「あの…もし良かったら、私のこと…」
それは抱いてくれ、という表明でした。
「もちろんそのつもりで来ているよ。」
私は女性からの表明を待っていました。
普段、女性とラブホに行くと言うのはその話に乗ってきた時点で私とセックスをしてもいいと言うことになります。
大人同士ですし、ラブホとはそういう場所でもあります。
今回の場合はいきなり自宅に招かれている…しかもクリスマスの夜に…その時点で「性なる夜」になるに決まっているのです。
しかし、その間の大人同士の会話でも、一度女性の方から「セックスの対象」とのメールでの表明はあったにせよ、不躾に私の方からセックスをすることを促すことは如何なものかな?と思いました。
いや、もっと嫌らしい考え方からすると、求められてから「したい」というところがありました。女性のボルテージが上がり、欲しくなった時まで待つ…これは美しくてセクシーなお相手だったからこそ私もずいぶん我慢しましたが、ある意味では私のSっ気が出たところでもありました。
セックスなんて普通は男がしたいものです。
それを女性から「したい」と言わせることは男冥利に尽きることでもありました。
ただ、その後のプレイで満足をさせないと…このプロローグも三文芝居に終わってしまいます。
たまたま(いや、本当に「たまたま」なのです)、三文芝居にはならなかったのです。
(つづく)