Baby, Please Don’t Go Orignal & Covers

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Baby, Please Don’t Go Play List

デヴィッド・リンチ監督1990年の映画『Wild At Heart』で流れていた『Baby, Please Don’t Go』、とにかくいろいろなカバーがある。

でも、
先ずはオリジナルのビッグ・ジョー・ウィリアムズ。

Big Joe Williams’ Baby, Please Don’t Go

ビッグ・ジョーがこの曲を最初に吹き込んだのは、
1935年のこと。

その後も、
幾度となくこの曲をレコードに残している。

Big Joe Williams

ビッグ・ジョー・ウィリアムズっていうと、
ボブ・ディランを思い浮かべる人もいるだろう。

1964年のアルバム『Three Kings And The Queen』で、
デビュー前のディランが参加している。

Sitting On Top Of The World』ではハープとヴォーカル、
Wichita』ではハープ。

ここでいうQueenは、
ヴィクトリア・スピヴィー。

Three Kingsはビッグ・ジョー・ウィリアムズと、
ルーズベルト・サイクスにロニー・ジョンソン。

後にディランは1970年のアルバム『New Morning』の裏ジャケットで、
ビッグ・ジョーの9弦ギターを抱えた自分の写真を載せている。

Joe Williams’ Washboard Blues Singers – Baby, Please Don’t Go(1935)

この曲の最初の吹き込みは1935年、
ジョー・ウィリアムズ・ウォッシュボード・ブルース・シンガーズ名義。

ビッグ・ジョー初めてのレコーディングで、
Bluebirdでのもの。

2回のセッションが行われていて、
2回目の1935年10月31日(1回目は2月25日)でこの曲を演っている。

ちなみに、
カップリングは『Wild Cow Blues』。

ここではハープではなくて、
ダッド・トレイシーが一弦フィドルを奏でていてこれはこれでなかなか良い感じだ。

そして、
ウォッシュボードはチェイシー・”ココモ”・コリンズ。

Now baby please don’t go
Now baby please don’t go
Baby please don’t go, back to New Orleans
And get your collard greens

―Powermad – Slaughterhouse

Big Joe Williams – Please Don’t Go(1941)

それから6年後の1941年、
彼はトレード・マークの9弦ギターと共に再びこの曲をBluebirdで吹き込んでいる。

カップリングは、
『Break ‘Em On Down』。

ハープは、
サニー・ボーイ・ウィリアムソン1世。

ウォッシュタブ・ベースは、
アルフレッド・エルキンス。

出だしの歌詞の『And get your collard greens』の部分が、
ここでは『You know I love you so』になっている。

Big Joe Williams – Baby, Please Don’t Go(1947)

更に、
1947年にはColumbiaで『Wild Cow Moan』とのカップリングでリリース。

ここでもハープはサニー・ボーイ・ウィリアムソン1世、
ベースがランサム・ノウリング。

そして、
ドラムはジャッジ・ライリー

唄い出しの歌詞は、
また『And get your collard greens』に戻っている。

Big Joe Williams – Baby, Please Don’t Go(1958)

ビッグ・ジョー・ウィリアムスの初のリーダー作、
1958年に吹き込まれた『Piney Woods Blues』。

このアルバムでは、
この曲がオープニングを飾っている。

ジェイ・ディー・ショートが、
ギターとハープで参加している。

Big Joe Williams – Baby, Please Don’t Go(1965)※Live

他にも5CDボックス・セット『American Folk Blues Festival ’62-’65』、
その中の『American Folk Blues Festival ’63 Part2』にもこの曲が登場する。

同じライブだと、
1965年イリノイ州ロックフォードにあるロックフォード大学でのライブの演奏がある。

あとは1968年にロンドンでレコーディングを行ったアルバム『Hand Me Down My Old Walking Stick』にも、
またこの曲を吹き込んでいる。

Big Joe Williams – Baby, Please Don’t Go(1971)

更に今度は、
1971年のアルバム『Big Joe Williams And Friends, Going Back To Crawford』のバージョン。

ジョン・ウェズリー・マコン、
オースティン・ピートなどが参加している。

あと1974年のアルバム『Don’t Your Plums Look Mellow Hanging On Your Tree』にも、
またまた新バージョンが入っている。

そして1979年のレコーディング、
1994年リリース『The Final Years』でもまた出てくる。

まあカバーも多いんだけど、
本人のバージョンも多い。

Big Joe Williams’ Baby, Please Don’t Go Covers

さて、
ここからはたくさんあるカヴァーの中から。

Lightnin’ Hopkins – Baby Please Don’t Go

最初はライトニン・ホプキンス、
1949年Gold Starからリリースの10インチ78rpmレコード。

ギターのリフが良い感じで、
オリジナルとはまた違うブルースになっている。

カップリングは、
『Death Bells』。

John Lee Hooker – Don’t Go Baby

スティック・マクギーとジョン・リー・フッカー、
1959年のアルバム『Highway Of Blues』に入っているバージョン。

1949年に吹き込まれたもので、
後にカバーするヴァン・モリソンがこのバージョンを聴いて “more soul”  “something really unique and different”と感じたってやつ。

The Orioles – Baby Please Don’t Go

ドゥーワップ・サウンドのパイオニア、
最も初期のボーカル・グループの1つ。

オリオールズ、
1951年Jubileeからリリースの10インチ78rpmレコード。

ハーモナイズされたこのドゥーワップ・バージョンは、
ブルースとはまた違う曲に仕立て上げられていてかなり新鮮なサウンドになっている。

カップリングは、
『Don’t Tell Her What’s Happened To Me』。

Muddy Waters And His Guitar – Turn The Lamp Down Low

マディ・ウォーターズ、
1953年Chessからリリースの10インチ78rpmレコード。

『Turn The Lamp Down Low』はタイトルこそ違うけど、
『Baby Please Don’t Go』だ。

シカゴ・ブルースのアンサンブル作品として作り直されたこのバージョンは、
同じブルースだけどやはり違う。

カップリングは、
『Who’s Gonna Be Your Sweet Man』。

Rose Mitchell – Baby Please Don’t Go

ローズ・ミッチェル、
1953年Imperialからリリースの10インチ78rpmレコード。

アフロ・キューバンの影響を受けた演奏は、
インパクトがある。

この人、
Imperialから2枚の10インチ78rpmレコードを出しただけのR&Bシンガーみたいだ。

カップリングは、
『Live My Life』。

Jo Ann Henderson – Baby Please Don’t Go

ジョー・アン・ヘンダーソン、
1957年Phonograph Recordsからリリースの10インチ78rpmレコード。

アレンジと指揮はポーキー・パニコで、
なかなかこのバックの演奏が効いている。

もちろん、
ボーカルはワイルドだ。

カップリングは、
『Jo Ann Henderson』。

Big Maybelle – Baby Please Don’t Go

ビッグ・メイベル1958年に開催された、
第5回ニューポート・ジャズ・フェスティバルのライヴ。

芸名のビッグ・メイベルの通り、
大きくて張りのある声は迫力がある。

このライブでは、
他に『Cherry』・『Let’s Roll It』・『If I Could Be with You One Hour Tonight 』・ 『The Blues 』が演奏されている。

Mose Allison Trio – Baby Please Don’t Go

ジャズ・ピアニストにしてボーカリストのモーズ・アリソン、
1960年リリースのアルバム『Transfiguration of Hiram Brown』の中の1曲。

やはりこの人の独特の世界は、
1度聴き出すと結構やみつきになる。

シングルにもなっていて、
カップリングは『’Deed I Do』。

モーズ・アリソン・トリオの残り2人は、
ベースのアディソン・ファーマーとドラムスのジェリー・シーガル。

そういえば、
以前『村上RADIO』で『~モーズ・アリソンを知っていますか?~』と題して特集していたことがある。

実は村上氏、
アリソン・ファンらしい。

Bob Dylan – Baby Please Don’t Go

ボブ・ディランのカバーは、
2013年リリースの『The Freewheelin’ Outtakes 1962 Sessions』の中の1曲。

ギターとハープだけで唄うディランのこのバージョン、
1962年段階でこの感じはなかなかカッコいい。

Them – Baby Please Don’t Go

ゼム1964年にDeccaからリリースされた2枚目のシングルで登場するこのカバー、
好みの違いであるだろうけどあれこれ聴いてきたカバーの中では1番カッコいい。

ヴァン・モリソンのボーカルはもちろん素晴らしいけれど、
やはりこのアレンジは見事としか言いようがない。

特にベースと何気にオルガンが効いているし、
ギター・リフもイカしている。

ジミー・ペイジが参加している、
というのは有名な話だ。

カップリングはモリソンの曲『Gloria』で、
このシングルはUKシングル・チャートで10位になっている。

モリスンは1966年に脱退してしまったけど、
バンドはまだ存続。

1970年リリースのアルバム『Them in Reality』では、
再びこの曲をレコーディングしているんだけどこちらも悪くない。

John Lennon – Well(Baby, Please Don’t Go)

ジョン・レノンのカバーは、
2018年『Imagine:The Ultimate Collection』の中の1曲。

1971年のアルバム『Imagine』のセッション中のものだけど、
これが結構良いのだ。

タイトルは、
『Well(Baby, Please Don’t Go)』になっているけど。

ジョン・レノンのこの曲のカバーは、
1972年リリースの『Sometime in New York City』の中にもある。

フィルモア・イーストの、
フランク・ザッパ・アンド・ザ・マザーズ・オブ・インヴェンションのコンサートの時のもの。

アンコールにゲスト出演した、
ライブ・バージョン。

こちらはヨーコさんの奇声がね、
慣れると悪くないんだけど。

AC/DC – Baby, Please Don’t Go

AC/DCのカバーは、
オーストラリアとニュージーランドのみでリリースされた『High Voltage』に収録されている。

PVがなかなか面白くて、
曲はカッコいいのに色物バンドみたいなのが楽しい。

シングルにもなって、
カップリングは『Love Song (Oh Jene)』。

翌年同タイトルの国際リリース版とはもちろん違う内容だから、
そちらにこの曲は入っていない。

その代わり1984年リリースのEP、
オーストラリアでのみリリースされていた5トラックで構成された『’74 Jailbreak』に収録された。

Aerosmith – Baby, Please Don’t Go

エアロスミスのバージョンは、
2004年リリースのカバー・アルバム『Honkin’ on Bobo』の中の1曲。

ジャック・ダグラスをプロデューサーに迎えたこのカバー・アルバム、
エアロスミスだけあってさすがな内容になっている。

Muddy Waters,The Rolling Stones – Baby Please Don’t Go (Instrumental)

最後に『Live at the Checkerboard Lounge, Chicago 1981』に入っている、
この曲のインストで。

まとめ

というわけで、
今回は『Baby, Please Don’t Go』のオリジナル&カバーをいろいろ聴いてみた。

最初に吹き込まれたジョー・ウィリアムズ・ウォッシュボード・ブルース・シンガーズ名義のものに始まり、
本人のものだけで6バージョン。

カバーを16バージョン、
計22バージョンのプレイ・リストを最後にまとめておく。

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