左利きは不便なのか!?

ライフ

生まれてから50数年、左利きとして生きてきました。

箸を持つのも、字を書くのも、オシリを拭くのも左手を使ってます。

最近はテレビを見ていて、左利きの方を見かけることは当たり前になりました。

なので、テレビを見ていて左利きの人を見ると

「お、ギッチョだ!」と思わず声を上げてしまうわけです。

僕が子供の頃は、テレビで左利きの人を見ることは皆無でした。

当時何かの話で聞いたのですが、左利きの役者さんは、演じる時には必ず右利きとして演じなければならないという決まり事があったようです。

身近な生活の中にも、”左利きは右利きに矯正しなければならない”という雰囲気というか、風潮というか、常識が、当時は何の疑いもなく存在していたわけです。

それが、世の中は右利き用に作られているから不便なく生活していけるように、という心遣いでもあったことに気づいたのは、大人になってからです。

言われてみれば、見渡せば世の中は右利き向きに作られているのですね。

駅の改札は右側。券売機も右側にお金を入れる口があり、自販機もそう。コピー機のスタートボタンもパソコンのマウスも。ハサミも右利き用に設計されているとか。

一説には、左利きは右利きより寿命が短いということも聞いたことがあります。

様々な右利き向きの生活用品を使わなければならないというストレスが、左利きの寿命を縮めているとか。

真偽のほどは定かではありませんが。

じゃあ、それほど左利きは不便を感じているのか?

大方の左利きの方がそうだと思うのですが、それは「否!」ではないでしょうか。

何しろ物心付く前から左手でそれらを使いこなしているのですから、使いづらいとか、不便だとか、感じることなどないわけですね。

改札が右側にあろうが、自販機のお金の投入口が右側にあろうが、ほんの数十センチ左手を動かせば良いだけですし、何より不便でない状態を経験していないのですから、不便を感じることもないわけです。

ハサミなんて良い例ですね。

たいていの人が、「ハサミ、左手じゃ切れないですよね」

と言いますが、普通に切れます。

試しに右利きの方が左手で使うと、あ~ら不思議。うまく切れない。

じゃあ、僕が右手で使うとどうかというと、左手と同じように切れるわけです。

最近は”左手用ハサミ”というのが文房具店で売っています。高いものではないので、一度買って試したのですが、特段使い勝手の変化は感じられずに普通に切れるわけです。ちなみに右手で使っても普通に使えました。

まあ、ちょっとした力の入れ方が身に付いているのでしょうね。

字を書くのも大変では?

と聞かれますが、これもまた同様に大変でもなんでもないわけです。

どうしても不便を感じたものの一つとしては、野球のグラブです。

子供の頃、右利き用より高価な左利き用グラブは買ってもらえなかった。

よって、右利き用グラブを無理やり装着してプレイしたものです。

これはちょっと無理があり過ぎました。

ある日父親が左利き用グラブを買ってきてくれた時は、嬉しかったな…。

まあ、だから野球がうまくなったか?と言えば、「否!」ですけど。

あと、食事をするときの着席位置には気を使います。

特に狭い空間の場合だと、左側に座る方に迷惑がかかるからと自分が左側に座るように心がけるのですが、明らかに左側が上座に当たるとなると、事は簡単にはいかなくなるわけです。

いくつになっても”上座には座ってはいけない”習性がついてしまっている我が身悲しさも、ありますね…。

食事の席といえば、一度4人で食事をしたとき、4人全員が左利きだったという経験がありました。

まあ、着席位置を気にする必要はなかったのですが、4人が揃って左手を使って食事をしている光景は、ちょっと違和感を感じてしまいました。日頃、右利きの方々が食事をする光景を見慣れているせいでしょう。

10人に1人と言われるマイノリティが4人揃ったわけですから、それはそれで貴重な場面だったと思います。

何からなにまで左手を使うと書きましたが、ギターは左手でネックを持って右手でボロンとやりますし、弓を引く時は左手(弓手)で弓を持ち引くのは右手(馬手)。パソコンのキーボードはちゃんと両手を使います。

右利きの方々と同じです。

ギターなんて、逆手で弾く人もいるようですが、教則本に左利き用はないでしょうから、恐ろしく大変でしょうね。

弓で思いましたが、刀は左で持つだろうな。なので、腰に差すときは右腰。

戦国時代だったら出世はしなかったでしょうね。

戦国時代じゃなくても出世はしていませんが。

そうそう、ひとつ右手でする事がありました!

♪思春期に~ 少年から~ 大人に変わる~♪

性を知った手技は右手を使います。

なぜ右手を使うのか?これは自分でもわかりません。

利き手ほどに細やかに動かないところが、どこか”他人の手”感があって良いのかもしれないですね。

不可解なものです。

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