この記事は生命保険や死亡退職金と相続の関係についてご紹介します。
現役世代に関わらず、日本人は生命保険を掛けている事が非常に多いです。
そして死亡時に多額の死亡保険金が下りることも珍しくありません。
だけどこの取り扱いが、自分だけの物にして良いのか判断が難しいのも事実です。
主人が亡くなって、生命保険が下りたんですけど・・・
これも相続人の共有財産として分けないといけないのでしょうか?
子供の学費とか生活があるから、できれば・・・
まずはお悔やみ申し上げます。
早速で申し訳ないのですが・・・
ご主人が掛けられた生命保険、受取人は誰になっていますか?
はい。
受取人は私になっています。
お受取人が奥様でいらっしゃるんですね。
この場合は相続財産ではなく、奥様の私有財産になります。
なので相続人に分ける必要はありません。
(金額にもよりますが・・・)
この死亡保険金、私の財産となるのですね。
良かった、子供の学費と生活費が何とかなりそうです。
ありがとうございます。
被相続人がかけていた生命保険金は、受取人によって変わってきます。
受取人の違いで固有財産か相続財産かに分かれます。
死亡保険金の受取人が相続人名義になっている場合は、受取人の私有財産扱いになります。
逆に被相続人本人が受取人名義の場合は、相続人共有で遺産分割協議の対象に。
この様に受取人名義の違いで扱いがゴロっと変わってしまいます。
難しいものですね。
被相続人が亡くなって遺産が少ない場合に生命保険金がある時はトラブルになり易いです。
受取人が固有財産だと主張しても、その他の相続人が否定してくるケースはよくあります。
(否定しなくても印鑑代と称して、分け前を請求することも珍しくありません。)
また相続財産と比較して生命保険金が巨額になる場合も事情がことなります。
例えば、相続財産が1000万円で生命保険金が9000万円だとします。
このまま受取人が9000万円を全額受け取った後に、遺産分割も参加するとなると不公平感が凄い事になります。
この様に相続財産より生命保険金が大きくて、著しく不公平な結果になる場合は、特別受益として扱うという判例もあります。
生前に被相続人から何某の援助を受けており、援助が無ければ相続財産はもっと大きかった場合です。
この様な場合、遺産分割の計算で援助を受けた分を相続財産に組み込んで、相続人で頭割します。
例えば独立支援に500万円を貰った相続人が居たとします。
援助額を考慮しないで遺産分割すると、一人頭で900万円になります。
今度は特別受益を考慮した計算をすると、5000万円を5人で割る事に。
一人1000万円が相続できることに。
援助してもらった人は、先に500万円貰っているの形になるので。
この様に計算して、相続人間の公平性を高める意味で特別受益と言うものがあります。
特別受益に該当するのは、結婚資金、独立資金、私立の医学部など高額な学費などが該当します。
被相続人が現役の勤め人の場合ですね。
勤務先から死亡退職金が交付された場合の取扱は会社の規則の内容や有無で決まります。
社内規則で死亡退職金が配偶者に交付するとなっていれば、相続人の固有財産になります。
逆に本人に交付となれば、相続財産で遺産分割の対象に。
また社内規則に死亡退職金の旨が書かれていない場合も相続財産にする扱いになります。
被相続人の保険金があったので家を失わずに済んだ事例をご紹介します。
設定としては以下の様になります。
この様な場合だと、配偶者は家を売ったお金の半分を兄弟に渡すか、共同名義にする必要があります。
不幸中の幸いは被相続人の生命保険金です。
この事例では生命保険金を兄弟への支払いに当てて、配偶者が遺した家を売らずに済みました。
この様に生命保険金が家族を救うこともあります。
また相続税が発生する規模の財産で、大半が不動産の場合にも生命保険金は役に立ちます。
こんな事例がありますよ、と言うことを言いたかっただけです。
生命保険金や死亡退職金は相続財産か?4コマ漫画で解説でした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。