●自己否定女子の“付加価値”その③『本心を隠す』
おはようございます。
自己否定に悩む女性をサポート“変わりたい”を後押しするカウンセラー西嶋裕子です。
“ありのままの私”では、私は親から愛されない。
“ありのままの私”には、生きる価値が無い。
親から愛されない=生命の危機 ➡ “ありのままの私”に付加価値をつけなくては!!
そうやって、あなたは自分自身に、こんな“付加価値”を付けました。
『本心を隠す』
「いつもいつも周りに気を遣って、空気を読んで、慎重に行動しているのに。
何故か、どの職場に行っても、苛められたり、無視されたりするんです」
Mさんは、小さな声でボソボソ話す、儚げな方、と言う印象でした。
実はMさん、中学生までは、元気で物事をハッキリ言う子供だった、そうなんです。
思った事をすぐポロッと口に出してしまうので、失敗する事もありましたが、それも笑いに変え、クラスメイトと楽しく過ごしていました。
それはMさんが、高校3年生の時。
放課後の部室で、同じ3年生のチームメイト5~6人に囲まれて。
如何にMさんの言葉で、どんなに傷付いたのか、どうしてそんなにワガママで、空気を読まないの?反省して!!と、吊し上げを喰らったのです。
Mさんは全く心当たりが無かったのですが。
「Mちゃんは無意識だったと思うけど、あの言葉がショックで、私は毎日、泣いてるんだからね!」
一番仲が良い(と、Mさんは思っていた)子から、涙ながらに訴えられたので、素直に「ごめんね」と謝りました。
「ピンと来てないなら謝らないでよ」
「とりあえず謝れば良いと思ってるでしょう」
「それが〇ちゃんを傷付けてるって、どうして判らないの?!」
もう集中砲火です。
何を言っても、言わなくても、この世の大悪人で、大罪人。
鬼か悪魔かの様に罵られ、その日、どうやって学校から帰ったのか全く記憶に有りません。
Mさんは、いつの間にか、ぼーっと自分の部屋のベッドに腰かけていました。
(私って、思いやりの欠片も無く、無神経で、冷酷で、最低な人間なんだ)
(私が、本心を言うと、他人を傷付けるんだ)
(私は、思った事を、口に出しちゃダメなんだ)
Mさんは自分を責め、もう二度と他人を傷付けない為、こう心に誓ったのです。
『私は、本心を言ってはいけない』
それを心の指針にして、常に周りの人たちの顔色を見て、空気を必死で読み、何をどう言えば相手が傷付かないか・・・そんな事ばかりに気を遣う、Mさんが出来上がりました。
なのに、なのに、何処へ行っても、人間関係が全く上手く行きません。
「私はいったい、どうしたら良いんでしょう」
小さく肩をすぼめて、Mさんは静かに泣き出してしまいました。
「自分の本心を決して明かさず、状況に応じて、自分の意見をコロコロ変える。
媚びへつらって、ずる賢く立ち回る。
そんな人を、Mさんは信頼できますか?」
「・・・出来ません」
「残念ですが、それが、気を遣って接して来た方々が、Mさんに抱いた気持ちです。
本心を言ってくれないと、何を考えているのか判らなくて、人は不気味に感じるからです」
「だけど、私が本心を言ったら、みんなが傷付きます」
「本当に?Mさんが本心を言うだけで、全人類が傷付くと思いますか?」
「それは無いと思いますけど・・・」
「でしょう?
何気無く、ポロッとこぼれた言葉で、相手が傷付くかどうか・・・なんて、予測不可能です。
Mさんが本心を言う事で、周りはMさんの人となりを知り、理解する。
そして、気が合えば仲良くする。
合わなければ、少し距離を置けば良いんです。
無理に自分を押し込めて、周りに合わせる必要は無いんですよ」
あなたは間違っているから、謝罪しろ、反省しろ、矯正だ、と迫るのは、私には余計なお世話に感じます。
気が合わないのなら、距離を置けば良かっただけなのに、高校の部活と言う、或る意味、閉鎖された空間の中では、それが叶わなかった。
ですが、Mさんはもう立派な大人です。
誰と付き合って、誰と距離を取るのか、自分自身で選択して良いのです。
自分自身を表現して、本音で語ったら。
意見が違うな、キライだな・・・と思う人は、目の前から自ら去って行ってくれます。
だけど、Mさんに共感したり、好ましく思う人は残ってくれる。
そして、Mさんも、気の合う人とだけ、選んで、付き合えば良いのです。
だから、素の自分を出す、本心を伝えるって事は、自分も相手にも、心地良い空間が広がるって事なんです。
本音を隠して、本来、自分と波長の合わない人にも、自分を曲げて認めて貰おうとする。
その歪みが、Mさんの“生きづらさ”の正体でした。
そして、Mさんには、もう一つ、大きな問題点が有りました。
「Mさんは自分の事を、まるで大罪を犯した罪人の様に扱っていますよね?
他人は、Mさんが、Mさんを扱う様に、接します。
Mさんが自分をぞんざいに扱えば、周りも同じく、Mさんをぞんざいに扱い。
Mさんが自分に優しくすれば、当然周りも、Mさんに対して優しくなります」
あなたは胸元に、大きな看板を掲げていると思ってください。
遠くから笑顔で、誰かがあなたの元へやって来ました。
でも、あなたの胸の看板に『ぞんざいに扱って』と書いているのを見て。
あなたを見下し、苛め、利用し、奪い取って、あなたの望み通りに、ぞんざいに扱い、あなたの願いを叶えてくれるのです。
そうです。
『どの職場に行っても、苛められたり、無視されたりする』のは、Mさんの望みが叶った証明だったのでした。
でも、そんな思い違いのズレた望みは、Mさんの人生には必要ありません。
何故なら、Mさんの今の望みは、良好な人間関係を作る事ですから。
その為には、自分を否定せず、責めず、嫌わず、雑に扱わない。
そして、素直に、自分の思った事を語る事。
きっとね、今までと真逆な行動だから、心と身体が恐怖を感じたり、罪悪感や拒否反応が出る事でしょう。
だ・け・ど。
自分を罪人扱いして、ギクシャクした不安な毎日を送る、のか。
自分に優しく、周りの人達からも、大切に扱われる、のか。
どちらの未来を手に入れたいのか、もうあなたは、判っていますよね?
半年後、1年後、3年後のあなたの為に、今、頑張ってみませんか?
今日もあなたが、幸せで有りますように☆