悪質な補助金コンサルタントとは?~経営コンサルタントが見た悪質業者とコンサルの選び方

IT補助金

こんにちは、中小企業診断士の古川里奈です。

私は普段中小企業診断士として、様々な事業者様の補助金申請を支援させていただいております。

中でも、この一年で最も支援させていただいているのは事業再構築補助金です。
そのホームページにおいて、「悪質な補助金コンサルタント」への注意喚起がされています。

そこで、今回の記事では悪質な補助金コンサルタントの定義とはなにか?どのように代行業者やコンサルタントを選ぶべきか?についてご説明させていただきます。

はじめに~古川里奈の実績

  • 経済産業省登録 中小企業診断士(東京都中小企業診断士協会 中央支部青年部長)
  • 支援実績
    事業再構築補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT補助金
    そのほか地方自治体主宰の助成金等多数(小売業、宿泊業が得意)
  • 事業再構築補助金、ものづくり補助金の採択率100%(2021年10/18時点)

悪質な補助金業者とは

事業再構築補助金のホームページを見ると、悪質な補助金業者への注意喚起がされています。

事業再構築補助金(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/)悪質な業者への注意喚起

しかし、「提供するサービスの内容と乖離した高額な成功報酬等を請求」と記載があるものの、どこからが悪質でどこからが悪質でないかの線引きはされていません。

この記載を見て、ご自身で選ばれた補助金業者や補助金コンサルタントが正当な業者なのか悪質な詐欺まがいの業者なのか、疑問に持たれる方もいるのではないでしょうか。

これについて、同じく事業再構築補助金ホームページの動画で少し言及がありました。

動画によると、成功報酬として補助金額の2割を請求しているケースについて悪質とみなしているようです。実際のところ、以前の記事でもご紹介したとおり、事業計画書の作成にはかける時間と採択率に相関がある事業再構築補助金と比較しページ数が少ないものづくり補助金においても、時間をかけずに事業計画書は採択されづらく、30~120時間かけて作成したと答えている事業者がもっとも多い)ことから、いわゆる「丸投げ」「計画書作成代行」と言われる、計画書をいちから全て依頼するパターンにおいてはより多くの稼働を必要とするため、正当な業者であっても事務局の想定よりは成功報酬が高額になっているのではないかと思われます。

補助金コンサルタントを選ぶポイント

では、実際のところ事業再構築補助金を活用したい場合はどのように補助金コンサルタントを選べばいいのでしょうか。「事業再構築補助金 代行」「事業再構築補助金 東京」など、検索すると様々なコンサルタントや事業者がヒットすると思います。

どのコンサルタントや業者が最も優れているというのではなく、ご自身に合ったサービスを選ぶことが一番です。

ここでは、次の3つのポイントで選ぶことをご紹介します!

  • サービスと予算のバランス
  • 補助金支援以外のサポート
  • 自社で補助金申請を行う場合とのコスト比較

サービスと予算のバランス

事業再構築補助金関連のサービスを提供する補助金業者、補助金コンサルタントは多くいますが、その料金と提供するサービスは様々です。

  • 事業計画書の作成は誰が行うか
  • 申請前の確認打ち合わせは何回行われるか
  • 申請作業のための資料準備についてお知らせされるか(最新情報を事業者様で調べる必要があるか
  • 補助金電子申請のサポートはあるか
  • 交付申請についてのサポートはあるか
  • 交付申請後、中間報告や実績報告のサポートはあるか

契約前に、これらについての役割は明確にしておいたほうがいでしょう。そして、予算とサービスのバランスがいいコンサルタントを選ぶのがよいでしょう。

「事業計画書のフォーマットだけ提供」する業者から、これら全てを提供する業者まで様々です。

特に、補助金採択「後」である交付申請、中間報告や実績報告についてはサービスの有無が分かれるところです。これらが料金に含まれているか、別料金か、元々引き受けていないかは確認したほうがいいでしょう。

補助金申請支援以外のサポート

補助金申請支援以外のサポートを求めるかどうかも一つの選ぶポイントでしょう。

特に事業再構築補助金の場合、補助金が採択された際に行いたい事業は既存事業と全く異なる業種で計画されている事業者様もいます。例えば既存事業は製造業のところ補助事業として新たに小売業を行いたい場合、小売業に強いコンサルタントを選べば、補助金採択後に継続してサポートを受けることも可能です。その場合、申請段階から付き合いがあるコンサルタントは補助事業や既存事業について詳しいため、より的確なアドバイスを受けることができるでしょう。

そもそも、補助金申請をする段階では事業全体の仕組みまでは考えていない事業者様がほとんどです。仕入先、マーケティング、単価、販売数の想定などなど、事業を開始するには決めなければならない点が多々あります。事業計画の作成やその後のサポートにおいて、業界に詳しい専門家の意見を参考にできることは大きなメリットになります。

自社で補助金申請を行う場合とのコスト比較

最後のポイントは、自分で補助金申請を選ぶ場合とコストを比較しながら考えることです。補助金申請を自社で全て行う場合、相応の稼働を必要とします。以前の記事で紹介したとおり一般的な補助金申請書の作成時間は、ものづくり補助金の場合30~120時間です。

しかし、ものづくり補助金はWordファイルで10枚の計画書であるのに対し、事業再構築補助金は15枚が一般的です。単純比較できるものではないですが、枚数が多い分事業再構築補助金のほうが問われている項目も多く、要する時間は長くなります。

ちなみに、私が作成する場合、情報収集にかける時間も含めて一社あたりおよそ70時間程度要しています。

ボリュームが1.5倍であること、作成者が何度も計画書を作成しているプロではないことを加味すると相当な時間が必要となるでしょう。さらに、採択されるためのノウハウの有無を考慮すると自社で作成する場合のコストが見えてきます。

私が今までに見た、驚きの悪質補助金業者

「悪質な補助金業者」の定義はないという話がありましたが、正直なところ私が見た範囲で「これは…」と首をかしげた補助金業者はいます。

以前に補助金申請支援をさせていただいたお客様がその例で、その前の公募で落ちてしまった後のリベンジ申請でした。前回申請時の計画書を見せていただくと、一読するだけでどうにも内容がチグハグ、自社の状況分析もお客様から聞いた内容とぜんぜん異なる…という内容。

どのように作成されたかを確認すると、一切ヒアリングがなく、わずかな質問項目のアンケートに答えたらできあがった計画書が返送されてきた、というものでした。

当社における通常の計画書作成スキームは↓の記事を御覧ください

内容を踏まえると、これはいわゆる「コピペ申請業者」だったと思われます。自社の商品もしくは代理店契約している商品を販売するために、補助事業で行う計画は全て同一の内容、自社の分析部分を若干変更(売上高や所在地など)し申請。採択されたら取り扱い商品を購入してもらい、利益にする…というスキームです。

これは、公募要領で明確に禁止されています。

・以下に該当する事業計画である場合には、不採択又は交付取消となります。

⑩ 重複案件
・同一法人・事業者が今回の公募で複数申請を行っている事業
・テーマや事業内容から判断し、(過去又は現在の)国(独立行政法人等を含む)が助成する他の制度(補助金、委託費、固定価格買取制度等)と同一又は類似内容の事業
他の法人・事業者と同一又は類似内容の事業
※他の法人・事業者と同一又は酷似した内容の事業を故意又は重過失により申請した場合、次回以降の公募への申請ができなくなりますので、十分ご注意ください。

このように、重複案件であった場合は不採択になるだけではなく、交付決定後に交付を取り消される可能性(=事業をしたものの補助金が支払われない)があります。それどころか、最悪の場合は重過失または故意とみなされ申請の権利までを失うことになりかねません。

実際に重複申請であったかは分かりませんが、第一回の採択発表後、事業再構築補助金の公式ホームページにおいて重複案件が発生した可能性があり調査中というお知らせが発表されたこともありました。(現在は記載なし)

悪質な補助金業者を使わないためのポイント

このように明らかに悪質な補助金業者を利用しないためのポイントは、上で示したようにービスの内容をしっかりと把握してから契約することだと考えています。

コストやサービス内容、そして担当者と相性が合うかどうかにより、補助金採択だけではなく、その後進める事業の明暗も別れる可能性があります。ここで打てる最善の手はとにかく情報収集です。

この記事を読んでいて現在代行業者やコンサルタントを探されている方は、今回の記事で示したようなポイントを元に、最もよい代行業者・コンサルタントを選ぶことができるようお祈りしております!


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