【浮世絵にも登場】平安時代にも猫ブームはあった?日本の猫の歴史。 | ヒメとまいにち

【浮世絵にも登場】平安時代にも猫ブームはあった?日本の猫の歴史。

 

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日本には猫はいつからいるの?

 

海外で活躍する猫の話を書いてきましたが、

 

じゃあ、日本では、猫はどのように暮らしてきたの?と言う疑問がわきませんか?

猫は縄文時代にはすでに、ネズミから穀物を守るためにいたとされています。

縄文時代には家畜としての縄文犬がいたことが有名ですが、

紀元前1世紀の頃の長崎県壱岐市勝本町のカラカミ遺跡からは、

猫の大腿骨など十数点の化石が出土していることから、

もっと古くから日本にいたのでは、と考えられています。

日本の猫 歴史縄文時代

これまで各種文献から、イエネコの伝承は8世紀と考えられていて、

日本のイエネコの起源がこれまでよりも500年程度も遡る、

歴史を塗り替える極めて貴重な発見となるのでは、と言われています。

ただ、古代に猫が日本に定着していたという物証は乏しく、

『古事記』や『日本書紀』などにも猫の記述は無く、

文献に登場するのは、『日本霊異記』内に、

705年(慶雲2年)に豊前国の膳臣広国が

死後に猫へ転生し、息子に飼われたとされているのが最初の猫の記録になっています。

が、遣隋使や遣唐使とともに、

ネズミから書物を守るために船に乗っていたのでは、と言う推察もされているようです。

日本の猫の歴史 古墳時代

奈良時代頃には、経典などをネズミの害から守るための猫が中国から輸入されました。

日本の書物に「ねこ」の文字が初めて現れるのは、

景戒の『日本国現報善悪霊異記(日本霊異記)』(787~822年頃)とされているようです。

この書物の中で、慶雲2年(705年)の豊前国(福岡県東部)の

膳臣廣國の言葉として記された一節に「狸」との表記があり、

景戒はこの語に「禰古(ねこ)」という注釈をつけています。

愛玩動物としての記述が見られるのは、『枕草子』や『源氏物語』、

『更級日記』『明月記』にも登場する平安時代からになっています。

宇多天皇の日記である『寛平御記』(889年〈寛平元年〉)2月6日条には、

宇多天皇が父の光孝天皇より譲られた黒猫を飼っていた、という記述があり、

これが日本最初の愛玩動物として飼われた猫である、と言われています。

現代の日本に残っている文物で、

最も古い猫の絵は『信貴山縁起絵巻』に描かれた猫です。

信貴山縁起絵巻 猫

奈良国立博物館

信貴山縁起絵巻

奈良国立博物館

このころから、猫はネズミを捕るためだけでなく、

人の生活に寄り添って生きていくこととなります。

 

 第一次猫ブーム

平安時代には位階を授けられた猫もおり、

『枕草子』第六段「上にさぶらふ御猫」によると、

一条天皇と定子は非常な愛猫家で、愛猫に「命婦のおとど」と名付け位階を与えていた。

ある日、この猫が翁丸という犬に追いかけられ天皇の懐に逃げ込み、

怒った天皇は翁丸に折檻を加えさせた上で島流しにするが、

翁丸はボロボロになった姿で再び朝廷に舞い戻ってきて、

人々はそのけなげさに涙し、天皇も深く感動したという話になっています。

日本に伝来してから長きにわたって猫は貴重な愛玩動物扱いであり、

鼠害防止の益獣としての使用は限定され、

猫はつないで飼育する動物であったともいわれており、

絵巻物等には魔除けの猿同様に紐・綱等でつながれていたり、

つづらやこおりと呼ばれるかごの中で暮らしていたようです。

逃げないように家の中で飼育されている猫の様子が多数描かれています。

平安時代 猫 室内飼い

「源氏物語絵屏風」若菜上、部分、国文学研究資料館蔵

平安時代に作られた刀の鞘。

国宝 金地螺鈿毛抜形太刀。

国宝 金地螺鈿毛抜形太刀

奈良国立美術館

刀のさやの装飾にまで猫を使っちゃうとか、どんだけ猫好き。

これは日本最古の猫グッズと呼んでいいのではないでしょうか。

 

 三味線の登場により、猫に受難の時代が訪れる。

戦国時代には、今の沖縄、琉球国から蛇皮を使用した三線が普及しだし、

蛇よりもより大きく、手に入りやすい猫の皮が使用されるようになる。

売れる、となると…市中に猫狩りが出没します。

三味線には猫の腹の皮が使われるため、

けがをしていない若い、未出産の個体が狙われます。

そうなると、猫を繁殖させて売ろう、と言う悪い考えの人も出てくるようで…。

現代の悪徳ブリーダーのようなものですね。

この事からも、猫は家の中で飼うと言う事が定着したようです。

現在では、愛猫が猫生を終えたのち、記念に、と愛猫の皮を使って作ることもあるそうです。

 

 江戸時代、京都では「猫放し飼い令」が発布され、
猫は屋外での放し飼いが推奨されていた。

1600年代に入ると、京都の人口が増え、ネズミの被害が深刻化。

慶長7(1602)年、京都所司代は徳川家康の命により

『猫放し飼い令』を発布し、

猫に“ネズミ捕りパトロール”をさせることにしました。

日本の猫 歴史 江戸時代

これは、公家・西洞院時慶の日記『時慶記』に記されている史実です。

ただこれには、現代にも通ずる問題が含まれており、

猫放し飼い令により、迷子になったり、犬に噛まれる、

大八車(荷物運搬用の二輪車)にひかれるなどして、

命を落とす猫が増えたとされている、と時慶の日記に記されています。

『時慶記』には、他にも、

よその飼い猫が迷い込んできたので保護して飼い主に返したり、

反対に保護してもらい、届けてもらったなどといったやり取りが頻繁に書かれていて、

近隣の公家同士で互いの猫を保護し合い、猫を守っていた様子がうかがえます。

その後、長く、猫は、半家飼い、半外飼いのような位置を長く過ごすことになります。

猫 平安時代 鈴木春信

鈴木春信 ボストン美術館所蔵

 

 江戸時代、猫はアイドルだった。

江戸時代、東京は吉原。

ここに暮らす遊女の間で、猫を飼う事が流行していました。

日本の猫の歴史 江戸時代 吉原

猫の持つ怪しい雰囲気と、しなやかで美しい体が、

「遊女のよう」、と評されることもあったようです。

また、猫好きとして知られる

歌川国芳の絵の中にもたびたび登場しています。

クリックで大きくなります。

皆さんの猫ちゃんにそっくりな子がいるかもしれませんよ。

猫 歌川広重

歌川国芳による『其のまま地口 猫飼好五十三疋』。

猫はその、気高きプライドと、持ち前のツンデレで、

多くの人を魅了し、現代までの長い間、

人々に愛され、人ともに寄り添って生活することとなっているのです。

日本の猫 歴史 明治時代

日本の猫 歴史

中学社会 新しい日本の歴史(育鵬社)

日本の猫 歴史

中学社会 新しい日本の歴史(育鵬社)

日本の猫たちにも時代によって様々な背景とともに、

人とのかかわり合いが変わって来ましたが、

それでもずっと愛くるしい猫には変わりがないのです。

 

 

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今日のヒメちー

 

今日はぐっすりおねんねヒメちー。

【浮世絵にも登場】日本の猫

【浮世絵にも登場】日本の猫

うんとたくさん働いてきた猫だものね、

現代ではゆっくり休んでいいのよー。

【浮世絵にも登場】日本の猫

いったいどんな夢見てるのかしら。

【浮世絵にも登場】日本の猫

【浮世絵にも登場】日本の猫

【浮世絵にも登場】日本の猫

ネズミを捕る夢だったりして…。

 

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