会議、それは多くのサラリーマンの時間を費やしているものです。ある研究によると一般的なサラリーマンは週に8時間程度の時間を費やしていると言われています。そして、日本企業では無駄な会議が多いという声はよく聞かれますよね。

一方、GAFAの一角を担うamazonの会議がいかに効率的なものなのか、私は佐藤将之氏の「amazonのすごい会議 ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法」を読んで学びました。

その中でも、特にamazonならではだと思ったポイントを3つ紹介したいと思います。

会社員の会議のみならず、あらゆる分野のコミュニケーションに活きるはずなので、ぜひ実践してみてください。

会議は「沈黙」から始める

一般的な企業の会議では、ファシリテーターが議題について話し始め、アジェンダについて説明することで会議がスタートします。そして、議題の担当者が概要を説明して進行が進んでいくことでしょう。

amazonの会議において特殊なのは、目の前にある会議資料を各自で黙読する時間をとるのです。資料の量にはよるものの、およそ15分程度の時間を割き、その間は一切喋ってはいけないそうです。

議論が始まる前に、参加者全員が資料の内容を理解していますので、無駄な質問を減らすことができます。実際、多くの会議での質問は、会議資料に書かれていることが多いものです。

そのような運営から、amazon社員の作る会議資料は非常に要点を抑えていて、分かりやすいものになっています。読めば理解できる資料になっており、質問や問題点がないと出席者が思えば、そもそも議論の必要がなく、すぐさま会議を終えることができます。

パワポの資料・箇条書きは禁止

これは衝撃的な内容でした。会議でパワーポイントが使われることが多くの企業で一般的ですが、amazonでは、殆どの会議資料がwordで作成されているのです。

かつ箇条書きを禁止しており、全ての資料はナレーティブな文章で作成されています。

その理由は、「いつ・誰が読んでも同じ情報を伝達するため」だそうです。

たしかに、箇条書きや図で簡潔に表すと、一見見栄えのいい資料になります。しかし、解釈の違いは人によって異なるおそれもあります。実際、昔の会議資料を見返して、このパワポはどういう意味だっけ?と思い出せなくなった経験はないでしょうか。

グローバルな世界的企業であるからこそ、世界中の社員に対して同じ情報を正確に伝えることを目的としているのです。また、文章で書くことで矛盾が分かりやすくなり、より精度の高い資料作りにも影響します。

足して2で割る答えは禁止

ベゾスが強く拘っている意思決定の方法として、「ソーシャル・コヒュージョンに気をつける」というものがあります。これは日本語に訳すと、社会的一体性です。つまり、社会的なしがらみに配慮して妥協して結論を出すようなことはするなと言っているのです。

例えば予算をいくらとるかという議論になった時に、Aさんが100万円、Bさんが200万円という意見を述べたとします。そこで、間をとって150万円にしようというような意思決定はご法度ということです。

なぜなら、「そのような妥協をして意思決定していれば、お客さまに対しても妥協したサービスを提供することになる」との考え方が背景になるからだそうです。

そのため、どんな意思決定であっても、必ずデータや根拠に基づいた決定がなされています。

このようにamazonの会議の優れた点は、どんなビジネスパーソンにとっても価値のあるものだと感じました。ぜひ、日々の会議やコミュニケーションに活かしていただければ幸いです。