あきらめるのはまだ早い!アレルギーは良くなる〜アレルギー体質を根本的に改善する方法

Dr.コバ

こんにちは!こばやし内科クリニックの小林です。

今回は『アレルギー』の本質に迫り、根治を目指すための記事です。

この記事を読んだあなたはきっと、アレルギーを克服する自信が湧いてくることでしょう。

小春

ボクはよくクシャミが出るニャ〜!!

アレルギー』、いやな言葉ですね〜。

花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、動物アレルギー、食物アレルギーなどなど・・・

アレルギーで苦しむ方は非常に多いです。

あなたも何かのアレルギーをお持ちですか?

僕も昔はアレルギー性鼻炎があって、鼻詰まりと鼻水で苦しみました。

アレルギーは国民病と言ってもいいぐらい、多くの日本人が苦しんでいます。

平成26年の厚生労働省の統計を見てみましょう。

平成26年 アレルギー疾患の年齢別割合(厚生労働省統計)

上のグラフを見てみますと、喘息が118万人、アレルギー性鼻炎が66万人、アトピー性皮膚炎が46万人、結膜炎が28万人となっています。

これは医療機関を受診している人の総数なので、病院に受診しない軽症の人は含まれていません。

アレルギーで苦しんでいる人は医療機関に受診している人の2~3倍は実際にいるのではないでしょうか。そうすると、アレルギーの患者さんは500~1000万人はいると考えられます。

10人に1人程度はいる計算です。

あなたの身の回りもそんな感じではないでしょうか。

ところで、アレルギーは体質だから治らないと思っていませんか

大好きな猫や犬と一緒にいたいのに、動物アレルギーだと悲しいですよね。

そもそも、なんでアレルギーになるんでしょうね?

日本ではなぜアレルギーが蔓延しているのでしょうか?

そんな疑問をこの記事で一気に解決したいと思います。

キーワードは腸内環境』『リーキーガットです。

気になる方は、どんどん読み進めていってくださいね。

アレルギーに対する一般的な治療法

あなたが花粉症になったとします。

アレルゲンは花粉です。

症状はくしゃみと鼻水です。

病院に受診すると、アレルギー症状を緩和する『抗アレルギー薬』が処方されます。

鼻の症状だと、飲み薬と点鼻薬の両方が渡されることが多いでしょう。

抗アレルギー薬は抗ヒスタミン剤と呼ばれ、アレルギー症状を起こす元となる「ヒスタミン」を抑える作用を持ちます。

点鼻薬は局所に作用するため、副作用の心配はほとんどありませんが、飲み薬は副作用の心配があります。

今の薬はだいぶ改良されていますが、ネックは「眠くなりやすい」ことです。

また、抗ヒスタミン剤は『抗コリン作用』というものを持ち、簡単に言えば副交感神経を抑えてしまいます。

特に出やすい副作用は「口渇(口がかわく)」、「尿閉(尿が出づらくなる)」です。

特にご高齢の方には副作用が出やすい傾向があります。

さらに、緑内障をお持ちの方には悪化させる恐れがあります。

このように、抗ヒスタミン剤は非常に多用されていますが、副作用の多い薬なのです。

あなたも抗ヒスタミン剤を飲んだことがあるのではないでしょうか。

さらに、内服薬には気管支喘息や鼻閉(鼻詰まり)型のアレルギー鼻炎に使われる抗ロイコトリエン薬があります。

体の中で作られるロイコトリエンという物質もアレルギーに関与します。

内服薬の他に、IgEというアレルギー反応に関わる免疫グロブリンの一種の働きを抑える、抗IgE抗体という点滴薬がありますが、こちらは非常に高価であり、使用については重症の気管支喘息のみに限定されています。

また、『減感作療法』というものを病院によっては行っている所があります。

こちらは原因となるアレルゲンを直接、注射したり、口に入れたりして徐々に体を慣れさせるものです。うまくいけば、アレルギー反応が起こらなくなることがあります。

しかし、治療を数年にもわたり継続しないと効果が出にくいというのが欠点です。

これらの治療は人によっては効果が期待できますが、根本的な治療ではなく、あくまで『対症療法』です。

アレルギー体質が薬で改善することはありません

僕は多くの方に根本的な改善法を実践していただきたいと願います。

そして、それは病院に通院しなくても実践できる内容なのです。

アレルギーの本質を理解するために、アレルギーが起こるメカニズムを確認していきましょう。

アレルギーが起こるメカニズム

そもそも、アレルギーってどうして起こるのでしょうか?

花粉症であっても、気管支喘息でも、アトピー性皮膚炎でも、アレルギーは食べ物から始まります。

花粉症や気管支喘息は食べ物と関係ないのでは?って思いますよね。

しかし、大元の原因は食べ物の中のタンパク質なのです。。

例えば、花粉のアレルゲンと果物のアレルゲンはよく似ており、果物のアレルギーが生じると花粉症になりやすくなります。

花粉症は花粉のアレルギーから始まるわけではなく、食べ物のアレルギーが発端で発症します。

つまり、アレルギーは人間の外側の問題というよりは、内側の問題で起こるということを認識するべきです。

さらに内側の問題を探っていきましょう。

食べ物の中のタンパク質は消化管の中で、消化酵素によってペプチドに分解され、さらにアミノ酸やジペプチドなどの形で小腸で吸収されます。

タンパク質が細かくならないうちに小腸に吸収されてしまうと、血液に分子量の大きなタンパク質が入るため、異物として認識されてしまいます。

たとえ食べ物からのタンパク質であっても、体の中では『異物』として認識します。

異物と判断されてしまうと、抗体(IgE)ができてしまい、2回目の侵入に対して予防線を張られることとなります。

そうすると、アレルゲンとなった食物を摂ることで、抗体(IgE)が肥満細胞に指令を出します。

肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンが分泌され、鼻水、くしゃみ、咳、目のかゆみ、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状が出ます。

それでは、どうしてタンパク質が未消化のまま体内に侵入してしまうのでしょうか

それは『リーキーガット』という状態が存在するかどうかで決まります。

リーキーガットは後で詳しく説明しますが、腸内環境の良し悪しと密接な関係があります。

下痢や便秘のない、健全な胃腸をお持ちの方はアレルギーは起きにくいのです。

健全な腸とは腸内環境が良好だということです。

あなたも腸内環境という言葉をよく耳にすると思いますが、具体的にどのような状態なのでしょうか。

腸内環境がいい状態とは、腸内細菌のうち善玉菌がしっかり働いており、腸にも炎症が起きていない状態です。

症状としては便秘も下痢もなく、ガスが溜まっておなかが張ることもないです。

腸内環境が悪いと、腸内細菌のうち悪玉菌が優位となり、炎症が起きやすい状態となります。悪玉菌は有毒なガスも発生してしまいます。

正確には日和見菌(ひよりみきん)という普段、何もしない細菌が腸内環境によって、善玉菌の味方をしたり、悪玉菌の味方をするかどうかで、腸内環境が決められます。

日和見菌は身勝手な菌なので、優勢と思われる方に簡単に寝返りします。

なお、腸内環境が悪い時の症状としては、便秘や下痢になったり、匂いのきついガスが出たりします。

おなかもガスが溜まって張りやすいです。腹痛を感じることもあるでしょう。

僕は以前は腸内環境が最悪でした。ラーメンを食べたら必ず腹痛を伴う下痢をしていました。おそらく、グルテン不耐症がかなり災いしていたのでしょう。さらに鼻炎もあり、なかなかよくなりませんでした。

腸内環境を良くするには?

それでは腸内環境を良くするにはどうすればよいでしょうか?

腸内細菌を善玉菌優位にするためには、『食物繊維』を摂取することが必要です。善玉菌を直接補給することも有効です。

野菜や果物、海藻、キノコなどの食べ物から摂ったり、オリゴ糖を摂ったりすることで食物繊維が補給できますね。

このことを『プレバイオティクス』といいます。

プレバイオティクスとは、食物繊維の作用で善玉菌を増やすことを指します。

食物繊維を腸に届けてあげれば、善玉菌のエサとなりますので、善玉菌が増えてきます。

これに対して、『プロバイオティクス』は、乳酸菌やビフィズス菌を含む発酵食品を摂取することです。

日本は伝統的に発酵食品の宝庫ですね。味噌、醤油、漬物、納豆、酢など。

僕はヨーグルトやチーズのような乳製品はお勧めはしません。

理由は後述します。

腸内環境を悪くしやすい2つのもの

食物繊維を一生懸命摂っても、腸にとってマイナスになるものを食べてしまうと腸内環境はなかなかよくなりません。

腸内環境を悪くしやすい2つのものとは?

それは『グルテン』と『カゼイン』です。

グルテンは小麦と水が合わさってできるタンパク質です。

カゼインは乳製品に含まれるタンパク質です。

小麦から作られている食べ物って世の中に溢れていますよね。

乳製品もスーパーにずらっと並んで、習慣的に摂っている方も多くいらっしゃるでしょう。

なぜ、この2つが腸内環境を悪くしてしまうのでしょうか?

グルテンとカゼインは分解されると『エクソルフィン』というモルヒネ様物質に変わりやすいのです。

モルヒネに近いということは、依存性があるということです。

そして、さらにエクソルフィンはT細胞という免疫細胞を動員していまい、小腸に炎症を起こす恐れがあります。

実際、『遅延型アレルギー検査』を行うと、アレルギー体質の方はグルテンとカゼインに強いアレルギー反応を示すことが多いのです。

遅延型アレルギーとは、食べ物を食べたことですぐに症状が出ないのですが、数日から数週間後に頭痛、肩こり、めまい、うつ、疲労感などが出現する、わかりにくいアレルギーです。

さらに、グルテンとカゼインは『リーキーガット』という状態を引き起こします。

リーキーガットとは何か

リーキーガット、どのくらいの方がご存じでしょうか?

まだまだ認知度が低い概念です。

リーキーガットとは英語で標記すると『Leaky Gut』となり、日本語に訳すると『漏れやすい腸』という意味になります。

リーキーガットとは、一体どういうことなのでしょうか?

腸を調理に使う『ざる』に例えてみましょう

正常な腸は上の『ざる』のように、網目が密に張り巡らされて、小さな物質しか通さない構造となっています。

小さな物質のみが体内に吸収され、血液の中に入っていくのです。

次に、腸に炎症が起きた時のことを考えましょう。

腸に炎症が起こると、腸の細胞をつないでいるタイトジャンクションというヒモのような組織が緩んだり、痛んだりします。

そのことによって、腸のスキマが大きくなり、十分に消化されていない状態の大きな物質も通してしまい、血管の中に入り込むことになります。

また、炎症によって『血管透過性亢進』という状態が起こり、簡単に血管の中に物質が入ってしまいます。

このようなスキマの多い『ざる』になってしまうので、十分に消化されていない食べ物がダダ漏れになってしまうわけです。

なんとか、腸がスカスカにならないようにしたいものですね。

アレルギーを改善するためには

リーキーガットについてはしっかりとご理解いただけましたでしょうか?

腸内環境を良好にし、リーキーガットを治すことが最も根治的な方法です。

そのためには、グルテン、カゼインは可能な限り除去しなければなりません。

いわゆる、グルテンフリー、カゼインフリーです。

有名なトップテニスプレーヤーのジョコビッチ選手も、グルテンフリーを実践することで体の不調を克服し、世界ランキング1位を勝ち取りました。

ですが、グルテンフリー、カゼインフリーを実践するとなると、相当な覚悟と準備が必要です。

除去するための根拠が必要!とのことでしたら、アンブロシア社の遅延型フードアレルギー検査を自宅で行うことができます。

この手の検査は非常に高価なのがネックですが。

『微量採血』という方法で、指からのわずかな血液で調べられます。

僕の長男にも、近いうちに遅延型フードアレルギー検査を受けさせることを考えています。間違いなくリーキーガットがあると思いますので。

人によってはさらに必要なこと

腸内環境を改善するためには、今まで解説してきたことだけでは改善しない方もいらっしゃることでしょう。

日光浴が不十分でビタミンDの体内での合成が不足していると、小腸の細胞をつなぐタイトジャンクションという組織が脆くなります。

ですので、ビタミンDが不足している人はサプリメントなどで補充する必要があります。

腸の炎症が強く、腹痛・下痢などの症状が強い場合は、グルタミンを補給したり、乳酸菌を補充する必要も出てきます。

最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

アレルギーの本質、対処法をご理解いただけましたでしょうか?

リーキーガットを治すことは、ある程度はご自身で対処できるかと思います。

しかし、個人でできることには限界がありますので、何かありましたら当院に相談していただけますと幸いです。

それではまたお会いしましょう。

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