〈実務〉
【新着】

国際的に認定された病院を数多く有する東南アジアの医療拠点を目指すタイでは、欧米、中東の外国人を主な対象とする医療観光が再開される。

(タイ、官民で「医療観光」再開へ  コロナ回復診療を新設: 日本経済新聞 nikkei.com/article/DGXZQO… #衛生 #政策 #メディカルツーリズム) 

【概要】

メディカルツーリズムとは、居住所とは異なる国や地域で医療を受けることを指し、50以上の国が自国産業としている。

利用者層は、先進国や途上国の富裕層が多く、自国では賄いきれない技術や価格を求めているため、インド、タイ、マレーシア、シンガポール、韓国、メキシコなどが選ばれている。

経済的な恩恵としては、観光産業に携わる運送業や宿泊業の需要が上がることによる外貨獲得だけでなく、医療機器などの量産化によるコストダウンにも繋がる。

〈研究〉
【分析】

健康を目的とした旅行の歴史は、古代ギリシャにまで遡り、日本の湯治や欧米のスパ、結核療養施設として始まったサナトリウムによる転地療養などを起源としている。

COVID-19の流行に伴い、ワクチンの余剰分を利用したツーリズムがイスラエルを皮切りに開始され、UAE、キューバ、インド、アメリカなども続いてワクチン接種を促進している。

〈教育〉
【対策】

メディカルツーリズムは、人命を扱う営利的な産業の側面もあるため、富裕層と貧困層の健康格差や、悪徳なブローカーによる闇市の発生などに対する生命倫理の観点からの相互監視体制が求められる。

【参考】

『千と千尋の神隠し』

2001年に日本で製作された宮崎駿監督による作品である。

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メディカルツーリズムの原点とも言える日本古来から続く湯治場である群馬の積善館がモデルと言われている、異世界の湯屋に迷い込んだ少女の成長物語である。