うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

K先生とI先生

2022年10月08日 | ことばを巡る色色
先生と呼ばれる職業 教師、医師、政治家、弁護士などなど

旧統一教会の報道が連日される中、K先生を久しぶりにテレビで拝見した。昔々、オウム真理教、旧統一教会などの報道以来である。なんだか、旧知の人にあったような、懐かしい気持ちになったが、私がこれらのカルト教団は過去のものと思っている中でも、彼はずっと関わり続けていたことを初めて知った。幾星霜という言葉があるが、いくつもの朝と夜、彼は途切れることなく向き合ってきたのだと知った。私たちは忘れやすく、日々に取り紛れやすい。そんな中で対峙し続ける人がいるということは、残念ながら、見えづらいものである。変わらず同じものに取り組むことは、簡単なことではない。そんな人がいてくれるから、私たちは今、あの教団の今までを知ることができる。彼が投げだしていたなら、隠されてしまったこと、無いことにされてしまったことも少なからずあったであろう。
あの時からのK先生の軌跡を知ろうと、Wikipediaを読んでみた。その中に、K先生が20年前に刺殺されたI先生の遺族代理人となっていることを知った。20年前の事件の時、私はI先生の件は反社会勢力との諍い程度のものと思っていたのだが、I先生のWikipediaの記述を今読んでみると、私たちはこのころから何も見えないでいたのかもしれないと思うようになった。(以下Wikipediaより転載いたしました)

僕の地元の成城で、最近統一教会が建物を借りて改装工事を始めたのです。それで、地域住民はこぞってピケをはり、統一教会が建物の中に入れないようにしていますが、こんなことをしても、始まってから何ヶ月経っても政治家はさっぱり表に出てこないんですね。いろいろアプローチしていくと、どうも統一教会の息のかかった政治家というのが随分いるようだ、と地元の方も言っていました。 未来に向けて社会をどのように改革していくか、ということを政治家が真剣に考えないものだから、その間に経済活動や政治活動を通して宗教団体にどんどん侵食されているという面がありますね。                     — 石井紘基『オウム事件は終わらない―カルト宗教と日本社会』より
ロシアにオウムが進出して行きましたね。ロシアには5万人もオウムの信者がいたそうですが、オウムが行く前に統一教会がロシアに進出していました。ところが、そういう連中が、どうもいつの間にかオウム信者とすり替わってしまった。 捜査についてですが、日本ではオウムの全容が明らかにされません。オウム事件というのは、いったいどういうことだったのか。僕は岡崎(トミ子)さんがおっしゃったように、オウム真理教は、宗教法人制度をうまく利用してアンダーグラウンドで儲けようという要素を非常に強くもっていたのだと思います。それが暴力団と結びつき、国際的に密貿易をしたり、薬物を流したりしたのはいったい何のためだったのか。不可解なことを不可解なままお蔵入りさせようとしているとしか思えないのです。 (中略) 警察はなぜオウムの国際的活動について、あるいはさまざまな関係人脈について調査や事情聴取をしないのか。政府はどうしてオウム事件について何もしないのか。これらはすべて、単に麻原の異常さや宗教的理由などでは説明がつかないのです。
                         — 石井紘基『オウム事件は終わらない―カルト宗教と日本社会』より

彼は2002年10月に亡くなっている。これらは20年以上前のことばである。もう、この状況の中で、右とか左とか、そんなこと言ってる場合ではないのだと、私は思う。
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