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フランスとイギリスの再会についてジョージナ・ライトが語る


France – Angleterre : les retrouvailles !(フランスとイギリス:再会)

セダンレール・インタビュー(2023.3.10の収録)
ジョージナ・ライト (Georgina Wright) 英国人。モンテーニュ研究所ヨーロッパ研究プログラム部長 (directrice du programme Europe de l’Institut Montaigne)

セダンレール (C’est dans l’air)は「放送中、OnAir」といった意味のフランスのニュース討論サイトです。毎週4人〜6人の発言者を招いて70分程度の討論を繰り広げます。この記事の様にインタビューが挟まれることもあります。

 

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ジョージナ・ライトがウクライナ戦争により英仏関係の潮目が変わったと語る

CDA:過去5年間にわたりヨーロッパ二強国間の二者会談は行われてきませんでした。前駐英フランス大使シルヴィー・ベルマンに言わせれば、これはワーテルローの戦い後の状態に匹敵する英仏の冷たい関係でありました。そろそろもう再接触の時期ではないでしょうか。あなたは英仏関係観察の専門家ですし、何よりも非の打ち所がないフランス語の使い手です。外国訛りが全く無い。それでいて英国人であるわけですから……….。
2週間後にスナク英首相をエリゼ宮に迎えることになりました。英国側の感想は?ボリス・ジョンソン前首相と比べてビジネス界出身という共通項があり政治的立ち位置も中道右派と共通です。

GW:その5年の間に色々あって、BREXITEとか、ウクライナ戦争とか、コロナ禍とか。その度ごとに「英仏は共同しないのか。ヨーロッパ二大強国の連携はどうしたのか」といった声が聞かれてきました。とりわけ英国側にその叫びは大きかった。もちろん二国間の関係は首脳同士の個人的つながりではだけではありません。

CDA:面白い世論調査の結果があります。フランス側の調査では在仏英国人の64%が英仏関係の再強化を支持しています。イギリス側の調査ではこれが81%を超えています。両国関係強化に動き出すにあたり国民全員の支持が得られる、そんな良い機会が訪れているように思えます。
なおガーディアン紙の調査によればBrexitを後悔してEU再加盟を目指すべきとするBregretが57%の支持を得ています。潮目が変わった証しでしょうか。

GW:当時私は学生でしたがそれまで気楽に大陸に渡れたのとは違い、パスポートや保険証が必要になるなどずいぶん手続きが煩雑になりました。確かに潮目は変わってきました。EU補助金欲しさから再加盟に向かうのだろう、などと疑われながら申請するのは得策ではありません。英仏協力は英仏がお互い得をする方向でなければなりません。

(挿入された英国王のフランス訪問を伝えるテレビニュース)
Charles三世は初めての外国訪問先にフランスを選びました。国王ご自身が決められたとのことです。ベルサイユ宮殿での晩餐会のほか、アキテーヌ地方の中心都市ボルドー訪問が予定されています。シャルル(チャールズ)三世はフランス贔屓で知られており実際皇太子として35回もフランスを訪問しています。今回もドイツ訪問よりフランス訪問を前に持ってきていますし、ボルドーワインも出来が良かった模様です。地元民も歓迎しています。(訳者註:アキテーヌは英仏百年戦争の時代には英国領でした。)

GW:もちろんアメリカ訪問が一番大事な事は言うまでもありませんが、これはイギリス代表と言うよりヨーロッパ代表としてアメリカを訪れることになります。英国はEUを脱退しましたがヨーロッパを脱退したのではありませんから。
大まかに言えば経済分野でのつながりがBrexit後に弱くなったのに対し国防安全保障分野での英仏協力は緊密になった印象です。英国はロシアに対し最も厳しい態度を取って来ました。既に2014年2月には対露防衛指針が公表されロシアを欧州に対する最大の脅威と規定していますし、ウクライナ軍の兵器習熟訓練に場所やプログラムや人員の提供もしています。

CDA:経済疎遠・安保緊密というのが実情ですか。

GW:ウクライナ戦争が英仏関係の潮目を変えた最大要因であるのは確かです。    (終わり)

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