●鎌倉 悪夢の建仁2年 全成、比企、仁田、そして頼家も… | きょうのもののふフォト列伝 ー古戦場 城 もののふ 旅ー

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熱く 燃えて 散って 逝った 我ら祖先のもののふ達 その懸命な生きざま姿を追う旅を続けています。

連日炎天猛暑の信州!  

「お宅の百日紅すごいですね!」 

雑草と雑木、古家をみごとに隠してくれてる!

しかし、花言葉に「不用意」

 

梶原景時死して3年後、建仁2年はまさに悪夢の年。

いったい誰が仕組んだのか? 単独で? 密談か? 殺害を命じたのか?

 

悪夢1 6月、全成、誅殺さる

「八田知家(頼家の)、仰せを奉り、下野の国に於いて阿野法橋全成を誅す(吾妻鑑)」

駿河国富士南麓の大泉寺に、全成・時元父子は眠っている。

門前の標柱にはなぜか頼朝の弟でなく「義経実兄の阿野全成墓所」と。

墓塔左が全成、右が一子・時元。

後に時元は反北条を掲げ挙兵した。が、義時に敗死したという

 

なぜ全成は討たれたのか。

頼家将軍就任後、全成は舅北条時政(全成妻室は時政娘)と結び、北条・実朝派となり、頼家派と対立したという。

 

頼家が単独で全成殺害を命じたのか? だれかと密談してか? そしてなぜ?

だいたい全成は、頼家の叔父ではないか! そして全成妻室は頼家の妹ではないか!

 

悪夢2 9月2日、比企能員一族滅亡

能員は北条邸に入ると即座に、仁田忠常・天野蓮景刺殺された。

天野蓮景・仁田忠常等、造合脇戸の砌に立ち向かい、廷尉(能員)の左右の手を取り、山本竹中に引き伏せ、誅戮に踵を廻さず(吾妻鑑)
謀反とされた比企能員一族は、北条方軍勢に攻められ全滅した

妙本寺(比企邸跡)境内に比企一族供養塔が立てられている。

 

北条時政と比企能員の確執・対立はそれほど強烈なものだったのか。

そもそも比企能員の乳母子の一幡は、時政の孫ではないか! そして政子・義時の甥ではないか!

 

悪夢3 9月6日、比企能員を刺殺した仁田忠常が誅殺さる

マカフシギな話が「吾妻鑑」に記されている。

時政比企能員を誅殺した仁田忠常に恩賞を与えようと館に招いた。

しかし深夜になってもなかなか帰還しない忠常を訝って、忠常が討たれたと思ったか、弟の五郎、六郎が大御所の北条義時を攻めた。

義時は待ち受けていた?

五郎と六郎はただちに返り討ちにされた。

何も知らぬ?忠常、時政邸を辞した後、あっという間に討たれてしまった。

 

仁田忠常の墓は、ふる里の伊豆・函南市慶音寺に。

忠常は、頼朝旗挙げの時から従い、石橋山の合戦にも従軍した古参の重臣。

北条一族とは古き仲間・友人だったはずなのだが。

忠常は、富士の大巻刈では暴れる猪にまたがり射止めた猛将と伝えられる猛将だった。

弟・五郎忠正、六郎忠時と眠っている。

 

「北条時政のために弟共に殺された」と記されている。

 

「忠常私宅に還るの刻、途中に於いてこれ(五郎六郎のこと)を聞く。御所に参るの処、加藤次景廉が為に誅せられをはんぬ(吾妻鑑)」

なんなんだ、これは!

仕組んだのは「時政、義時、政子…」?

かつて彼の国で、ケネディを暗殺したオズワルドは、護送中にビリーに殺られ、ビリーも消された…。

 

悪夢4 将軍頼家、伊豆へ追放され、修善寺にて誅殺さる


比企一族、そして一幡が討たれたと知って頼家は激怒、時政を討とうとしたが、逆に捕らえられ、伊豆修善寺に追放となった。

後に(翌年?)北条の手勢に修善寺で刺殺されたという。

修善寺に眠る頼家墓。

 

「北条時政の手で入浴中に暗殺された」と記されている。

かくして、三代将軍に実朝(千万)が就き、時政は、政所長官・初代執権に。

肉親、親類筋、御家人間の権力争いが集中した悪夢の建仁2年。

暗闘・抗争はまだ続く。

畠山重忠、和田義盛、そして将軍実朝が…。

みな時政・義時の策謀か? そんなぁ、しかしそれにしても。

 

大河ドラマで初の主役となった「天下人・義時」、はたしてこれからどんな描き方がされるか、楽しみだ。

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