事業計画策定と目標設定~無料で使えるテンプレート3選とコンサルタントの策定手法

事業計画

こんにちは、中小企業診断士の古川里奈です。

本日は、事業計画の策定方法や目標設定の考え方についてです。

前回のブログの中で、事業計画はスモールビジネスであっても立てたほうがいいよ!という話をしました。

では事業計画を立ててみよう!と思ったとき、何から考え、どう手をつけていけばよいのでしょうか。
スモールビジネス、フリーランス向けに、事業計画の立て方を説明します。


事業計画を立てる目的~おさらい

そもそも事業計画を立てる目的は、前回のブログで説明した次の4つです。

  1. 自分の事業と立ち位置が分かる
  2. どこを目指すべきかを決められる
  3. やらなくていいことが分かる
  4. 目標の達成状況について振り返りができる

事業計画を策定する際には、これらの目的を達成できるような計画になっている必要があります。

詳細は前回のブログを御覧ください。


埋めるだけで事業計画ができる!無料テンプレート

しかし、あまり計画策定に馴染みがない人にとって、目的がわかっても何を書けばいいのか見当を立てづらいものです。無料で使えるテンプレートがいくつか公開されていますので、まずはそれを使って埋めていくといいでしょう。

日本政策金融公庫 創業計画書

おなじみ日本政策金融公庫のテンプレートです。創業計画書は、日本政策金融公庫の創業融資を申し込む方向けに作られている資料です。公庫の担当者が、創業融資を借りたい人の事業を端的に把握するためのものですので、事業を整理する上で必要な項目が一枚の紙へ全て記載されています。

これを埋めてしまえばそのまま融資の申込みにも使える、非常に分かりやすく使いやすいテンプレートになっています。ただし、一枚に纏めているために記載箇所が狭いため、必要に応じて詳細を別の紙に書き起こすことが必要でしょう。

Microsoft Officeテンプレート 事業計画書

Microsoftが公開している事業計画書のテンプレートです。公庫の様式と記載項目はほぼ同じですが、Officeのテンプレートとして作られているため、サイズの変更や項目の追加が柔軟に行いやすくなっています。さらに、計算式が入っている部分もあり、合計値などは自動で計算してくれます。

日本の人事部 事業計画書テンプレート

日本の人事部は株式会社HRビジョンが運営するポータルサイトです。様々な役に立つ情報が掲載されており、事業で使えるテンプレートも数多く公開されています。日本の人事部の事業計画書のテンプレートは、他の2つと異なりパワーポイントで、内容も事業にフォーカスしたものとなっています。

ただし、収支計画についてはテンプレート化されていないため、まずは他の2つのテンプレートを用いて事業の数値を整理し、誰かへ説明する場合や単一事業の戦略を深堀りするために使用するとよいでしょう。

※ダウンロードには日本の人事部への会員登録が必要です


事業計画を立てる手順~どこから埋める?

事業計画を立てる上では、「変えたくないこと」「変わらないこと」から埋めていくことをおすすめします。

たとえば日本政策金融公庫の創業計画書は、以下の8つ(自由記入欄を含めると9つ)で構成されています。

  • 創業の動機
  • 経営者の略歴等
  • 取扱商品・サービス
  • 取引先・取引関係等
  • 従業員
  • お借入の状況
  • 必要な資金と調達方法
  • 事業の見通し

創業の動機は、創業を決めた過去の話であり「変わらないこと」にあたります。さらに、事業を行うことで何を得たいかを示す、「変えたくないこと」の源泉でもあります。どういう思いで創業を思い立ち、どうしてその事業をしようと思ったのかを記載しましょう。

一般に、最初の動機をずっと意識し続けて事業を行い続けるのは難しいことです。ポリシーに反してやりたくなかったことをやらなければならない場面も一時的に出てくるかもしれません。そのような場合でも、計画書に明文化しておくことで、いつでも振り返って自身の事業の源泉を意識し直すことができます。

創業の動機が埋まったら、経歴や取引先等、今既に決まっているところを埋めていけばいいでしょう。借り入れの状況は融資の審査項目であるため、自分用であれば全て記載しなくても構いません。

最後に、決まっていない部分を記載します。特に、セールスポイントについてはここまでに書いた創業の動機や、自身の経歴からお客様へ提供できる価値を全て拾うつもりでピックアップしてください。きっと、改めて考えてみるとこれもセールスポイント?と思えることがあるはずです。


小規模事業者のSWOT分析の考え方

事業計画のセールスポイントを埋めていく上では、SWOT分析の考え方が重要になります。

SWOT分析は数々ある経営のフレームワークにおいて定番中の定番と言える存在です。自身の経営環境を内部環境である強み(Stength)弱み(Weakness)、外部環境である機会(Opportunity)脅威(Threat)の4つに分け、経営課題を明らかにするためのツールとして今でも使われています。

しかし、小規模事業者の場合、業界内のすべての企業に勝てる強みを持つ事業者はほとんどいません。弱みしかない、脅威しかない…という結果になりがちです。例えば仮に個人経営の日用品店を経営する場合、近所のイオンと比べたら弱みばかりが埋まるような状態になるでしょう。

そのため、スモールビジネスやフリーランスでSWOT分析を行う場合は、「強み」と「機会」に着目することが大切です。強みを伸ばして、まずは市場の隙間からポジションを確保していきニッチトップを目指す戦略が多くの場合有効になります。

小売店の例えであれば、仕入れの力や広告力に劣っていても、あるいちメーカーの商品の品揃えでは勝る、などの強みの伸ばし方が考えられます。私が過去に支援したことのある小売店のお客様では、とあるメーカーと個人的な付き合いがあり、そのメーカーの商品だけは限定品も含めて優先的に仕入れを行うことができる例がありました。


数値目標の設定方法

最後は数値目標の設定についてです。

数値目標は、後から振り返る際に達成・未達が一番分かりやすく、事業計画において最も力を入れて設定する項目となるでしょう。何をどのように売っていくか、その数値とするためにどのような戦略を行うかを丁寧に決めていきましょう。

おすすめの設定方法は、まずは大きな枠組みとして「売上を1.5倍にする」「2倍にする」などとざっくり決めてしまうことです。ざっくりとした数値を決めてから、それを達成するために細分化した目標として何をどれだけ売ればいいのか?今の販売チャネルだけで足りるのか?を検討していくとよいでしょう。

例えば今取り扱っている商品だけでは目標が達成できなくても、新しい商品の取り扱いを増やすことで達成できるかもしれません。もしくは、販売先を増やすことや広告の方法を変えるなどの手段もあるでしょう。

目標に対してどこまでが今の延長線か、どこからが今のままでは達成できない数字か(ストレッチ目標と言うこともあります)かを線引きし、数値目標を戦略に落とし込むとよいでしょう。


今日は事業計画と目標の具体的な立て方でした!自分の事業について事業計画を立てていないという方はぜひ実践してみていただけると嬉しいです。また、当事務所では事業計画の策定支援も承っております。自分で立てるのは難しい、これでいいか分からない、もっと活かすにはどうすればいいのか知りたい…という方はぜひ無料相談を活用ください。


古川経営コンサルタント事務所では、事業計画策定や経営にまつわるあらゆるご相談を受けております。初回の打ち合わせは無料(ただしZoomのみ)ですので、お問合せフォームからぜひご連絡ください!

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