古都の名残を求めて

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古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

好きなライカのレンズ10選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」。今回は、僕のお気に入りのライカのレンズ10選と題して記事を書いてみた。もちろんLeitz社・Leica社製造のレンズばかりでなく、ライカのバルナック型、M型のカメラで使えるレンズも含めていて、僕が使ったことのあるレンズのみ作例も交えて挙げてみる。

①Leitz Elmarit-C 40mm f/2.8

Leitz Minolta CL または Leica CL販売時のレンズとして製造され、一般使用されるはずだったが、ライカとミノルタの販売戦略の中で候補から外されてしまった不運なレンズ。個人的には、写りがシャープでなくピントがやや甘いところが気に入っている。それでいて、雨の日の描写には他のレンズとは違う個性を発揮するレンズ。Leitz Summicron-C 40mmレンズの方が評価、人気ともに高いが、私見ではあるが、その陰に隠れたダークホース的レンズだと思う。

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雨の日の薬師寺のワンシーン(Leica MMonochrom Typ246)

hasselphoto201909.hatenablog.jp

②Leitz Summilux 35mm f/1.4(2nd)

35㎜の定番レンズ。2ndタイプの初期のレンズは無限遠のストッパーが付いている。写りに関しては、文句なしで良い、開放の滲むようなボケ味やF4くらいに絞った時の描写が素晴らしい。また周辺光量の落ち具合も美しい。写真家のセイケトミオさんがLeitz Minolta CLとこのレンズを組み合わせて撮っておられたというエピソードがとても印象的であり、その組み合わせでフィルム撮影をしてみたい。

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薬師寺與樂門にて(Leica MMonochrom Typ246)

③Jupiter-8 50mm f/2

格安のライカ用レンズといえるJupiter-8 50mm f/2。10000円~13000円くらいで買えてしまう優れたレンズである。ゾナー50mm f/2のコピーといわれるが、その描写はまた独特とも言われ侮れない。柔らかさも保ちつつ、ピントがビシッとくるレンズである。鏡胴もアルミ製で軽く、ピントも合わせやすいため、レンジファインダーカメラでは扱いやすいレンズの一つだと思う。個人的には、ライカのSummicron 50mm f/2(2nd)レンズよりこちらの方が好みである。

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薬師寺東塔の水煙(Leica MMonochrom Typ246)

④NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical

最近よく持ち出しているCOSINAのレンズ。LeicaMMonochromに付けっ放しである。写りはシャープで、手前にピントがあった被写体から奥行へのボケ味が美しい。Leica Summilux 50mm Asph.と描写がよく似ているが、こちらの方が、強めの日射しでもフィルムのネガの手焼きの時のように、白い部分の描写が白飛びして潰れることなく残っているところが素晴らしい。70センチまで寄れるのも利点である。ヴィンテージオリジナルのNOKTON50㎜レンズの復刻版ということで、レンズのスタイルもくびれていてカッコいい。僕の持っているレンズは黒鏡胴である。今なら中古でこのレンズは60000~70000円前後でコスパが良い(同じシリーズでⅡも出ている)。

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薬師寺から唐招提寺への参道(Leica MMonochrom Typ246)

⑤Leica Summaron 35mm f/3.5

以前なら5万円前後で買えたズマロンも最近ではすっかり高騰し10万円を超える価格でしか購入できなくなっている。廉価なライカレンズ=ズマロンというフレーズが現在では使えなくなっている。僕が使っているズマロンはM2型の後期に属する個体で、ブルーのコーティングがされている。そのため締まりのある描写をする。数の多いスクリューマウントのズマロン35mm f/3.5とはやや写りが違うかもしれない。レンズ構成もガウス型であり、エルマー35mmともまた違うシャープさと柔らかさを備えたズマロン三半は僕のお気に入りのレンズである。

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薬師寺龍蔵院にて(Leica MMonochrom Typ246)

⑥Leitz Elmar 35mm f/3.5

以前から使っていたこのレンズ。大変コンパクトでカメラに装着しても重くなくて、撮りまわしが良い。僕の持っている個体は写りは大変シャープでかつオールドレンズらしい個性的なボケ味を持つ。ズマロン35mmも好きだが、このエルマー35mmもとてもいいレンズだと感じる。①にあげたLeitz Elmarit-C 40mm f/2.8レンズとの撮り比べを記事にしたので、こちらを参考にしていただきたい。

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薬師寺玄奘塔付近の外壁(Leica MMonochrom Typ246)

hasselphoto201909.hatenablog.jp

⑦Leitz Hektor 50mm f/2.5

オールドレンズの中でも独特なレンズ構成のこのレンズ。写りも柔らかく、デジタルM型ライカでは、無限遠が11時の位置にストッパーがついている個体はL→Mリングと干渉してしまうので、使用が難しい。全回転型の個体なら使えるが、僕の所有している個体はライブビューでしかピントが合わない。ライカのカメラでの撮影は、フィルムカメラ専用で使うのが最もベストなレンズだと感じる。陰影のあるシーンに向いているレンズだと感じる。

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薬師寺境内外壁の陰影(Leica MMonochrom Typ246)

⑧Leitz Summarit 50mm f/1.5

このレンズは、まさにオールドレンズという感じの代表格的な写りをする。開放での写りが最も特徴的で、いわゆるぐるぐるボケ的な使い方もできるし、現行のレンズにはない個性的な写りを活かすこともできる。絞ると大変シャープになり、開放時の写りとはまた別ものに変身したかのような印象を受ける。個体差があり、どういったレンズにあたるか楽しみになるレンズでもある。

本薬師寺境内の木々(Leica MMonochrom Typ246)

⑨Leica Summicron 50mm f/2(4th)

現行のSummicron 50mmレンズにあたるこのレンズは、その写りは素晴らしいと感じる。フィルム撮影でも露出をきちんとしたいいネガであれば、フィルターを使わずストレートで美しく手焼きできるレンズである。2ndズミクロンもいい写りのレンズだと思うが、このレンズは最新の技術と収差の補正などが行われていることもあり、デジタルでもフイルムでもシャープで細やかな描写をするレンズで、個人的にはズミクロンの中にあっては最も好みのレンズである。

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法隆寺回廊の夕刻の陰影(Leica M9)

➉Leica Summilux 50mm f/1.4 Asph.

こちらも現行のSummilux 50mmレンズ。ピントが合った部分から奥行にかけてのアウトフォーカスが素晴らしく美しい。逆光にも強く、写りはもの凄くシャープだと感じる。被写体を選ぶレンズ。扱うのは僕にとっては少し難しいと感じたレンズ。ボケ味をうまく使えば素晴らしい描写となる。

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法隆寺回廊の夕刻の陰影(Leica M9)

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