紅茶を美味しくいれるティーポットに必要な条件とは

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長らくご無沙汰しておりました。

先々月に引っ越しをしたんですが、手続きや片付けやらでびっくりするくらい時間と体力が吹っ飛びました。

最近になってやっと落ち着いたのでブログを再開します。

つい先日、友人から引っ越し祝い何が良い?と尋ねられ、喜んで「じゃあティーポットが欲しい!」と答えました。

私が長年愛用していたのは、紅茶専門店勤務時代に職場で使用していた白磁のティーポット。

丈夫で使いやすかったのですが、以前うっかり落としてしまったときに注ぎ口が欠けてしまって、以来注ぐときに液だれしてしまうようになっていました。

引っ越しにあわせて、その欠けたティーポットを処分したので、これを機に新しいティーポットを買おうと思っていたのです。

今回は美味しい紅茶をいれるために必要なティーポットのお話です。

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美味しい紅茶をいれるティーポットの条件とは

紅茶をいれるのに必要な道具と言えば、ティーポット・茶こし・ティーカップの3つが最低限必要です。

その他にも色々有ると便利なものは有りますが、とりあえずは先の3つが有れば大体なんとでもなります。

では紅茶を美味しくいれるために必要なティーポットの条件とは何でしょうか?

様々な意見があると思いますが、私が考えたティーポットの条件は次のとおりです。

美味しい紅茶をいれるティーポットの条件
  1. 1回で飲む紅茶の量に対して適正な容量であること。(大きすぎず小さすぎない)
  2. 保温性があること。
  3. 対流が十分に行われるように、内部が広く丸みのある形状であること。
  4. ポット内部に茶こしが付いていないこと。付いている場合それを取り外せること。
  5. お湯の投入口が小さすぎないこと。

この5つを満たしていれば、どのメーカーのポットでも好きに選んで良いと思います。

それぞれの条件についてもう少し詳しく解説してみます。

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1:1回で飲む紅茶の量に対して適正な容量であること。(大きすぎず小さすぎない)

紅茶はティーカップ1杯だいたい茶葉3g、お湯180mlくらいです。

ティーポットで美味しい紅茶をいれるには、1人分の紅茶でも一度にいれる量はカップ1杯分ではなく2杯分以上いれるようにしてください。これは1杯分の少ない分量ではポットの中で上手く対流しないからです。

2杯分は360mlから400ml程度ですので、最小でも容量500ml程度のティーポットが必要になります。

ただこれは基本的な考え方ですので、ご自身が使用しているティーカップやマグカップの容量を計り、一回にそのカップで何杯分の紅茶をいれたいか考えて決めると良いでしょう。

例えば私は一度にいれる量を大きめのマグカップ300ml×2杯=600mlと決めました。

容量600ml程度のティーポットは、紅茶専門店で一人用ティーポットとして使用されることが多いサイズです。ちなみに大きいサイズのティーポットはその倍で大体1Lから1.2Lくらいです。

ティーポットは厚みなどで容量が大きく変わりますので、購入の際は外寸だけでなく表示されている容量をしっかりとチェックしましょう。

最初から大きいティーポットを購入すれば良いのでは?と思われるかもしれませんが、大きなティーポットはテーブルのスペースや収納場所が思ったより多くとられます。

また大きさに比例して重量もあるため、洗う時大変です。ですので自分の必要量に対してあまりに大きすぎるポットはご自宅では使いにくいと思います。

一般的には頻繁に複数で紅茶を飲む場合は大サイズ、1人で飲む事が多い場合は小サイズがおすすめです。

ただし一人でもたくさんの紅茶をガブガブ飲みたい!という方は大サイズを選んで大丈夫ですし、4人家族でも小さなカップで飲むという場合は小サイズで事足りるかもしれません。

ご自分の欲しい容量に合ったティーポットを選ぶのが使いやすいポット選びでは重要です。

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2:保温性があること

ティーポットは、ある程度厚みが有り保温性が良いものをおすすめします。

紅茶をきちんと抽出するには熱湯を茶葉に注いだ後、最長で5分程度蒸らさないといけません。この時、温度が下がりすぎてしまわないように保温性に優れたポットが望ましいからです。

更にティーコージーという保温カバーや、無ければタオルでポットを包んで温度が下がらないように注意します。

コットンニット素材のティーコージ

ティーポットの素材は磁器・陶器が最も多いです。次いでガラス製などがあります。

磁器は頑丈で保温性も高く扱いやすいです。中でも白磁と言われる黄味を帯びない真っ白な磁器は、紅茶の色を美しく見せてくれることもあって人気が高いです。

陶器のポットは、ややぽってりとして素朴な温かみが魅力です。ただ陶器は扱いが難しい部分が有るので注意が必要です。

まず陶器は磁器に比べると強度が低いので取り扱いに注意しましょう。ちょっとした衝撃で真っ二つに割れることが有ります。

また吸水性があり、うっかり中身を入れたまま放置してしまうとポットが変色したりカビが生えたり、匂いが染みついてしまいます。

ただ逆にこの吸水性を利用して、陶器のティーポットで毎日お茶を飲む事で自分独自のポットとして育てるという方法も有ります。

そうやって長年大事に育てられた陶器のポットは角の取れたまろやかな美味しい紅茶をいれる事が出来ます。

注意点をもう一つ、陶器は香りも染みつきやすいのでフレーバーティーをいれると香りが抜けなくなってしまいます。フレーバーティーをよく飲む人は陶器は避けた方が無難でしょう。

磁器も陶器に比べると僅かですが、紅茶の味や香りに影響を与えます。匂い移りは陶器ほどではありませんし、漂白してしまえば綺麗に落ちます。

紅茶の味や香りを一番そのまま出すと言われるのは、ガラス製のポットです。

ガラスは、味や香りに良くも悪くも一番影響を与えない素材です。

難点は衝撃や急な温度変化に弱く割れやすいこと、そして温度が下がりやすいことです。

ガラスポットを使う場合は取り扱いに気を付け、事前にお湯で十分にポットを温めたり、蒸らす間はティーコージやタオルを多めに被せて温度が下がらないように注意します。

注意

メリオールと言われる筒型のガラスポットは紅茶をいれるには適していませんので使わないでください。

昔、喫茶店では紅茶がメリオールで提供される光景をよく見かけましたが、元々はコーヒーを淹れるための器具です。

くれぐれも間違って購入してしまわないようにしましょう。

では実際にティーポットの素材は、どれが一番良いのでしょうか?

色々と書き連ねましたが実際のところ好みの味や香りの立ち方は人それぞれですので、どの素材が良いとは一概に言えません。

一口に陶器、磁器と纏めても、細かいことを言えばその素地の土によって味わいに違いが有るので「陶器のポットなら良い」とも言い切れないのです。

しかし好みを探すためにティーポットを色々試すのは中々難しいですし、日々のメンテナンスが大変だと紅茶を飲むのがおっくうになってしまいかねません。

ですので、まず初めてティーポットを購入しようと思っている人には、紅茶専門店の販売するオリジナルポットはいかがでしょうか。

紅茶専門店で使用するポットは、多くの人が使いやすいように考えられています。大体は磁器製で、メンテナンスもしやすいですよ。

ちなみに私の場合は粗忽ものなので、食器や茶器は陶器ではなく磁器を選びます。

3:対流が十分に行われるように、内部が広く丸みのある形状であること。

紅茶の味と香りをよく抽出されるためにはティーポットの形状も大事です。

ポットに茶葉を入れ、お湯を注ぐと空気を含んだ茶葉が上下にくるくると対流しだします。

これをジャンピングといい、紅茶の味や香りをよく引き出してくれます。

ジャンピングが起きやすいようにポットの内部は広く丸みのある形状が望ましいです。

また、最初に1つ目の条件で書いた適正な容量もジャンピングをしやすくしてくれます。

紅茶をカップに注ぐ前にポットの中をソーサーでくるくるかき混ぜる人がいます。

お湯を注いだ後の茶葉は非常に崩れやすくなっているため、ぐるぐるかき混ぜてしまうと崩れて茶こしで取り除けないような細かい茶殻が出てしまいます。

飲んだ時の舌触りが悪くなりますので止めましょう。

4:ポット内部に茶こしが付いていないこと。付いている場合それを取り外せること。

日本茶を飲む急須には、中に茶こしがついているものがあります。

ティーポットにも付いている場合がありますが、基本的に紅茶のティーポットの内部に茶こしはおすすめ出来ません。

紅茶の味と香りを十分に出すには、茶葉がお湯を含みジャンピングしながら十分に開く必要があります。

茶こしの内部はどうしても狭くジャンピングも起きにくく、茶葉が開くスペースもあまり有りません。

よく考えるとティーバッグで紅茶をいれているのと似た状況です。

もちろん、紅茶を美味しく淹れるほかの条件(新鮮な熱湯・新鮮な茶葉など)を守ればある程度美味しい紅茶にはなりますが、せっかくポットを使っているのに何だか勿体ないですよね。

ティーポット内部の茶こしは通常取り外せますので、是非取り外して使用してみてください。

もし洗うのが面倒、忙しい合間に飲むから内部の茶こしをどうしても使いたいという場合は、BOPやCTCの細かな茶葉を使用してみると良いですよ。

ダージリンなどOPの紅茶は葉の形状がそのまま残っていて開くのに大きなスペースが必要ですので、是非茶こしを外して楽しんでくださいね。

5:お湯の投入口が小さすぎないこと。

これはメンテナンスの問題です。

お湯の投入口はきちんと手が入れられる大きなポットを選びましょう。

紅茶は茶渋がつきやすい飲み物です。

底の方に手が届かず擦り洗いが出来ないと、あっという間に茶渋だらけになるし、洗いにくくてストレスが溜まるし、段々紅茶をいれるのが億劫になる、なんて負の連鎖に陥ります。

もちろん漂白すれば良いのですが、毎日漂白なんてちょっと面倒臭いですよね。

お店でポットを選ぶときはスポンジを持ったつもりで実際に手を入れてみて、きちんと洗えるなと思える広さがあるものを選びましょう。

余談ですが定番の白のティーポットは、どんな色のテーブルウェアにも合うし素敵なのですがやはり茶渋が目立ちます。

気になる人は思い切ってブラウンやネイビーなどの濃い色に挑戦するのもおすすめですよ。

漂白する頻度がぐっと減って気が楽になるかもしれません。

これからティーポットを購入するぞという方の参考になれば幸いです。

次回の更新は、この条件に照らし合わせて選んだティーポットのお話です。