純金融資産500万円
資産形成をしていく上でひとつのポイントとなるのが純金融資産500万円という数字です。
・日々の生活でお金に困る状況ではない
・大きな支出があっても対応することができる
純金融資産が500万円あるとはこのような状況です。そして、資産を1,000万円、2,000万円と大きくしていくには通過点である資産額です。
そして、純金融資産500万円というのは、どのような世帯であっても考え方や工夫によって到達することができますね。
・年収が平均よりも低い
・リスクを取った資産運用をしない
このような状況であっても十分に到達することが可能だということです。
しかし、漫然と生活しているだけで誰しもが到達可能かと言えばそうではないですね。
純金融資産500万円に到達することなく、人生を終えてしまうという世帯も少なくはないということです。
・純金融資産500万円の世帯とは
・純金融資産500万円に確実に到達するための方法
今回はこの2点について触れてみたいと思います。
総務省統計局が5年に1回行っている「全国家計構造調査」の2019年の金融資産残高階級別世帯分布によると、総世帯の金融資産残高の中央値は650万円となっています。
そして、1世帯あたりの金融負債残高は455万円となっています。
・金融資産残高 650万円
・金融負債残高 455万円
このことから単純に考えると、一般的な世帯における純金融資産は650万円から455万円を引いた195万円と考えることができます。
もちろん、実情が異なっているケースは多々あるのでしょうが、この世帯の純金融資産の中央値が195万円というのは実情に非常に近いと私自身は感じます。
そして、このようなことから考えると、平均的な収入の世帯が普通の生活をしていれば純金融資産500万円に到達することは難しいということです。
しかし、世間一般とはかけ離れた特別なことをする必要があるのか、と言えばそうではないですね。
・少しの工夫
・少しの意識変化
この2つでどのような世帯であっても、純金融資産500万円に到達することができると私は考えています。
純金融資産500万円に確実に到達するための方法
私が考える純金融資産500万円に到達する方法は、以下の3つを実践することだと考えています。
・収入の一部を貯金する
・大きな借金をしない
・投資は十分な貯金ができてから行う
順番に詳しく触れていきます。
必ず収入の一部を貯金する
純金融資産500万円に到達するために行うひとつ目のことは「収入の一部を貯金する」ということです。
これは、どのような金額であろうと構いませんが、大切なことは、「毎月決まった金額を必ず貯金する」ということです。
はじめは少額の貯金で構いませんが、純金融資産500万円に到達する速度を早めるためには、収入の増加に合わせて毎月の貯金額を増やしていくことがよいですね。
・収入が増加しない
・収入が減少する
働いているとこのようなケースもありますが、このようなケースでも毎月の貯金額を増やしていくことは十分に可能です。
・収入が増えなければ、支出を見直す
・無駄な支出を削減する
収入が増加しないのであれば、このように支出の方から積極的にアプローチをすればよいということです。
そして、毎月の貯金において大切なことは、月ごとのムラを作らないことです。
・今月は給料が少なかったから貯金ができない
・今月は支出が多かったから貯金は来月に回そう
このような月を作ることなく、決まった金額を淡々と貯金をしていくということです。
この毎月決まった金額を貯金する、ということは収入の範囲内で生活をするということです。
収入というのは、どのような職種であれ、月ごとにばらつきがあるのが当たり前です。
・1月は手取り20万円
・2月は手取り25万円
このような形ですね。そして、「収入の一部を毎月貯金する」ということは、最も収入が少ない月に合わせた生活をするということでもあります。
・手取り25万円の月は支出25万円の生活 → ×
・手取り25万円の月でも手取り20万円の生活 → ○
このような形で、最も収入が少ない月に合わせた生活を送ることによって、毎月の貯金ができるようになるということです。
大きな借金をしない
純金融資産500万円に到達するために行う２つ目のことは「大きな借金をしない」ということです。
2019年の全国家計構造調査金融資産残高階級別世帯分布によると、総世帯の金融資産残高の中央値は650万円となっているにも関わらず、純金融資産の中央値が195万円ほどである最も大きな理由は「世帯による負債が多い」ということです。
・資産額 － 負債額 ＝ 純金融資産
純金融資産額はこのような形で計算することができます。そのため、いくら資産額が多くとも、負債額が多ければ純金融資産額が増えることはないということです。
・貯金 500万円
・負債額 1,000万円
・純金融資産額 －500万円
このような負債額が多く、純金融資産額が少ない、もしくはマイナスである世帯はありふれていると言ってよいですね。
この負債額が大きくなる要因は主に2つの借金によるものです。
・住宅ローン
・カーローン
この2つによるところが非常におおきいですね。もちろん、住宅ローンによって、負債額が大きくなることが絶対的に悪いわけではありません。
しかし、収入や資産状況と比較して、大きすぎる借入金を純資産を増やす大きな妨げになるということです。
・年収 500万円
・貯金 500万円
・住宅ローン残債 4,000万円
・住宅売却価格 3,000万円
このような世帯の場合、純金融資産保有額はマイナス500万円となります。
貯金が500万円あり、資産形成上問題ないように思われますが、住宅ローン残債が保有資産額（貯金・住宅売却価格の計3,500万円）を上回っているため、純金融資産保有額がマイナスになっているということです。
このような世帯の場合、住宅ローン残債が4,000万円あるということが、純金融資産保有額がマイナスになっている大きな要因ということです。
投資は十分な貯金ができてから行う
純金融資産500万円に到達するために行う３つ目のことは「投資は十分な貯金ができてから行う」ということです。
投資、特に株式投資に関してははじめるハードルというのはひと昔前と比較すると格段に下がっています。
・ネット証券の充実
・国が税制優遇制度を用意している
このようなことがあるからですね。特に、NISAやiDeCoといった税制優遇制度は非常に魅力的で、誰しもが株式投資に興味を持つ土台作りができていると感じます。
そして、長期的に資産を増やすことができるインデックス投資という答えにたどり着くことも比較的簡単にできるようになっているということです。
そのような状況を受けてやや極端な意見が当たり前に言われるようなことがあります。
・長期のインデックス投資で損をすることはないので、誰もがはじめるべき
・NISAやiDeCoを使っていないなんて情報弱者
このような意見ですね。このような意見の言わんとしていることは理解できますが、株式投資というのは必ずリスクが伴います。
そのため、ある程度のマージンを取る必要があるということです。そのマージンの取り方として最も簡単な方法のひとつが「十分な貯金を確保しておく」ということです。
・仕事の収入を増加、安定させる
・複数の収入減を確保する
このようなことでも株式投資のマージンを確保することは可能ですが、誰しもが簡単に取り組むことができることではないですね。
そのため、短期的に見て不安定な資産推移をする株式投資において取る最も確実なマージンは十分な貯金額を確保しておくということです。
YOHの考え
今回は純金融資産500万円に到達するためにするべきことについて触れてみました。
・収入の一部を貯金する
・大きな借金をしない
・投資は十分な貯金ができてから行う
この3つを実践することができれば、誰しもが純金融資産500万円に到達することができると私は考えています。
私自身は純金融資産500万円には貯金だけで到達しました。
・実家暮らし
・仕事中心の生活でお金を使う暇がない
・浪費癖がない
このように資産形成上の属性的に有利な条件が揃っていたため、働き始めてから３年ほどで貯金500万円を作ることができました。
株式投資などは必要なかったということですね。しかし、現環境下でこれほど簡単に資産500万円に到達できるのかと考えると、難しいと感じます。
その理由のひとつが「選択肢が溢れている」ということがあります。
現在の資産形成の環境というのは非常に多くの情報が溢れており、選択肢も多様にあるからですね。
・効率のよい株式投資手法
・少ない元手から短期間で大きく資産を増加させる方法
このような情報を目にする機会が多く、多種多様な選択肢から自分にとって最適な投資手法を選ぶことが難しいということです。
・短期間に資産を大きくしたい
・リスクなく資産を増やしたい
このようなことは誰しもが考えることであり、投資をしているのであれば誰しもが考えることではありますが、これに惑わされてはいけないということです。
純金融資産500万円に到達するために大切なことは、誰しもができる堅実な方法をコツコツと継続することです。
・仕事をして収入を得る
・支出に気を使って収入の一部を貯金する
これだけで純金融資産500万円は作ることができます。人によっては、これに株式投資をトッピングしてもよいですが、株式投資はあくまでもおまけ程度です。
・節約
・貯金
この2つを軸にして資産形成するだけで、純金融資産500万円は誰でも到達することができると私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
金融資産5,000万円に到達する方法についてはこちらで記事にしています。
年収1,000万円と資産1億円についてはこちらで記事にしています。
年収1,000万円でも資産形成ができない世帯はありふれていますね。
