G-GS8JC1XTD1
おすすめ

長いものには巻かれるな

最近腑に落ちないことが多い。職場で何か雑用や理不尽なことがあると、”昔はみんなやっていた”と言われて、有無を言わせない雰囲気がある。以前書いたが、自分は柔道をしていて、中学生時代から厳然たる体育会で育ってきた。先輩のことは絶対である。研修医、レジデントの頃は病棟で何か頼まれると、”はい!喜んで”というスタンスでやっていたが、だんだん歳を取っても楽にならないことに気がついた。基本的にスタッフ等の上級医は雑用フリーで仕事の選り好みができるため、みんな辞めようとしない。外科系全体もそうだが、脳外科自体も年々入局者は減っているように思う。逆ピラミッドの状態である。”昔はみんなやっていた(雑用していれば後で同じように楽できるよ)”という理屈は通用しない。若手がいないので、延々雑用をやらされていて、裁量はない状態である。これでやる気が出るわけがない。

https://www.youtube.com/watch?v=ktA8XQoY0O8

最近衆議院選挙があり、ベーシックインカムなどが取り上げられていてYouTubeを見ていると面白い動画があった。ひろゆき氏の”肉屋を応援する豚”という理論だ。ひろゆき氏は自民党に投票するほとんどの貧乏な中産階級の日本人を揶揄するために上記の表現を使っていたがなるほどなと思った。”若い時は自分も雑用をしていた”というのは似ているアイデアだと思った。若い時に雑用はするもんだと若手も教育(洗脳)されて、搾取され続けている。体育会系のノリで”先輩は絶対!”というノリでいると、上司からは重宝されるが、肝心なところは後輩に譲ろうとしない。自分もいつかは自分のターンが来るかと思っていたが、上司にそんな気がないことに最近気がついた。まるで鼠講だ。おそらく大学病院でもそうだし、古い体質の企業、団体などで、”ながいものには巻かれろ”という呪縛が連綿と続いているように思う。自分が切腹できないのに、人には切腹しろという。ダサいことこの上ない。

日本人は長い江戸時代があり、外国から攻められたりした経験があまりないし、自分で権利を勝ち取るという経験がないことが関係しているのではないかと思う。権利を求めることや、新しいことを始めようとすると”出るくいは打たれる”。同調圧力が強いのも、お上のいうことを聞いていれば間違いないという文化が根付いていることからきているのではないかと思う。戦後の好景気はトマピケティの”21世紀の資本”によると、特殊な状況で成長路線が続くわけではないと言っている。つまり”昔はみんなやっていた”理論は通用しない。

留学していた時にも思ったが、中国やインドの伸びは尋常でない。留学中の研修でも小テストでトップを取っていたのはインド人だった。極めて優秀である。中国人の留学生も筆頭著者で何本も論文を載せてきている。自分は恥ずかしくて自分の業績は言えなかった。日本は物価が安いと帰国して感じるが、逆にいうと円が安くなっている。日本の価値は相対的に下がっているのである。日本人はいまだに日本は経済大国で先進国だと思っているが、状況は変わってきていると思う。学校で勉強しているやつをバカにする、足を引っ張る奴がいたが、努力する人は尊敬されるべきである。金を稼ぐやつ、チャレンジするやつをバカにしてはいけない。現状、今の日本(職場)を変えるには、古い考え方の上司が退陣するのを待つしかないが、せめて若手にはチャンスが回るようにしたいと思う。子供のおかずをとる親ほどみっともないことはない。

ABOUT ME
Girimaro
40代脳外科専門医、救急科専門医、アメリカ留学経験あり 日々考えていることを記録します https://blog.with2.net/link/?id=2073035

PVアクセスランキング にほんブログ村

脳外科医のつぶやき(心のビタミン) - にほんブログ村

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA