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緊急時 に大きな声、出せますか?

リーダーが緊急時に取るべき行動とは

長い間コンサルティングにたずさわっていると、色々なことが起きます。
予想以上の改善効果がでて、嬉しくなったり、逆に、成果が上がらず現場の人達と悩み抜いたり。
時には、ジョークを交えた話で、大爆笑したり、大切な仲間を失い悲しんだり。
本当に、色々なことがあります。

そして、こんなこともありました。
ある電子機器工場で、緊急事態が起きたのです。
働いている人の命を脅かすような、事故でした。
高濃度の有害薬品が漏洩し、配管に圧力がかかっていたので、周囲に勢いよく飛散しはじめたのです。
配管の下には、多くの働く人達が作業をしていました。
この状況下、現場リーダーの取った信じられない行動とは?

今回は、声が出せるリーダー/出せないリーダーのおはなしです。

あなたの大切な人達を守ることができますか?
いざというときに備えていますか?

緊急時 に取った、とっさの対応

ネットを読んでいると「ほんと、現場のことが解ってないのに、勝手なことを言っているな。」と感じる投稿を目にします。

「リーダー研修で、大声を出させられた。ここは昭和時代か?」
「声を出し訓練をしたら、喉が痛くなった。ブラック企業だから仕方ないのか?」
「そんな、ブラック企業すぐに止めた方がいいですよ!」

話を戻しましょう。
危険な薬液が漏洩飛散した現場では、雨のように有害薬液が降り始めたのです。
この時、そこのリーダーが取った行動は・・・・・・
降り散る薬液を目の前に、床に膝をつき、頭を抱えて塞ぎ込んでしまったのです。
そして、働いている人達も、何をどうすれば良いのか?といった感じで、現場から離れないのです。
人とは、いざという時、適切な指示が無いと動けないものなのですね。

これは、危険だと感じ、私は大声で
「みんな!現場からまず離れろ!直ぐに離れろ!」
と怒鳴りました。

その大声が届いたのか、現場の人はその場所から離れはじめました。
また、被液をした人は、直ぐにシャワールームへ向かわせ、薬液洗浄をするよう指示しました。
薬液配管の元バルブも見つけて、バルブを閉め、飛散を止めました。
幸い、被液はしたものの、作業服が耐薬品素材でできていたので、薬品焼けどなどを起こした人はいませんでした。

その間、その現場のリーダーは・・・・
相変わらず、床に崩れ落ち頭を抑え、震えながら、塞ぎ込んでいました。
私は、リーダーへ「直ぐに後処理をしないと、二次被害が広がりそうだから、直ぐに処置をはじめましょう。」と、声をかけました。
すると、リーダーは、「はい。はい。はい。」とは、返事をするものの、体が動かない様でした。
そんなリーダーに私は「リーダーを差し置いて、余計なことをしてしまい、すいません。でも、あの場合、直ぐに危険を皆に知らせて、避難させることが第一優先だったと思っています。さあ、立ち上がって、処置を進めましょう。」と声をかけました。

緊急時

いざという時のための訓練を

私は、この時思いました。
いざという時リーダーは、声を出せなければ、部下や後輩の命を失うかもしれないと。

リーダーなら、いざという時、状況を的確に把握し、チームが最も安全な行動がとれるよう、強くリーダーシップを発揮しなければなりません。
とはいえ、人なんて弱い存在です。
いざという時、誰もが的確な指示が与えられるかと言ったら、それは解りません。
だからこそ、声を出す訓練が必要なのではないでしょうか。

私が担当する「次世代リーダー研修」では、リーダー達が、いざという時、声を出せる様に育成しています。
声を出すことに抵抗を感じる若い世代ですが、「いざという時に声を出せなければ、部下や後輩の命をも脅かす。」と、そのわけを話すと、前向きに声出し訓練にも参加してくれます。
勘違いされやすい「声出し訓練」ですが、必要な理由をしっかりと伝えれば、前向きに捉えてくれます。

緊急時に声をだす。
日頃から備える。

いざという時、声を出す練習をしていますか?

この記事を書いた人
問題/課題解決や改善活動とコーチング心理学・NLP・LABプロファイル®を組み合わせた「新5S思考術」を得意分野とし”その気にさせるきっかけ”を経営者や管理職などのリーダー向けにコンサルティング支援やセミナーを通じて広めている。企業コンサルティング支援実績は、2021年現在190件。年間延べ3400名以上に講演/セミナーを行っている。
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