『 私たちの真実 アメリカン・ジャーニー 』を読みました。
著者はアメリカ合衆国副大統領カマラ・ハリスさんです。
アメリカの現状を知るのにとってもよい本だと思います。とても政治家が書いた本だとは思えません。
「はじめに」で「真実を語らなければならない」という言葉が何度も出てくるとおり、著者の誠意が伝わってくる本です。
カマラ・ハリスさんは地方検事補としてキャリアをスタートさせ、その後地方検事、州司法長官を経て上院議員に当選し現在現職の副大統領です。
この本には彼女がどういう家庭に生まれ、どのような子ども時代を過ごして成長したのかが書かれています。
彼女に関しては、黒人女性として史上2人目の上院議員、女性初黒人初インド系アメリカ人初の副大統領というような冠がついて呼ばれますが、やってきたことがすごい。
この本を読んでいると、「あなたも列に入って!」と彼女に強く背中を押される感じです。
一言で言えば弱者の側に立って社会を少しでも良くしようと努力している人という感じです。
こんな、まっすぐな人が公職でやっていけるアメリカは、なんだかんだ言っても懐が深いですね。健全!
日本で生活していると、こんな「純」ではいられません。ましてや政治の世界でのし上がって行くには「甘ちゃん」だと言われ通用しないでしょう。
アメリカは外から見ていると問題ばっかりに見えます。しかし、あきらめない人達がこんなにもいることにビックリします。
しかも、「ちゃんとしている大人」がたくさんいるのがうらやましい。
「諦めなければなんとか道はできる」と言うことをギリギリの中でも信じさせてくれます。
翻って日本はどうか?奇しくも衆議院選が間近に迫って政治を肌で感じられる昨今ですが、若者の反応はどうなのでしょう?
ワタシが今よりずっと若かった頃、周りの大人は政治に関わることには消極的でした。
「政治は怖い」「できるだけ関わらないで」そんなメッセージを自然に受け取りました。
カマラさんの子ども時代の環境をみて大きな違いを感じます。うらやましい。
「私が日々、自分に課しているのは、自らが世の中を変える解決策の一部になろうとすることだ。そして、来るべき闘いに喜びあふれた戦士として参加したい。読者にも、ぜひ同じように取り組んでほしいと思う。私たちが信じる理想と価値のために立ち上がってほしい。」
若者にはこういうメンターが必要だと思いました。