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初心者でもDIYで外壁塗装する方法を8ステップで完全解説

※この記事はアフィリエイトや広告を含みます。

DIY

持ち家に住まわれている方にとって、外壁塗装は頭を悩ませる問題と言えるでしょう。

ハウスメーカーのアフターメンテナンスでは、費用が高額になるし外壁塗装業者に頼むのも心配

ならばDIYでなんとかしてみよう!!と考えてはみたものの、知識も技術もないのに自分でできるか不安

そんなお悩みを解決すべく、この記事を書きました。

この記事を読むと、外壁塗装に関する一連の流れを把握できます。

DIYに挑戦する一助になれば幸いです。

結論から申しますと、相場を知った上で業者に依頼するのか自分でDIYするのかを比較検討するのが大切。

外壁塗装を自分でやった結果、業者に任せておけば良かったと後悔することもよくある話です。

適正価格で親切丁寧な施工をしてくれる優良業者に依頼することで、DIYにつかう時間・ケガや失敗のリスクといった不安から解放されます。

見積もりに記載されている外壁の面積が材料調達の目安にもなるので、最低1回は見積もりをとって、相場を把握することを強くオススメします。

プロフィール

塗装歴25年の塗装職人

1級建築塗装技能士

今までに100種類以上の塗料を使用し、500件を超える現場に携わる

新築戸建てやリフォーム、アパートやビルの塗装など様々な外壁塗装を経験し、今では自らも現場で作業しつつ部下の育成に奔走しています。

もっと詳しく知りたい方は→プロフィール

ステップ1:DIYと外注の違いを比較し検討する

外壁塗装をするにあたってDIYを視野に入れたとき

「外壁塗装を自分でやれば費用を安くできるかも」

とお考えではないですか?

たしかに外壁塗装をDIYすれば専門業者に頼むより費用をおさえるという一面もありますが金銭面だけを判断基準にするのはちょっと危険です。

塗装業者に依頼した場合の相場を知り、ご自身で作業した場合の費用やリスクを知る。

それらのデータを元に比較検討することが大切なので、様々なリスクがあることを知った上で正しい施工方法で安全に作業するのであればDIYも可能です。

塗装業者に依頼した場合の相場を知る

まずは無料見積り比較サイトを使って、業者に依頼した場合の相場を知ることから始めましょう。

塗装業者は会社ごとに信頼性や価格や職人のレベルなど千差万別なので自分で探すのはとても難しい。

そこでこちらの無料見積もり比較サイトを使うことで、最大4社から相見積もりをとることができます。


塗装業者に依頼した場合の作業内容と価格を検討の材料にしましょう。

それと同時に見積書の中に外壁の総面積が記載されていますので、DIYをする場合の材料費を計算するときに役立ちます。

ちなみに業者依頼をする場合、優良業者の探し方はこちらの記事を参考にしていただければ幸いです。

DIYで外壁塗装したときの手間・費用・リスクを考える

DIYでの外壁塗装は楽な作業ではありません。

実際にどのような手間・費用・リスクがあるかをそれぞれ考えてみましょう。

DIYで外壁塗装をするときの手間

外壁塗装をするにあたってのくわしい作業内容は後述しますが、

  • 足場の仮設
  • 塗装材料の選定・購入
  • シーリングの打ち替え
  • 外壁の洗浄
  • 養生
  • 下塗り
  • 中塗り
  • 上塗り
  • 養生はがしと補修

ザックリとですがこれだけの工程が待っています。

どの工程も手を抜いてしまうとキレイに塗れなかったり、塗膜の耐久力が落ちたりと良いことがありませんので省略できない作業です。

DIYといえど足場代や塗料代など必要な予算がある

高所作業をともなう外壁塗装では安全のため足場を仮設する必要があり、そもそも塗料がないと塗装できません。

家の大きさや形、窓や玄関の大きさや数によって外壁の塗装面積は前後しますし使用する塗料の性質(シリコン系、フッ素系、遮熱塗料、高耐久塗料など)によって塗料1缶あたりの単価も数千円から数万円とかなり差がでます。

その他にもハケやローラー、養生用マスカーなどの消耗品もけっこう多くかかります。

自分でやれば安く済ませられると思っていても、必要最低限の費用はかかりますのであらかじめどれくらいの予算が必要か計算しておきましょう。

DIYで外壁塗装をするときの3つの大きなリスク

外壁塗装における3つの大きなリスクがあることも考慮に入れる必要があります。

無計画で作業を始めてしまうと、「はじめから業者に依頼した方がよかった」なんてことになってしまいます。

  • ケガのリスク
  • 近隣トラブルのリスク
  • 仕上がりや機能性低下のリスク
ケガのリスク
外壁塗装には高所で作業する場面が多くありますので当然転落の危険性がともないます。
その他にもカッターのような刃物を扱う場面や飛散した塗料が目に入るなど、なれない作業をするときは思いもよらないことが起こるものです。
お金を節約することも大切ですが、安全第一が最優先ですね。
近隣トラブルのリスク
DIYでの外壁塗装において一番気をつけなければいけない近隣トラブルは塗料の飛散です。
万が一お隣の家や車、通行人などに作業中飛散した塗料が付いてしまったら大変。
賠償問題に発展する可能性が出てきます。
万が一近隣トラブルになってしまって、今後のご近所付き合いがギクシャクするようであれば困りますよね。
仕上がりや機能性低下のリスク
塗装をするのであれば外観をキレイにするのはもちろん、塗装による機能性や耐久性を付与することも大切です。
ここで言う「機能性」とは遮熱・断熱効果や防カビ効果などの塗料によってえられる性能のこと。
外壁全体をムラなく塗装し塗料の持つ機能性や耐久性を十分に発揮させるには、下地調整から上塗りまでの多く工程を正しい知識と技術で作業する必要があります
せっかく大変な作業をしたのに数年で塗膜がめくれてきたり、通常より価格の高い遮熱塗料を使ったのに効果を体感できなかったら後悔が残りますよね。

外壁塗装に適した時期を判断する

外壁の劣化具合や季節など、外壁塗装を行う際のタイミングを知りたい方はこちらの記事でくわしく解説していますので参考にしてください。

DIYで塗装するか業者に依頼するかを決める

無料見積もりで複数の業者から見積もりをしてもらったら、ご自身の計画した費用とリスクとを考慮して比較検討します。

見積もりをしてもらったら業者に依頼しなければいけないのでは?

リュークン
リュークン

見積もりをしてもらったからといって、業者に依頼する必要はありません。

見積もりだけしてもらって工事せずに断るのもお客様の自由です。

でも、それでは業者が納得しないと思いますよね?

大丈夫です。

なぜなら業者はお客様とのつながりを求めているからです。

ですからまずは無料見積もりをすることでお客様との接点を持とうとしているのです。

しかし見積もり段階で現地調査をするには人が動きますよね?

その人件費はというと、工事代金の中に経費として含まれています。

DIYで塗装をしたときの仕上がりに満足できるか否かはご自身の価値観しだいです。

費用がかかってでも、安全に美しく機能性を持たせた仕上がりを求めるなら業者に、費用をおさえてリスクを恐れず達成感を感じたいのならDIYで、どちらにせよご自身の価値観で満足できる方を選ぶことが大切です。

私はDIYを否定するつもりは全くなく、むしろ計画的に挑戦することで得られる達成感は大きなものだと考えています。

大切な自分の家を自分でメンテナンスすることで、自分の家にさらに愛着がわき家に帰るのが楽しくなります。

苦労して成し遂げたことは達成感と自信につながりますので自己肯定感が上がります

階段を1段1段上がるように、知識と経験を増やしていきましょう。

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ステップ2:足場を仮設する

2階のない平屋であれば足場を仮設せずに脚立で作業することも可能ですが、多くのお宅は2階建て以上が多いことと思われます。

足場代は塗装工事全体の20%程度かかりますので、なるべく低予算で済ませたいと思う方もいるでしょう。

そのさい足場を仮設せずにハシゴで何とかしようと考える方もいますがそれは大事故の元です。

そして安全面はもちろんのこと作業効率にも大きく関わってきますので、信頼できる足場業者に依頼しましょう。

足場の仮設にかかる費用の相場

足場の組み立て・解体・運搬にかかる費用として1㎡あたり600~1,000円あたりが相場です。

足場業者によって単価、飛散防止メッシュの費用、運搬のしやすさなどプラスでかかる経費もありますので、事前に見積もりをしてもらって内容をしっかり確認しましょう。

足場面積は(家の外周の距離+8m)×(家の高さ+1m)で計算します。

家の外周の距離+8m:外壁から足場の外側まで1mくらいありますので家の外周より一回り大きくなります。

家の高さ:屋根より0.5~1mほどの高さに組みます。

足場代の計算例

たとえば、一辺10mの正方形で2階建ての家の場合

一辺10m✕4面+8m=足場の外周48m

家の高さは多くの場合2階建てで6mですので6+1=7 足場の高さは7m

48✕7✕600~1000=201,600~336,000円

ザックリですがこのような計算になります。

足場代無料に注意

塗装業者の中には「足場代無料」という売り文句でセールスをしてくる業者もいるようですが、上記のように足場を組み立てるにも多くの費用がかかるものなので足場代が無料になることはありえません。

では「足場代無料」をうたっている業者はどうしているかというと塗装料金のなかに分散して組み込んでいるということです。

そして「足場代無料」のような一見魅力的な売り文句を掲げる業者は悪徳業者である可能性が高いので気をつけましょう。

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ステップ3:外壁塗装に使用する塗料を決める

使用材料写真

外壁塗装を考えたときに頭を悩ませるのが塗料の選定ですよね?

塗料の種類が多すぎて何を選べば良いかわからないよ……

塗料の選び方の基準(耐用年数、価格帯、コストパフォーマンス、機能性など)は人それぞれですし、ご自宅の外壁の素材(サイディング、モルタル、鋼板など)に合った塗料を選ぶ必要があります。

人間はあまりに選択肢が多すぎると余計に迷ってしまって選択疲れが起きてしまうので重要なところだけ押さえておきましょう。

塗料選びの重要ポイント3選

耐用年数、価格帯、機能性を基準にまずは上塗り用の塗料を選びましょう。

耐用年数

紫外線や風雨にさらされる外壁は、塗装する塗料のベースになる材質によって耐用年数に差が生まれます。

一般的には「ウレタン→シリコン→フッ素→無機」の順に耐用年数は延びていき、性能も高性能になっていきます。

価格帯

使用する塗料の価格帯によって1度の工事で必要になる材料費が変わってきます。

塗料の耐用年数が長く高性能であるほど価格も高くなるため塗料選びの際にはコストパフォーマンスの良さも重要になります。

機能性

塗料に付与させる効果のことで、遮熱・断熱効果や低汚染性などがあります。

塗料の機能性を十分に発揮させるには塗り回数や塗膜厚など専門的な知識や技術が必要となることが多いため、塗料に追加機能を求める場合は、ノウハウを持った塗装業者にお任せすることをオススメします。

結論:迷うなら水性のラジカル制御型塗料を選ぼう

それでも迷ってしまうという人は「水性のラジカル制御型塗料」を選んでおけば間違いはないでしょう。

ラジカル制御型塗料とは?

経年劣化によって紫外線、酸素、水などの影響で塗膜の中に劣化因子(ラジカル)が発生します。

そのラジカルの発生を制御することで塗膜の劣化を抑制して長期的に塗膜を保護します。

従来の塗料にラジカル制御の特性を付与している分、耐久性・耐候性を向上させた塗料です。

水性ラジカル塗料をオススメする理由その1

主材と硬化剤を混ぜて使用する2液型ではなく、塗りやすい濃さになるよう水で薄めるだけで使用できる1液型なので、素人にもあつかいやすい塗料。

ハケなどの塗装道具のお手入れも水で洗うだけなので簡単。

水性ラジカル塗料をオススメする理由その2

現在最も多く使用されているシリコン系塗料とさほど変わらない価格でありながら、シリコン系塗料よりも高性能、高耐久。

水性ラジカル塗料をオススメする理由その3

下塗り塗料を変えることで窯業系サイディング・金属系パネル・ALC・モルタル壁など幅広い外壁に適応できる。

下塗り用塗料の選定

下塗り用の塗料は上塗りと同じ塗料メーカーで外壁の材質に合うものを選びます。

これを間違えると密着不良により塗膜がはがれる可能性がありますので注意しましょう。

パーフェクトトップに対応する下塗り塗料の中では以下の3点の中から外壁の素材に合うものを選択してください。

パーフェクトトップ用下塗りパーフェクトサーフ

パーフェクトフィラー

パーフェクトプライマー
窯業系サイディング最適適応クラックを隠蔽できない
モルタル壁適応最適クラックを隠蔽できない
金属系サイディング不可不可最適
ALC壁適応最適吸い込み止めの効果が薄い
鉄部適応
タイトル詳細を見る詳細を見る詳細を見る

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ステップ4:シーリングの打ち替え・増し打ちをする

家のサイディングの目地(継ぎ目)や窓回りなどにシーリングが施してあると思います。

リュークン
リュークン

シーリングやコーキングなどいくつか呼び方はありますが、大きな違いはないためここでは統一して「シーリング」と表現します

シーリングは家の中に侵入する雨水を防ぐために必要なものでシーリングが劣化して割れたり痩せていたりすると、防水効果が落ちて外壁自体がもろくなったり塗装が剥がれたりします。

そうならないよう塗装の前にシーリングの打ち替えや増し打ちをしましょう。

シーリングの打ち替えと増し打ちの違い

シーリングの打ち替えと増し打ちの違いは既存の劣化シーリングを除去するかしないかの違いです。

劣化したシーリングをカッターなどで切り取り除去した上で新たにシーリングを施工することを打ち替え、劣化したシーリングを除去せずに上からシーリングをかぶせるように施工することを増し打ちといいます。

窓回りなどの劣化シーリングを切り取りにくい箇所以外は全て打ち替えすることをオススメします。

できれば全てのシーリングの打ち替えをしたいところですが、仕方なく増し打ちする場合は、表面に付着している粉や汚れなどを濡れぞうきんでしっかりと拭き取り乾燥させてから次の工程にうつりましょう。

シーリング作業には以下の5つの行程があります。

  1. 劣化したシーリングの除去
  2. 養生
  3. プライマーの塗布
  4. シーリング材の充填
  5. シーリング表面のならし

1.劣化したシーリングの除去

劣化シーリングの除去

カッターを使ってシーリングの両端に切れ目を入れ、劣化したシーリングを剥がします。

柔らかいシーリングのときはまだ良いですが、ものすごく固いときがあってかなり力がいる作業。
ムリな力の入れ方をしてカッターが思いもよらぬ動きをし、ケガにつながる事故が多くありますので慎重に作業してください。
カッターによる手のケガを防ぐためにカッターなどの刃物を通さない「防刃手袋」を使用することをオススメします。

2.養生

目地の養生

目地からはみ出たシーリングが外壁に付着したり、窓回りなどではサッシに付着することを防ぐためにマスキングテープで養生をします。
このとき、目地の切れ目から外壁が5mm程だけ見える位置にはってください。
なぜなら、少しだけシーリングが外壁にはみ出している方が防水効果が高まるからです。

3.プライマーの塗布

シーリングプライマーの塗布

シーリングをする前にプライマーの塗布が欠かせません。

プライマーには外壁とシーリングの密着を促進する効果があります。

プライマー購入のさいは、使用されるシーリングに対応した専用のプライマーをご購入ください。

4.シーリング材の充填

シーリング材の充填

シーリング材をご用意いただくさいに絶対に確認しなければいけないのがシーリング材の種類。

シーリング材にはいくつか種類がありますが、必ず「変成シリコン」または「ペンキが塗れる」と記載のあるシーリング材をご用意ください。

これを間違えて「変性シリコン」ではなく「シリコンシーラント」を使ってしまうと、塗装するときに塗料をはじき、乾燥後まったく密着せずにはがれてしまいますのでご注意。

シーリングガンを使って充填していきます。

シーリングガンの種類はいくつかありますのでご使用のシーリングの形状に合ったガンをご用意ください。

シーリングは目地の幅や深さを考慮して少し多めに、空気のたまりを作らないよう奥から充填します。

5.シーリング表面のならし

シーリング表面のならし

金属ヘラやゴムベラを使ってシーリングの表面を平らにならしていきます。

充填したシーリングが乾燥する前にならさなければいけません

シーリング作業に慣れていない方は夏場は特に乾燥が早いので充填とならしをこまめに繰り返しましょう。

ならした後、シーリングが固まる前に養生を剥がします。

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ステップ5:外壁の高圧洗浄をする

外壁の高圧洗浄
DCP PHOTO

外壁に塗装を行う前に外壁の洗浄をしなければいけません。

外壁にはホコリやコケやチョーキングの粉などが付着していて、それらをキレイに洗い落としておかなければ、後々に塗膜の剥がれを引き起こしたり塗装の劣化を促進してしまうおそれがあるからです。

チョーキングとは

チョーキングとは外壁の塗膜が紫外線や酸素にさらされ劣化することによって、表面にチョークの粉のようなものが浮いてくることを言います。

ツヤのなくなった外壁を手でなでてみて白く汚れたらチョーキングしているサインです

では、どうやって洗浄をするのでしょう?

ホースで水を流しながらブラシでこする?

範囲の小さい塀などでしたらまだいいですが、外壁となるとかなり大変です。

ただでさえ外壁は広く大きいのに、壁の模様や凹凸までキレイにブラシで洗うのは難しいですね。

手間と時間がかかりすぎるので現実的ではないと言えるでしょう。

高圧洗浄機で洗い流す

高圧洗浄機での洗浄は多くの塗装業者が使っている手法です。

高圧洗浄機とは

高圧洗浄機とは取り込んだ水にポンプの力で圧力をかけ、専用の高圧洗浄ガンから高圧で水を吹き出すことで汚れを落とす機械です。

塗装業者は原動機で圧をかける大型のものを使用しますが、家庭用に安価で購入できる電動の洗浄機もあります。

高圧洗浄機はガソリンスタンドや車の洗車場でよく見かけることがありますね。

洗浄機の圧力さえ強くしすぎなければ、外壁を傷めることなくコケやチョーキングを落とすことができます。

家庭用の高圧洗浄機を買っておけば塗装後汚れが目立つ前に外壁の洗浄をすることで、塗膜を長持ちさせるメンテナンスに使用できます。

他にも車の洗車や、玄関先・ベランダの掃除などにも使用できるため便利ですよ。

高圧洗浄機の購入に抵抗がある方は、建設機械のリース会社でレンタルするか、ネットでレンタル可能なサイトを使用するという方法もありますのでお近くのリース会社やレンタルサイトに問い合わせてみてもいいでしょう。

外壁洗浄をするときの注意点

飛散防止シート
隣家への飛散防止用のシート養生

洗浄時の注意点としては近隣のお家や車に洗浄した水が飛び散らないように配慮をする必要があります。

これは塗装業者でもよくあるトラブルの1つ。

以下のような飛散防止の対策をして近隣への配慮をしましょう。

  • 足場のメッシュシートに隙間ができないようキッチリと張る。
  • 足場がない場合は軒樋(屋根の雨水を受け止める横向きの樋)にブルーシートなどを吊り下げる。
  • 水が飛散しそうな位置に止めてある車は一時的に別の場所に移動していただくようお願いする。

高圧洗浄で舞い上がった水が風に乗ってお隣の車にかかってしまい、謝罪と賠償を求められるというケースもありますので十分注意したいところです。

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ステップ6:塗装しない箇所の養生をする

塗料は液体です。作業中どんなに気をつけていても必ず回りに飛散することになります。

このとき飛散するおそれがある箇所全てに養生をしておきましょう。

養生の善し悪しで外壁塗装のできばえが大きく左右されることになることを覚えておいてください。

また、外壁の洗浄でもあったように飛散した塗料がお隣のお家や車にかかってしまったら大問題。

なので養生は必要最低限ではなく、多少大げさなくらい広範囲に養生することをオススメします。

養生が必要な箇所6選

ブルーシートやポリマスカーなどを使って汚したくない所にはしっかりと養生しましょう。

養生の箇所によってやり方や養生資材が異なりますので、大きく6つに分けて解説します。

1.足場の外周

足場の外周にはメッシュシートを張ります。

足場屋さんに依頼した場合は標準でメッシュシートを張ってもらえると思いますが、確認しておきましょう。

ハシゴを使って外壁塗装をするという方は、足場がありませんので軒樋にメッシュシートを引っ掛けるなどの独自の飛散対策が必要です。

2.家の周りの地面

家の周りの犬走りや地面にブルーシートを敷いて養生します。

犬走りとは?

犬走りとは外壁から下にある基礎の周囲1m前後にコンクリートを打設または砂利を敷いたものです

犬走りがなくそのまま地面が見えている状態でも養生をしておきましょう。

ここで大切なのが家の周りに花や植木などの植物を植えられているお宅。

植物も人間と同じように呼吸をしています。

外壁塗装のような長期間(塗装業者で2週間前後、DIYなら1~2ヶ月)ナイロンで養生をされたままでいると、植物が呼吸出来ずに枯れてしまうおそれがあります。

そうならないためにも植物への養生は塗装作業の直前にナイロンシートをかけて、作業終了時には忘れずに取っておくことをオススメします。

3.玄関や窓

玄関や窓には光が入るマスカーや透明なナイロンシートで養生します。

2週間以上窓を養生した状態というのは想像以上に閉塞感を感じるものです。

ですからせめて外の明かりだけでも感じられる配慮が必要です。

玄関の足下に張るシートは防滑加工(滑りにくく破れにくい加工)が施されたノンスリップシートを張ることで家族が滑って転倒しないようにしましょう。

4.郵便受けや換気扇などの付帯物

外壁には窓の他にも換気扇や通風口、電気やガスのメーターなどといった付帯物が多く付いていますので全て養生していきます。

このとき換気扇と通風口のように家の中と外を空気が出入りするものについては、完全に密閉するのではなく一部空気穴を開けるか、飛散した塗料が付着しない程度の養生にとどめます。

5.エアコンの室外機や給湯器

エアコンの室外機や給湯器に関しては空気だけでなく熱の出入りにも配慮が必要です。

室外機は熱交換器で室内の温度調節をするため、ナイロンなどの養生で包んでしまうと熱交換がうまく作動しません。

室外機には熱交換を妨げないようメッシュで作られた室外機専用の養生カバーがあります。

給湯器に関しても吸気口をふさいでしまうと酸素不足による不完全燃焼を起こし、給湯器の故障の原因になります。

最悪の場合、不完全燃焼による一酸化炭素が室内に流れ込み人体に大きな影響をあたえる大変な事故につながる危険性がありますので細心の注意が必要です。

また給湯器の排気口からは高温の熱風が排出されるため、ナイロンを溶かしてしまいますので注意しましょう。

6.車

ご自身や近隣の車に塗料が飛散してしまうと大変です。

移動できるのであれば塗装作業中は離れた場所に移動させましょう。

移動ができないのであれば車用の養生シートをかぶせておきます

車用の養生シートはかぶせるだけで車をまるごと包んでしまうので塗料で汚れる心配がありません。

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ステップ7:外壁の塗装作業をする

いよいよ外壁の塗装作業の解説です。

塗装の工程は下塗り、中塗り、上塗りと大きく3つの行程に分けられます。

下塗り

外壁の下塗り作業

下塗りは塗装において大変重要な工程と言えます。

下塗りの役割としては下地への塗料の吸い込みを止め、細かい穴やひび割れなど下地の状態を整え、中塗りの密着性をよくするなどです。

下塗りをせずに塗装をすると色むら・はがれ・耐候性の低下など、せっかく苦労して塗装した意味をなくしてしまうことになります。

塗装対象の材質や劣化状況、上塗りの塗料に合う下塗りを選択しましょう。

中塗り

外壁の中塗り作業

上塗り1回では塗料が持つ本来の発色や機能をじゅうぶんに発揮することが出来ません。

中塗りを塗ることで十分な塗膜厚を確保し塗装本来の耐久性や美粧姓を発揮するために2回塗りします。

中塗りと上塗りは基本的には同じ塗料を使うことが多いですが、公共の仕事などでは2回塗りをしている写真証明のために微妙に色を変えることもあります。

上塗り

外壁の上塗り作業

上塗りは外壁の美観と機能性を決める工程です。

塗料が持つ性能を発揮させるために必要なことは、ムラが出ないよう均一に塗ることと、十分な塗膜厚を確保するために塗布量にも気をつけることです。

具体的に言いますと、ムラが出ないようにするには以下の3点に注意しましょう。

  • 下塗りで吸い込みを止めて下地調整
  • 色の止まりをよくするために中塗り
  • ローラーを使用して塗る場合、十字に動かしムラを出さない塗り方

ローラーでムラを出さない塗り方

ローラーでカベを塗るときには基本的に「くばり」「のばし」「ならし」の3つの動きで塗っていきます。

この3つの動作を縦横80㎝くらいごとに繰り返していくことで均一な塗膜厚と美観を保ちましょう。

ローラーを動かすスピードが速いと壁面の凹凸に塗料が入りきらないことがありますので、ゆっくり動かして確実に塗料を壁面の凸凹に浸透させるよう意識してください。

くばり

塗料を容器の中でローラーに含ませ、こぼさないように気をつけつつ縦方向に塗りつける。

のばし

くばった塗料を横方向に伸ばすことでまんべんなく塗膜厚がつくようにする。

ならし

最後にもう一度縦方向にならすことで、塗料のローラー目を均一にして美しい仕上がりにすることができる。

塗膜厚と塗布量の関係

塗料ごとに1㎡あたり何㎏の塗料を使用するかという標準使用量が設定されています。

標準使用量を守っていなければ理想的な塗膜厚が確保できず、塗装の効果を十分に発揮できなくなります

例をあげると、上塗り塗料でご紹介した「パーフェクトトップ」であれば仕様書に「0.11~0.17kg/m²/回」と記載があります。

つまり「0.11~0.17kgの塗料を1m²の壁に1回で塗るのが標準」ということです。

たとえば0.11~0.17の中間をとって0.14kgとすると、手提げ容器に1.4kgの塗料を入れた場合10m²塗ったときに使い切っていれば1回で塗る塗布量が確保されているということになります。

せっかく外壁塗装をするなら塗料の耐久性を十分に発揮してもらうために、塗膜厚を平均的に付けることが大切です。

リュークン
リュークン

塗布量を気にせずに塗る人の特徴に、ローラーに含ませた塗料がなくなるまで転がしているというのがあります。

そんな塗り方では最後の方は塗膜厚なんてついていません。

「壁に色を塗る」のではなく「壁に塗料の膜を張る」という意識で作業しましょう。

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ステップ8:養生はがしと手直し補修をする

塗装作業が終わったら養生をはがして手直しをします。

キッチリと養生したつもりでも窓回りなどの小さな隙間から塗料がにじんで汚れているところがあるものです。

塗装による汚れは塗料用シンナーで拭きとっておきましょう

ラッカーシンナーの方が溶解力は強いですが、下地を傷めるおそれがあるため使用は控えたほうが無難です。

凸凹の多い外壁では、塗料が凹みに入りきっていないところもありますので、よく見て毛先の小さなハケでタッチアップ補修をしておきます。

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まとめ

本記事では「初心者でもDIYで外壁塗装をするやり方を8ステップで完全解説」と題しまして外壁塗装の相場観を知るところから材料の選定や実際の作業工程までをくわしく解説してきました。

本文に書いてある工程は、私自身が塗装職人として現場で行っている工程をそのままトレースしたものです。

なのでこのまま作業マニュアルとして会社内で使用することも可能なくらい精度を高めています。

ここまで読んでくださった方なら分かることですが、今まで塗装経験のない初心者が自身の家をプロのように塗装することはすごく大変です。

ですが、何事も挑戦することに意義がありその経験と達成感を味わったとき、お金以上に得られるものが多くあるでしょう。

かといって大変な作業とリスクを負いながらDIYしたのに、完成したときに「業者に任せておけば良かった」と後悔する可能性もあります。

何より大切なことは、ステップ1の「DIYと外注の違いを比較し検討する」をしっかりと読み直し、後悔をしない決断ができるようご家族と相談してください。

本記事があなたのDIYライフの一助になれば幸いです。

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