Eat, Run, Play

「人が旅するのは到着するためではなく旅をするためである」byゲーテ。「到着」ではなく「旅」をする人生に憧れる日々

丁賞感微名の法則

2023-08-28 08:44:21 | About me

新将命氏の『伝説の外資トップが説く 仕事と人生で成功するために本当に必要なこと』を読んだ。その中で、訴紹介されていた「丁賞感微名の法則」。

丁:どんな人にも丁寧に接する (低:どんな人にも低姿勢で接する)
賞:人の良いところをみつけ、心から賞賛する
感:どんなに小さなことでも、どんな人にもいつも感謝を忘れない
微:微笑を絶やさない
名:相手の名前をよく覚え、人と会話をしている間に、必ず相手の名前を呼ぶ

これまで接してきたいわゆる組織の中で一目置かれている方は、上記の5つを兼ね備えている方が多かった。
参考にしたい。

 


細田満和子『パブリックヘルス 市民が変える医療社会』

2022-05-01 14:01:03 | Book review
1.人と人とのつながりが薄れている社会 ~ソーシャル・キャピタルが低い国日本~
『パブリックヘルス 市民が変える医療社会』で、「人と人のつながりが薄れて」いる「現代アメリカ」(p.137, 細田)1)について紹介されているが、これは現代日本においてはより深刻な傾向にあると言える。たとえば、日本における高齢者の単身数2)は1990 年には 162 万人だったが2015 年には 593 万人に増加した。また、Kaspersky社の調査3)によると日本人の2人に1人は孤独と感じているという。実際、私の勤務する学校のクラスの生徒にアンケートをしたところ「学校やスマートフォンで友人とつながっているのに、孤独だと感じることが少なくない」と回答した生徒がクラスの半数を超えた。
さらに、今年レガタム研究財団(Legatum Institute)が公表した「繁栄指数(Prosperity Index)」4)によると、日本は「健康」や「安全性」などの項目が高い指数を指す一方で、他人とのつながりや信頼関係を意味する「ソーシャル・キャピタル」の充実度が167ヵ国中143位であった。これは、OECDに加盟する先進国38ヵ国中では、最下位の韓国に次いで37位である。
 
2.理由
 では一体なぜ、日本には孤独を感じている人が多いのか、そして日本は他国と比較するとソーシャル・キャピタルが大幅に低いのだろうか。
第一に、日本には定期的に集まる教会、市民団体などでの活動などがあまり身近にあないことがあげられる。たとえば、細田1)によれば「ニューヨークにいた頃によく知っていた教会では、毎週冊子が配られ、そこには誰の子どもが生まれたとか、誰が入院していたとか書かれていた」し、「教会では退職した男性の昼食会、女性の読書会など宗教以外の催し物も用意されていた」ので「子どもも大人も共同体内に居場所があるという気持ちを持つようになる」という。
さらに、OECD5)の調べによると、「家族以外との交流」が「ほとんど無い・無い」と答えた人の割合が、日本は20ヶ国中トップであった。その中でも特に、Contacts with people in social groups(ボランティアやNGOなど社会活動での交流)の指標について、スウェーデンやアメリカは「ほとんどない」と回答した割合が3割にとどまるのに対し、日本は6割を超えている。

3.解決策 ~開かれた学校づくりを~
政府が、「リカレント教育(学び直し教育)」の重要性を強調し、大学や企業、地域による教育プログラムの開発などを進めるように求めてから約3年経過したが、私はこのリカレント教育の仕組みを何も大学だけにとどめるのでなく、各都道府県の高校にも拡大していくことを提言したい。
私の勤務校は、社会人聴講生制度が導入されている単位制の高校である。制度の認知率が高くないため受講数は決して多くないが、毎年度すでに会社などを退職された方を中心に数名が「現代英語」や「日本史研究」などの授業を受講している。授業中の他生徒との話し合いを観察していると、受講生は意気揚々としているし、また生徒も普段と異なる世代の方々と授業を通して交流ができることで普段以上に言葉に留意して発言をしたり、休み時間に積極的に話をしていて見聞を広めようとしていたりなど、いわばさまざまな化学変化が起きているといえる。
今後は、高齢者の受講生だけでなく現役の社会人の受講生が増えたり、細田1)がアメリカにいてよかったことの1つに「講演会で、緒方貞子氏やアマルティア・セン氏などアカデミック界の有名人に折に触れて出会えたこと」と記していた(2012, p.174)ように、学校が外部講師として社会人や知識人を積極的に招聘したりすれば、さまざまな世代間の交流がますます推進されると推測する。
このように、世代を問わず孤独を感じている人々が多い日本社会において、多世代が交流する場をつくる意義は大きい。さらに、我々は現代社会を生きる上で絶えず新たな知識や技術を習得する機会が必要とされる。このような状況において、一から何か新たな組織を設けるのではなく、すでにある高等学校の教育の仕組みに少し手を加え、もっと高校を地域に開かれた場所にするということは、有効な手段の一つであると考える。

1) 細田満和子『パブリックヘルス 市民が変える医療社会』明石書店,東京,2012, pp.117,137,174
2)厚生労働省 「平成の30年間と、2040年にかけての社会の変容」
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/19/dl/1-01.pdf 
3) Kasperskyレポート 2020年8月20日
https://www.kaspersky.co.jp/about/press-releases/2020_vir20082020 
4) THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2021
https://www.prosperity.com/rankings
5) OECD, Society at a Glance 2005, pp.83
https://www.oecd-ilibrary.org/docserver/soc_glance-2005-en.pdf?expires=1637734854&id=id&accname=guest&checksum=2C53930E2A02CC80AD41548E7E6113A0

鳥越皓之『環境社会学 生活者の立場から考える』

2022-05-01 13:59:51 | Book review
1. 環境問題について理解したこと
鳥越皓之『環境社会学 生活者の立場から考える』(2004)によれば、従来環境問題は大きく2つの考え方で解決策が講じられてきた。一つは「自然環境主義」(またはエコロジー論)とよばれ、人間の手の加わらない自然がもっとも望ましいと考える立場であり、主として自然生態学的な知識を中心とする考え方である。もう一つは、近代技術の進歩が環境問題を技術的に解決するという「近代技術主義」という考え方である。
しかし、この2つの考え方は日本における環境政策を考える際、必ずしも有効ではないという1)。たとえば「自然環境主義」においては、原生林がもっとも価値ある森林とみなされがちだが、日本においては知床半島や白神山地、屋久島のみに見られ、割合にすると日本国内の全森林の1%に充たないそうだ。
また、2つ目の考え方についてはそもそも近代技術こそが環境破壊をもたらしてきたので、環境分野においてはかなり信頼度が落ちるという1)。
 これら2つのアプローチに加えて、「環境保全」か「開発」といった二者択一論ではなく、地域の人たちの暮らしに目を向け、自然を「利用」しながら環境「保全」を目指す考え方が、「生活環境主義」と呼ばれる1)。特に日本では、山里に住む人たちが森林を生活の中で利用することによって、森林の破壊や崩壊を守ってきた歴史がある。鳥越によれば、日本人にとって山は決して「観賞用のもの」ではなく、「科学的な観察のためのもの」でもなかった1)。人びとはそこから燃料や田畑のための肥料、山菜などの食料、建材、門松のような象徴世界での利用物を持ち帰るというように多様なものをえてきた1)。さらに、水田や水路、ため池等の新たな水環境の創出 は、動植物の生息・生育環境をも増大させた。たとえば、嘉田によれば「琵琶湖では、稲作が始まった弥生時代以来、湖に暮らすコイやナマズなど多くの魚は産卵期になると水田に入り、産卵するという湖と水田の関係が長時間続いてきたと推測される」2) このように、「里山」は人びとによって適正に管理をされてきた場所であり、その結果、人びとの生活は保障されてきたし、生物多様性も高く維持されてきた。

2.私が考える里山生活推進策
 環境省によれば、「里山」は、特有の生物の生息・生育環境として、また食料や木材など自然資源の供給、良好な景観、文化の伝承の観点からも重要な役割がある3)。しかし、近年里山の多くは人口の減少や高齢化の進行、産業構造の変化により、里山林や野草地などの利用を通じた自然資源の循環が少なくなることで、大きな環境変化を受け、生物多様性は、質と量の両面から劣化が懸念されているという3)。環境面において様々な役割が期待される「里山」の再生をしていくにはどうすれば良いのか。単なる行政による整備で終わらず、私たち自身が普段の生活と両立させながら里山に関心を持ち、実際に森林に入るための提言を2点記載する。
まず、高校や中学校の修学旅行や大学のゼミ合宿などで、里山の民泊体験をするという案である。公益財団法人日本修学旅行協会によれば「中学校における修学旅行の内容は、歴史学習」が 41.5%で最も多く、次いで「芸術鑑賞・体験」が 10.4%、「平和学習」が 8.6%で、自然環境学習は6%程度にとどまる4)。つまり、他項目と比較するとまだまだ、伸びしろがあると言える。また、里山生活を体験できるプロジェクトは全国的に複数あり、たとえば私が2010年に参加したNPO法人「森は海の恋人」5)の活動では、「自然環境に最も大きな影響をもたらすのは、そこに住んでいる人々の生活に他ならない」という理念のもと毎年様々なプログラムを実施している。当時私は、毎晩美味しい牡蠣を頂きながら、地元の方に「牡蠣が採れるきれいな海にするには、森が不可欠」というお話を伺うことができた。知識をインプットしただけでなく、気仙沼の海の清掃活動や、植林や伐採を実際に行ったことで、里山生活に貢献できていると実感できたことも嬉しかったことを記憶している。このような取組を行うことは、若い世代への意識付けという観点だけでなく、里山体験を行う地域住民にとっても活気が生まれるだろうし、民泊による経済効果も期待できるといえる。
もう一つの案は、「都心と里山との二拠点生活」である。PEN(2021年9月号)6)によれば、近年働き方の変革により、平日は都内に住み、休日は里山にある家で過ごす人が増加しているという。東京と千葉県の南房総市との二拠点生活を送っている馬場氏によれば、「畑を始めれば採れたて野菜の桁違いな美味しさがすぐ分かる。海に近ければ新鮮な魚が日常の食卓にのる。お隣さんの親切に感謝したり、お裾分けに感動することも多い」という。このような形式であれば、普段の生活をしながら里山生活をも送ることができると思う。

3.まとめ
各国の経済がグローバル化し、地球上の様々な資源がこれまで以上に利用されることで、地球全体での資源の枯渇の恐れが高まっている。このような社会においては今後、嘉田が述べるような「遠いもの」ではなく「近いもの」の活用2)や、鳥越の言う「生活環境主義」1)の視点を意識し取り入れていくことは有効だと言える。それらの考え方が取り入れられた「里山生活」は今後推進されていくべきであり、そのためには上記で述べた2つの提言は有効であると推測される。

引用参考文献
1) 鳥越皓之『環境社会学 生活者の立場から考える』東京大学出版会,東京,2004,pp.66-73
2) 嘉田由希子,『環境社会学』, 岩波書店, 東京, 2002, pp.91-111
3) 環境省自然環境局 “里地里山の保全・活用”
https://www.env.go.jp/nature/satoyama/top.html
4) 公益財団法人日本修学旅行協会 “2019年度実施の国内修学旅行の実態とまとめ(中学校)<抜粋>
”https://jstb.or.jp/files/libs/3166/202106281518595201.pdf
5) NPO法人 森は海の恋人 “活動紹介 環境教育”
https://mori-umi.org/about/activity/activity_kankyo/
6) PEN 2021年9月号 “移住、多拠点、ワーケーション……新しい住みかの見つけ方”、CCCメディアハウス

山脇直司『社会とどうかかわるか 公共哲学からのヒント』

2022-05-01 13:58:19 | Book review
1. 社会における「滅私奉公」や「滅公奉私」のさまざまな事例
山脇直司『社会とどうかかわるか 公共哲学からのヒント』(2008)によれば、自分の私欲・私情を捨てて、国家や社会のために尽くすことを「滅私奉公」という一方で、「私」だけのために、公共性(広く社会一般に利害や正義を有する性質)を無視する考え方を「滅公奉私」1)という。前者の例としては、まず現在行われているオリンピックがあげられるだろう。本来は、オリンピック憲章p.18によれば、「オリンピック競技大会は、 個人種目または団体種目での選手間の競争であり、 国家間の競争ではない。」2)が、日本オリンピック委員会は東京五輪における日本の金メダル獲得目標を「30個」3)としており、事実上国単位でのメダル争いを選手に求めていると言える。さらに、後者の例としては、企業の営利主義が言えるだろう。最近では、ウイグル族たちが強いられている強制労働によって生産された綿が、自治区を越えて世界中のサプライチェーンにて使われている4)と報じられ、私もショックを受けた。山脇(2008)によれば、戦前から現代に至るまで、「滅私奉公」もしくは「滅公奉私」のケースは他にも数多く見受けられ、たとえば教育勅語の利用や、耐震偽造マンション、福知山線の事故、政治家の汚職などをあげることができる。私は一教員という立場であるため、ここでは現代社会の中でも特に、現代の教育現場における混迷に対して、公共哲学がどのような役割を果たすべきか述べていきたい。

2. 教育現場における公共哲学の果たす役割
 さて私の勤務校は、生徒一人ひとりが自分の興味や学習ニーズに合わせて授業を選んで学べる高校である。校則も制服もなく、生徒の個性を重んじている学校だと対外的には言われる。もちろん、在校中に英検1級を取得した等、自らの得意分野には全力に取り組む生徒も少なくない。しかし数年間勤務して日々感じているが、授業中に平気で私語をするとか、集合時間を遵守しないとか、いわゆる集団感覚が薄く、あたかも他者が存在していないと考える生徒が多い。山脇(2004) 5)の言葉を借りれば、「自分の私生活を楽しめればそれでよく、人々との公共生活は無視してよいという考え方やライフスタイル」(p.30)を送っており、「他者によって自分が生かされているという発想」(p.30)がない者が、残念ながら多い。そのような生徒はおそらく本校だけでなく、日本全国どこにもいるだろう。どのようにすればそのような生徒たちを「滅公奉私」ではなく、「活私開公」1)型へと意識変革することができるのだろうか。教育の現場において、公共哲学がそのような命題を解決する上で果たせる役割について述べていくこととする。
 第一に、普段の授業内において、生徒が「公共的感情(public sentiment)」(山脇, 2008, p.129)を抱けるよう工夫をすることは有効だと考える。ここ数年間で、新しい学習指導要領が定義する「主体的・対話的で深い学び」(「アクティブ・ラーニング」)の視点に沿って、生徒が自らの意見を表明する形式の授業が増えてきているように感じられる6)。さらにSDGsの考え方に則り、最近は環境問題や平和、貧困、災害のような社会的な問題を各教科で扱うことも増えてきた。しかし実際のところ、自分から心理的かつ物理的に遠い話題に関しては興味や関心をいだく生徒は少ないと感じるし、そもそも他者という視点がない状態で単に意見を言うだけのスタイルは、他者や公共社会の視点をはぐくむには不完全といえる。
 そこで、山脇が述べている「コンパッション」「公憤」「同慶」のような、自分の身の回りだけでなく「遠い世界に生きている人びとに対していだく公共的感情」(2008,p.129-130)1)を普段の授業中に生徒が感じられるような仕掛けができれば、内容に関する理解はもちろんのこと、「自分と他者と公共世界」の関係を意識するようになっていくと考える。たとえば、先日英語の授業でプラスチックゴミの問題を取り扱った際に、「プラスチックを食べたことがあるか」という質問を生徒に投げかけた。全員がないと返答した後、飲料水や魚に含まれるマイクロプラスチックの話題について触れ、我々がポイ捨てをしたプラスチックゴミが他者だけでなく、私たち自身の生活にも密接につながっている旨を話した。他の諸問題についても同じように「公共的感情」が沸くような取組みを、日頃から授業にて実施することで生徒が「公共善に貢献することにつながる」(山脇、2008, p.130)1)と考える。
 さらに「公共善を実現していくために、自分ができることは何か」冷静に分析して判断する理性も必要だと山脇は述べている(2008, p.131)1)とおり、授業において問題解決のための手段を考える取り組みも役に立つだろう。
 上記の他にも、就職希望の生徒への指導の際に、企業のステークホルダーは株主や顧客だけでなく地域の人びとや従業員も含むので、利潤の追求だけでなく、公共性が要求されているというように公共哲学の観点から指導していくことも、効果があると思う。さらに、生活指導において、SNS利用に関しての啓発活動実施の際に、投稿に「自己と他者への責任意識」(山脇,2004, p.151)5)をもって、お互いの個性を互いに認め合って利用する旨指導をすることで、SNSが「公共善」としてのツールとなり得るだろう。

3. 結論
以上述べてきたとおり、混迷した学校現場において生徒たちを「滅公奉私」ではなく、「活私開公」型へと意識変革するためには、単にスローガンを掲げるだけではなく、普段の授業や生活指導や就職指導などにおいて、公共哲学の視点を用いることは大いに役に立つと言える。

引用文献
1)山脇直司『社会とどうかかわるか 公共哲学からのヒント』,2008
2)オリンピック憲章 Olympic Charter 2020年版・英和対訳
https://www.joc.or.jp/olympism/charter/pdf/olympiccharter2020.pdf
3)日本テレビ “2020年2月3日 JOC山下会長 「五輪で金30個」正式目標”
https://www.news24.jp/articles/2020/02/03/07589292.html
4 )朝日新聞 “ユニクロも無印も…新疆綿で板挟み「何言っても批判が」”
https://www.asahi.com/articles/ASP4S730RP4RULFA02M.html?iref=pc_rellink_02,
5) 山脇直司『公共哲学とは何か』,2004
6) 文部科学省”主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善”
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/newcs/__icsFiles/afieldfile/2020/01/28/20200128_mxt_kouhou02_01.pdf

『環境社会学』(嘉田由希子,岩波書店)

2022-05-01 13:53:26 | Book review
 食事は、私たちが健康で文化的な生活を送るうえで欠かせないものだ。「パンさえあれば、たいていの悲しみには耐えられる。」とかつてセルバンテスが述べているし、生活に対する幸福度と「食」の楽しみ方の相関関係を聞くと、食事を楽しめる人程幸福度が高い傾向にあるというデータもある1)。わざわざ偉人の名言や統計を示すまでもなく、私たちの人生の中で食事は身体的にも精神的にも最も重要だと言える。
 それにも関わらず、近年の日本の食料自給率はカロリーベースで約40%まで下降している2)。戦後直後1946年度の日本の食料自給率は88%だったことと比較すると、衝撃的な数値である。つまり、現在私たちの食材のおよそ3分の2は海外からの輸入に頼っている状況といえる。主要先進国の穀物自給率を見ると、アメリカ138%、フランス198%、イギリス118%など2)となっており、日本との差は歴然である。
 このような状況を嘉田は、「遠い食べ物の増加」と表現している2)。遠いとは、地理的に遠いだけでなく、生産と消費の分離が進んでいることを表す。ここでは食料自給率を上げて再び「近い食べ物」をとっていくことが私たちの日々の生活においてなぜ必要か、そしてそのような状態にするためどのような対策が考えられるかを以下に記していくこととする。

 まずそもそも、なぜ私たちは国内の食料自給率を向上させていく必要があるのだろうか。
第一に、「食の安全保障」2)がある。たとえば、私たちが食料生産を頼っている国が自然災害に見舞われた際や、世界の人口が増えており今後安定的な供給が見込めないといった懸念があげられる。実際、近年では2020年1月にパスタなどの欠品やタマネギはじめ加工業務用野菜の輸入の停滞が発生した3)し、現在76億人の世界人口は、2030年までに86億人、2050年に98億人になるといわれている4)。
第二に、「環境資源の浪費」2)である。嘉田によれば特に水資源は顕著で、たとえば475万トンの大豆を生産するのに20億トンの水が必要である。また、NHKBS1「2030未来への分岐点 特別編 持続可能な未来のために」5)によれば、牛肉1kg生産に風呂77杯以上の水を要するとか、すでに地下水の枯渇が一部のアメリカの穀物農家で見られているという。
上記の2つの理由のほかにも、食生活の変化による生活習慣病増加に伴う医療費増加2)や、人体の健康よりも効率性を優先した遺伝子組み換え商品など、このまま将来にわたって「遠い食べ物」に頼り続けることは、将来的に私たちの生活に様々な影響が起こると言える。
では一体どうすれば、私たちの食べ物は「遠い」ものから「近い」ものへ変わっていくのだろうか。食料自給率の向上のため、特に教育現場において私たちができることを以下に記す。
 第一に、国産食品の利用や購入のPRが必要だと考える。まずは学校給食から始めてみることを提言したい。文科省によれば学校給食における国産食材は、約75%6) と比較的高いものの、地場産物については30%弱とまだまだ改善の余地があると言える。地元の農業者が子どもたちのためを思いながら丁寧に育てた作物を全国的にもっと学校給食で提供すれば、子どもたちは安全安心に新鮮なものを食べることができるし、地域に経済的な活気も生まれるだろう。同時に、学校給食がもっと改善されれば彼らは幼い頃から食糧自給率や、和食文化についても考える機会となる。また、そんな彼らが大人になれば、肉やパン中心の欧米化している日本人の食文化も少しずつ変わっていくのではないだろうか。
 第二に、授業や総合学習での活動の一環として、「プログラミング教育」と「スマート農業」を結びつけた企画の実施を提言したい。日本の食料自給率減少の一因として、高齢化による農業生産者の減少や、それに伴う耕作放棄地の増加があげられている。高齢化が進む農業の担い手の労力を軽減したり、増え続ける耕作放棄地を少人数で利用して収量を上げるために、既に民間レベルではドローン、ロボットなどによる農作業の省力化、AI技術が導入され始めている。これを「プログラミング教育」の一環として学校で体験することで、農業に対する生徒の見方が変化し、将来的に従事する割合が増えると考える。実際に、姫路市の学校のように上記のような授業で取り入れている学校がある7)。
 以上のことから、日本は今後自国の食料自給率を上げて以前のように再び「近い食べ物」を日々の生活でとっていくことが必要である。その実現には単に民間の政策や一人一人の意識変革だけでなく、教育の現場においても上記のような企画を取り入れてくことで、徐々に高まっていくことを期待したい。

参考資料
1)東京都の人は世界一不幸!? 食事を楽しめる人は幸福度が高いことが判明
https://news.mynavi.jp/article/20150927-a016/
2) 嘉田由希子,『環境社会学』, 岩波書店, 東京, 2002 pp.91-111
3)日本農業新聞 2021年7月11日 社説
https://www.agrinews.co.jp/opinion/index/12152
4) 国際連合「世界人口予測・2017年改訂版 [United Nations (2017). World Population Prospects: The 2017 Revision.]」概要
https://www.jircas.go.jp/ja/program/program_d/blog/20170626
5) 「BS1スペシャル 2030未来への分岐点「特別編 持続可能な未来のために」」NHKBS1,2021年7月23日放送。
6) 学校給食における地場産物・国産食材の使用割合(平成30年度)
https://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2019/07/29/1419670-1_1.pdf
7) 子ども向けプログラミング教育に、農業ロボット「ファームボット」を活用
https://smartagri-jp.com/news/2452

『40歳からの仕事術』山本真司,新潮社

2021-08-18 11:34:09 | Book review

「自分で考えなさい!」と言われたことがある人は、多かろう。しかしながらその行為の意味をなんとなく分かったような、分かってないような感じで悶々としている人はいると思う。自分の頭で考えるとはどのようなことか、色々と定義はあるが最近読んだ『40歳からの仕事術』(山本真司,2004)に詳しく述べられていたので、一部引用したい。なお(※)は、記載内容に対する私のコメントである。

①常に想像力を働かせて、「あるべき姿」を考えること。
(※なるほど!問題解決は、「現実」と「理想」のGAPだと習ったことを思い出した。)
批判的になること (例)この数字は事実だが、それについての専門家のコメントは実態とは異なるかもしれない
自分の関係ある分野以外からも学び、発想を豊かにする。ビジネスパーソンであれば経営や経済だけでなく、哲学・宗教・心理学。
(例)歴史の知識を応用した例
「顕教」:一つ一つ修行を通して自分のステージをあげ、最後に悟りに至る。成功すれば素晴らしいが時間がかかる。ありとあらゆる問題を解決して動き出す形式。(※RPGのような進め方か)
「密教」(空海など):「今日から仏陀だと思いなさい」。悟ったのだから仏陀と同じ言葉をしゃべるという形式。不都合のある部分だけすぐ変える。仮に他が不十分であっても、少なくとも特定の問題については解決できるので成功体験が早く得られる。

④独自性にこだわる必要はない。むしろ真実を探求する態度が大事
⑤判断基準は、「自分の目」!「相手の目」ではない!

一方で、私たちは以下のような過ちをやりがちであるとも記載されている。
①新聞・書籍・雑誌を読むこと自体は必要。重要な出来事については正確に、「いつ・どこで・誰が・どうやって・何をした」という情報を持っているべき。ただし、そこで述べられている解釈や意見を事実と思い込んでしまう
②セミナーや本で学んだテクニックや知識を当てはめて、現実の解決策であると思い込んでしまうこと。
➂「過去の自分の成功体験」を絶対視して、それが唯一の解だと思い込むこと。


30代から大きく伸びる人の勉強法 (堀紘一著 PHP文庫)

2021-08-16 15:56:04 | Book review

30代から大きく伸びる人の勉強法 (堀紘一著 PHP文庫)を読み、心に響いた部分をまとめました。

◆なぜ社会人は、勉強が必要か?(WHY?)
(1)アイデアが豊富になる※
※(持論)確かに「アイデアC」は「既存A」と「既存B」の組合せなので、勉強してAとBを知ることでCは生まれる。
(2)世の中には多様な価値観があると認識→他人の意見を素直に受け入れる柔軟性が生まれる
(3)人的NWの構築に役立つ
(←また話をききたいと思ってくれる人や、仕事の依頼が来るため)
(4)新たな経歴をつくっていく 
(これからは、「学歴社会」→「学習歴社会」になるため)
(5)(マクロ要因)リストラ予備軍にならないため

◆勉強のゴールは?(勉強をした結果、何ができるようになればOK?)
(1)どんな局面でも、最善の答えを自分で考えることができること
(←社会では答えが一つという問題はまず存在しないため)
(2)自己実現の最大化ができること
(=自分が望む場所にまで、自分を連れて行ってくれる魔法の杖)
(3)あらゆる問題の現状分析ができること
(=今何が起きていて何が問題なのかを把握し、新たな付加価値を考えられるようになる

◆何を勉強をすれば良いか? 作者のおすすめは?(what)
①哲学 :おすすめはフロムやサルトルだそうだ。
 (→理由:視野を広げる、様々な角度からの視点を身につける)
②歴史 
(→理由:失敗体験など今を生きる教訓の宝庫のため)
③犯罪心理学 
 (→理由:どう扱って良いかわからなかった人の気持ちを少し理解できるようになるため)
④語彙
(→理由:教養の有無がわかる指標の一つのため)

◆どう勉強に取り組めば良いか?(how)
①「大目標(30年後)」※→中目標(10年単位)→小目標(1年単位)で目標を立てる
  ※常に考え続けないといけないテーマ。適宜修正が必要。
②時間を捻出し、習慣化する
③ポイントを押さえる :単元ごとに要旨を書き出す
④晩酌をやめる
⑤勉強会やセミナーに参加する
⑥一流の人や物と直に触れる (音楽会、映画、小説など)
⑦本を沢山読む


『20代 あなたが今やるべきこと』清水克彦

2021-08-16 15:50:10 | Book review

夏期休み中に清水克彦『20代 あなたが今やるべきこと』を読んだので参考となる部分をまとめます(^_^)

①これからの「不透明な時代」の乗り越え方
【対策1】毎年何か一つスキルアップすること
(1)政治・経済・社会問題・自然科学・心理行動科学・コミュニケーションなど興味を持った本を読む
(2)講演会に参加
【対策2】リスクヘッジしておく。本業の他にも、何か首を突っ込んでみる。
→アウトプット(仕事)だけはなく、自分と向き合う時間を意識的に作る必要。さもなければコモディティ人材(誰とでも交換可能な人材)になりかねない。
【対策3】身体が資本。
→十分な睡眠時間、正しい食習慣、定期的な運動。

②自分の型を作りましょう
(1)「人生は自分が触れた物になる」から、日頃から偽物ではなく一流の物に触れるべき。
(2)できる人や他組織のやり方をまねる=ベンチマーク
(3)ルーチン業務は、フレームワークやマニュアルを作る等パターン化/自動化しておく。
(4)贔屓の番組や雑誌を持つ
(5)未来予想図を描く。
(例)清水氏「30代で報道全般を熟知し、人脈を増やしておきたい。40歳前後で本を出し、50歳近くになれば勤務しているラジオ局以外でも勝負できる人間になっていたい」

③わらしべ長者※の話を参考にする
(※「素直に観音様のお告げに従い」、1本のわらしべをミカンと交換、次にミカンと布と交換、さらに布と馬、馬と家・・・のように交換し、最後にお金持ちになる話。)

1「アドバイスに従った」
→良いメンターを見つけて、助言を謙虚に聴く必要があると思った。清水氏によれば歴史的にも成功者には必ずメンターの存在がいると言う。秀吉は信長、坂本龍馬は勝海舟、高杉晋作は吉田松陰のように。
→仕事を紹介してくれたり引っ張り上げてくれるような上司や先輩を探すべき。
→また目上の人の意見には素直に耳を傾けるべき。

2.「出会いを生かした」
→会ってそのままにしない。定期的にメール等をして進捗報告をしようと思う。

3.「相手が望む物を都度保持していた」
→相手の期待値よりも高いアウトプットが必要。単なる情報(information)ではなく、付加価値のある情報(intelligence)が必要。


英単語の覚え方(3) 5W1Hより

2021-08-16 15:21:57 | English
単語帳を利用した英単語の勉強方法を述べる。
◆What(何を)
→ 学生時代は、『DUO3.0』 (鈴木陽一著、アイシーピー社)を利用したが、自分自身で使いやすいものを選択すればいいと思う
◆Where(どこで)
→家、図書館、電車の中、学校の教室や自習室
◆how many(何回)
→1年間で10周くらい。なぜなら1回で覚えられるほど人は賢くないからだ。たとえばエビングハウスの記憶の理論によると、何かを覚えた1時間後にはその56%を忘却し1日後には74%を忘却してしまうが、何度も繰り返すことで保持率を高めることができるそうだ。だからテスト前だけに勉強するのでは覚えられるわけがないし、同じテレビCMが何度も流れているのは理に適っていると最近思う。

◆How(どのように)
(パターン1) 単語の意味と発音を覚える
=単語帳を見ながらCDが発音する単語を聞く→間髪を入れず発音する→CDを止めて紙に書く
※例 CDが”respect”と発音→おっ、respectは尊敬するという意味なんだなと理解した上ですぐに自分でrespectと発音→紙にrespectと書く

(パターン2)単語が使われている例文を覚える
=単語帳を見ながらCDが発音する例文を聞く→間髪を入れず発音する→CDを止めて紙に書く
※例 CDが”We must respect the will of the individual.”と発音→すぐに自分で”We must respect the will of the individual.”と発音
→紙に”We must respect the will of the individual.”と書く

(パターン3)友達と単語の問題を出し合う
 ※例 相手「尊敬するは?」→自分「respect」

(パターン4)例文の日本語訳を見て、英語に瞬時に訳す
電車の中なら声に出さず頭の中で、学校の自習室ならば声に出さず紙に書く、家ならば口頭で訳すというように場所に応じてアウトプットの方法は変える。

状況に応じて組み合わせは工夫するといいと思う。また最初は単語帳を見ながら発音したり紙に書いたりしたが、慣れて来次第何も見ずCDの音声だけを頼りに実施等理解度に応じて難易度も変えるといいと思う。4技能バランスよく!とお経のような合言葉も最近流行っているが、単語帳を上記のようにしっかりこなせば自然に4技能が身に付くのではないかと改めて思う。

単語の覚え方(2) すき間時間の活用と間を置いた反復

2021-08-16 15:13:52 | English
間を置いた繰り返しや、すきま時間の有効活用をお勧めしたいです♪
なにも一度に3時間も4時間もまとめて単語を勉強しなくてもいいと思います。というか仕事をしている人にはそんな時間の捻出はほぼ不可能です。

◆具体策
・100円shop¥で売っている単語カードメモに理解できていない単語を書く
・毎日電車の中の10分等で繰り返し見返して少しずつ覚えていく
※人は一度覚えたなと思ってもすぐに忘れるので、逆に間を置いた反復が必要です。知識はいったん脳の海馬に一時保管され、いずれ消失しますが、反復することで長期記憶を司る部分に移管されるとのこと。
門田修平『シャドーイングと音読の科学』より

◆実践報告
私自身もサラリーマン時代、朝電車の中⇒出勤前会社の前のマックでコーヒ飲みながら⇒昼飯食べながら⇒途中トイレの中で⇒帰りの電車内で⇒晩飯食べながら⇒寝る前等、すきま時間に英検やTOEICの長文で理解できなかった単語をまとめたカードを何度も繰り返し見ました。カードの表に単熟語や例文を、裏に日本語の意味を書いておき、何度見返しても即答できないカードは一番先頭に移動し見る頻度を増やしました。完全に覚えたなと思ったら、3日後とか1週間ごとにもう一度カードをめくってみました。

後から知ったのですが、エビングハウスの忘却曲線という概念からも理にかなっていると言えそうです。
英語以外にも、色々と役に立つと思います。ぜひ参考にしてください。

単語の覚え方1 (接頭辞)

2021-08-16 15:11:47 | English
「さんずい」なら「海」や「洋」の様に水汗が関係し、「てへん」なら「打」「投」の様に手チョキが関係するのと同じ様に
英語の単語もいくつかの語の組み合わさってできている語があります。
いくつか代表的な語を知っておくと、単語によっては効率よく覚えられますのでブログの中でいくつか紹介したいと思います。

TOEICや英検にもよく出るimport(輸入する)とexport(輸出する)を今回は説明します✨

◆まず、ポータブル(portable)プレイヤーの様に、ポート(port)は何かを「運ぶ」という意味があります📦
(ちなみにableは〜できるという意味なので、portableは持ち運びできるという意味です)
◆in(imに形が変わる場合もある)は、「〜の中に」という意味です。
◆exという語は「〜の外に」という意味です。たとえばexpressは外に押し出す=自分の思いを表現するというように使われます。

以上より、importは「中に運ぶ→海外からその国の中に運ぶ→輸入する」、
exportは「外に運ぶ→海外に運ぶ→輸出する」という意味になります!

森林浴の効果 (How effective forest bathing is)

2021-08-16 08:28:48 | 旅行
森林浴は、疲労や不安削減に効果があるという記事を見つけた。確かに経験則ではあるが、木漏れ日の中を散歩するのは非常に心地よいし、ストレス軽減に役立つことだろう。東京周辺で、森林浴が楽しめるスポットを2つ紹介する。
According to the Living Near Woodland May Improve Kids' Development by Vanessa Gibbs, Japanese practice of shinrin-yoku(森林浴), or forest bathing, which involves spending time relaxing in a forest, has been found to help reduce fatigue, anxiety and depression.Those who live in Tokyo area find it challenging to look for forests, but there are some fantastic places.

①等々力渓谷 Todoroki-valley

In spite of its location, its accessibility, the atmosphere in this area is quite opposite to Tokyo's urban surroundings. It takes 20 min from Shibuya, Tokyo.

②田園調布せせらぎ公園
This park allows us to escape the city’s hectic pace and explore nature. It takes 15 min from Shibuya, Tokyo.

https://www.den-en-seseragi.jp/access/



Ushiku, Ibaraki 茨城県牛久市

2016-09-19 15:54:49 | 旅行
Especially beer and wine lovers should come Ushiku city and rejoice! You can access here from Tokyo St for approximately 1hour by local train, "Ueno-Tokyo Line" bound for Tsuchiura.
There are 2 sites you "must" visit!!


①Chateau Kamiya
Chateau Kamiya, located adjacent to JR Ushiku St. Ibaraki, is a brewery so steeped in the history of western alcohol in Japan.At the restaurant in this area, we can also enjoy the tasty food, using organic ingredients in Ibaraki prefecture.









According to the website (http://www.kamiya-bar.com/history.html),the founder,Denbei Kamiya, originally run his bar, the oldest bar in Japan in Asakusa,Tokyo. After that, in order to study winemaking, he moved to France. Soon after he came back to Japan, he founded Chateau Kamiya, where all processes, including the grape growing ,vintage, crafting, bottling, shipping,are done in this area.

②Buddha of Ushiku:
HUGE!!!!! With a height of 120m, Ushiku Daibutsu is the world's tallest bronze statue of Buddha.
Standing alone in the middle of rice fields, it looks taller than the actual height.




Around Ushiku area is the place where we can also enjoy the traditional Japanese countryside.







香川(小豆島)訪問から得たこと ~小さな習慣の有意義さ~

2011-07-03 21:15:14 | 旅行
一昨日発令が出て大阪に住むのも今月で最後となった。関西にいる間になるべく色々な場所を訪れようと思い、昨日姫路経由で約3時間かけて小豆島を訪れた。

早速島の代名詞ともいえるオリーブを見に、オリーブ園を訪れた。1908年(明治41年)当時の農商務省がアメリカから苗木を輸入して以来試行錯誤の連続だったが、穏やかな地中海性気候に恵まれた事もあり大正の初めには搾油ができる状態になったという。
(http://www.olive-pk.jp/olive/index.htmlより)

そして島の方のお話によると、オリーブは樹齢8年目以降にようやく白い小さな花が咲くそうだこの話を聞いて、タイムカプセルと言ったら大げさではあるが、約十年後に関西に住んでいたことを思い出そうと、小さなオリーブの苗木を購入した。デイル ドーテン著『仕事は楽しいかね』が言うように、まだまだ今の自分は「アヒルの子供が水かきをしている様に、進んでは押し戻され、ただただもがいている状態」だ。しかしながら一歩一歩前進し、いつかは夢を開花させようと思った。


オリーブ原生林


瀬戸内海


1年中温暖な気候


島中至る所にオリーブの木


【小豆島オリーブ園行き方】
(1)大阪(Osaka)→姫路(Himeji) JR新快速で約1時間 1hour by JR rapid service local train
(2)姫路→姫路港 バスで約30分 Himeji St→ Himeji Ferry terminal by bus 30min
(3)姫路港→小豆島(福田港)フェリーで1時間40分 Himeji Ferry terminal→Syodohima island Ferry Terminal by ferry 1:40
(4)小豆島(福田港)→オリーブ園 バスで30分

【Shodoshima-island】
This island is the birthplace of Olive in Japan, where it is moderate climate throughout the year. The mellow green of Olive will make you feel comfortable and gentle.

兵庫1(淡路島)

2010-10-25 01:02:16 | 旅行
先週は出張先の東京から、終電ではなく4時台の始発で帰宅するという1週間だった。
出来るならば習慣にはしたくはないが、慣れてしまうと案外乗り切れてしまうものだとも思った。

さて、8月末埼玉から高校の友人が来た。
大阪から新快速で明石まで行き、明石から船で淡路島を訪れた。
道の駅でたこ飯を食べた後、レンタサイクルで淡路島北部を快走した。


明石から岩屋港へ


船からの風景


サイクリングロードからの風景


何よりも、行き帰りの船に観光客よりもむしろ地元の人が多く乗っていたことに驚くと同時に、
生活をする上で重要な交通手段の一つとして船があるのはどこかあこがれた。
その他にも島内バスが1日に数える程しかなかったり、
どこまで自転車を走らせても周囲に見えるのは海だったり、
暮らしている方にとってみれば全く当たり前なことかもしれないが、新鮮に思えた。

始発の話や島の話の様に、人は知らない間に環境に順応するものだ。
だからこそ一つの環境下だけに自分を置いて感性を腐敗させるのではなく、
常に新しい空気を取り入れる努力を今後も怠らない様にしていきたいと思う。