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「鎌倉殿の13人」ゆかりの地レポート -北条時政・八重姫-

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2022年度大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。ドラマとしては個人的に好きなテイストではないのですが(汗)鎌倉時代前後が取り上げられ注目されていることには非常に大きな関心を寄せています。

GW期間中に大河に出演した人物ゆかりの地をいくつか訪ねることができたので、紹介していきたいと思います。今回は、北条時政が眠る願成就院と、八重姫の供養塔がある真珠院について。

『鎌倉殿の13人』ゆかりの地レポ一覧

願成就院(北条時政の墓)

願成就院の創建は1189年。頼朝による奥州藤原氏征伐を祈願して、鎌倉幕府の初代執権・北条時政が建立したと伝わっています。この地に北条氏3代(時政・義時・泰時)が関わった塔や御堂がいくつも点在していたそうで、願成就院の敷地一帯が国指定史跡となっていました。

鎌倉時代の伽藍は戦火に焼かれてしまったとのことですが、創建時に祀られていた仏像は奇跡的に難を免れ現在国宝に指定されています。本御堂に安置されている寄木造りの運慶作の5体の国宝の仏様を拝むことができましたが、非常に神々しい厳かなパワーを感じました。是非多くの方に目にしていただきたい。
ちなみに、阿弥陀如来坐像の光背と台座は2022年3月に復元したばかりだそうで、まばゆい光を放っておりました。阿弥陀様も喜んでおられることでしょう。

仏像の体内にあった銘札には作者・運慶施主・北条時政の名前が記されてあり、そこから1186年の建立当時の製作であることが判明しているとのことです。

アクセス

大きな寺院なので駐車場もしっかりあります(20台ほどのスペースあり)。拝観料は700円。伊豆長岡駅からも徒歩で来れる距離だと思います。

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北条時政は伊豆の一豪族でしたが、娘の政子と流人である頼朝が結婚したことがきっかけで頼朝の悲願でもあった平家打倒の手助けをする側へと変わった人物です。

大河ドラマでは坂東彌十郎さんがチャーミングに、そして貫禄たっぷりに演じられているのが印象的です。最初の頃は漫画的過ぎるとは思いましたが(描かれ方の問題 苦笑)、ここ最近は腹をくくったような時政の存在に見応えが出てきました。彌十郎さんはめったに映像ドラマに出なかった方なので、こうして注目されたことはとても嬉しいです。

最初の頃は平家側ににらまれることを恐れて(頼朝の監視役でもあったため)二人の仲を裂こうとした時期もあったようですが、結局は現状打破の道を進むための覚悟を決めたということでしょう。頼朝挙兵後は側近として彼を支え続け平家打倒に貢献しました。鎌倉幕府成立後は初代執権に就任したことでも有名です。

時政のお墓は門をくぐって左に入る角を曲がった先にあります。頼朝と政子が出会い逢瀬を重ねていたというご神木・梛の木を撮影し損ねたのは不覚でした(汗)。

北条時政は実朝暗殺未遂事件を起こし伊豆に追放され、10年後の1215年にその地で生涯を終えました。

以下ちょこっとネタバレ的なこと(2022.5月現在)。

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頼朝が急逝後、その息子頼家が2代将軍を継ぐことになり時政もそれを補佐する側に回りました。ところが頼家はまだ若く未熟であったが故に政治が上手くいかず、御家人たちは「十三人の合議制」システムを導入し頼家の権限を抑え込もうとしました。

その後、”梶原景時の変””比企能員の変”を経て時政は権力を拡大。幕府の中心人物として実権を握るようになりますが、妻の牧の方が次期将軍に娘婿を据えようと画策し頼家の弟・実朝暗殺を企てたことで運命が暗転。

二人の企てに気づいた義時と政子によって伊豆に追放されることになってしまいました。その後一度も中央政権に復帰することがなかったという時政は出家し伊豆の地で生涯を終えました。

北条時政と牧の方は御家人たちからの信頼が厚かった畠山重忠を滅ぼした(畠山重忠の乱)張本人という目で見られていたらしく、義時や政子からもその事件以来冷たい視線を浴びていたようです。そのこともあって”実朝暗殺計画”を察知できたのかも…。

畠山の乱のきっかけになったのが、時政と牧の方の娘婿である平賀朝雅。実朝の御台所を迎えに行くため京に上った朝雅が酒宴の席で重忠の息子の重保と大喧嘩をしてしまったらしい。それを知った牧の方が激怒したことが事件の発端になったと言われているようです。朝雅は牧の方が実朝を排除し将軍にと望んだ人物でしたが、時政たちが失脚した後に討ち取られてしまいました。

願成就院は他にも見所が多い場所だったようですが(北条早雲に攻められ命を落とした足利茶々丸のお墓など)、時間の関係でじっくり見ることができなかったのが残念です。でも、国宝の仏像や政子七回忌に三代目執権の泰時が奉納したという「政子地蔵」や、木彫りの「北条時政像」を見れたのは良かった。

それから、願成就院の看板犬のロッキーくんがめっちゃ可愛かった!!

ついつい史跡よりもロッキー君の撮影に力が入ってしまいました(笑)。イギリス人のご住職がお世話をしていたのが印象的。現在跡を継ぐべく修行中とのことです。頑張ってください。

大河ドラマ『鎌倉殿~』では、第21回放送で願成就院が登場。本編後の紀行でも紹介されました。
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八重姫御堂(眞珠院)

頼朝の最初の想い人だったという八重姫を供養しているお寺が真珠院です。鎌倉時代に真言宗のお寺として建立されましたが、その後曹洞宗に改宗されたのだとか。

アクセス

北条時政が建立した願成就院から徒歩で行ける距離にあります。JRの伊豆長岡駅からも徒歩圏内。

「鎌倉殿~」で八重姫を演じているのは新垣結衣さん

今回の大河でのガッキーが演じる八重さんは”悲劇”性をほとんど感じません(汗)。可愛いとは思うんですけど、それ以上でも以下でもないかな。個人的には、小四郎(義時)のことをあんなにも避けていたのにどこで気持ちが切り替わったのかがで今でもそれ引きずってるw。どうも三谷さんが描く女性には共感できないことが多いんだよなぁ(←あくまでも個人的見解なので悪しからず 汗汗)。

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伊豆に流された源頼朝は、監視役だった伊東祐親が役目のために京へ上っている間にその娘・八重と恋に落ちました。その後二人の間に千鶴丸という男子が生まれたのですが、帰宅した祐親はこれに大激怒。平家からの怒りを買うことを最も恐れていた祐親は、わずか3歳だったという千鶴丸を亡き者にしてしまいました。
その後さらに頼朝排除の動きが盛んになり、伊東荘から脱出した頼朝は北条荘に身を寄せることに。そして政子と出会い大きく運命が変わっていくことになったようです。

大切な息子や愛する人を奪われてしまった八重姫は、父から強引に“江馬次郎”の元へ嫁がされたようですが、彼女の哀しみは癒えることがなかったと思われます(ドラマでは淡々とした印象が強かったけど 苦笑)。
次郎が合戦の最中に命を落とした後、「鎌倉殿~」では甥にあたる小四郎(北条義時)に嫁いだということになっていますが、伝説としては”頼朝への悲恋(政子と結婚したことを知った)による哀しみに耐えかねて入水して亡くなった”という話のほうが有名です。

そもそも、八重さんに関する史料じたいが乏しいことから実在していたのかも謎ということなので(汗)、今回の大河で描かれている”義時と結婚して嫡男の泰時を産んだ”という設定には正直違和感を拭いきれません(←これを唱える新説が出てきているかららしいけど 苦笑)。まぁ、ドラマですしハッキリしたことも分かってない人なので描き方は自由だと思いますけど…。

「真珠院」の名前は、八重姫が頼朝との悲恋を嘆き哀しみ”真珠ヶ淵”に身を投げたという伝説に由来しているそうです。身を投げた場所のほど近い場所に「八重姫御堂」(静堂)があります。

山門入ってからすぐのところに小さなお堂がありました。後ろには大きな大木があるのですが、向かって右側にそびえているのは那木の木です。入水する前に八重姫は那木の一枝を取って「わが身を不幸な女性たちのために捧ぐ」と告げたという伝承があるそうな…。

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御堂には多くの小さな「梯子」がお供えされていました。

せめて梯子があれば八重さんを救うことができたのにという里の人たちの気持ちが込められたことから「梯子供養」と呼ばれているそうです。願い事が叶った暁にはお礼参りとして小さな「梯子」をお供えする習慣が今でも続いているのだとか。

お堂の中には八重の木像供養塔が安置されています。

大河ドラマの影響もあってか、お堂の中はファンから寄せられたという素敵なイラストなどが飾られ非常に華やかな雰囲気になっていました。実在したのかは謎とされていますが、八重さんも喜んでおられることでしょう。

大河ドラマ『鎌倉殿~』では、第21回で八重さんが子供を助けるために川に入り流されて亡くなったという描写に。川に取り残された孤児の”鶴丸”を、殺されてしまった息子の”千鶴丸”に重ねて助けに入ったという展開はグッとくるものがありました。
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お堂の脇には八重と共に入水したとされる侍女たちを祀った碑や、年齢の数だけ叩くと願いが叶うという「願かけ石」もありました。

願掛け石はけっこう重さがありましたが、何とか頑張って自分の年の数だけ叩いてみましたw。

真珠院の本堂お庭も美しく心が癒されます。

また、お寺の裏側に回ってみると山肌に刻まれた仏の像を見ることができます。

室町幕府に密教信仰のため掘られたという「摩崖仏」。今回は時間の関係でこの場所まで登っていくことが出ず、デジカメで最大限拡大しての撮影のみとなりました(安いデジカメなのでこれが限界 汗)。見ごたえのある仏様だと思うので、お時間ある方はぜひ上って近くで拝んでみては。

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