅を全焼させた。

平野は12月22日、宇都宮中央署から指名手配されていた道交法違反(無免許、酒気帯び)容疑で逮捕、乗っていた車が盗難車だったため、窃盗容疑でも再逮捕された。窃盗は合計8件起訴されている。

高塩正裕(55歳没)

いわき市母娘強盗殺人事件:2人殺害:2008年10月28日執行:仙台拘置支所

福島県いわき市の塗装工・高塩正裕(当時50)は、車のローンやパチンコなどの遊興費による借金から強盗を計画した。

2004年3月18日昼頃、高塩はいわき市に住む資産家の男性(当時87)宅にナイフを持って押し入った。男性は当時入院中で不在だったが、男性の(当時83)に正体を見破られたため、妻と次女(当時55)の胸や首などを刃物で刺して殺害した。

その後、室内を物色してバッグの中から現金5万円を奪った。高塩は5、6年前に、仕事を通じて被害者らと知り合い、家にも出入りしていた。

その後、2005年1月12日に逮捕。高塩は2002年8月、以前勤めていた飲食店に侵入し、現金約164万円を盗んでいる。

久間三千年(70歳没)

飯塚事件:2人殺害:2008年10月28日執行:福岡拘置所

*詳細記事を作成中

2007年執行【9人】

宮下政弘(42歳没)

4都県殺人事件:4人殺害:2007年4月27日執行:東京拘置所

元工員の宮下政弘は、以下の4件の殺人事件を起こした。

  1. 1984年11月15日、香川県香川郡香南町のポルノショップで、管理人の女性(当時64)の応対に立腹。女性を包丁で刺殺、売上金約5万円を盗んだ。
  2. 1988年3月21日頃、徳島市の暴力団事務所で後輩の組員(当時21)に腹を立て、電気コードで絞殺。遺体を近くの工場跡倉庫にいったん隠した後、8月ごろ同市八多町の山林に埋めた。
  3. 1989年6月9日、当時勤務していた東京都武蔵村山市の自動車工場の社員寮で、同僚(当時18)の首を紐で絞めて殺害。同僚は退職を機に、宮下に貸していた10数万円の返済を求めていた。殺害後、同僚の退職金など約120万円などを奪い、遺体をプラスチック容器に入れて千葉県市川市の江戸川沿いに捨てた。
  4. 1991年3月8日午後1時半頃、神奈川県藤沢市に住む伯母(当時63)を訪ねて借金を頼むも断られ、近くにあったナイロンロープで首を絞めて殺害。遺体は床下に隠し、現金約13万円と約800万円の預金通帳など7通と印鑑を盗んだ。当時、宮下は知人からの借金(約130万円)の返済日が迫っていた。

犯行直後、宮下は郵便局で奪った郵便貯金証書を使い、約324万円を引き下ろしたほか、11日には東京都豊島区内の銀行で現金を引き出そうとして断られていた。

3月13日、藤沢市の伯母の遺体を床下から発見。16日、宮下は強盗殺人容疑で逮捕された。その後、武蔵村山市の同僚殺害を自供し、さらに5月には四国での2件の殺害も自供した。

小田義勝(59歳没)

福岡・赤池町保険金殺人事件:2人殺害:2007年4月27日執行:福岡拘置所

名田幸作(56歳没)

赤穂同僚妻子殺人事件:2人殺害:2007年4月27日執行:大阪拘置所

会社員の名田幸作(当時32)は、ゲーム機賭博でサラ金から多額の借金をしていた。その返済に困窮した名田は「同僚から保険証を奪い、それを使ってサラ金から金を借りる」ことを思いつく。

1983年1月19日夜、兵庫県赤穂市内の同僚方へ電話をした名田は、同僚の妻(当時33)に「同僚が自殺未遂をして病院にいるので保険証が必要になった」という嘘でおびき出した。そして長男(当時4)を連れてきた妻を車に乗せ、兵庫県内の人気のないところに停車。午後11時頃、紐で妻の頸部を強く絞めて殺害し、保険証と印鑑を奪った。

さらに寝ていた長男を橋の上から23m下の千種川に投げ込み、水死させた。妻の遺体は海に遺棄した。

その後、夫である同僚に「奥さんが電車に飛び込み自殺を図った。こちらで助けて保護している」と嘘の電話をかけて山口県まで誘い込んだ。その間に同僚になりすまし、奪った健康保険証を使ってサラ金から現金100万円を詐取。搾取した金は賭博ゲームに使った。

岩本義雄(63歳没)

東京連続強盗殺人事件:2人殺害:2007年8月23日執行:東京拘置所

岩本義雄(当時51)は、台東区に住む遠縁のメッキ会社社長の妻(当時82)から500万円以上を借りていたが、パチンコなどで使い果たしていた。そのため、所持金が底をついた岩本は1996年6月10日、強盗を計画する。

午後7時40分頃、豊島区のマンションエレベーター内で、帰宅途中の損害保険代理店役員の女性(当時40)から現金を奪おうと、果物ナイフで胸や首を刺して殺害。だが、エレベーターの扉が突然開いたのに驚き、何も取らずに逃走した。

1999年7月8日午後9時頃、メッキ会社社長(当時92)宅に侵入。室内で待ち伏せし、帰宅した社長の胸や首をナイフで数回刺し失血死させたうえ、背広の内ポケットから現金約24万円入りの財布を奪った。

岩本は名古屋で遊んでいたが、7月30日午前、所持金がなくなったため千葉県船橋市の知人宅に立ち寄ろうとしたところ、捜査員に見つかり逮捕された。その後、指紋が一致したため、女性殺害でも8月26日に再逮捕された。

瀨川光三(60歳没)

富山社長夫婦殺人事件:2人殺害:2007年8月23日執行:名古屋拘置所

歯科医院事務長・瀨川光三(当時44)は、アルバイトの金融業の行き詰まりで約1000万円の借金を抱えていた。その穴埋めのため、勤務先の歯科医院長に無断で振り出した額面300万円の約束手形2通の処理に追われていた。

暴力団組長を通じて知り合った暴力団幹部O(当時40)は、消費者金融などに約1000万円の借金があった。瀨川が、馬主でもあった人材派遣会社社長の家に馬の売却代金があるのを聞き込み、Oに犯行を持ちかけた。

1991年5月7日午前4時頃、2人は富山市の人材派遣会社社長(当時54)宅に侵入し、瀨川がOの用意した短銃を使って、社長と(当時37)の2人を射殺し、現金約1200万円が入ったバッグを奪った。

2人は共謀し1990年8月8日、富山市内の不動産業者の車の中から現金1000万円を盗んだり、1991年4月、金沢市内のアパートで女性に睡眠薬を飲ませて眠らせ、キーホルダーを盗んで複製、悪用した。瀬川は詐欺の疑いで逮捕され、その後7月29日に強盗殺人でも再逮捕された。

竹澤一二三(69歳没)

今市連続殺人事件:3人殺害:2007年8月23日執行:東京拘置所

藤間静波(47歳没)

藤沢市母娘ら5人殺害事件5人殺害:2007年12月7日執行:東京拘置所

藤間静波は、「裏切られた」と感じる相手を次々と殺害した。移送される車内から、報道陣のカメラに笑顔でVサインを送るなどの異常性も話題となった。

府川博樹(42歳没)

江戸川区老母娘強盗殺人事件:2人殺害:2007年12月7日執行:東京拘置所

東京都江戸川区の新聞配達員・府川博樹(当時33)は、韓国クラブのホステスと交際し、1999年2月頃から同棲を始めた。府川は女性にホステスを辞めさせたいと思っていた。

だが女性は辞める気はなく、「店に200万円の借金がある。4月19日に親戚との集まりで大阪へ出発するまでに200万円を作らなければ絶対に店は辞めない」と府川に話していた。府川は同僚や顧客に借金を申し込んだが、いずれも断られた。

1999年4月19日午後4時頃、府川は新聞購読の顧客だった江戸川区の女性(当時65)宅に行き、借金を申し込んだ。しかし断られたうえに罵倒されたため逆上。午後4時30分頃、女性の頭を殴った後、包丁で背中や首、腹などを刺すなどして殺害した。

また、事件を目撃した女性の母親(当時91)も同様に刺殺。その後、タンスなどを物色するも現金はなかった。2人の遺体は4月23日、訪ねてきた親戚により発見された。

その後、容疑者として府川が浮上し、5月上旬に任意で事情聴取を取ったところ、その直後に府川は失踪。しかし18日に警察に発見され、再度の事情聴取にて自供したため逮捕となった。

府川は事件以前に女性との交際費用を捻出するため、父親のガンの手術費と偽って販売所の同僚女性から11回に渡り計538万円を騙し取っていた。また事件後、元交際相手の女性から4回に渡り計419万円を騙し取り、200万円を同棲相手に渡した。

池本登(74歳没)

猟銃近隣3人殺人事件:3人殺害:2007年12月7日執行:大阪拘置所

*死刑執行時、氏名、年齢、犯罪事実を法務省が公表した初めてのケース

徳島県海部郡の竹材業・池本登(当時52)は、隣に住む親戚夫婦と日頃からトラブルになっていた。

1985年6月3日、親戚の男性(当時46)とその(当時54)が、池本の自宅裏山にある柚子畑に勝手にゴミを捨てたと思い込み、問いただした。その際、怒鳴り返されたことから、池本は腹を立てる。

自宅から狩猟用散弾銃を持ち出した池本は、男性の家に押し入り、男性の胸などに4発、妻の頭などに2発を発射、いずれも即死させた。

さらに以前から恨みを持っていた近所の男性(当時71)が、近くの路上を通りかかったのを見つけて射殺。その流れ弾で、近くで農作業をしていた主婦に1週間の怪我を負わせた。

2006年執行【4人】

日高広明(44歳没)

広島タクシー運転手殺人事件4人殺害:2006年12月25日執行:広島拘置所

タクシー運転手の日高広明は、売春婦を標的にした殺人事件を4件起こした。性行為のあと殺害する手口だったが、途中から殺害行為そのものに快感を覚えるようになったという。

藤波芳夫(75歳没)

今市4人殺傷事件2人殺害:2006年12月25日執行:東京拘置所

元妻に強い未練があった藤波芳夫は、元妻の親族らがよりを戻す邪魔をしていると思い込み、親族の家に押しかけて2人を殺害、2人に重症を負わせた。犯行には覚醒剤の影響があったとされている。

秋山芳光(77歳没)

秋山兄弟事件:1人殺害:2006年12月25日執行:東京拘置所

秋山芳光は、兄が経営する紙工場に勤めていたが工場は倒産。その後、秋山は定職に就かず借金を増やし、兄ともども多額の負債で困窮していた。

1975年3月24日、兄と共謀して妻(当時37)を標的にした保険金殺人や、自分に保険をかけて兄に殺害を依頼したが、いずれも失敗。しかし傷害を負ったため、保険会社から60万円を搾取した。

秋山(当時46)は兄(当時52)と、葛飾区に住む知人のプラスチック加工会社経営の男性(当時47)に、「大蔵省から密輸品の払い下げがある」と架空の情報を流した。秋山は前妻との子供を、この会社に運転手として雇ってもらっていた。

1975年8月25日、話を信じた男性は、千葉県内の兄宅に現金1000万円を持参。隙を見て秋山が背後からバットで頭部を数回強打するなどして殺害。そして持参した1000万円と財布の中から20万円を奪い、翌日、遺体を千葉県の宅地造成地に埋めた。

強奪した金のうち、秋山が720万円を受け取り、残りを兄が受け取った。(さらに秋山は、兄から50万円を受け取っている)秋山は愛人に命じて家計簿改竄などによるアリバイを偽造するとともに、兄弟は奪った金を借金の弁済にあてた。

福岡道雄(64歳没)

高知・義家族殺害事件:3人殺害:2006年12月25日執行:大阪拘置所

福岡道雄は1978年12月8日午前1時頃、高知市内でバーを経営する妻の姉(当時42)を口論から絞殺し、遺体を安芸郡の山中に埋めた。さらに自宅から預金通帳などを盗み、現金57万円を引き出した。

その後、姉の家出を匂わせる手紙を偽造したが、代筆を頼んだ知人のホステス(当時32)を口封じのため、1980年4月19日午後5時頃、安芸市内の山林で絞殺し、遺体を安芸郡の山林に埋めた。遺体は7月17日に発見されている。

1981年1月30日午後9時頃、時計商の義父(当時72、妻の父)宅にて義父から借金返済を求められるなどして激高。包丁で刺殺し、現金約23万円や腕時計などを盗んだ。遺体は2月10日に発見されれた。

3月27日、義父の殺人容疑で逮捕。
4月24日、自供に基づき安芸郡の山中で義姉の遺体を発見。
5月6日、義姉の殺人・死体遺棄容疑で逮捕。
6月15日、ホステスの殺人容疑でも逮捕。

2005年執行【1人】

北川晋(58歳没)

千葉・高知連続殺人事件:2人殺害:2005年9月16日執行:大阪拘置所

高知市出身の北川晋は1967年、神奈川県警に採用されたが、女性とのトラブルで数か月で退職した。

北川(当時36)は1983年8月16日、千葉市内でバス待ちの百貨店勤務の女性(当時18)を自宅まで送り届けると騙して車に乗せ、両手首を縛ったうえで市内で暴行、殺害して現金1万5000円などを奪い、遺体を四街道市の水田に捨てた。

ほかにも神奈川、千葉で強盗・強姦事件を起こし、約10年間服役した。

1988年12月に高知に戻った北川は、1989年2月6日、高知市内でバス待ちの銀行行員の女性(当時24)に道案内を頼んで車に乗せ、ナイフを突きつけて脅迫。女性の首を紐で絞殺して現金2万円などを奪い、遺体を高知市の市道下に投げ捨てた。

同様の手口で1990年9月8日と9月26日の2回、高知内で帰宅途中の女性を車に乗せて金を奪おうとするなどしたが、いずれも逃げられた。このうち、9月26日の強盗未遂事件で1990年11月2日に逮捕となる。捜査本部は手口や似顔絵が似ていることから追求。11月26日、高知市の強盗殺人容疑で再逮捕した。

千葉の女性殺害事件でも北川は追及されたが、物的証拠や目撃者がないうえ自供も得られなかったため、未解決のままだった。しかし、手口がそっくりなことから千葉、高知両県警の合同捜査本部は1991年5月21日、北川を再逮捕した。

2004年執行【2人】

宅間守(40歳没)

附属池田小事件8人殺害:2004年9月14日執行:大阪拘置所

宅間守 精神鑑定書

人生に行き詰まった宅間守は、大阪の附属池田小学校に侵入し、何の関係もない子供や教員に襲いかかった。そのうち8人が死亡、15人が重軽傷を負う大惨事となった。

嶋崎末男(59歳没)

熊本・菊地町保険金殺人事件:8人殺害:2004年9月14日執行:福岡拘置所

熊本県菊池市の暴力団組長・嶋崎末男(当時42)は、組の運営資金や遊ぶ金に困り、保険金殺人を計画。1988年3月13日、配下の組員らに命じて1億円の生命保険に加入していた組員A(当時44)を、大分県日田郡の崖から転落事故を装って85m下に突き落として殺害した。しかし県警が事故と断定しなかったため、保険金は支払われなかった。

さらに嶋崎は、犯行を知った相談役(当時53)から事件が発覚するのを恐れ、組員らに殺害を指示。3月25日、相談役を熊本県阿蘇町で絞殺して宮崎県えびの市の山中に埋めた。

口封じのための殺人は、組員B(当時59)に対しても行われた。5月17日、熊本県菊鹿町で組員Bの首を絞めて殺し、菊鹿町の山中に埋めた。

口封じで殺された2人は命ごいするも無視され、それどころか目の前で埋めるための穴を掘られたという。

2003年執行【1人】

前原伸二(42歳没)

母子等3人殺人事件:8人殺害:2003年9月12日執行:大阪拘置所

長崎県生まれの前原伸二(当時24)は、住居侵入罪で1985年5月から姫路少年刑務所に服役していた。前原は「出所したら強盗殺人で大金を得て遊んで暮らそう」と計画する。

出所3日後の11月29日午前11時半頃、姫路市の塗装業の男性宅に侵入し、この家の(当時30)を台所テーブルに仰向けにして両手両脚を縛り付けた。その時、奥から長男(当時3)が駆け寄ってきたため、腹や背中などを持ってきた刺身包丁で十数回刺した上に左首を切って殺害、続いて妻もメッタ突きにしたうえ、首を切って殺害したうえで現金4万2500円を奪った。

さらに4日後の12月3日正午頃、神戸市に住む左官業の男性宅で、(当時34)に金を要求。後ろ手に縛るも泣き叫ばれたため、果物ナイフで胸や背中十数カ所をメッタ付き刺して殺害した。

前原は同日午後8時半頃、神戸市の東灘署青木駅前派出所に血だらけのまま自首。そのまま逮捕された。

2002年執行【2人】

浜田美輝(51歳没)

岐阜一家3人殺人事件:3人殺害:2002年9月18日執行:名古屋拘置所

徳島市出身の無職・浜田美輝(当時43)は、1993年8月頃から岐阜県加茂郡の女性(当時35)と交際していた。

女性と旅行中の1994年6月2日午後2時半頃、甲府市のJR甲府駅で別れ話のもつれからトラブルを起こし、女性は浜田の暴力を恐れて逃げ出した。浜田は「(女性に)裏切られた。父親がかくまっている」と思い込み、JR塩尻駅でレンタカーを借りて女性の実家に向かうことにした。

6月3日午前2時頃、岐阜県加茂郡の女性の実家に侵入。元町議であり農業を営む女性の父親(当時61)と母親(当時59)、(当時31)の3人をロープで縛るなどして監禁。そして、父親と母親の胸や背中を出刃包丁で刺して殺害。さらに妹に乱暴しようとして逃げられたため、追いかけて殺害し、その後逃走した。

現場から指紋が検出されたことから、6月5日、浜田は殺人容疑で指名手配となる。県警は高松市の親戚に捜査協力を依頼していたが、午後5時35分頃、浜田が親戚2人に付き添われて高松南署に出頭したため、逮捕となった。

田本竜也(36歳没)

大学生誘拐殺人事件1人殺害:2002年9月18日執行:福岡拘置所

田本は仲間3人と共謀して幼馴染みの資産家の息子を殺害したうえで、身代金5000万円を要求した。その後、被害者と一緒にいた交際女性を12日間も連れ回し、性的暴行を加え続けた。

2001年執行【2人】

朝倉幸治郎(66歳没)

練馬一家5人殺害事件5人殺害:2001年12月27日執行:東京拘置所

被害者一家は、朝倉が1億円以上の借金で落札した競売物件から立ち退かなかった。借金返済が迫り、追い詰められた朝倉は、当日不在の長女を除く一家5人を惨殺した。

竹内敏彦(51歳没)

名古屋連続保険金殺人事件:3人殺害:2001年12月27日執行:名古屋拘置所

愛知県知多市の自動車板金業・竹内敏彦はスナックの経営に失敗したうえ、事業経営がうまくいってなかった。そのため一攫千金を狙い、従業員の井田正道と共謀して、保険金殺人を計画した。

1979年11月19日午前0時頃、店の客だった愛知県知多郡の織布工の男性(当時20)を釣りに誘い、井田が愛知県武豊町の海に釣り船から突き落として殺害。しかし警察は自殺と処理したため、保険金受け取りに失敗した。

これに懲りない竹内と井田は、従業員男性(当時30)と共謀して1983年1月24日午前0時30分頃、雇っていた愛知県東浦町の運転手(当時30)を京都府相楽郡加茂町で殺害。事故に見せかけるため山城町の崖から遺体を載せたトラックを転落させ、保険金2,000万円を騙し取った。井田には500万円、従業員に220万円を支払い、残りは竹内が受け取った。

さらに12月25日午後6時30分頃、竹内は借金をしていた闇金融業者(当時39)を債務から逃れるため井田とともに愛知県半田市で殺害。遺体は錨を付けて海に沈めた。しかし、1984年4月17日に遺体が海から浮き上がったことで、犯行が発覚。その後、他の2件の殺人についても犯行が発覚した。

2000年執行【3人】

勝田清孝(52歳没)

勝田清孝事件8人殺害:2000年11月30日執行:名古屋拘置所

(警視庁広域重要指定113号事件)

世間を騒がせた連続殺人鬼・勝田清孝は、1972年~1983年の10年間に8人もの男女を殺害して金品を強奪していた。勝田が元消防士であったり、4人目の殺害直後にテレビのクイズ番組に出演したことも話題となった。

大石国勝(55歳没)

隣家親子3人殺人事件:3人殺害:2000年11月30日執行:福岡拘置所

佐賀県鳥栖市の会社員・大石国勝は、近所に住む会社員一家を日頃からこころよく思っていなかった。1983年5月16日夕方、大石はこの一家の長男(当時13)にホースバンドの金具を盗まれたと思い込み、会社員に問いただしたところ口論になった。

大石は自宅に戻って出刃包丁を取り出し、会社員の家に押しかけ、会社員(当時38)と(当時36)を次々と刺殺。さらに逃げ回る長男を追いかけ、めった突きにして殺した。妹(当時9)は無事だった。

ホースバンドの金具の件は濡れ衣で、長男は盗んでいなかった。

宮脇喬(57歳没)

先妻家族3人殺害事件:3人殺害:2000年11月30日執行:名古屋拘置所

岐阜県羽島郡生まれのパチンコ店員・宮脇喬(当時45)は、勤め先の女性と親しくなったのが原因で、1988年3月に妻と離婚した。

妻とは1986年に内縁関係になり、同年11月に養子縁組をして結婚。2人は両親と同居生活を始めたが、宮脇の2回の離婚歴や女性関係からイザコザが絶えず、1987年2月から2人は別居していた。

宮脇は復縁を求めたが、元妻の家族が大反対。逆恨みした宮脇は1989年2月14日午前3時半頃、岐阜市にある元妻の両親宅に無施錠の玄関から侵入。2階で寝ていた次女(当時32、元妻の妹)を起こし、恨み言を言ってから逃げる妹を刺身包丁で刺して殺害。悲鳴を聞いて駆けあがってきた元妻の両親(当時67、57)も刺身包丁で次々と刺し殺した

妻の110番通報の内容や残された家族らの証言などから、宮脇が容疑者として浮上。岐阜県警は、事件当日の午後には宮脇を指名手配した。

一方、宮脇は山中に逃げて2日間隠れていたが、空腹に耐えかねて16日午後7時過ぎ、両親宅から約1㎞東の喫茶店に入った。この時、経営者の夫婦が不審に思い、店の常連で宮脇の元同僚男性を呼んで、宮脇であることを確認。110番通報で駆けつけた捜査員が宮脇を逮捕した。

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