フレイルとは時々聞かれるようになった言葉ですが、
「加齢による予備能力低下のためにストレスに対する回復力が低下した状態」
言われています。

要介護状態になる前の段階の状態で、身体的だけでなく、
精神・心理的や社会的など様々な方向で能力低下や脆弱が見られ、
自立障害や健康障害を招きやすくする状態を指します。

フレイルの明確な診断基準はないようですが、
体重減少
主観的な疲労感
生活活動量の減少
身体能力(歩行速度)の減弱
筋力(握力)の低下を評価の基準にしています。
項 目評 価 基 準
体重減少6か月で、2㎏以上の(意図しない)体重減少
筋力低下握力:男性<28㎏、女性<18㎏
疲労感(ここ2週間)理由なく疲れを感じる
歩行速度通常歩行速度1.0m/秒以下
身体活動軽い運動・体操をしていますか?
定期的な運動・スポーツをしていますか?
の質問にいずれも「週に1回もしていない」と回答
改訂日本版フレイル基準(J-CHS基準)
Satake S and Arai H. Geriatr Gerontol Int. 2020; 20(10): 992-993
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フレイルに陥ると
身体能力の低下、疾病にかかりやすくなる、
環境の変化に対応できない、感情の起伏が激しくなるなどの状態が
見られるようになり、
やがて転倒、打撲、骨折、手術後の合併症、要介護状態、認知症発症、
施設入所、生活習慣病発症、循環器疾患の発症などを招き、
死に至る原因ともなります。

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フレイルになりやすい要因としては
偏った食事や運動不足などの生活習慣
身体的障害、老化により機能低下、栄養障害などによる身体的要因
配偶者のフレイル、独居、友人などの環境要因

生活習慣病、老齢疾患などの各種疾患などが挙げられます。

フレイルに陥らないための予防としては 
持病の適切な管理
適切な運動療法、筋力の維持
バランスある食事、栄養状態の維持
感染症の予防などが必要になります。